狂犬と消失少年   作:火の車

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デート

つぐみ「__おーい!出水君ー!」

 

 休日2日目

 

 俺は商店街の前で羽沢と待ち合わせていた

 

陽介「おはよう、羽沢。」

つぐみ「うん!出水君は結構、待ったかな?」

陽介「そんなに待ってないよ。」

 

 俺がそう言うと、羽沢はほっとしたように胸をなでおろした

 

 まだ、待ち合わせ10分前なんだけど

 

陽介(本当に、いい子だな。)

つぐみ「出水君?」

陽介「なんでもないよ。」

つぐみ「そう?」

 

 羽沢は首をかしげている

 

 俺は少し笑った

 

陽介「行こうか。」

つぐみ「うん!」

 

 俺たちは移動を始めた

__________________

 

 俺たちは行き先を相談しながら

 

 ショッピングモール内を歩いてる

 

 候補が結構多くて、どこに行くか迷う

 

陽介「__どこがいいかなー。」

つぐみ「うーん。」

 

 俺は特にこれと言った趣味があるわけじゃない

 

 基本的に行先は羽沢に任せたいんだが

 

つぐみ「あ!映画見ようよ!」

陽介「じゃあ、映画に行こうか。」

 

 そうして、俺達は映画館に向かった

 

 俺は映画館に着く前に何を見るかを聞いてみる事にした

 

陽介「何の映画を見るんだ?」

つぐみ「ちょっと、見て見たい映画があったんだ!」

陽介「見てみたい映画?それってどんなの?」

つぐみ「えっと、あ、そこに掲示されてるよ!」

陽介「?」

 

 俺は羽沢が指さしたポスターを見た

 

 見た感じは、恋愛映画っぽい

 

 ピンクとか、桜主体のデザイン

 

陽介「なんだか、爽やかな青春映画って感じがするな。」

つぐみ「なんだか、学校の子が話してるの聞いて、面白いのかなって!」

陽介「へぇ、そんな映画なのになんでネットとかで話題になってないんだろうな?」

つぐみ「きっと、隠れた名作とかだよ!」

陽介「そうかもな。」

 

 俺たちはそうして、映画館の中に入った

__________________

 

 映画館に入った後

 

 俺たちはチケットやら飲み物やらを買った

 

 そして、店員に言われたスクリーンに来た

 

陽介「__結構、人少なくないか?」

つぐみ「そ、そうだね?」

 

 この時点で結構な暗雲が立ち込めてきてる

 

 いや、隠れた名作だとしたら、まぁ、セーフだな(?)

 

陽介「まぁ、上映されて経ってるっぽいから、そう言うのもあるかもしれないな。」

つぐみ「そ、そうだね。」

 

 そうこう言ってるうちに、電気が消え

 

 映像が始まった

 

 最初に公告が入り、本編が始まった

 

陽介(うん。)

 

 最初の入りは高校の入学式当日で

 

 新しい環境に希望を抱いてる主人公

 

 順調に友達を作り、とても楽しそうに見える

 

つぐみ「......?」

陽介(うん?)

 

 突然季節が過ぎ、雰囲気がおかしくなった

 

 主人公の周りから友達が消えた

 

 あからさまに避けられてる

 

陽介(......イジメか。)

 

 流石に映画でも胸が痛む

 

 実際に体験した身だからだろうか

 

 だが、この映画の主人公には希望があった

 

 同じクラスの男子、主人公が恋してる相手だ

 

 イジメられてる主人公に優しく笑いかけて

 

 心の支えになってる

 

陽介(いいなぁ、こういうの。)

つぐみ「......あれ?」

陽介「?」

 

 羽沢が小さく声を上げた

 

 俺は不思議に思いながらスクリーンに視線を戻した

 

『__本当にお前の事好きだと思ってたの?馬鹿だねー。』

陽介「!」

 

 なんと、その男子は主人公を騙してたらしい

 

 実際はイジメの主犯で、裏ですべてを操ってた

 

 主人公の目からは涙が零れ落ちて

 

 ついに、人生に絶望してしまい

 

陽介「やめろ......」

つぐみ「出水君......?」

 

 主人公は、自殺した

 

 俺は耳を抑えた

 

陽介「......」

つぐみ「い、出水君?」

陽介「ダメ、ダメなんだ......」

 

 あの光景がフラッシュバックしてくる

 

 羽丘に行く前の、前の学校の最後の日が

 

 この主人公は、俺みたいに止めてくれる人がいなかった

 

 俺だって、何か間違えてたら......

 

つぐみ「だ、大丈夫?」

陽介「あぁ、大丈夫......」

 

 それから、しばらくして映画が終わった

 

 最終的には、幽霊になった主人公が

 

 いじめを行った生徒に復讐していくと言う

 

 ホラー映画だった

 

 俺たちは映画館を出た

__________________

 

 映画館を出た後、俺は近くのベンチに座った

 

 頭の中で記憶が渦巻いてる

 

陽介「......」

つぐみ「だ、大丈夫?出水君?」

陽介「......どうだろう。」

 

 正直、かなり吐き気がしてる

 

 まだ、嫌な思い出くらいだから、若干はよかった

 

つぐみ「の、飲み物飲む?」

陽介「あ、ありがとう。」

 

 俺は羽沢から飲み物を受け取り

 

 それを飲んだ

 

 気分的に、マシになった気がする

 

つぐみ「あっ///」

陽介「どうした?」

つぐみ「う、ううん!なんでもないよ!///(わ、私の飲みかけの方渡しちゃった!?///)」

陽介(どうしたんだろう?)

 

 羽沢が顔を真っ赤にしてる

 

 何かあったのだろうか

 

陽介「まぁ、マシになって来たから、どこか行こうか。」

つぐみ「え?大丈夫なの?」

陽介「大丈夫だから、行こ。」

 

 俺はそう言ってベンチから立ち上がった

 

 そして、その場から移動した

__________________

 

 俺たちは雑貨屋に来た

 

 かなり品ぞろえがよくて、色々な物がある

 

陽介「__へぇ、こんなところもあったんだな。」

つぐみ「私は結構、皆で来たりするよ!」

 

 俺は店の中を見た

 

 所々、男が使えそうなものもあるが

 

 主なターゲット層は女性なのか、女性向けの商品が圧倒的に多い

 

つぐみ「出水君は何か何か買いたいものある?」

陽介「うーん、特にないな。」

つぐみ「じゃあ、ゆっくり見て回ろっか!」

陽介「そうだな。」

 

 俺たちは雑貨屋内を見て回った

 

 スマホケースやらヘアゴムやら

 

 本当に色々ある

 

 まぁ、どれも俺が使うようなものじゃないけど

 

 でも、羽沢が楽しそうだし、良かったな

 

つぐみ「__あっ。」

陽介「羽沢?」

 

 しばらく店内を見てると

 

 羽沢が足を止めた

 

陽介「どうした?」

つぐみ「これ、可愛いなって。」

陽介「写真立て?」

 

 その写真立てはメインの色は白で

 

 透き通るような綺麗さもあるものだった

 

陽介「おー、こんなのも置いてるのか。」

つぐみ「こういうの良いなー。買っちゃおかな?」

陽介「いいんじゃないか?デザインもいいし。」

つぐみ「じゃあ、買うよ!」

 

 そう言って、羽沢は写真立てを手に取った

 

陽介「あ、待ってくれ。」

つぐみ「え?」

陽介「それ、俺が金払うよ。」

つぐみ「えぇ!?そんなの悪いよ!」

陽介「別にいいよ。」

 

 俺はそう言って羽沢の手から写真立てを取った

 

つぐみ「あ!」

陽介「俺、自分に基本、金を使わないから。余るんだ。」

 

 俺はそう言って、レジに写真立てを持っていき

 

 会計をした

 

陽介「ほい。」

 

 そして、それを羽沢に渡した

 

陽介「幼馴染5人との写真でも飾ればいいんじゃないか?」

つぐみ「ほ、本当にいいの?」

陽介「いいよ。」

 

 俺がそう言うと

 

 羽沢はそれを受け取った

 

つぐみ「ありがとう!出水君!」

陽介「あぁ。」

 

 羽沢は嬉しそうに買った写真立てを持ってる

 

 そこまで高価な物でもないのにここまで喜べるのは

 

 羽沢の美点だと思う

 

陽介「ここも結構見たし、そろそろ行くか。」

つぐみ「うん!」

 

 俺たちは雑貨屋を出た

 

 それから、服屋で服を見たり

 

 本屋に行ったりと、色々な所に行った

__________________

 

 一通り遊んで外に出ると

 

 もう、日が落ちかけてた

 

陽介「結構、遊んだな。」

つぐみ「そうだね!」

 

 俺たちは帰り道、そんな話をしていた

 

 羽沢は満足そうに笑ってる

 

陽介(よかった、楽しんでくれたみたいで。)

 

 俺はそう思いながら、羽沢の横を歩いていた

 

 羽沢は鼻歌を歌いながら、軽い足取りで歩いてる

 

つぐみ「__あ、出水君!」

陽介「?」

 

 すると突然、羽沢が何かを思いついたような声を上げた

 

 俺は羽沢の方に顔を向けた

 

陽介「どうした?」

つぐみ「あのね、一緒に写真撮ろう!」

陽介「写真?」

つぐみ「向こう行こ!」

陽介「ちょ!」

 

 俺は羽沢に引っ張られ

 

 近くの公園に入った

__________________

 

 公園に来ると

 

 羽沢にベンチに座らされた

 

 そして、羽沢は俺の隣に座った

 

つぐみ「__もうちょっと、こっちによって!」

陽介「お、おう。」

 

 俺は羽沢と肩が触れ合う距離にいる

 

 すごい近い

 

つぐみ「えっと、ひまりちゃんがやってたみたいに......」

 

 羽沢は携帯を出し

 

 斜め上に掲げた

 

つぐみ「じゃあ、撮るよ!はい、チーズ!」

陽介「!」

 

 羽沢がそう言うと

 

 携帯からシャッター音が鳴り響いた

 

つぐみ「撮れたよ!」

陽介「おー、良く撮れてるなー。」

 

 俺は写真の取れ具合に感心した

 

 でも、何で撮ったんだろう

 

 そう思ったが、気にしない事にした

 

つぐみ「ありがとう!出水君!」

陽介「おう。じゃあ、帰るか。」

つぐみ「うん!」

 

 そうして、俺達は帰って行った

 

 こうして、俺の休日が終わった

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