今日は2月14日
世間はバレンタインで盛り上がっている
まぁ、それは俺も例外じゃなく
青葉に貰えるかなーとか
朝は割と期待して家を出た
陽介「__おはよう、青葉。」
モカ「お、おはよー、よう君ー。」
陽介「?」
朝、いつも通り青葉に挨拶すると
少し違和感を感じた
何と言うか、目が合ってない
ひまり「あ、いずみんだー!」
巴「よぉ!陽介!」
つぐみ「おはよう!」
蘭「おはよ。」
陽介「あ、おはよう。」
青葉の方を見てると
いつもの4人が声をかけて来た
俺は一旦、青葉から目を放し
4人の方を向いた
陽介「宇田川のそれ、すごいな。」
巴「あー、まぁな。」
陽介「流石だな。」
宇田川は両手に紙袋を持ってて
中には大量のチョコが入ってる
男子よりモテるのは知ってたけど
まさかこれほどとは......
巴「でも、ここまで来るとお返しがな......」
陽介「あっ(察し)」
つぐみ「た、大変そうだね。」
巴「マジでどうしよ......」
宇田川の顔が青くなってる
もしも時は手伝ってやろう
まぁ、何ができるかは知らないが
ひまり「まぁ、巴の事は良いとして。」
巴「おい!」
ひまり「いずみんにもチョコあげるよー!」
陽介「おぉ、ありがとう。」
モカ「!」
俺は上原からチョコを受け取った
女子高生らしい可愛らしいラッピング
やっぱり、上原の女子力は高いと思う
つぐみ「私もあるよ、出水君!」
陽介「ありがとう。これはコーヒーを使ってるのか?」
つぐみ「うん!色々調べて作ってみたんだ!」
陽介「すごくいい色味をしてるな。今度教えてくれ。」
つぐみ「うん!いいよ!」
羽沢は元気に頷いた
これで貰ったチョコは2個
今までで最高記録だ
蘭「そう言えば、陽介、モカに貰ったの?」
モカ「っ!」
陽介「え?貰ってないけど。」
そう言えば貰ってない
て言うか、そう言う話にならなかった
つぐみ「え、そうなの?」
ひまり「折角のバレンタインなのに!?」
陽介「まぁ、あげないといけないってルールはないし。」
巴「でも、欲しくないのか?」
陽介「え?欲しいけど。」
巴「いや、正直だな。」
宇田川は苦笑いをしながらそう言った
そりゃ、青葉からのチョコは欲しい
でも、無理する事でもないし
チャンスはまだいくらでもあるし
蘭「まぁ、正直ついでにこれあげるよ。」
陽介「え、美竹まで?」
蘭「なに?」
陽介「いや、意外だなって。」
俺は美竹からもチョコを受け取った
受け取ったチョコを見て
俺はさらに驚いた
ひまり「わー!蘭のチョコ可愛い!」
蘭「いや、普通のなんだけど。」
巴「それにしても、ラッピングにハート多くて可愛いな。」
つぐみ「私もちょっと驚いた。」
モカ「......」
これは流石に驚いてる
イメージでは何と言うんだろうか
もうちょっと渋いと思ってた
陽介「まぁ、ありがとう。ありがたくいただくよ。」
蘭「うん、味も大丈夫だと思うよ。」
陽介「そこの心配はしてなかった......ん?」
モカ「......」
美竹と話してると
横から視線を感じ、その方向を向いた
すると、青葉がこっちを見ていた
でも、怒ってるとかじゃない
陽介「どうかしたか?」
モカ「な、なんでもないよー。蘭たちにチョコ貰えてよかったねー。」
陽介「あぁ、そうだな?」
俺は首をかしげながらそう答えた
なんだろう、様子がおかしい
いつもの元気もないし
なんか、いつもより見られてる
陽介(うーん、どうしたんだろう__ん?)
青葉の事を考えてると
ポケットに入れてる携帯が鳴った
俺は携帯を取り出し、画面を見た
陽介(美竹から?)
蘭「......」
美竹からのメッセージには
『後で屋上に来て』と書かれていた
俺は不思議に思いながら携帯をしまい
美竹の方をちらっと見た
蘭「......ちょっと、話そ。」
陽介「......了解。」
モカ「......?」
俺は軽く頷いた後、席に着き
美竹は教室を出るタイミングを伺った
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美竹が教室を出るタイミングは早く
1限目が終わってすぐの事だった
俺は美竹が教室を出るのについて行って
屋上に移動した
陽介「__それで、話ってなんだ?」
俺は屋上に来てすぐ、そう尋ねた
美竹はフェンスに肘をつき
小さくため息をついた
蘭「今日、モカの様子おかしいでしょ?」
陽介「あぁ、そうだな。」
蘭「それ、なんでか分かる?」
陽介「全く分からん。」
蘭「はぁ、だよね。」
美竹は呆れたようにそう言った
でも、流石に原因なんて分からない
蘭「ねぇ、本当にモカがチョコを用意してないと思う?」
陽介「......それは、どういう事だ?」
蘭「そのまま。」
美竹にそう言われ、少し考える
イメージでは、青葉は食べる専門
あげる側のイメージはあまりない
でも、どうだろう......
陽介「半分半分、って所だな。」
蘭「......じゃあ、答えを教えてあげる。」
陽介「え?」
美竹は俺の方に歩み寄ってきて
耳元に顔を近づけて来た
そして、小声でこういった
蘭「__モカ、ちゃんと用意してたよ。」
陽介「!」
その言葉を聞くと
美竹の気配が通り過ぎて行った
振り返るともう歩いて行ってる
蘭「後は任せるね。」
陽介「......あぁ。」
美竹は屋上から出て行った
俺もそれについて行き
教室に戻ることにした
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一日の授業を終え、放課後になった
今日、青葉たちは練習がないらしく
俺と青葉は一緒に帰ってる
陽介「青葉、今日どっか寄っていくか?」
モカ「そうだねー、ちょっとお腹すいたかもー。」
陽介「おっ、ちょうどよかった。俺も腹減ってたんだ。」
俺と青葉はそんな会話をしながら歩いてる
空腹なのは本当だ
今日は体育で体を動かしたし
陽介「折角だし、チョコでも食べたいな。」
モカ「!?」
陽介「今日はどこもかしこもバレンタインだろうし、やまぶきベーカリーも何かしてるかもな。」
モカ「その、よう君......」
陽介「!」
俺がのんきに喋りながら歩いてると
後ろから青葉が服の裾を引っ張ってきた
俺はそれに反応して振り返り
うつ向いてる青葉の方を見た
モカ「えっとね、実はあたし、チョコ持ってるの......」
陽介「あぁ、知ってるよ。」
モカ「え?」
陽介「美竹に聞いた。」
モカ(ら、蘭~......)
青葉は小さく肩を落とした
でも、弱気な青葉も珍しいな
いつもはニヤニヤしてるのに
モカ「その、渡せなかった理由があって......」
陽介「渡せなかった理由?」
モカ「うん......」
青葉は暗い顔のまま
鞄の中から可愛らしい袋を出し
それを俺の方に差し出して来た
陽介「__!(なるほど。)」
モカ(うぅ......)
青葉に渡されたのはチョコクッキーだ
だが、少し色が黒っぽい
多分、これは......
モカ「張り切って作ったら焦がしちゃって......それで......」
陽介「なんだ、そんな事か?」
モカ「え......?」
俺はそう言いながらクッキーを1つ手に取った
焦げてると言っても形は綺麗だし
匂いも甘くて良い匂いだ
陽介「別にちょっと焦がしたくらい気にしなくていいのに。」
モカ「!!」
俺はそう言いながらクッキーを口に運んだ
食感はサクサクしてて
口に入れるとチョコレートの風味
そして、少し焦げた部分の苦みを感じ
良い感じに甘さが調節されてる
陽介(ふむふむ。)
モカ「よ、よう君、そんな無理して食べなくても......」
青葉は慌てた様子でそう言ってる
けど、俺は特に手を止めることなく
クッキーを口に運び続けた
陽介「__うん。」
クッキーを食べ終え、少し頷いた
青葉は不安そうにこっちを見てる
俺はそれを見て、少し笑った
陽介「美味しいかったよ。」
モカ「!///」
俺は青葉の頭を撫でた
青葉の撫で心地はふわふわしてて
撫でてる方も気持ちがいい
そして、青葉が可愛い
モカ「あ、あんなの焦げてたし......///」
陽介「青葉が作っただけで100割増しで美味しいけど、別にクッキー自体の出来も悪くなかった。」
モカ「~!///(よ、よう君......///)」
青葉の顔が真っ赤になってる
うむ、可愛すぎるな
いつもの自信満々もいいけど
こういう姿もいいな
そんな事を考えてると
青葉は俺の腕に抱き着いてきた
モカ「甘々判定過ぎ~......///」
陽介「そうか?妥当だと思うけど。」
モカ「......すき~///」
陽介「俺も好きだぞ。」
モカ「うん///」
青葉は小さな声でそう答えた
その姿を見ると自然と頬は緩む
俺はだらしない顔を直しながら
横にいる青葉の方を見た
陽介「じゃあ、俺の家行くか。」
モカ「え?///」
陽介「青葉用のチョコ使ったパン作ったからな。チョコデニッシュもチョココロネも何でもあるぞ?」
モカ「ほ、ほんとに~!楽しみ~!」
陽介「あはは、そうか。」
モカ「早く行こ~!ようくん~!」
陽介「あぁ、行こうか。」
それから俺と青葉は家に向かった
まぁ、言えでは青葉がパンを食べまくって
俺はその様子を楽しく観察してた
チョコをくれる彼女もいいけど
やっぱり、たくさん食べる彼女が好きだ
俺はそう思った