狂犬と消失少年   作:火の車

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ビデオ電話

 朝、青葉に告白され

 

 その後にホテルに帰って来て

 

 それからは1日はホテル待機だった

 

 それで今は夜ご飯、なんだけど......

 

モカ「ようくん、あーん///」

陽介「......」

つぐみ「い、出水君!私のも食べて!///」

陽介「......」

 

 今はこういう状況になってる

 

 青葉と羽沢から料理は差し出され

 

 体を密着させられている

 

 なんなんだろう、この状況

 

巴「お、おー、すごいことになってるな。」

蘭「あんなモカとつぐみ、初めて見た。」

ひまり「う、うん。」

 

 3人も驚いた顔をしてる

 

 俺ですらこの驚きようだし、

 

 幼馴染だとさらに驚くだろう

 

モカ「ほら~、食べて~?」

陽介「あ、うん。」

つぐみ「私も私も!」

 

 俺は2人に差し出された料理を食べた

 

 2人は嬉しそうな顔をして、こっちを見てる

 

 すごく食べずらいな

 

蘭「陽介、何したの?」

陽介「な、何もしてないはずなんだけど。」

モカ「そうそう~、モカちゃんはいつも通りだよ~。」

つぐみ「私も!」

巴(違うから言ってるんだけどなー。まぁ、流石、陽介だな。)

ひまり(いずみんモテモテだねー。)

陽介(う、うーん、なんでだろ。)

 

 俺は今の状況に疑問を感じつつ

 

 2人から出される料理を食べ

 

 夜ご飯の時間を過ごした

__________________

 

 夜ご飯を終え、風呂に入った後

 

 俺は自分の部屋に帰ってきた

 

 何と言うか、嬉しい状況なんだけど

 

 すごく疲れたな......

 

陽介「ん?」

 

 1人で少し笑ってると、

 

 テーブルに置いてある携帯が鳴った

 

ますき『おう、出水。』

陽介「今日も寂しかったのか?」

ますき『ち、ちげぇよ!///』

陽介「あはは、そうかそうか。」

 

 佐藤は本当に分かりやすい

 

 電話越しでもどんな顔をしてるか分かる

 

 そう言うところが可愛いと言うか

 

 面白いって言うのか

 

ますき『それで、修学旅行はどうだ?』

陽介「楽しいよ。今日はホテル待機になったけど。」

ますき『あー、そっちは大雪だったか。』

陽介「そうそう。」

ますき『そりゃあ、災難だったな。』

 

 佐藤は調子を取り戻したようで、

 

 いつもの声のトーンになった

 

 そして、少し間が空いた後、

 

 佐藤はこう言った

 

ますき『なぁ、ビデオ通話にしないか?』

陽介「え?」

ますき『今、部屋だろ?顔合わせねぇとお前の調子が分かんねぇ。』

陽介「まぁ、いいぞ。俺も佐藤の顔見たかったし。」

ますき『じゃあ、切り替えるぞ。』

陽介「了解。」

 

 俺は画面のカメラマークをタップした

 

 すると画面は写真を撮るときのようになり

 

 佐藤の顔が映った

 

 どうやら、風呂上りみたいだ

 

陽介「おぉ、なんか久しぶりに感じる。」

ますき『あぁ、そうだな。』

 

 約2日ぶりに見る佐藤は優しい笑みを浮かべてる

 

 改めてしっかり顔を見て見ると、

 

 綺麗と言うか可愛いと言うか、顔がいい

 

ますき『どうした?』

陽介「なんでもないよ。それで、何の話する?」

ますき『そうだなー......じゃあ、お前が何人に告白されてるか聞きたいなー。』

陽介「え!?」

 

 佐藤は悪戯っぽく笑ってる

 

 マジか、バレてたのか

 

ますき『それで、どうなんだ?』

陽介「ま、まぁ......5人ほどに。」

ますき『おー、モテモテだなー。』

陽介「ま、まぁ、かなり運がいいな。」

ますき『いーや、それは実力だっての。謙遜すんなって。』

陽介「あ、あはは。」

 

 実力って何なんだろうか

 

 別に俺は顔がいいわけでもないし

 

 人生における運を9割使ってる気がするんだけど

 

ますき『それで、どんな奴らに告白されたんだ?印象とか教えてくれよ。』

陽介「印象?」

ますき『じゃあ、最初に告白した人からな。』

 

 すごく勝手に話を進めるな

 

 俺はそう思ったが折角だし話すことにした

 

 最初は湊さんか

 

陽介「最初の人はすごく安心感のある人だよ。いつも優しくしてくれて、昔の俺の事も知ってて、俺が呪縛から逃れられたのはあの人のお陰と思ってる。」

ますき『じゃあ、子供時に会ってたのか。それはどこのボーカルの先輩だ?』

陽介「わ、分かってるのか......」

 

 佐藤、俺の事なんでも知ってるんじゃ?

 

 もう、隠そうとしても筒抜けなのかもしれない

 

ますき『じゃあ、2人目。』

陽介「2人目の子は良い後輩と言うか、可愛い子だよ。日ごろはオドオドしてるけど頑張り屋で、ライブになれば誰よりかっこよく演奏する。年下ながら尊敬してるよ。不安定な俺を支えてくれた1人だし。」

ますき『ロックかー。そう言う風に思ってたんだなー。』

陽介「いや、ハッキリ名前出さないでくれ。恥ずかしいから。」

ますき「わりぃわりぃ。じゃあ、次の人。」

 

 次は日菜さんか

 

 この人は結構色々あったな

 

陽介「その人、最初は嫌いだった。いつも眼帯狙ってくるし、常識ないし。でも、悪い事したら謝るし、自分の興味本位で人が傷つくのを気にしない人間じゃないのは分かった。むしろ、関われば話すの楽しいし、一緒にいれば発見も多い。ファンタジーな人だな。」

ますき「出水とは相性よさそうだな。お前、頭硬いし。」

陽介「俺もそう思うよ。」

ますき「じゃあ、次な。」

 

 俺が笑ってると、

 

 佐藤は話を次に進めた

 

 顔が興味津々だ

 

陽介「4人目は昨日告白された。いつも一生懸命で名前から頑張ってる?っていう意味の言葉が生まれてた。生徒会の子でさ、俺の事を気にかけてくれて、親の話をしても変わらず接してくれて、自分に自信がないけど、本当に素敵な子だと俺は思ってるよ。」

ますき『じゃあ、流れで5人目話せよ。今日だろ?』

陽介「5人目の子は、すごく俺を思ってくれてた。いつもは自信満々なのに、俺を幸せにする自信がないからって告白をやめようとしてた。でも、その子は多分、羽丘に来てから1番一緒に行動したし、何となく性格の相性もいいのかなって思ってる。きっと、一緒にいればいい未来が来るのかなって。」

 

 口に出してみると、皆すごく素敵だ

 

 俺なんかが選んでいい人たちじゃない

 

 もう、運は使い果たしてるな

 

ますき『出会いに恵まれたな、出水。』

陽介「あ、佐藤?」

ますき『なんだ?』

陽介「俺の思い込みじゃないなら、もう1人いるんだけど。」

ますき『!!』

 

 俺がそう言うと佐藤の表情が変わった

 

 まぁ、分かってるんだろうな

 

陽介「俺はきっと、最初はその子が好きだった。」

ますき『!』

陽介「でも、今は並ぶ子が5人も出て来たから好きとは言えない。でも、大切なのは間違いないよ。」

 

 俺が話してる途中、

 

 佐藤は何も話さなかった

 

 でも、若干、顔が赤くなってる

 

ますき『......その、もう1人。』

陽介「?」

ますき『そいつが告白したら、答えだすんだな?』

陽介「一緒にいたいと思ったら、俺から告白するつもりだったけど。」

ますき『いーや、きっとそいつは自分から言いたいと思ってる。』

 

 佐藤は片目を閉じながらそう言った

 

 俺の潰れた目の方が空いてる

 

 器用なもんだな

 

ますき『......なぁ、出水。』

陽介「どうした?」

ますき『修学旅行から帰ってきたら、迎え行く。』

陽介「......あぁ、分かった。」

ますき『じゃあ、今日はここまでな。さっさと寝ろ。じゃあな。』

陽介「あぁ、またな。」

 

 そう言うとすぐ、画面はホームに戻った

 

 画面に映る自分の顔は少し笑ってて

 

 でも、心臓は大きな音を出して動いてる

 

 すっごい緊張してるな、これ

 

陽介(これで、決めるから。)

 

 まだ、自分の気持ちなんて分からない

 

 誰を好きになるのか、一緒にいるのか

 

 まだ、何も分からない

 

陽介(その辺りは未来の俺に任せよう。)

 

 今は修学旅行を楽しもう

 

 答えはきっと、おのずと出て来ると思う

 

 俺はそんな事を考えながら、

 

 テーブルに置いてある明日のスケジュールに目を通してから、敷いてある布団に入って眠りについた

 

 

 

 

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