今日は12月31日、年末だ
俺は朝から忘年会と新年会の用意を進めて
なんだかんだあってもう夕方になった
ますき「__よー、来たぞー。」
六花「お邪魔します!」
レイ「飲み物とか持ってきたよ。」
パレオ「いらっしゃいませー!」
チュチュ「よく来たわね。」
陽介「いらっしゃい。適当に座ってくれ。」
俺はそう言ってキッチンに向かった
そして、年越しそばの用意を始めた
まぁ、てんぷら作って
出汁とかえし合わせるだけだけど
陽介(年越しそばと言えば海老天、これは常識。)
六花「何かお手伝いすることはありますか?」
陽介「あ、六花。そうだなぁ、薄力粉とそれ混ぜてくれるか?」
六花「はい!」
六花は菜箸をもってボウルの中身を混ぜ始めた
俺は海老を切り始めた
切り方なんかはまぁ、基本的なことだけで
後は酒やらなんやら混ぜて揉み洗い
当たったりしたらまずいどころじゃないからな
六花「やっぱり、お上手ですね!」
陽介「そうか?海老はあんまり触らないから知識だけで切ってた。」
海老使った料理も増やそうかな
エビチリとかエビフライとか
俺はそんな事を考えながら料理を進めた
陽介(油は......160℃か。)
六花「2人でキッチンに並んでると......」
陽介「?」
六花「なんだか、夫婦みたいですね?///」
陽介「そ、そうか?」
六花「子どもは3人くらいで、それで......///」
六花は恍惚とした表情を浮かべ
何かをぼやいている
これはやばいな
陽介「お、おーい?六花ー?」
六花「っ!///」
陽介「戻って来たか?」
六花「は、はい、すみません......///」
陽介「い、いや、大丈夫だよ。(死ぬほど焦ったけど。)」
六花は暴走タイプってところだな
妄想に浸って周りが見えなくなるみたいな
別にそれはそれでいいんだけど、
出来れば、俺のいないところでしてくれ
すごい恥ずかしいから
陽介「さ、さて!早く仕上げようか!」
六花「は、はい!」
それから、俺と六花は動揺しながらも料理を進め
年越しそばを完成させた
__________________
陽介「__出来たぞー。」
俺は皆の前にそばを置いて行った
配り終えた後、俺も自分の席に座った
チュチュ「それじゃあ、いただくわ。」
RAS、陽介「いただきます。」
こうして、俺達の忘年会が始まった
流石に料理はそばだけじゃないぞ?
一応、色々作ってあるよ?
ますき「いやー、今年は色々あったなー。」
陽介「そうだな。1年が10年くらいに感じた。」
レイ「出水君が言うと重みが違うね。」
陽介「はは、そうかもな。」
今となっては今年の事も笑い話にできるな
今年は何と言うか、メンタル鍛えられたなぁ
そう思ってると、パレオが口を開いた
パレオ「初めてようさんに出会ったときはすごかったですね!」
チュチュ「そうね。一瞬、死んでるかと思ったわ。」
陽介「死んでる!?」
チュチュ「それくらいひどい状態だったのよ。」
俺はチュチュの言葉にかなり驚いた
そんな風に見えてたのか
やばいな、この間の俺
ますき「今思えば、全部、今年の出来事なんだな。」
陽介「佐藤?」
ますき「なんでもねぇよ。」
佐藤は手を振りながらそう言った
佐藤がそう言ってるし、何もないだろと思い
俺は食事を再開した
六花「私は出水さんに出会えてよかったですよ!」
陽介「ははっ、ありがとう。」
チュチュ「ロックはやけに陽介に懐いてるわね。」
六花「!///」
パレオ「ロックさん、まるで恋__」
レイ「ぱ、パレオ、それはやめたげて?」
パレオ「はい?」
チュチュ「仲が良いのは良い事よ。」
チュチュは落ち着いた声でそう言った
パレオは楽しそうに六花を見てる
和奏は苦笑いを浮かべてる
その時、俺はあの事を思い出した
陽介「あ、そう言えば、パレオ?」
パレオ「はい?」
陽介「昨日、日菜さんと出かけた時に貰っといたやつなんだけど......」
俺はそう言いながら、
近くにあるリュックの中からあるものを出した
それを見るとパレオの表情が一瞬で変わった
陽介「これ。」
パレオ「こ、これは......!」
陽介「確か、ファンだったよな?」
俺が出したのは日菜さんのサインだ
昨日の帰り際に思い出して書いてもらっておいた
パレオの目が分かりやすいくらいキラキラしてる
まるで、空腹で餌を前にしたペットみたいだ
陽介(あの人ってちゃんとアイドルしてるんだな。)
パレオ「わ、私宛のサイン......!」
陽介「よかったな。」
パレオ「はい!ありがとうございます!」
喜んでる子は可愛いなぁ
なんだかほんわかする
またなんか日菜さんに頼もう
陽介「すごい喜びようだな。」
六花「私もポピパさんのサイン貰えたらあんな感じになります!」
ますき「まぁ、ロックはそうだろうなー。」
レイ「ガチだもんね。」
陽介「そうだな。」
まぁ、こんな感じに
俺達はまったり飯を食べた
そして、時間は過ぎていった
__________________
しばらく時間が経ち、
時刻はもう0時を回った
泊りを想定して夜に集合したけど、
まさか、もう全員寝るとは
陽介(これでよし、と。)
俺は全員に毛布を掛けていった
風邪ひいたりしたら不味いしな
陽介(てか、この部屋暑いな。)
俺はそう思い、
皆の様子を少し見てから、
外に出ることにした
__________________
陽介「__うわ、結構寒い。」
外は結構冷えてる
屋上なだけあって風もあるし
まぁ、暑かったし丁度いいかな
陽介「よいしょっと。」
俺はプールサイドにある椅子に座った
ここに来て初めてここ使ったかも
俺は体を完全に椅子に預けた
ますき「__おい、ここいいか?」
陽介「あ、起きたのか?」
ますき「あぁ。チュチュに顔面蹴られてな。」
陽介「そ、そうか。」
ますき「まぁ、いいんだけどな。」
佐藤はそう言いながら、
俺の横に座った
そして、しばらくの無言の後、
佐藤が口を開いた
ますき「......お前はさ。」
陽介「ん?」
ますき「どうだった?もう去年、になるか。」
陽介「去年?そうだなぁ......」
去年の感想ねぇ
まぁ、去年はこれにつきるかな
陽介「成長した1年だと思ってる。」
ますき「成長?」
陽介「今までの自分を壊してさ、それで成長したみたいな?」
ますき「......そうか。」
佐藤は深く頷いてる
まぁ、間違ってはないよな?
結果として、俺は変われたわけだし
ますき「......今思えば、始まりはあれなんだよな。」
陽介「?」
ますき「あの事故、あれが全部の始まりだったな。」
佐藤はぼやくようにそう言った
ライトで照らされてる瞳は、
少し涙で潤んでるようにも見える
佐藤はまだ後悔してるんだろうか
ますき「ほんとに、悪かったな......」
陽介「気にしなくていいって、今生きてるわけだし。そもそも、目が無くなったのは大きな問題じゃなかったし。」
ますき「......」
佐藤はうつ向いて黙りこくってる
ほんとに義理堅いと言うかなんというか
意外と真面目だよなぁ
陽介「後さ、俺の目が無くなってなかったら多分、今頃この世にいないよ。」
ますき「なに?」
陽介「目があろうがなかろうが、親には捨てられてたしな。」
ますき「っ!」
陽介「佐藤と出会ってたから、俺は今こうして生きてるんだよ。」
俺は優しい声音でそう語りかけた
実際にそうだろ?
これがあったから、佐藤と関われて
自殺しそうなところを止められて
チュチュ達と出会ったわけだし
ますき「......そうか。」
陽介「全部繋がってるんだよ。俺はこれでよかったって思ってるし。」
俺は軽い口調でそう言と、
佐藤は呆れたように口を開いた
ますき「ほんと、人がいいやつだな。」
陽介「そうか?そうでもないぞ?」
ますき「いや、いいよ。お前は馬鹿みたいにお人よしだ。」
佐藤はそう言いながら少し笑ってる
バカって、中々ひどい言われようだな
陽介「そこまでだと思うけどなー。」
よくわからんな
別にそんな意識してないし
陽介「と言うか、かなり褒めてくれるよな?」
ますき「?」
陽介「やっぱり、俺に惚れちゃった感じ?」
ますき「っ!///」
俺がそう言うと、
佐藤は俺のいる反対に顔を向けた
表情は見えないけど、耳が真っ赤だ
ますき「......そうじゃない、とは言わねぇ。」
陽介「ん?」
ますき「って、こっち見てんじゃねぇよ!!///」
陽介「ぐへっ!」
俺は佐藤に顔を掴まれた
力強すぎるだろ
流石、RASのドラマー様だ
ますき「たくっ、なんでこういう時にふざけんだよ......」
陽介「いやぁ、ついつい。」
俺は頭を掻きながらそう言った
いやさ、空気を換えるためにはこうするのがいいじゃん?
ますき「やっぱ、お前、可愛くねぇな。」
佐藤はそう言いながら、
椅子から立ち上がり
手をポケットに入れた
そして、室内の方に体を向けた
ますき「可愛くはねぇけど......」
陽介「?」
一歩踏み出そうとした瞬間、
佐藤は俺の方を向いた
俺は首を傾げた
ますき「お前、かっこいいよ。」
陽介「!!」
ますき「じゃあ、私も寝てくる。あけおめ。」
陽介「お、おう。あけおめ。」
佐藤は室内に戻って行った
俺はその後ろ姿を茫然と眺めていた
かっこいい、か
陽介「......マジで、あの態度。勘違いしそう。」
俺は顔を抑えながらそう呟いた
褒められるの慣れないな、ほんとに
陽介(......多分、多分だぞ?)
本当に多分だけどさ、
佐藤は俺の事好きだと思う
思い込みとかだったら恥ずかしいけど
確信に近い何かがある
陽介「......いや、今は考えるのはよそう。」
俺はそう呟き椅子から立ち上がった
それからは、もう少し風に当たった後、
俺は室内に戻り
再度、皆の様子を確認してから、
自室に戻り、床に着いた