いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?   作:ユキアン

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第23話

「木場、オレを鍛えてくれ!!」

 

検査が終わった翌日、冥界側の屋敷にイッセー君がやってきて、そう言ってきた。

 

「無理です」

 

即答してミッテルトさんの戦闘服の加工を続ける。ミッテルトさんはウチで一番弱いですから色々と優遇して底上げしないと行けませんから。もちろん、特訓はスペシャルコースです。甘やかすだけではいけませんからね。

 

「えええええ!?いや、代価はちゃんと払うから」

 

「うん、無理。イッセー君が代価を払えないとか以前の問題なんだよ」

 

なお食い付くイッセー君に事情を説明する。

 

「僕、戦闘職じゃなくて研究職の人間だから鍛え方なんて知らないんだ」

 

笑いながら説明するとイッセー君がぷるぷると震えだした。まあお約束のアレだろうから遮音結界を張ってと。

 

「―――――」

 

何を言っているのか分からないけど、たぶん『嘘だ!!』的な事を言ってるんだろうね。

 

「――――――――――」

 

聞こえていないのに気付いたのか身振り手振りで何かを伝えようとしていたので遮音結界を解除する。

 

「あっ、やっと聞こえる様になった」

 

「今はルゥがお昼寝してますからね。機嫌が悪いとちょっと大変な事になりますから。それで、話の続きをしましょうか。長くなるので覚悟して下さい。僕は研究職の人間ですけど確かに強いです。正確に言えば『戦闘が巧い』と言うのが正しい表現です」

 

「『戦闘が巧い』?」

 

「孫子にもあるでしょう。『敵を知り己を知れば百戦危うからず』って。僕は自分が出来る事を完璧に研究し尽くしています。聖剣事件の時が良い例ですね」

 

「ああ、片腕以外切り落とされてたアレか」

 

「あれだけボロボロになっても問題無いって言うのは既に知っていますから。ゲームで言えばあの状態でもHPは4割程残ってますから。ついでですからゲームに例えて説明すると僕は自分のステータスから消費魔力とか格ゲーのコンボとか運用方法が攻略wiki並に詳しく分かってると考えて下さい」

 

「ほうほう」

 

「だけど、それら全てを無視する位に無限の剣製の汎用性と威力が強すぎるんです」

 

「おいこら、さっきの前振りは何なんだよ?」

 

「それも後で話すから。さて、無限の剣製だけど簡単な説明をしようか。まずはイメージ通りの剣を作れる。これにイメージだけでなく詳細な設計図を用意すると性能がかなり上がるんだ。詳しい詳細は秘密だよ。それから強力な剣を作る程魔力を消費する。当然の事だよね。次は、一度作った剣を再度調整する事は出来ないんだ。一度能力とかを決めて作るとそれで固定されるんだ。後は、ある程度破損すると消滅するんだ。これは見せた方が早いね」

 

適当に一本の剣を作って剣先を少しだけ折る。

 

「これ位の欠けや刃こぼれなら問題無いんだけど」

 

剣先から10cm程の所で再度剣を折ると魔力となって霧散していく。

 

「これ位で駄目になる。もっと強力な剣ならもう少しは耐えれるんだけどね。次は、いつも僕は手元に剣を作ってるけど別に手元にしか作れない訳じゃないんだ。僕が認識出来る位置なら何処にでも作れる事が出来るんだ」

 

「それって意味があるのか?」

 

「これだけだとあまり意味がないんだけど、無限の剣製で作った剣はその内包した魔力を使って僕の意思一つで爆破出来るんだ。バルパーは僕の作ったエクスカリバーを芯にして統合してたから不純物が混じっていても凄い爆発を起こしたんだ。さて、何処が凄いと思いますか?」

 

「何処でも爆破出来る?」

 

「そうですね。より詳しく言うなら、どんなに警備を厚くしても場所を知られれば爆破され、対峙すればあの時のケルベロスの様に体内に爆弾を仕掛けられるということです。あと、僕はあちこちに顔を出しているので天界、冥界両方の重要拠点の位置も知っていますから」

 

その言葉で無限の剣製のチート具合に気付いたイッセー君が青ざめます。

 

「この時点で僕はそれほど接近戦を鍛える必要がないんですよ。剣の精製速度と爆破速度を上げれば完封出来ますから」

 

「ああ、うん、そうだな」

 

「それでも接近戦が弱いのかと言われればそうでもありません。まあイッセー君が考えている様な強さではありませんけどね。少しだけ見せてあげましょう。付いてきて下さい」

 

イッセー君を地下にある訓練場に案内します。

 

「おや、祐斗じゃないか。どうしたんだ?確かミッテルトの服に術式を編み込んでるんじゃなかったか?」

 

訓練場に着いた僕達に気付いたゼノヴィアさんが声をかけてきます。

 

「ゼノヴィアさん、紫藤さん。少しだけ剣に付き合ってもらえますか」

 

「ほう、祐斗がそんな事を言うなんて初めてだな。イリナ、聞こえていたか」

 

「聞こえてるよ。でも今ミッテちゃんを鍛えるのに忙しいし」

 

イリナさんは擬態の聖剣を鞭の様に撓らせてミッテルトさんを追いかけながら答える。

 

「これの何処が鍛えてるって言うんっすか!?って、うわっ、掠った!?ちょっ、痛い痛い痛い!!」

 

「はいはい、今回復薬をかけてあげるから大人しくしてね」

 

イリナさんが側に置いてある回復薬を傷口にかけていく。若干爛れていたミッテルトさんの肌が元に戻っていく。

 

「そんなに時間は取らせませんよ。ミッテルトさんはその間は休憩と言う事で」

 

「武器はどうするの?」

 

「そのままで構いませんよ。こちらは寸止めをしますから、そちらは頭以外を狙って下さい」

 

「OK、それじゃあ」

 

「行かせて貰う!!」

 

傍に居たゼノヴィアさんの破壊の聖剣の一撃を躱してから跳躍して距離を取り、両手に白と黒の夫婦剣を精製する。そして、アーチャーの記録をその身に宿す。

 

「全力で来ると良い」

 

無防備に立ち、攻撃を誘う。斬り掛かってくる二人の聖剣を流し、反らし、弾く。破壊の聖剣を受ければこちらの剣が砕かれるのは確定している。擬態の聖剣を受ければそこから形を変えて斬られる。ならば、流して反らして弾いてリズムを覚える。

 

どれほど続けたのかは分からないけど、服の至る所が小さく破れて血に染まっている。傷の方は既に塞がっているけど、それだけの攻撃を掠らせてしまったと言う事だ。だが、それだけの価値はある。既に二人のリズムは身体に刻んだ。ここからが本番だ。

 

わざと攻撃しやすい位置に隙を作り、そこを突いてきた攻撃にカウンターを合わせる。驚いてバランスを崩す二人に畳み掛ける。わざと隙を作り、カウンターを合わせてリズムを崩し、少しずつ消耗させていく。機械的に作業を繰り返し、二人の戦う意思を削っていく。そして完全に消耗しきった所でその首に剣を突きつける。

 

「はい、それじゃあ問題点の洗い出しを各自でしておいてね」

 

夫婦剣を互いに折って消滅させる。

 

「これが僕の接近戦の強さだよ。イッセー君とは真逆の戦いだから、真似はしない方が良いよ。というか、出来ないと思うけど」

 

「ああ、うん、オレには無理そうだけど、接近戦も十分強いじゃねえかよ!?」

 

「強いんじゃないよ、巧いだけだよ。今の僕の戦いを見て何か感じた事はないかい?」

 

「えっ?そうだな、こうなんて言えば良いのか分からないけど、なんだろう、違和感があるはずなのに何がおかしいのかが分からない。何かがおかしいはずなのに」

 

「その違和感の正体が僕の接近戦の強さの秘密です。さて、これで分かっただろうけど僕がイッセー君を鍛えることが出来ない理由の説明にはなったでしょ?」

 

「だけど、イリナとゼノヴィアは鍛えれたんだろう?」

 

「あれは聖剣の力の引き出し方とエクソシストとしての基本の術を教えて、あとはライザー様とのレーティングゲームの前に行った合宿の時に戦ったページモンスターと戦わせたりしただけですから。というか、僕に弟子入りするよりドライグに直接鍛え方を教わった方が良いんじゃないですか?」

 

「もちろんドライグにも手伝ってもらってるんだけど、相手が居なくて」

 

「まあ、ルゥが暇な時にページモンスターと戦うぐらいならしても構いませんし、この訓練場も使って貰って構いませんけど、研究室とか地上部分のプライベート部分には入らないでくださいよ。特に研究室と資料室と立ち入り禁止区画は絶対です。立ち入った場合、イッセー君でも殺しますから」

 

宣言通り、イッセー君が許可をしていない場所に足を踏み入れれば殺します。そうしなければ『断罪の剣(ジャッジメント)』の中立性が保たれませんから。

 

「……冗談じゃなさそうだな」

 

「ええ、たとえ相手が部長だろうが魔王様であろうが、許可無く入れば消します。鬼械神を持ち出してでも消します。それだけは覚悟していてください」

 

「分かった。気をつける」

 

「そう言えば、イッセー君はマナーを習っていますか?それからダンスや悪魔の一般教養は?」

 

「一応グレモリー家の執事さん達に習ってるよ。そう言う木場達は?」

 

「僕は教会時代から習っていたからほとんど問題なかったね。白音さんは眷属入りした時に習得したし、ルゥもミリキャス様と一緒に習ってるから最低限のマナーは出来ているよ。アザゼルさんはあんなのでも元総督だから問題ないね。グリゼルダさんも問題は無いしミッテルトさんも飲み込みが早いんだけど、問題はゼノヴィアさんと紫藤さんでね」

 

「ああ、納得」

 

「なんとか教え込みますけどね。ルーキーが集まるパーティーまでには」

 

「木場も呼ばれてるんだな」

 

「一応ね。この前、掃除がすんだから余裕があるならちょっと顔見せに来てほしいと言われてね。新興組織だからまだ広く知られてないから宣伝に使えそうだから参加するんだ」

 

「けど、大丈夫なのか?天使とか堕天使も居るのに」

 

「大丈夫ですよ。喧嘩を売ってくれば最高値で買い取らせてもらいますから。死なない程度に痛めつけてあげますよ」

 

「……木場って、結構あくどかったんだな」

 

「そうですか?」

 

ああ、汚染が進んでいるみたいですね。後でちゃんと処置を施さなければなりませんね。自覚症状が無いのが汚染の一番厄介な所なんですよね。

 

 

 

 

 

 

お昼寝から起きてきたルゥにイッセー君が鍛えるのにちょうどいいレベルのページモンスターを呼んでもらっている間に人間界の屋敷の特殊なポストに届いている郵便物を確認する。このポストに届くのは人間の裏の業界からか、僕個人と友好のある人物たちから送られてくる物ばかりなので立ち入り禁止区域の研究室に持っていってから広げる。

 

ふむ、マスケレイタさんは復讐を為し遂げれたみたいですね。これからは復讐の旅の間に保護した子供たちを一人でも生きていけるように鍛えていくのですか。何か協力できることがあれば遠慮なく言って来てほしいと返信しておきましょう。

 

こっちはレイナーレさんの経過報告ですね。実戦にはまだ遠いみたいですけど順調に過ごしているみたいですね。実戦の機会は幾らでもありますからじっくりと鍛えてもらいましょう。

 

こちらはドクターからの資金援助の申し込みですか。色々とお世話になっているので僕のポケットマネーから出しておきましょう。

 

最後の一つは、情報屋からです。内容は、2年前から頼んでいた件についての詳細な報告。この報告を待っていたんですよ。これと以前から集めていた情報を使えば。ふふふ、さあ交渉を終わらせておきましょう。そうすれば多少の無茶を押し通せますから。情報屋にもボーナスを渡しておかなくてはいけませんね。

 


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