狂犬と消失少年   作:火の車

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試食会

 今、俺と羽沢はチュチュの家のキッチンで料理をしてる

 

陽介「__もう少し待っててくれよー。」

ますき「おーう、わかったー。」

 

 なぜ、こんなことをしてるかというと

 

 文化祭でのクラスの出し物が担任や委員長の趣味とやらでメイド喫茶になって

 

 そこで、いつも料理をしてる俺が厨房の担当になって

 

 今日、試作会にRASの皆と5人を呼んだわけだ

 

 チュチュは俺が友達を呼んだとたいそう喜んでた

 

陽介「ほい、取り合えず、3品完成。」

 

 俺はテーブルにオムライス、ナポリタン、カレーを置いた

 

 そして、全員にスプーンやフォークを渡した

 

モカ「おー、美味しそー。いただきまーす。」

蘭「ちょ、モカ、早いって。」

陽介「ははは、良いじゃないか。」

 

 青葉が食べ始めると

 

 皆も続々と食べ始めた

 

六花「これ、美味しいです!」

レイ「うん、お店に出てるのに負けてない。」

ひまり「いくらでも食べられそー!」

巴「また太るぞ、ひまりー!」

ひまり「きゃー!」

 

 見た感じ、全部、受けがよさそうだ

 

 カレーは保存がきくし

 

 他2品も簡単、これは決定的だな

 

つぐみ「本当にすごいよ!うちでも出してほしいくらい!」

陽介「気に入ってくれたみたいでよかった。」

ますき「ナポリタンの味もちょうどいい。一発で美味いってわかる。コツとかあるのか?」

陽介「ラードを使うのと、ケチャップの種類を考えて、調味料に生クリームを使うって書いてあったから使ったな。」

ますき「へぇ、なるほどなぁ。」

パレオ「これはまた作ってほしいですー!」

チュチュ「そうね。」

陽介「あぁ、分かった。」

 

 テーブルを見ると

 

 料理はもう、ほとんどなくなっていた

 

 まぁ、青葉だろうな

 

モカ「いや~、美味しかったね~。」

陽介「早いな。」

蘭「モカ、食べすぎ。」

陽介「まぁ、デザートもあるし。ちょうどいいんじゃないか?」

ひまり「デザート!?」

陽介「あぁ、用意してるから出してくるなー。」

 

 俺はそう言って、キッチンに行き

 

 用意しておいたデザートを出した

 

陽介「まぁ、こんな感じかな。」

ますき「おぉ!すげぇ!」

 

 俺が用意したのは

 

 ショートケーキ、ロールケーキ

 

 カップケーキ、プリン、チョコのムースだ

 

ひまり「こ、これ全部食べていいの!?」

陽介「いや、皆で分けてくれよ?」

チュチュ「......目が血走ってるわね。」

パレオ「すごい気迫ですね!」

巴「あ、あはは、甘いものに目がないやつだから、悪いな。」

 

 上原はデザートを一通り食べて行った

 

 他の皆も、のんびり食べてる

 

ひまり「う~ん!美味しい!」

蘭「これ、学校の文化祭で出していいの?」

レイ「うん、学校行事で定められる値段の範囲超えそうだね。」

陽介「あー、大丈夫。一応、材料費とかは考えてるから。そんな高級ってわけじゃないよ。」

六花「それでも、こんなに美味しいんですね!流石、出水さんです!」

陽介「これくらい、誰でもできるよ。あ、デザートと一緒にどうぞ。」

 

 俺はそう言いながら、皆の前に飲み物を置いた

 

パレオ「これは、なんでしょうか?」

陽介「はちみつティーだ。」

ひまり「へー!レモン入ってるよ?」

陽介「まぁ、一回飲んでみてくれ。」

 

 俺がそう言うと、皆はハチミツティーを飲んだ

 

 すると、全員、驚いたような表情を浮かべた

 

つぐみ「わぁ!爽やかな感じがする!」

レイ「これ、前の練習の時に出してくれたのだよね?」

陽介「そうだ。レモンをつけたはちみつを入れて、そのレモンも入れた。」

チュチュ「無駄もないし、良いメニューになるわね。」

陽介「だろ?」

 

 俺が出すのはこんなもんかな

 

 学校行事だし、このくらいがちょうどいいだろう

 

つぐみ「本当に美味しいなぁ......」

陽介「ありがと。」

つぐみ「出水君、お店とか出さない?」

陽介「え?いや、無理だろ。」

ますき「そうか?あたしも出来そうだと思うが。」

 

 2人は頷きながらそう言ってる

 

 流石に、店とかやろうとは思わないな

 

 いつか、お化け屋敷扱いされそうだし

 

つぐみ「じゃあ、私のお家とか!」

陽介「え?」

つぐみ「私がコーヒー淹れて、出水君がお料理作って......って、あれ?」

 

 その場にいる全員が羽沢を見てる

 

 そして、次第に羽沢の顔が赤くなっていった

 

つぐみ「......///」

蘭「つぐみ、えっと、大胆だね。」

つぐみ「」

 

 美竹のその一言で羽沢は篭絡した

 

 そして、近くに置かれてた毛布にくるまった

 

巴「つ、つぐ?出てこいよー?」

レイ「だ、大丈夫。お家がお店だったらそう思ったりもするよね?」

ひまり「そ、そうなのかな?」

巴「そういう事にしとけって!」

 

 皆、毛布にくるまってる羽沢を励ましてる

 

 なんだろう、この構図

 

チュチュ「言っておくけど、陽介は簡単には婿にやらないわよ。」

パレオ「チュチュ様という姑がいますからね!」

チュチュ「誰が姑よ!」

モカ「まー、姑はともかく、ライバルは多いかもねー。」

六花、ますき「!」

陽介(ライバル?飲食店のか?)

 

 俺はそんな事を考えながら

 

 食器を片付けている

 

つぐみ(い、勢いですごいこと言っちゃった!///)

陽介「羽沢?」

つぐみ「い、出水君?///」

陽介「まぁ、良く分からんが、元気出せよ。」

 

 一通り食器を片付けた後

 

 羽沢に声をかけた

 

陽介「言葉のあやってこともあるし。別に深い意味はなかったんだろ?」

つぐみ(うぅ!そう言われたらそう言われたらで複雑......)

チュチュ(陽介はガールの心を抉る天才ね。)

 

 それから、時間は過ぎていき

 

 羽沢は毛布から出て来ることがなく

 

 そのまま眠ってしまった

 

つぐみ「__すぅ......」

陽介「まさか、ここで寝るとは。」

 

 美竹、青葉、上原、宇田川、和奏、六花は家に帰った

 

 チュチュとパレオは用事があると家を出て

 

 残ってるのは、俺と佐藤と羽沢だけだ

 

ますき「まぁ、いいじゃねぇか。可愛い寝顔だし。」

陽介「まぁ、間違いないな。」

 

 俺と佐藤は眠ってる羽沢を見ながらそう言った

 

 しばらく、羽沢を見てると、佐藤が口を開いた

 

ますき「最近はどうだ?」

陽介「ん?何がだ?」

ますき「学校とか、色々あんだろ。」

 

 佐藤はぶっきら棒にそう言った

 

 俺の事を心配してるのか

 

陽介「充実してるよ。学校もバイトも楽しいし、家事にやりがいもあるし。」

ますき「そうか。」

 

 俺がそう言うと

 

 佐藤は安心したように息をついた

 

陽介「これも、佐藤のお陰だよ。」

ますき「そうか。」

 

 佐藤は照れくさそうに眼をそらした

 

 俺は静かな声で話を続けた

 

陽介「チュチュと出会わせてくれたことだけじゃなくて、あの時、死ぬのを止めてくれたから、今の俺がある。」

ますき「!」

陽介「今の俺は佐藤のお陰だよ。」

ますき「なんだぁ?あたしに惚れでもしたか?」

 

 佐藤はからかうようにそう聞いてきた

 

 俺は少し驚いたが、表に出すことなく答えた

 

陽介「あぁ、好きだよ。」

ますき「はぁ!?///」

陽介「まぁ、皆も好きだけど。」

ますき「っ!///」

陽介「ん?どうした?」

 

 佐藤の方を見ると

 

 佐藤はソファに顔を埋めて悶えている

 

 俺は笑いながら佐藤を見た

 

陽介「ははは、面白いな。」

ますき「......おもしろかねぇよ///」

陽介「そうか。って、あっ。」

 

 羽沢の方を見ると

 

 かけてあった毛布が落ちていた

 

 俺は毛布を掛けなおした

 

陽介「羽沢も、俺の秘密を知っても優しくしてくれてる。いい子だよ。」

ますき「そうか。」

 

 俺がそう言うと

 

 佐藤も羽沢の前にしゃがみ

 

 頭を撫で始めた

 

陽介「可愛い寝顔だな。」

ますき「あぁ、こいつ、可愛いな。」

 

 俺と佐藤はそんな風に笑いあいながら

 

 また、寝てる羽沢を眺めた

 

つぐみ(お、起きてるよ~!///)

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