狂犬と消失少年   作:火の車

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バスの中で

 ライブの日から、少し時間が経った

 

 俺はゆったりとした時間を過ごしていた

 

モカ「__平和だねー。」

陽介「そうだなー。」

蘭「だらけてるね。」

 

 俺は5人と交友を深め、楽しく学校生活を送っていた

 

つぐみ「そう言えば、もうすぐだね!」

陽介「ん?何が?」

巴「知らないのか?林間学校だよ!」

陽介「え?林間?」

 

 高校でそんな行事あるのか?

 

 全く知らなかった

 

ひまり「楽しみだねー!」

蘭「あたしは別に。」

モカ「と言いつつ、もう完全に準備を終えている蘭なのであったー。」

蘭「はぁ!?何で知って__」

モカ「適当だったんだけどー?」

蘭「!?///」

陽介「素直じゃないんだな。」

 

 俺は笑いながらそんなやり取りを見ていた

 

 そうしてると、気を取り直した美竹が話しかけて来た

 

蘭「出水は用意してるの?班とかはあたし達に混ざればいいけど。」

陽介「今知った時点でお察しだな。」

モカ「もう3日後だから準備しときなよー?」

陽介「分かった。」

 

 俺はそう返事した

__________________

 

 時間が過ぎて、俺は家に帰ってきた

 

 家に入ると、嬉しそうに笑みを浮かべているパレオがいた

 

パレオ「__おかえりなさいませ♪」

陽介「ただいま。どうしたんだ?何かいいことでもあったか?」

 

 俺はあまりにも気になったので、パレオに質問を投げかけてみた

 

パレオ「それはですねー、ようさんに理由があります!」

陽介「俺?」

パレオ「はい!ようさんの学校では林間学校なるものがあるらしいですね!」

陽介「あ、あぁ。」

パレオ「ようさんがそれに参加することに前向きであると、学校から連絡があったのです!」

陽介「ま、まぁ、見た感じ最初の学費に含まれてたし。」

チュチュ「よ、陽介!」

陽介「?」

 

 パレオと話してると、チュチュも部屋から出て来た

 

 その手には何かが握られてる

 

チュチュ「これを、持っていきなさい。」

陽介「これは?」

チュチュ「虫よけスプレーよ!」

 

 チュチュはどや顔でそう言った

 

 口元がちょっと緩んでるし、パレオと同じなんだろうな

 

陽介「ありがとう。」

 

 俺は虫よけスプレーを受け取った

 

チュチュ「楽しんできなさい。」

陽介「分かったよ。」

 

 チュチュはそれだけ言うと、奥の部屋に行った

 

陽介「林間の用意でもするか。」

パレオ「あ、していますよ!」

陽介「え?」

パレオ「もしも、ようさんが行きたくないと言ったときに引きずるために用意しておいたのです!」

陽介「」

 

 不穏な言葉が聞こえたが、聞かなかったことにしておこう

 

陽介「ま、まぁ、ありがとう。じゃあ、今日はいつもより手の込んだ夕飯にしようか。」

パレオ「はい!」

 

 こんな感じで、俺は林間までの時間を過ごした

__________________

 

 林間学校の当日になった

 

 いつもより早い時間に集合してるからか、周りの生徒は眠たそうだ

 

蘭「__おはよ、出水。」

陽介「あ、美竹......て、青葉?」

 

 声に反応して、振り向くと、青葉に抱き着かれた美竹がいた

 

 いや、何してるだ?

 

蘭「モカ、まだ寝てるよ。」

陽介「え?」

 

 そう言われて、俺は青葉をよく観察してみた

 

モカ「zzz......」

陽介「まじかよ。」

巴「おー!陽介!」

ひまり「おはよう!いずみん!」

陽介「おはよう、二人とも。」

 

 上原と宇田川の二人が来た

 

 早朝にもかかわらず、二人はいつも通り元気だ

 

巴「モカは相変わらずだなー」

モカ「......おはよー。」

ひまり「あ、起きた。」

陽介「おはよう、青葉。」

モカ「おはよー。」

 

 青葉は美竹から離れた

 

モカ「あれー?つぐはー?」

巴「そう言えば、遅刻か?」

ひまり「いやいや、流石にないでしょー!」

陽介「まぁ、羽沢に限ってないよな。」

つぐみ「__皆ー!」

陽介「ほらな。」

 

 話題になると、ちょうど羽沢が来た

 

 噂をすれば何とやらってやつだな

 

モカ「おそかったねー、どうしたのー?」

つぐみ「ちょっと先生と話してたの。」

蘭「どうしたの?」

つぐみ「出水君、バスの座席どうするのかなって思って!」

陽介「あっ。」

 

 完全に忘れてた

 

 てか、気付いてなかった

 

陽介「ごめん。気付いてなかった。」

つぐみ「いいよ!私も偶然気付いただけだから!」

蘭「それで、どうなったの?」

つぐみ「出水君には悪いんだけど、私の隣が空席だから私の隣って事になったの。」

陽介「いや、普通に役得だと思うんだが。」

つぐみ「え?」

 

 こういう時って、だいたい男子で隣同士だし

 

 羽沢みたいな子が隣なら、男子は嬉しいだろう

 

陽介「どうしたんだ?」

つぐみ「い、いや!なんでもないよ!よろしくね、出水君!」

陽介「あ、あぁ。よろしく。」

 

 少し羽沢が慌ててる気がしたが、特に触れないことにした

 

 他の皆の方を見ると、皆は目を丸くしてた

 

モカ「さ、流石、ようくんー。」

陽介「なにがだ?」

蘭「今、役得とかなんとか。」

ひまり「言ってたよね?」

陽介「あぁ、言ってたな。それがどうした?」

巴「む、無自覚か。」

陽介「?」

 

 4人は一か所に集まって何かを話している

 

陽介「あれ、何してるんだろうな?」

つぐみ「な、なんだろうね?」

 

 そんな事をしてるうちに、出発時間になった

 

 教師の指示に従って、俺達はバスに乗り込んだ

__________________

 

 バスの座席は5人は良い感じに固まってた

 

陽介「__羽沢は窓側か内側、どっちがいい?」

つぐみ「うーん、出水君はどっちがいい?」

陽介「俺は時に乗り物酔いしないから、どっちでもいいよ。」

つぐみ「じゃあ、私が窓側に行くよ。......一応。」

陽介「了解。」

 

 そう言って羽沢は席に座った、俺はその隣に座った

 

 そして、バスが出発した

__________________

 

 バスから見える景色は、知ってる町から全く知らない場所に変わって行った

 

 そんな中、俺には気になってる事があった

 

陽介「__羽沢?」

つぐみ「っ!ど、どうしたの?」

陽介「いや、眠そうだなって。」

 

 さっきから、こっちに倒れそうになるのを必死に抑え込んで、寝ないようにしてる様子が見られた

 

つぐみ「うん、実はね......」

陽介「実は?」

つぐみ「今日が楽しみで、あんまり眠れなくて......///」

 

 羽沢は恥ずかしそうにそう呟いた

 

 まぁ、よくある事と言えば、よくあるな

 

陽介「......まぁ、眠いなら、気にしないで寝てもいいぞ。」

つぐみ「い、いや!それは悪いよ!」

陽介「そ、そうか。」

つぐみ「うん!頑張っておきる!」

 

 と言ってる、羽沢の目はかなり眠そうだ

 

 ......そして、30分後

 

つぐみ「すぅ......」

陽介(寝たな。)

 

 羽沢の健闘もむなしく、意外とすぐに眠った

 

 穏やかな表情で寝てる羽沢は同い年とは思えない

 

つぐみ「うん......」

陽介「!?」

 

 羽沢は寝ずらそうに体を動かして、こっちに倒れて来た

 

 今の状態は羽沢が俺の肩にもたれかかってる状態だ

 

陽介(まぁ、よく寝てるし、いいか。)

 

 俺はそう思い、出来るだけ体勢を崩さないように気をつけながら座っていた

 

 周りを見てみると、美竹、青葉、上原、宇田川は寝てた

 

 その様子を見てると、俺もだんだん眠たくなってきた

 

陽介(......俺も寝るか。)

 

 俺はバスに揺られる感覚と共に、目を閉じた

__________________

 

 ”つぐみ”

 

つぐみ「__ん......」

 

 つぐみはふと目を覚ました

 

 周りは長い道のりからか、ほとんどが寝てる

 

つぐみ「!!///」

 

 寝覚めたつぐみは、自分の状況を自覚した

 

 つぐみの顔は真っ赤だ

 

つぐみ(や、やっちゃった、絶対に変な子って思われた///)

 

 つぐみは眠る陽介の横でうなだれていた

 

 年頃の女子が同い年の男子に寄りかかって寝るのは、どう考えても問題があるのだ

 

 つぐみは羞恥心から脱するために、深呼吸をした

 

つぐみ(お、落ち着いた。出水君は私が寝れてないのが分かってたから気を使ってくれたんだよね。)

 

 つぐみはふと陽介の方を見た

 

つぐみ「!!!」

 

 その時、つぐみの目のは驚くべき光景が広がっていた

 

 陽介の眼帯がとれていたのだ、そして、そこから見えてのは......

 

つぐみ(い、出水君の目って......)

 

 つぐみは自身の目を疑った

 

 見たこともないような縫い目に眼球の形が見られない目がそこにあった

 

 つぐみは困惑した、夢とも疑った

 

 だが、それが現実であることは明確だった

 

つぐみ(と、ともかく、眼帯はつけておかないと!)

 

 つぐみはどうしたらいいか分からなかったが、取り合えず取れていた眼帯をつけた

 

 そして、再度落ち着くために深呼吸をした

 

つぐみ(......大丈夫。出水君は出水君だもん。気にしちゃダメ。)

 

 つぐみはそう思い、動揺する心を落ち着けた

 

 そして、陽介の方を見て、疑問が生まれた

 

つぐみ(なんで、あんなことになったんだろ。)

 

 こうして、陽介たちの林間学校が始まろうとしていた

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