狂犬と消失少年   作:火の車

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帰り

今日は昼にすごいものを見た

 

 何故か羽沢を撫でてる青葉がいて、

 

 なんか青葉は幸せそうな顔してたし、

 

 羽沢は困ってるけど嬉しそうな顔をしてて

 

 なんとも微笑ましい光景だった

 

 仲が良くていいと思った

 

陽介(__あれ、今日でここに泊まるの最後なのか。)

 

 俺はスケジュールを見てるとそんな事を思った

 

 日数は3泊4日なわけで、もう3日目の夜

 

 寝て起きたらもう帰るだけだ

 

 何と言うか、早いな

 

陽介「なんか......すごかったな。」

 

 修学旅行の内容が頭に入ってない

 

 青葉と羽沢の記憶が色濃く残ってる

 

 いや、むしろそれしか無かったんじゃって思う

 

陽介(まぁ、うん、すごかったなー__)

モカ「__よう君~、入るね~。」

陽介「!?」

つぐみ「私も......」

陽介「んん!?」

 

 あれ、なんで鍵開いてるんだ?

 

 て言うか、なんで2人がここに来たんだ?

 

 俺は咄嗟の出来事で混乱した

 

陽介「ど、どうしたんだ?」

モカ「いや~、修学旅行最終日だし、遊びに来たんだよ~。」

つぐみ「出水君が寂しがってるって、モカちゃんが!」

陽介「いや、別に寂しいと思った事はないんだけどな。」

 

 それにしても、この状況は問題だ

 

 男1人の部屋に女子が2人

 

 これ、仮に誰か来たらマズいんじゃないか?

 

 捕まったりしないか......?

 

モカ「流石によう君の部屋は綺麗だねー。」

陽介「まぁ、俺しかいないからな。」

つぐみ「それでも、整理整頓が上手だよ!」

陽介「そうか?」

 

 そんな会話をしながら

 

 2人は置いてある座布団に座った

 

 俺は部屋に置いてあるお茶を淹れに行った

 

つぐみ「あ、手伝うよ!」

陽介「いや、いいよ。すぐに終わるから。」

モカ「お菓子食べてもいいー?」

陽介「あぁ、いいよ。好きなだけ食べてくれ。」

 

 そう言えば、今日の昼に美竹が『モカが部屋のお菓子全部食べた。』って言ってたな

 

 分かってるけど食いしん坊だな

 

 作る身としては良く食べてくれる子はいい

 

 しかも美味しそうに食べてくれる

 

陽介「はい、どうぞ。」

つぐみ「ありがとう!」

モカ「おいひい~。」

陽介「ははは、それ美味しいよな。」

モカ「うん~。」

 

 俺は2人の反対側に座り

 

 お菓子を食べてる2人の姿を見た

 

陽介(うん、可愛いな。)

 

 美竹からの話を聞いた後に2人を見ると少し違う見え方になるな

 

 深みが増すと言うか、何と言うのか

 

 本当に見方が少しだけ変わった

 

モカ「どうしたの、よう君ー?」

陽介「ん?」

モカ「もしかして、美少女2人が目の前にいて緊張してるの~?」

つぐみ「!?///」

 

 青葉はニヤニヤしながらそう言ってきた

 

 羽沢は横でワタワタしてる

 

陽介「緊張はしてないけど。折角、青葉がいるように美少女2人がいるから目に焼けつけておこうと思って。」

モカ、つぐみ「っ!?///」

陽介(お、青葉まで表情変わった。面白いな。)

 

 最近、青葉の表情が分かりやすくなった

 

 前までは全く違いが分からなかったのに

 

 美竹もこれには驚いてたな

 

つぐみ「な、ななな、何言ってるのかな!?///」

モカ「も、もー......///」

陽介「青葉は自分で言ってただろ?」

モカ「それとこれとは違うんだよねー......///」

 

 ヤバいな

 

 これ、構図がただのタラシの最低男だ

 

 いつか刺されたりしないかな、俺

 

陽介「......ま、まぁ、折角来たんだし何か話そうか。」

つぐみ「大丈夫?何か変な汗かいてるよ?」

陽介「大丈夫大丈夫。自分の愚行で刺される未来が見えただけだから。」

つぐみ「刺される!?」

モカ「どんな想像したのー?」

 

 それはもう、ヤバい未来だよ

 

 あんまり不用意な事が出来ないなよ

 

 いや、元からする気もないけど

 

モカ「あたし達も何か用があって来たわけじゃないしー。」

つぐみ「私も、モカちゃんに呼ばれたから来てて。」

陽介「あ、うん。そうか。」

 

 俺はチラッと時計を見た

 

 時間的にもうすぐ消灯時間になる

 

 あんまりゆっくりも出来ないらしい

 

陽介「じゃあ、部屋に戻ったらどうだ?もうすぐ消灯時間だぞ?」

モカ「えー、ここで寝たらダメー?」

陽介「ダメです。」

モカ「どうしてもー?」

つぐみ「......///」

陽介「どうしても。美竹たちも心配するだろ__!」

 

 俺が話してる途中、部屋の電気が消えた

 

 暗闇の中で青葉がニヤニヤしてるのが分かる

 

 多分、手元に電気のリモコンがあったのか

 

陽介「あのー、青葉さん?」

モカ「ん~?どうしたの~♪」

陽介「いや、流石にここでは駄目だぞ?」

モカ「モカちゃん、暗くて足元見えな~い♪」

つぐみ「私も、何も見えない、出水君とモカちゃんしか見えない///」

陽介「見えてるよね、それ。」

 

 別に電気を消しても足元位見える

 

 片目しかない俺でも見えてるんだし、

 

 2人が見えない事なんてありえない

 

 羽沢に関してはもう自白しちゃってるし

 

モカ「......よう君はあたし達が邪魔ー......?」

陽介「え?」

つぐみ「一緒にいたら、ダメかな......?」

陽介「いや、邪魔とかじゃなく......」

モカ「ようくん~......」

つぐみ「出水君......」

陽介「......」

 

 もう、このパターンは分かってるんだ

 

 いつもなら、ここで押しに負けて

 

 なんだかんだで何でも承諾してしまう

 

 だが、流石に今回は__

 

陽介「......睡眠をとるだけなら。」

 

 今回も無理でした

 

 だって、2人が本当に悲しそうな顔してるんだよ

 

 断ったら本当に泣きそうな顔だし

 

 だから、無理です(諦め)

 

モカ「やったー。」

つぐみ「じゃあ、寝よっか!」

陽介(寝る時のテンションじゃないんだが。)

 

 俺はそんな事を思いつつも2人に腕を引かれ

 

 一緒の布団に3人はいると言う構図が出来た

 

 いや、大丈夫、大丈夫だ

 

 六花とだって一緒に寝たんだ

 

 もう流石に耐性ついてる(はず)

 

陽介(よし、出来るぞ、俺!)

モカ「ようくん~。」

陽介「あ、青葉!?」

モカ「ようくんはあったかいね~///」

 

 布団に入ってすぐ

 

 右で寝てる青葉が抱き着いてきた

 

 青葉の感触はイメージ通り、柔らかい感じだ

 

 しかも、女子ってなんで固有の匂いがあるんだろう

 

つぐみ「わ、私も......!///」

陽介「っ!(羽沢まで......!?)」

 

 今度は左の羽沢も抱き着いてきた

 

 青葉とはまた違った感触と匂い

 

 しかも、2人とも幸せそうな顔をしてるのがまた効く

 

モカ「じゃあ、寝るねー。」

陽介「え、あの__」

つぐみ「おやすみなさい......」

陽介「......」

 

 2人は俺に発言を許さないまま目を閉じた

 

 起きてるかもしれないけど、

 

 寝ようとしてるのを邪魔するのもだし

 

陽介(い、いや、出来る!耐性があるんだ!集中すれば寝れる!)

 

 俺は心の中でそう自分で言い聞かせた

 

 なんだかできる気がしてきた

 

 俺はそう思いながら目を閉じた

 

 

 ”3時間後”

 

 ......無理でした

 

 所詮、気がしただけだったみたいだ

 

 耐性なんてつくわけがない

 

モカ「ん......よう君......」

つぐみ「出水君......」

陽介「......」

 

 さっきから2人の寝言には俺の名前が良く入る

 

 しかも、妙に可愛らしいんだよ

 

 起きてるんじゃないか疑ったけど、間違いなく熟睡してる

 

 しかも、左右から美少女に抱き着かれてる

 

 こんなので寝られるわけがない

 

陽介(あー......またこのパターンかー。)

 

 六花の時を思い出すなー

 

 あの時も朝方まで起きてたんだっけ

 

 この初心さ、喜べばいいのか悲しめばいいのか

 

 今の俺にはよく分からない

 

陽介(さて、今日は何時まで起きてるかな。)

 

 俺はそんな事を考え、

 

 左右で寝てる2人の息遣いを感じつつ

 

 自分に眠気が来るのをじっと待っていた

__________________

 

 なんだかんだあって朝になり

 

 部屋の片づけなどをしてホテルを出て

 

 少しばかりの活動をして、昼頃、帰りのバスに乗り込んだ

 

蘭「__よ、陽介、大丈夫......?」

陽介「大丈夫......とは言えない。」

 

 結局、俺は一晩眠ることが出来なかった

 

 その結果、俺は今現在、すごく眠い

 

 最近はしっかり寝るようになったし

 

 これは流石にきついものがある

 

蘭「て言うかさ、昨晩、モカとつぐみが戻って来なかったんだけど......何かあった?」

陽介「......一緒に寝てた。(いや、俺は起きてたし寝たと言うのか?)」

蘭「あっ(察し)」

陽介「それで、寝られなくなってな。寝てないんだよ。」

蘭「た、大変だね。」

 

 美竹は心配そうにこっちを見てる

 

 まぁ、ただ寝てないだけなんだけだし

 

 そこまで重症ってわけじゃない

 

 まぁ、流石にバスでは寝るけど

 

陽介「まぁ、今から寝るよ。」

蘭「うん、おやすみ。」

陽介「あぁ、おやすみ......」

 

 俺は背もたれにもたれかかり、

 

 ゆっくり重たい瞼を閉じた

 

 ”蘭”

 

 陽介はバスに乗ってからすぐに眠った

 

 大体の状況は掴めてる

 

 もう大変だったねとしか言えない

 

蘭(モカとつぐみ......ほんとに何してんの......)

 

 全く、呆れた2人だよね

 

 モカに関してはあんなに告白渋ってたのに

 

 つぐみも日ごろはあんな感じなのに......

 

陽介「んん......」

蘭「!」

 

 あたしが考え事をしてると、

 

 横にいる陽介が肩にもたれかかってきた

 

 モカとかはよくこんな感じになるけど

 

 男子とこうなったのは初めてだね

 

蘭(寝ずらかったのかな?)

陽介「......zzz」

蘭「......陽介は苦労に好かれてるね。」

 

 あたしは陽介の頭を撫でた

 

 日頃は凄いしっかりしてるけど、寝れば普通の男子って感じ

 

 まぁ、陽介に起きてたことはとても普通じゃないんだけどね......

 

蘭「......お疲れ様、陽介。」

 

 あたしは小声でそう言った

 

 そして、あたしは静かに視線を陽介から外した

 

 すごい後ろから2人の視線感じるし、それに

 

蘭(......いや、やめとこ。)

 

 あたしはゆっくり目を閉じ、

 

 色々な事を気にしないように眠った

__________________

 

 ”陽介”

 

 ものすごく体が痛い

 

 座って寝ることがほぼないからだろうか

 

 体中から変な音が鳴ってる

 

ひまり「いずみん、すごい顔してるねー。」

巴「寝起きって感じが伝わってくるな!」

陽介「おはよう、2人とも......」

 

 段々と頭がさえて来た

 

 日は傾いてて、もう夕方だ

 

 そう言えば、何で起きた時美竹にもたれかかってたんだ?

 

 寝相が悪くて体が動いたのか?

 

蘭「じゃあ、あたしは帰るよ。」

巴「蘭も眠そうだな。危ないし、あたしもついて行くぞ?」

蘭「いい......」

ひまり「もう!意地張らないの!」

モカ「そうだよ~、蘭には聞かないといけない事があるし~。」

つぐみ「今の蘭ちゃんは放っておけないしね!」

蘭「騒がしい......」

陽介「あ、あはは......」

 

 あの4人は元気だな

 

 やっぱり、俺とは体力が違う

 

 羨ましい限りだ

 

モカ「よう君も一緒に帰るー?」

陽介「そうだなー、俺も行こうかな__!」

 

 俺がそう言おうとすると、

 

 校門の方に1つの影があるのに気づいた

 

 俺はそれを見て少しだけ笑った

 

陽介「やっぱり、やめとく。迎えが来てるし。」

巴「迎え?」

陽介「あぁ、俺はそっちに行くよ。」

 

 俺はそう言って校門の方に歩き始めた

 

 全く、気付かなかったらどうする気だったんだろう

 

ひまり「またね!いずみん!」

モカ「また学校で~。」

つぐみ「お疲れ様!」

巴「じゃあな!」

蘭「......また。」

陽介「あぁ。」

 

 俺は5人に手を軽く振りながら

 

 校門前にいる迎えの所に歩いた

__________________

 

ますき「__友達と帰らなくていいのか?」

陽介「ん?」

 

 校門前にいたのは佐藤だ

 

 佐藤は首をかしげながらそう聞いてきた

 

陽介「折角、会いたかった女の子がお迎えが来てたからな。来ちゃったよ。」

ますき「......そうかよ。」

陽介「!」

 

 佐藤はヘルメットをこっちに投げて来た

 

 俺はそれを両手でキャッチした

 

 佐藤の方を見ると、少しだけ顔が赤くなってる

 

 ヘルメット渡すのと、照れ隠しの意味があったらしい

 

ますき「まぁ、乗れよ。ちょっとだけ走ろうぜ。」

陽介「どこまで行く?」

ますき「......気分。」

陽介「分かった。」

 

 佐藤は先にバイクに乗りエンジンを入れ

 

 俺はその後部座席に座った

 

 佐藤のバイクには初めて乗る、楽しみだ

 

ますき「じゃあ、行くか。」

陽介「あぁ。」

 

 そう言って、バイクは動き出し

 

 決まらない目的に地に向かい

 

 走り出した

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