文化祭も終わって、今日は片づけだ
俺は一足早く来て、片付けに取り掛かってる
それで、出来るだけ早く帰ろうと思ってる
陽介「__こんなもんかな。」
厨房の片づけは粗方終わった
ゴミも落ちてないし、食器と道具の洗い残しもない
校長と同時に来た甲斐はあった
陽介(本当は全部片づけたかったけど、一人じゃきつかったか。)
時間を見れば、もうすぐ登校してくる時間だ
見つからないように、裏口から出ないと
陽介「......帰るか。」
俺はそう言って、厨房から出た
陽介「__っ!」
すると、突然、教室の電気がついた
暗い教室で作業してたからか
目が慣れるのに少し時間がかかった
陽介「な、なんだ?」
モカ「水臭いねー、ようくんやー。」
陽介「青葉?」
蘭「あたし達もいるけど。」
段々、目が慣れて来くると
そこには、クラスメイトが全員いた
俺は驚いて、後ずさった
巴「おいおい、一人で片付けてたのかよー!」
ひまり「てか、厨房一人で片付けてるじゃん!早すぎない?」
つぐみ「私達も呼んでくれればいいのに!」
5人を口火に他のクラスメイトも俺に話しかけて来た
もしかして、昨日の事を知らないのか?
つぐみ「ここにいる皆、昨日の出水君の事は知ってるよ。」
陽介「!?」
つぐみ「それで、皆、集まってくれたんだよ!」
陽介「な、なんで?」
流石にあの出来事を知ってて
俺に近づこうと思うのか?
男子「出水ぃ!」
陽介「な、なんだ?」
男子「お前、辛かったんだなぁ......!」
陽介「泣いてる!?」
女子「だって、あんなになるまで親に追い詰められてるなんて!」
クラスメイトの皆は終えに色んな声をかけてくれてる
俺はその様子を見て、ここの皆は本当に優しい人たちなんだって思う
男子に関しては男泣きしてるし
陽介「でも、なんで、いつもはまだ誰も来てない時間なのに?」
巴「あたし達が呼んだのさ。」
ひまり「いずみん、どうせ、俺はダメだからーとか言うと思って!」
蘭「皆がどう思うか、これでわかるでしょ?」
これを画策したのは5人らしい
目尻が熱くなるって、こういう事だな
陽介「......ありがとう、皆。」
俺がそう言うと
クラスは祭りのような盛り上がりになり
それから、俺は皆と残りの片づけをした
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片付けは昼には終わり
俺は5人と帰る事になった
モカ「__いやー、今日は感動だったねー。」
陽介「そうだな。」
人間の暖かさを感じた
前の学校が酷いだけだった
巴「気分いいし、ラーメンでも食いに行こうぜ!」
ひまり「いいねぇー!」
陽介「あ、悪い、チュチュとパレオのご飯用意しないと。」
つぐみ「私も店の手伝いが......」
蘭「あたしも華道。」
モカ「パン~。」
巴「マジかー。」
ひまり(え?モカのって理由なの?)
そうして、俺達は間もなく別れ
俺は帰路についた
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家に帰ってくるとチュチュとパレオは家にいた
陽介「__ただいま。」
チュチュ「おかえり、陽介。」
パレオ「おかえりなさいませー♪」
2人は笑顔で家に迎えてくれる
昨日、家族と豪語しただけに
少し2人の顔をを見るのが照れくさいな
チュチュ「どうしたの?」
陽介「い、いや、なんでもない。」
チュチュ「?」
パレオ「少し、顔が赤くありませんか?」
陽介「な、なんでもないぞー。」
俺は鞄を置き
慌ててキッチンに行った
陽介(さてと、昼ご飯作るか。)
チュチュ「陽介ー、ジャーキーある?」
陽介「買ってきてるよ。」
チュチュ「Thanks」
俺がそう答えると
チュチュは嬉しそうにソファに座った
陽介「よし、早く作らないと。」
俺はそう呟いて
昼ご飯を作り始めた
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俺はテーブルに料理を並べ
チュチュとパレオは席に着いた
そして、食事を始めた
チュチュ「美味しいわ。」
パレオ「やっぱり、ようさんは天才ですよー!」
陽介「いやいや、俺くらいできる奴なんていくらでもいるよ。」
パレオ「そうですかねー?」
陽介「そうそう、これとか、ちょっと味濃いし......って、え?」
チュチュ、パレオ「?」
俺は今、なんて言った?
味の事言ったよな?
陽介(味覚が戻った!?)
チュチュ「そんなに濃いかしら?」
パレオ「普通だと思いますけど?」
陽介「そ、そうか?」
何で突然、味覚が戻ったんだ?
いや、それ自体は良い事だし、良いんだけど
無意識過ぎてびっくりした
陽介(でも、これならもっと、料理の質上げられるな。ラッキー。)
俺は小さくガッツポーズをした
これで、2人にもっと美味しいものを食べさせられる
チュチュ「そう言えば、陽介はこれから予定はあるの?」
陽介「うーん、少し調べものするくらいかな?」
チュチュ「じゃあ、家にいるのね?」
陽介「まぁ、うん。」
俺が頷くと、チュチュは笑みを浮かべた
チュチュ「じゃあ、ゆっくりしなさいよ。」
陽介「あぁ、分かった。」
パレオ「ふふふ。」
チュチュにそう言われた後
俺は食事を済ませて
洗い物をし、部屋に戻った
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部屋に戻ると、俺はパソコンを開き
調べものを始めた
陽介(__これだ。)
調べてるのは父さんの会社の事だ
主に倒産の理由を調べてる
陽介「......これは。」
気になる記事を見つけた
これは、あの会社の社員の掲示板?
陽介「会社の金を横領、社内情報の流出......」
そこには色々な事が書き込まれてる
ネットの情報だし、確かじゃないけど
情報の流出はニュースにもなってた
俺はそのページを流し見た
陽介「__なんだこれ。」
そこで、気になる一文が見えた
陽介「得意先の社長令嬢の恋人が浮気してた?」
どうやら、父さんの会社の社員が令嬢にアプローチをかけ
交際に発展したが、相手が既婚者だと判明
その怒りで売り上げがほぼなくなり、ほどなくして倒産
陽介「......待てよ?」
この情報が確かなら
父さんの浮気の期間と完璧に合致する
いや、でも、な?
陽介「流石に、な?冗談だよな?」
相手は大きくはないにしても社長令嬢だし
ネット上に名前が出ない事なんてあるのか?
俺はそう思って、社長令嬢の相手の名前を調べた
それ意外にと言うか、簡単に出て来た
陽介「......うっわ。」
相手の名前は父さんの名前だった
もう少し、信じさせてほしかったけど
もう悲しいとかじゃなくて、呆れた
横領した金もホテルや貢ぎに使われてたらしい
てか、俺が中2の時から浮気してたのかよ
よくバレなかったな
陽介「目も当てられねぇ......」
浮気が原因で、会社が倒産して
母さんと離婚して、俺は捨てられたのか
なんか、文面にしたら馬鹿馬鹿しいな
俺が色々、吹っ切れてるのもあるけど
陽介「俺、父さんぶん殴っても許されるよな?」
段々と怒りがこみあげて来た
俺はページを全て消し
パソコンをシャットダウンした
陽介「もう、なんなんだろ......」
今まで悩みに悩んだ時間は何だったんだ
俺はこんなバカな人間に振り回されてたんのか
陽介「決めた。父さんは一回ぶん殴る。」
俺はそう呟き、時計を確認した
今で2時くらい、そんなにかからなかった
俺は水を飲むためにリビングに行った
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チュチュ「__マスキング!そこ違うわよ!」
ますき「あぁ?」
陽介(ん?)
リビングに来ると
RASの皆の声が聞こえた
何かの飾りつけをしてるみたいだ
パレオ「楽しみですねー!ようさんの誕生日会!」
陽介(え?)
レイ「そうだね。皆、プレゼント何用意した?」
六花「私は、寒くなって来るので冬物の服を!」
パレオ「どんなのですかー?」
六花「それは、見てからのお楽しみで!」
陽介(すごい嬉しいけど、六花、高そうな袋持ってる!?)
すごい申し訳ないんだけど
今度、お礼しよう
レイ「私は料理本かな、かなり本格的なやつ。」
ますき「おぉ、いいな。」
レイ「出水君の料理に少しでも役立ってくれれば。」
陽介(レパートリーなくなってきたからすごい助かる。)
和奏のセンス、最高
何かお礼で作ろう
パレオ「私はネックレスを買いました!」
六花「えぇ!?」
パレオ「ようさん、オシャレをしないんですよ!少々、値は張りましたが......」
陽介(ちょ、パレオ、まじ!?オシャレ、気を遣おう。)
また、お礼しよう
バイト代溜まったらパレオの欲しいもの買ってやろう
チュチュ「私はスーツよ。」
レイ「スーツ?なんで?」
チュチュ「もしも、陽介が私のライブの準備についてくるとき、恥をかかないようにするためよ。他にも用途はあるし、長く使えるわ。」
パレオ「流石です!チュチュ様!」
チュチュ「当然よ!」
陽介(そこまで考えてるのか。よし、もっと頑張ろう。)
チュチュの手伝い、もっとしよう
まずはバンドの知識をつけよう
チュチュ「マスキングは?」
ますき「あー、あたしは財布と時計だ。」
陽介(!?)
俺は佐藤が言い放った言葉に驚いた
財布と時計?
しかも持ってる袋、あれ絶対に高いぞ
六花「こ、高級品なんじゃ......?」
ますき「まぁ、サポートで稼いだ金、吹っ飛んだ。」
レイ「それって相当じゃない?」
ますき「いいんだよ。誕生日なんだし。」
佐藤は軽くそう言ってる
俺的には申し訳なさ過ぎて
今すぐ、何かしないといけないと思ってるんだが
ますき「あいつはガキの頃から苦労してたし、今までの分、贅沢してもいいだろ?てか、誕生日って口実ねぇと、こんなの渡せねぇよ......///」
レイ「ますき......」
六花(なんだろ、ますきさんから似た匂いがする。)
しばらくすると、俺は聞き耳を立てるのをやめ
静かに部屋の方に歩いた
陽介(これから、全員に恩返ししていこう。)
俺は皆に感謝しながら
そう強く心に誓った
この後、皆から誕生日を祝ってもらって
すごく、幸せな1日になったのは言うまでもない