狂犬と消失少年   作:火の車

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最後の新作です。
もうしばらく増えないですね。


序章

 突然だが、俺は今までそこそこ楽しく生きて来た。

 家族もいて、友達もいて、大きな病気もなく、不自由なく過ごしてきた。

 そんな俺、出水陽介も今日から高校2年生!

 

陽介「__おはよー!母さん!」

陽介母「おはよう、陽介!」

 

 俺の家は普通の一軒家だ。

 朝は母さんが作ってくれてる朝食を食べて、洗面などをし、学校に行くのがいつもの流れだ。

 

陽介「そう言えば、父さんは?」

陽介母「もう仕事に行ったよ。なんか忙しらしくって。」

陽介「そうなのか?頑張ってるんだなー。」

 

 俺はそんな事を言いながら朝食を食べた。

 そして、洗面を済ませ、家を出た。

__________________

 

 俺の通う高校は家からそこそこ近いところにある。まぁ、それが理由で選んだんだけどな!

 難点を挙げるとするなら、近くに一緒に学校に行くやつがいない事だな!

 

陽介「いやー、2年になってもこの景色は変わらないなー。」

 

 通学路は春らしく、綺麗な桜が咲いてる。

 風も暖かくて、俺としてはかなり気分が上がってくる。

 

陽介「うーん、いい日だー!__ん?」

 

 俺が歩いてると、前を歩いてる女子のカバンからストラップが落ちた。

 制服的に俺と同じ学校だろう。俺はストラップを拾った。

 

陽介「おーい!そこの女子ー!」

?「あ?」

 

 ストラップを落とした女子は落とした可愛らしいストラップのイメージからかけ離れた、いかにもヤンキーそうな風貌だった。

 

陽介「これ、落としてたぞ!」

?「そ、それは!///」

陽介「お前、見た目の割に可愛いの付けてんのな!」

?「よ、余計なお世話だ!///」

陽介「ははは!まぁ、これ返しとくよ!」

?「お、おう。さんきゅ。」

 

 俺はその女子に拾ったストラップを手渡した。

 

陽介「お前、2年だろ?」

?「あ、あぁ。」

陽介「じゃあ、俺と同い年だな!一緒に学校行こうぜ!」

?「え?......まぁ、別にいい。」

陽介「さんきゅー!」

 

 俺たちはそう言って学校に向かって歩きだした。

 

陽介「__そー言えば、お前って何て名前なんだ?」

ますき「私は佐藤ますきだ。」

陽介「佐藤ますきか!じゃあ、佐藤って呼ぶぞ!」

ますき「別に何でもいい。」

陽介「俺は出水陽介!よろしくな、佐藤!」

ますき「よろしくって、別にこれからかかわる事もあるか分かんねぇのに。」

陽介「まぁ、いいじゃねぇか!」

ますき「はぁ。」

 

 ますきはどこか呆れてるような表情をしてたが、気にせずに歩いた。

__________________

 

 しばらくすると、俺たちは学校に着いた。

 

陽介「あれ?工事してるな?」

ますき「そうだな、どうしたんだ?」

 

 学校に着くと、まず、校舎の工事をしてるのが目に入った。

 結構鉄骨やら木材やら積まれてる。

 

陽介「あれが倒れてきたら大変そうだなー。」

ますき「縁起でもないこと言うな。流石にねぇだろ。」

陽介「冗談だって!クラス表見に行こうぜ!」

ますき「ちょ!待てっての!」

 

 俺たちはクラス表を確認しに行った。

 すると、驚くことに俺と佐藤は同じクラスだった。

 

陽介「これからよろしくな、佐藤!」

ますき「......まじかよ。」

 

 佐藤は疲れたような顔をしてた気がするが、まぁ、気のせいだろ!

 俺はそう思い、佐藤と教室に向かった。

__________________

 

 教室に来ると、俺たちは指定された席にそれぞれついた。

 

男子「お!陽介!」

陽介「おー!お前らも同じクラスかー!」

男子2「俺もいるぞ!」

陽介「よかったー!知ってるやつがいて!」

男子「どうせお前なら友達作ってただろ!」

男子2「だよなー」

陽介「いやいや、知ってるやつがいる安心感はすごいんだぞー!」

 

 俺は1年の時の友達と話していた。

 そんな中、少しま佐藤の方を見てみると

 

ますき「......」

 

 自分の席で一人ぽつんと座っていた。

 

男子「どうした?」

陽介「いやー、佐藤が一人でいるのが気になってなー。」

男子2「あ、佐藤だろ?あいつ有名だぞ。」

陽介「え?そうなん?」

男子「女子の間では近寄りがたいって、話しかける奴がいないんだと。」

陽介「へぇ。」

 

 俺は佐藤の方を見た。

 

陽介「じゃあ、ちょっと話しかけてくる!」

男子「お、おい!」

男子2「どんな目に合うか分かんねぇぞ!」

陽介「大丈夫大丈夫ー。」

 

 俺は二人を振り切り、佐藤の方に行った。

 

陽介「さーとう!」

ますき「......なんだ。友達はいいのかよ。」

陽介「佐藤と話したくてなー。」

ますき「たく、変わった奴だな。」

陽介「そうか?」

ますき「あぁ、変わってる。今の私を見て分かるだろ?誰も近づいて来ねぇだろ。」

陽介「そうだな?なんでだろうな?」

ますき「私は怖がられてんだよ」

陽介「なんで?あんな可愛いストラップ付けてんのに?」

ますき「そのことは言うな!///」

陽介「お、おう。」

ますき「ったく、お前は。」

陽介「ははは!悪かったって!」

 

 俺は佐藤としばらく話してた。

 

先生「__おーい、席に着けよー。」

陽介「え?もう時間かー?」

ますき「そうだよ。早く座れ。」

陽介「へいへい。」

 

 俺は自分の席に着いた。

 

先生「えー今日は......なんか、校長の話聞いて終わりだ!」

男子「適当かよ!」

先生「いやーな?先生も面倒なんだよ?興味もない会議をしたり。」

女子「なんで、教師やってるし!」

先生「ははは。あ、そろそろ体育館に行くぞー。」

 

 先生がそう言うと俺たちは体育館に移動した。

__________________

 

陽介(__な、なげぇ!)

校長『__で、あるからしてー。』

 

 とりあえずうちの校長の話は長い。

 例を挙げるなら運動場でしていた朝礼などを体育館に移動させるほどだ。

 それも意味があるかわからないけどな。

 

校長『__で、あるからしてー。』

陽介(何回それ言うんだよ!このハゲ!)

ますき(あー、だりぃ。さっさと引っ込めよハゲ)

校長『__以上です』

 

 校長の話の所要時間、実に始業式の4分の3!

 驚きの長話、退場者18名、教師の舌打ちなんと50回!

 

陽介(驚きの記録だな。むしろ舌打ち聞こえただろうに話し続けるあのメンタル。あのハゲ、ただモノじゃねぇぞ。)

ますき(あー、疲れた。)

 

 俺たちは始業式が終わり、教室に戻った。

__________________

 

先生「__あー、あのハゲ話長いんだよ。」

男子「先生、本音出てるぞ。」

先生「あ、やっべ。......ハ、じゃなく、校長先生のお話はとてもためになりましたねー。」

女子「うっわ、わざとらし。」

先生「いやでもさ、いくらなんでも話長すぎじゃね?」

 

 教室に帰って来るなり、担任の愚痴から始まると言う画期的なスタイル。

 てか、先生が愚痴っていいのかよ。

 

先生「まぁ、なにはともあれ、今日は終わりだ!あのハ、じゃなくて校長先生の話で帰るのが遅くなったがな。」

陽介(いや、めっちゃ愚痴るな。)

先生「じゃあ、寄り道せずに帰れよー。」

 

 先生はそう言って教室を出ていった。

 そして周りも皆教室を出たので、俺も教室を出た。

__________________

 

陽介(さーて、今日は帰って何するかなー。ん?)

 

 俺が教室を出て、校門まで歩いてると、佐藤を見つけた。

 

陽介「おーい!佐藤ー!」

 

 ガタン!!!

 

陽介「!?」

 

 どこかから不穏な音が聞こえ、そっちに目を向けた。

 そこで、俺の目に映ったのは、止めていた金具が取れて、倒れてきてる鉄骨や木材な数々だった。

 それは、確実に佐藤の方に行ってる。

 

陽介(やばい!)

  「佐藤!!!」

ますき「出水?なんだ?」

陽介「佐藤、上だー!」

ますき「上?__!?」

 

 鉄鋼や木材はますきの方に倒れて行ってる。

 

ますき(お、おい、なんで__)

陽介「くっそぉぉぉ!」

 

 俺は必死に走った。

 とりあえず、助けなきゃいけないと思った。手段があるわけでもなんでもない、ただ、本能が佐藤を助けろと叫んでた。

 

ますき(ここで、終わるのかよ__)

陽介「佐藤!!!」

ますき「出水!?」

陽介「頭を守れ!!!」

 

 ガッシャーン!!!

 

__そこからの記憶は残ってない。

 

 ただ、これが俺の人生が崩れ去るほんの序章だったのだと思う。

 

 

 

 

 




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