年末も近くなり、俺は今、大掃除をしてる
と言っても、まめに掃除してるし
今から何か特別に掃除しないといけない場所もない
音楽機材についても勉強して掃除もしてるし
陽介(__よしっ。)
粗方掃除も終わり
俺は汗を拭った
風呂掃除、トイレ掃除、
プール周りの掃除も終わったし
陽介(そう言えば、RASの皆も年越しそば食べに来るんだっけ?材料余分に買っといてよかった。)
昆布はもう水につけてるし
他の事は当日にするし
新年会の準備も予定通りに進んでるし
結構時間が出来てしまった
陽介(まぁ、ゆっくりしようかな__ん?)
ソファに座りながらそう考えてると
俺の携帯が鳴った
氷川さんからだ
陽介「もしもし?」
日菜『あ、もしもし!陽介君!』
電話の向こうの氷川さんはいつも通りだ
元気で明るい声音でこっちまで元気になる
陽介「どうしました?」
日菜『今夜、一緒に星見に行こうよ!』
陽介「星?」
日菜『うん!』
そう言えば、氷川さん一応、天文部だったな
星が綺麗に見えるのは冬って聞くし、
部活動の一環か?
日菜『あ、急だから無理だったら断っても......』
陽介「別にいいですよ。」
日菜『え?』
陽介「今ちょうど時間が出来たので。と言うか、氷川さんってそう言うキャラじゃないでしょ。」
俺は苦笑い気味でそう言った
氷川さんって「強制ね♪」くらい言うイメージだし
いや、でも、最近はそうでもなかったか?
陽介「何時に集合しますか?」
日菜『8時!学校前で!』
陽介「わかりました。用意しておきます。」
日菜『うん!後でね!陽介君!』
陽介「はい。」
氷川さんは電話を切った
俺はテーブルに携帯を置き
一息ついた
陽介(天体観測って、何いるんだろ?)
俺はそんな事を考えながら、
必要と思うものをリュックに詰めていった
その後、2人の夕飯を作ったり、
残りの洗濯などをして時間を過ごした
__________________
”日菜”
日菜「__ふー......」
電話を切った後、
あたしは少し息をついた
日菜(なんとか、誘えた......)
正直、断られるかと思った
ずっと誘おうと思ってたけど、
どうやって誘うか考えてたら当日になってた
緊張なんて初めてしたかも
日菜(今日、何着て行こうかな。)
紗夜「何をしているの?」
日菜「あ、おねーちゃん。」
そう言えば、今いるのリビングだった
おねーちゃんはソファの後ろで首をかしげてる
あたしは寝転んでる体を起こして、
おねーちゃんの方を向いた
紗夜「誰かと電話してたようだけれど。」
日菜「陽介君だよ。」
紗夜「RASの2人といた彼だったかしら?何の話をしていたの?」
日菜「今夜、天体観測に行くの!」
紗夜「天体観測?」
日菜「うん!誘ったら来てくれるって!」
おねーちゃんはアタシをじっと見てる
そして、少しすると小さくうなずいた
日菜「どーしたの?」
紗夜「あなたがお熱になるなんて、もう少し彼と話していればよかったわ。」
日菜「えぇ!?///」
おねーちゃんは微笑みながらそう言ってきた
まさか、おねーちゃん気付いてたの?
紗夜「頑張りなさいね。」
日菜「う、うん......///」
紗夜(これはかなりね。すごいのね、彼。)
おねーちゃんはリビングを出て行った
あたしはまた何を着て行こうか考え始めた
日菜「......あ!」
ある事を思いついて、
あたしはソファから飛び降りた
日菜「おねーちゃーん!何着て行けばいいか一緒に考えてー!」
紗夜「な、なに!?」
それから、あたしはおねーちゃんと一緒に服装を考えた
そして、夜に向けて持ち物とかを準備した
__________________
”陽介”
夜になった
俺はチュチュとパレオに夕飯を出し、
家を出て学校の前まで来た
待ち合わせの10分前、
勿論、氷川さんはまだ来てない
日菜「__陽介くーん!」
陽介「!?」
俺が着いた瞬間、氷川さんが向こうから走ってきた
俺は驚きのあまり、自分の目を疑った
日菜「お待たせ!」
陽介「ひ、氷川さんって時間守るって心があったんですか......!?」
日菜「あるよ!?」
本気で驚いた
あと20分は待つのを想定してたぞ
陽介「氷川さん、体調が悪いなら無理しないでください。」
日菜「健康だよー!あたし風邪ひかないもん!」」
陽介「そ、そうですか。」
日菜「陽介君はあたしの事をどう思ってるの?」
陽介「それは、まぁ......」
察してください
俺はそう体一杯でそう表現した
日菜「うん、大体わかった。」
陽介「まぁ、行きましょうよ。」
日菜「そうだね!釈然としないけど!」
それから、俺と氷川さんは学校に入った
そして、屋上に向かって行った
__________________
屋上に来ると、
まず、冷たい風が体を通り過ぎた
寒さで背中がぞわっとした
陽介「__さっむ。」
日菜「あはは!そうだねー!」
そう言う氷川さんは全く寒そうじゃない
まじで、この人寒さとか感じてないんじゃないか?
俺はそう思いながら動き回ってる氷川さんを見てる
日菜「見て見て!陽介君!」
陽介「?」
氷川さんは空の方を指さしてる
俺はゆっくりと空を見上げた
陽介「おぉ。」
見上げると満天の星空
やっぱり、冬って星が良く見えるんだな
日菜「こっちで一緒に見よ!」
陽介「あ、はい。」
氷川さんはいつの間に敷いたのか分からないシートをポンポン叩いている
俺は歩いて氷川さんの方に行き、横に座った
日菜「はい、毛布!」
陽介「あ、どうも。って、一緒に入るんですね。」
日菜「うん!るんっ♪てする!」
氷川さんは嬉しそうにそう言った
まぁ、2人で入ると温かいし、いいか
俺は再度、空を見上げた
陽介(ここまで多いと何が何かわからないな。)
日菜「あの星とあの星が冬の大三角だよ!」
陽介「え?」
日菜「ほら!あれとあれ!」
俺は氷川さんの指さす星を追っていった
確かに、三角形になる
日菜「あの赤っぽいのがベテルギウスで、三角の左側がプロキオンで、それであれがシリウスだね!」
陽介「よく知ってますね。」
日菜「ふふん!天文部部長だからね!」
氷川さんは胸を張ってそう言った
この人、結構子供っぽいな
褒めて伸びる的な
日菜「あそこにはなんと、ふたご座があるよ!」
陽介「なるほど。」
それから、
俺は氷川さんの解説を聞きながら星を見た
珍しく、氷川さんの説明が分かりやすくて、
知識がほとんどなくても楽しく星を見る事が出来た
天体についての知識も色々と聞けて、
少し、賢くなれた気がする
だが、しばらくすると会話が無くなって行った
日菜(__し、喋れること全部喋っちゃった......)
陽介(どうしよう。)
星見ろよと思うかもしれないけど、
会話がないのは結構きつい
多分、氷川さんも話せること話しただろうし
陽介「氷川さん。」
日菜「どうしたの?」
陽介「少し聞きたいことがありまして。」
日菜「聞きたいこと?いいよ!何でも聞いて!」
氷川さんは笑顔でそう言った
じゃあ、なんでも聞いてみよう
陽介「氷川さんは卒業したらどうするんですか?」
日菜「え?」
陽介「?」
日菜「......考えてなかった。」
陽介「ですよね。」
正直、氷川さんに心配は無用だと思う
何でもできる人だし
アイドルに集中する道もある
進学するにしてもどこにでも行けるだろうし
日菜「急にどうしたの?」
陽介「何となく、気になったので。」
日菜「なるほどねー。卒業かー。」
氷川さんはぼやくようにそう言った
そして、少しの間空を見上げ
ゆっくり口を開いた
日菜「卒業、したくないな......」
陽介「!」
日菜「高校生活楽しいし、今を無理に変えたくないなって。」
氷川さんは寂しげにそう呟いた
少し意外だ
この人なら、新しい環境にわくわくすると思ってた
俺もこんな風に思う時が来るのだろうか
日菜「陽介君は考えてたりするの?」
陽介「俺は多分、働きます。」
日菜「え?でも、陽介君って成績良いよね?進学しないの?」
陽介「今の俺は学費を払えないので、進学はしません。」
日菜「そっか......」
正直、先の事は考えてなかったけど
多分、こうすると思う
後の事はその時考えよう
日菜「大学もねー、陽介君が来てくれるなら楽しそうだったのになー。」
陽介「え?俺ですか?」
日菜「あっ、なんならうちの事務所で働く?」
陽介「いやいや、無理でしょ。見ての通り、俺には問題があるので。」
日菜「!」
陽介「これは普通に見ればあまり良い印象を持たれないので。」
これというのは目の事だ
社会の風潮的に俺は障害があるってされるし
世知辛いってやつだな
陽介「まぁ、そんな事はどうでもいいんですけど。」
日菜「え?」
陽介「元は氷川さんの話なので。」
俺は声音を変え、話を切り替えた
氷川さんは目を丸くしてる
陽介「氷川さんの卒業は俺としても寂しいです。」
日菜「え!?///」
陽介「やっぱり、氷川さんが生徒会長だと学校が明るくなるし、頻繁に構っていくれたので。」
最初こそ、俺はこの人が嫌いだった
でも、キッチリ反省して謝って
それからは優しい良い先輩だった
まぁ、妙に抱き着かれたけど
日菜「......あたしも寂しい。」
陽介「?」
日菜「さっきの事もだけど、陽介君と別れるのは寂しい。」
氷川さんはそう言って、
俺の方に顔を向けて来た
日菜「だって、陽介君の事、好きだから。」
陽介「え?」
日菜「......///」
氷川さんは顔を赤くしてる
いや待て、氷川さんが俺を好き?
いやでも、言われてみれば
思い当たるところもある
氷川さんらしからぬ行動とかあったし
日菜「最初は罪悪感だったの。」
陽介「!」
日菜「陽介君の傷に触れちゃって、それで、胸が痛くなって......」
陽介「あー。」
日菜「それで謝った時、あんなにひどいことしたのに叩くことも怒鳴ることもしなくて、それで好きになって、好きになってもらいたくなったんだ///」
陽介「その事なんですけど。」
日菜「?」
陽介「今となっては、俺は少し氷川さんに感謝してるんです。」
日菜「えぇ!?」
氷川さんは驚いたような声を出した
俺はそんな氷川さんを見ながら続けて話した
陽介「今思えば、俺が吹っ切れたと言うか、今みたいになれたのはあれがあってこそかなって思ってます。だから、感謝してます。」
日菜「そ、そうだったんだ。」
陽介「はい。」
なんか、氷川さんが驚いてるのを見ると気分がいいな
してやったりみたいな、そんな感じになる
陽介「それに、俺謝ってもらった日から割と氷川さん好きですよ。」
日菜「え?///」
陽介「お弁当作ってきてくれてくれたり、偶に顔赤くしてるの結構かわいいと思ってました。」
日菜「よ、陽介君......///」
氷川さんは口元を抑えて顔を赤くしてる
この人、素でいたらもっとモテそうだな
女の子らしい面って言うのかな
そう言うのあるし
陽介「でも、答えはちょっと待ってください。」
日菜「!」
陽介「待たせてる人たちがいるので。」
日菜「そっか。」
陽介「必ず、氷川さんがこの学校にいる間に返事します。」
日菜「うん、わかった。待ってるね!」
氷川さんはそう言って立ち上がった
そして、俺の方に手を差し出して来た
日菜「帰ろっか!星も見たし!」
陽介「そうですね、氷川さ__」
日菜「日菜だよ!」
陽介「え?」
日菜「日菜って呼んで!」
氷川さんは輝かしい笑顔でそう言ってきた
まー、名前呼ぶくらいなら
陽介「行きましょう、日菜さん。」
日菜「うん!陽介君!」
陽介「!」
日菜さんは俺の手を握ってきた
少し驚いたが、これくらいいいだろ
俺と日菜さんはそのまま階段を降りて行った
__________________
階段を下りて、
今、正門に向かって歩いてる
日菜「__いやー、今日は良かったー!」
陽介「よかったですね。」
日菜さんはご満悦と言った感じだ
まぁ、俺も楽しかったし
なんだかんだ、星の事も知れたし、よかった
警備員「__そこで何をしてる!」
陽介「ん?」
日菜「あっ。」
歩いてると、背後から声をかけられ
懐中電灯の光を当てられた
日菜「走って!陽介君!」
陽介「え?__ちょ!」
俺は日菜さんに手を引かれ、
走り始めた
そして、学校の外に飛び出た
陽介「あの、許可とってないんですか!?」
日菜「あはは!忘れちゃった!」
陽介「忘れた!?」
日菜「でも、これもるんっ♪てくるね!」
陽介「しませんよ!?」
やっぱりこの人、
可愛いけど、やばい!!!
俺はそう思いながら寒天の下を氷川さんに手を引かれ走った