いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?   作:ユキアン

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リクエストにありました
『もしも木場君?がネギまの世界に行ったら』
です。


IF ネギま編

おや?僕に対する新規の契約召還の様ですが、何処か変ですね。まあ向こうに行ってから考えましょうか。

 

 

 

「以上が契約内容だ」

 

「一応確認しますけど、本気ですか?」

 

「本気だ。さっさと仕事にかかれ」

 

「分かりましたけど報酬はちゃんと払って下さいよ。とは言っても貴方の魂はあまり価値がないですね。これから向かう村の者の魂を貰っていきますよ」

 

「かまわん。好きにすれば良い」

 

「それではこれで」

 

僕を呼び出したのは歳をとった魔術師で、とある村に住んでいる少年の心に闇を植え付ける事を依頼された。他にも悪魔が呼ばれているみたいだけど、僕の知る悪魔とは完全に別物だった。というか、呼び出されたこの世界そのものが僕の知る物とは違うみたいだ。まあ、契約しちゃった以上仕事はしないとね。取り分が減るのは嫌なので一緒に呼び出された悪魔を滅してからどうするかを考える。

 

出来るだけ深い闇を植え付けろと言う事なのであまり気は進まないけど少年の目の前で村人を皆殺しにするのが一番だろうね。方針を決めた僕は村の近くまで転移して禍々しい魔力を発しながら村に近づいていく。村の前では何人もの魔術師が杖を構えて僕を待っていた。

 

「村に何の用じゃ?」

 

「仕事だよ。契約を正式に交わした以上、悪魔は契約に縛られるからね。答えてくれないだろうけど一応聞いておこう。この写真の少年は何処に居る?」

 

返答は魔法で返って来た。まあ、そこまで脅威を感じる物ではなかったので僕の神父服の防壁を抜く事は出来ませんでしたけど。魔法の弾幕を物ともせずに少年を捜すのですが、どうやら村から離れた所にある湖で遊んでいる様ですね。とりあえず、少年には村に帰って来てもらう必要があります。目の前で故郷を失うというのは実に堪えますからね。

 

魔剣を作り出して空に放り投げて壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)で爆破する。子供は何か異常を感じれば誰かのもとに駆けつける習性がある。これで少年はこの村に帰ってくるだろう。後は外から中には入れるけど、中から外に出れない結界を村に敷いて準備完了だ。

 

適当に反撃をしながら待っていると結界に反応が有った。少年が結界内に入ったようだ。そちらに向かって走りだし、少年に対峙する。

 

「君はネギ・スプリングフィールドであっているかい?」

 

「えっ、うん」

 

「そうか。すまないとは思うけど、これも仕事でね。恨んでくれていいよ」

 

そう言ってから一番先頭を飛んでやって来た若い男の魔術師に向かって障壁突破に特化した剣を投げて殺す。

 

「えっ?」

 

少年は今起こった出来事を理解出来ていないようだが、仕方ないだろう。必死に少年を救おうと魔術師達が接近して来て、それを全て斬り殺す。少年の目の前でだ。少年は一歩も動けずにただ虐殺風景を眺めている。

 

それにしても濁った魂ばかりであまり儲けが出ないね。数だけは多いから損にはならないけど、もう少し質の良い綺麗な魂が欲しいな。その点で言えば頑固そうな老魔術師の魂はもの凄く良い物だ。向こうでも滅多に見ない程に綺麗で力強い色をしている。これはコレクション行きですね。

 

しばらく作業の様に村人を狩っていると高速でこちらに接近してくる高魔力を感知した。そちらの方を見てみると、少年に似た男がこちらに向かって飛んで来ている。おそらくは父親でしょうね。

 

ですが、その男は何を思ったのか雷撃系統の直射型の魔法を僕に向けて撃ってきました。近くにはまだ生きている村人や少年が居ると言うのに。

 

とりあえず少年は出来るだけ傷つけない様にと契約を交わしているので、僕と少年を守る様に雷撃耐性の魔剣を壁の様に並べて防御する。男の魔法が過ぎ去った後には、僕の魔剣以外何も残っていなかった。その威力に唖然としながら、それを密集地帯で使う愚かさに怒りが込み上げてきました。

 

これは八つ当たりだと言うのは分かっています。ですが、僕は怒りを抑える事が出来ませんでした。

 

「I am the bone of my sword.

 

 Steel is my body, and fire is my blood.

 

 I have created over a thousand blades.

 

 Unknown to Death.

 

 Nor known to Life.

 

 Have withstood pain to create many weapons.

 

 Yet, those hands will never hold anything

 

 So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.」

 

固有結界を発動し、男と僕だけを隔離して、一方的な虐殺を行いました。わざと殺さない様に使う剣はエクスカリパーのみ。障壁を簡単に貫いて、直撃してもかすり傷しか負わせる事の出来ないエクスカリパーは嬲り殺しにぴったりの武器でした。それに幾ら傷を負った所で治療出来る剣があるのもあって、いつまでも続く無限地獄がこの世に顕現してしまいました。

 

男の反応が無くなるまで続けた剣の嵐を解き、魂を奪おうとした所で奇妙な事に気が付きました。一つの身体に複数の魂を感じられるのです。一つはこの男自身の魂でしょう。ギラギラと目に痛い位に輝く魂です。僕の好みでは有りませんが、評価が高い魂ですので確保しておきましょう。残りの魂は、何度も何度も生き長らえた様な濁った魂です。これも僕の好みでは有りませんが興味深いので確保しておきましょう。

 

魂の回収が終わった所で固有結界を解除すると、少年は既に村から離れている様でした。村から少し離れた丘になっている場所に少年の魔力を感知したので父親であると思われる男の死体と杖を持って、かなり久しぶりに悪魔の翼を出して空を飛んで追いかけます。

 

少年に追い付くと、傍には片足を失った女性が倒れていた。少年はその女性を必死に引きずりながら村から離れようとしている。

 

「何処に行こうとしているんだい?」

 

空から声を掛けると、少年は驚いて子供用と思われる小さな杖を構える。

 

「安心して良いよ。僕の仕事はもう終わったからね。この辺りで生きている人間は君とその女性だけさ。それと彼は君の父親だろう。死体だが持って来てあげたよ」

 

そう言って少年に向かって担いでいた男の死体と杖を投げる。

 

「それとこれは僕からの施しさ」

 

魔剣を使って片足を失った女性の止血を行う。

 

「そして最後にこれを君に渡しておこう」

 

僕を召還するのに必要なチラシを一枚、少年に投げ渡す。

 

「それを使えば僕を呼び出す事が出来る。代価を用意すれば、僕はどんな願いでも叶えてあげるよ」

 

それこそ死者蘇生だってね。言葉にせずに目だけで語っておく。コレ位の子供は見境無いからね。代価が足りないと断っても、しつこく纏わり付くのが目に見えている。なんとかしてあげたいとは思うけど、奇跡の安売りは神の存在を軽くする行為だからあまり褒められた事ではないんだよね。だからこんな事しか言ってあげられない。

 

「僕を殺せる位強くなって、復讐のために呼び出すのも有りだよ」

 

それだけを告げて僕は依頼主の元に転移する。

 

 

 

 

 

 

依頼主に報告後、僕は元の世界に帰る事が出来なかった。向こうの世界に残して来た『断罪の剣(ジャッジメント)』の皆の事が気になるので帰還方法を開発しながら、たまに悪魔の仕事をしつつ、経歴を詐称して身体も人間に作り替えて日本にある麻帆良学園と呼ばれる学園都市にある教会で神父をやって過ごしています。

 

この世界の事を色々と調べて分かった事ですが、歴史はそれほど変わりが無いようです。ですが悪魔は別の存在ですし、天使や堕天使、神話勢力の存在は確認されませんでした。その代わりに魔法使いは大量にいます。

 

彼らの使う魔法は僕達の魔法とは色々と違いますけどね。

僕らの使う魔法は魔力をそのまま火や水に直接変化させたり、イメージ通りの現象を起こすのですが、彼らの使う魔法は魔力と言う資金を使って精霊と言うアルバイトを雇い、呪文と言う仕事を割り振って結果を出すという非情に効率の悪い魔法体系のようです。

 

また僕らに比べるとスペックがかなり落ちるのでそこまで強くもありません。実際、この世界で一番強いとされるナギ・スプリングフィールドを殺してしまいましたから。あの程度ならコカビエルでも倒せるでしょうね。

 

それからこの学園都市は魔法使いが運営しているので、魔法使いとして赴任すると色々と融通してくれるので過ごしやすいのも特徴ですね。シフト制で夜間の警備なども有りますが、夜間の活動の方が多い僕に取っては何の問題も有りません。ただ、学園を覆う結界によって悪魔や天使や堕天使になると力を押さえつけられる上に警備の人間にバレる事もあるので少しだけ大変ではあります。

 

そして6年の月日が流れ、ようやく帰還の目処が立ち始めた頃にあの日の少年が魔法使いの修行として麻帆良にやってくるということが学園長から伝えられた。

ふむ、逃げますか。会えば高確率で面倒な事になりますから。

 

その日の内に父が倒れたので故郷に帰ると告げて麻帆良から逃げ出した僕はひっそりと研究の日々を過ごしていたんだけど、ある日悪魔の仕事として依頼されたのが麻帆良学園の戦力調査と少年の脅威度の確認という依頼でした。出来る限り人殺しは避ける様にも言われ、代価も十分に払われてしまっては断る事も出来ませんでした。

 

久しぶりに戻って来た麻帆良学園は生憎の雨模様。傘を持って来ていなかったので魔法で身体に雨が当たらない様にして、依頼主の人形の少年に貰った符を使ってから学園内を悪魔と天使と堕天使の身体で歩きます。人形の少年に渡された符は学園の結界を誤摩化す物のようだ。

 

しばらく歩いていると前方から女子中等部の制服を着た集団が走って来ているのを見かけた。その中に顔見知りの子が居たので挨拶でもと思ったのだけど、僕の顔を見た集団が身構えた。どういうことでしょう?

 

「あ、あんた、まさかネギの過去に出て来た悪魔!?」

 

先頭を走っていたオッドアイの少女がそう叫んで来ました。

おや?どうやら僕の正体を知っているようですね。

 

「木場さん、嘘ですよね。あんなに優しくしてくれた貴方が、悪魔だなんて」

 

「ええ、僕は悪魔なんて者ではありませんよ」

 

背中から天使の翼を出して顔見知りである桜咲さんに見せつけます。それを見て安堵している桜咲さんには悪いのですが、続いて堕天使の翼、そして最後に悪魔の翼を見せつけます。

 

「僕は単体の種族ではなく、悪魔でもあり天使でもあり堕天使でもある存在です。そしてネギ少年の過去に出て来た、彼の故郷を滅ぼした悪魔は僕で間違いありませんよ」

 

「そ、そんな!?」

 

「僕は全ての種族の制約に縛られて生きていますからね。悪魔として召還され契約を交わせば僕に拒否権はありません。彼の故郷を滅ぼしたのもそういう契約を交わしたからです。まあ3割程は彼の父親であるナギ・スプリングフィールドの所為ですけどね。まあ今となってはどうする事も出来ないですが」

 

「なんなのよ、それ。そんな事でネギの故郷を!!」

 

「お嬢さん、悪魔にとって契約とは絶対なんですよ。それを破ると言う事は死を意味する。死にたくないから殺す。実にシンプルな答えです」

 

「巫山戯んじゃないわよ!!」

 

オッドアイの少女がパクティオーカードから大剣を取り出して僕に斬り掛かってきました。神父服の障壁だけで大丈夫だと思っていたのですが、どうやら魔力無効化能力を持つ剣だったようです。あっさりと障壁は壊されて左肩から右脇腹にかけて両断されてしまいました。僕じゃなかったら即死ですよ。

 

「気に喰わないから殺す。実にシンプルな答えです。ですが、僕は死にたくないので先に殺す事にしましょう」

 

両断されながらも生きている僕を見て驚いている少女を強化した蹴りで倒して、両手足に剣を突き刺して地面に縫い付けます。それから身体を繋げて治療します。

 

「いやあああああああ!!」

 

「ふむ、どうやらこちらの世界の事を甘く見ているようですね。中学生にとって魔法なんて言葉は甘美に聞こえるのでしょうが、もっと血なまぐさい物ですよ。良かったですね、僕が契約に縛られていて人を殺せない状態で。そう言えば、ネギ少年は女子中等部に配属されていましたね。と言う事は君たちはネギ少年の担当するクラスの娘ですか。気は退けますが、餌になってもらいましょうか。抵抗するなら彼女の様に痛い目にあってもらいます。抵抗しないなら出来るだけ痛くない様にしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

抵抗した数人を死なない上に後遺症も残らない様に斬りつけて動けなくし、抵抗しなかった残りもエクスカリパーで痛みを教えてから意識を奪い、屋外ステージに運び、巨大な剣を十字架の様に並べ、そこに両手足をエクスカリパーで串刺しにして張り付けておきます。一応怪我の方は治療してあるので死にはしないでしょう。準備が整ってから式紙を使ってネギ少年を招待する。暇な間、羽を繕っているとネギ少年が杖に乗ってこちらに向かって飛んで来ており、父親と同じ様に周囲の事を考えずに雷の暴風を撃ち込んで来た。

 

「まったくもって救いようの無い親子だ」

 

怯える少女達の前に立ち、昔と同様に雷撃耐性の魔剣を壁の様に並べて防御する。ネギ少年はそのまま加速して体当たりを仕掛けようとして来たので体内にある重力操作の魔剣で地面に叩き付け、両手足に魔力封印の剣を突き刺して動けなくする。

 

「ガッカリだよ。君もあの父親の様に何も考えられない馬鹿だったとはね。魂も酷い濁りようだし、殺す価値もないね」

 

そのまま帰ろうと思ったのだけど、どうやら魔法先生に囲まれたようだね。そして二人の人物が僕の前に姿を現す。

 

「お久しぶりですね、学園長に高畑先生」

 

「6年間まったく気付かなかったが、お主、何者じゃ?」

 

「なら、改めて自己紹介をしましょう。僕は木場祐斗、こことは違う世界、おそらくは平行世界から何かの事故で呼び出されてしまった悪魔でもあり天使でもあり堕天使でもある存在、そしてその世界の裏の業界の平和維持を目的とした独立部隊『断罪の剣(ジャッジメント)』の王。更に言えば6年前にネギ少年の故郷を滅ぼし、ナギ・スプリングフィールドを殺した存在だ」

 

ナギ・スプリングフィールドを殺したと言う言葉に多くの魔法先生が及び腰になる。

 

「まあ、今は契約に縛られてるから誰も殺さないよ。ある程度の怪我はさせる事になるから嫌なら逃げてね」

 

再びエクスカリパーを作り出して構え、学園のツートップと戦闘に入り、5分と経たずに撃破してしまった。やっぱりこの世界の住人は弱いよね。死なない程度に治療してあげてから契約は完了したと判断して転移で依頼主の元に戻りました。依頼主の人形の少年は使い魔かなにかで覗いていたのか苦い顔をしながら小言を言って来た。まあ仕方ないだろうけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう少しで帰還に必要な分の魔力が貯められそうになった8月の終わり頃、再び悪魔として召還された場所は麻帆良学園の上空だった。上を見上げると魔法世界が見えるので何やら色々と大変な状況なようだ。周りを見ると何かと縁があるのかネギ少年とその仲間達と思われる少女達が居る。まあ、僕の姿を見て顔を青ざめていますけどね。

 

「それで、僕を呼び出したのは誰ですか?」

 

「私だ」

 

そう言ったのは全裸の男だった。何故全裸なのかは置いておきましょう。面倒ですから。

 

「依頼内容と報酬の方は?」

 

「儀式の邪魔をする者の排除だ。殺しても構わん。報酬は目録を用意してある」

 

投げ渡された目録に目を通して、その量に驚く。

 

「本当に良いんですか?かなりの量なんですけど。これの半分もあれば十分ですよ」

 

「儀式が成れば必要無くなる。だから絶対に儀式の邪魔をさせるな!!」

 

「分かりました。というわけでネギ少年にその仲間達、今回は僕も本気で行こう。手加減も一切無しだ。儀式の邪魔をすると言うのならその命、散らす事になるよ」

 

いつもは抑えている魔力を高め、体内の魔剣を全て活性化させる。両手には魂を犯す妖刀を産み出す。

 

「くっ、ここで諦めるわけにはいかない!!」

 

「そんな震えながら言っても説得力は無いよ」

 

目の前に居るネギ少年は既に魔力が枯渇しかけている。だけど、油断せずに居る。こういう追い込まれた状態と言うのは火事場の馬鹿力を発揮しやすいからね。急激なパワーアップに驚いて負けると言うのはレーティングゲームでもたまに見られる。

 

残りの少ない魔力を使って瞬動で近づいて来たネギ少年の首を刎ねる。血が飛び散る前に火葬式典を叩き込み、灰すら残さずに燃やし尽くす。勝負は一瞬で着いた。

 

「「「「「「ネギ先生!?」」」」」」

 

「さて、次は誰だい?彼程度なら苦労もしないけど、僕も命を奪いたい訳では無い。大人しくしているか、下がれば僕は何もしないよ。それでいいよね?」

 

「無論だ。こちらは儀式が成功すれば他の事はどうでも良いからな」

 

「と言う訳だ。大人しくしておく方が身のためだよ。敵討ちのために襲ってくるのならそれも良し。だけど、物語の様にそれが成功する可能性はほとんど無い。僅かな望みに賭けるも良し、賭けぬも良し」

 

そんなことを話していると急に一人の少女が叫び声を上げ始めました。ネギ少年の仲間達はその少女に気を取られて動きが完全に止まります。原因はおそらくアレでしょうが念のためにその少女の魂を覗いて見ると見事に魂を喰い散らかされていました。

 

「ああ、僕の内面か心の中を見てしまったのですね。心を読むと言うのはメリットよりもデメリットの方が多いんですよ。特に僕や力ある魔導書を読んだ事のある者の心を読むのわね。残念だけど、彼女は廃人確定さ。魂を食い荒らされたんだ。もうどうする事も出来ない。殺してあげるのがせめてもの情けだよ」

 

それでもすぐに決められないであろう少女達のために廃人が確定した少女の意識を奪ってあげる。

 

「君たちはよく頑張ったよ。だけど、運が悪かった。相手が僕だから。でも、勝ち目も有ったんだよ。僕はネギ少年に僕を呼び出すために必要なチラシを渡していたからね。それを使って僕を呼び出して契約すれば良かったんだ。僕は僕の世界の悪魔の中でも善良な方でね。呼び出してから交渉すれば代価を多少減らす事もあるし、納得ができないのなら何も取らずに帰るからね。そして代価を支払ったのなら契約を遵守する。それが僕だ。『自分たちと敵対しない』そういう契約を交わしていれば、僕は君たちに手を出す事は出来なかった」

 

説明しながらも飛びかかってくる魔法先生や魔法世界の住人と思われる獣人に障壁突破に特化した剣を投げつけて殺していく。たまに剣を弾くのも居たけど、弾くと同時に壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)で爆破して殺していく。その中には学園長や高畑先生も含まれる。

 

「ふむ、中々面白い話だな」

 

「おや、エヴァンジェリンさんでは無いですか?貴女も儀式の邪魔をしに来たんですか?」

 

「いや、私としては魔法世界がどうなろうと構わんのだが、このままだと呪いがどうなるのか分からんのでな。貴様、先程契約は遵守すると言ったな。なら私の呪いもどうにか出来ると?」

 

「余裕ですね。それ位なら指輪型の魔法媒体一つで解きますよ」

 

「良いだろう。受け取れ」

 

投げ渡された指輪型の魔法媒体を確認して、それが最高品質の物であることが分かる。

 

「貰い過ぎですね。魔法契約や呪いを一度だけ壊す短剣です。貰い過ぎの分、二本お渡ししておきます。対象に突き刺せばそれで解呪出来ますので」

 

エヴァンジェリンさんの手元に破壊すべき全ての符(ルールブレイカー)を二本産み出す。エヴァンジェリンさんはそれを眺めてから一本を自分に突き刺す。それと同時に何かが砕ける音が聞こえて来た。

 

「確かに登校地獄の呪いが解けたな。これでここともおさらばだな。もう出会う事は無いだろう」

 

「お達者で」

 

頭上から降って来た岩に出来た影に潜り込む様にエヴァンジェリンさんは転移していった。

 

 

 

それからしばらくして、僕を呼び出した全裸の男の言う儀式が成功したのを見届けてから僕は隠れ家に転移した。

それから数日後に元の世界に帰還を果たした。幸いな事にかなりの時差が有ったらしく、僕が行方不明になってから一週間しか経っていなかった。

 

 




次回は『リリなの』です。
無印、A's、sts、全て違う世界軸で木場君?が活躍?

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