いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?   作:ユキアン

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第28話

 

会長とのレーティングゲームから現実時間で一週間の時が流れました。僕の体感時間は一ヶ月経ってますけどね。ちょっと結界を応用して僕の部屋だけ時間の流れを速くしてましたから。おかげで全快とは行かなくても8割程回復しました。更にその一ヶ月の間にアザゼルさんの研究を応用して、とある実験に成功しました。謎も少し発生してしまいましたが、かなり便利にはなりましたよ。そのお知らせの為に眷属の皆さんをいつも通りリビングに招集します。

 

「毎度毎度思うんだが、招集がある度に突っ込みどころが発生するよな。今回は何をしたんだ。ただのイメチェンだと良いんだが、そうじゃないんだろう?」

 

アザゼルさんが僕を見て頭を抱えながら質問してきます。ちなみに今の僕は昔の様に綺麗な金髪になっています。

 

「アザゼルさんが研究していたドッペルゲンガーのちょっとした応用とだけ言っておきましょうか。まあ、見てもらった方が早いですね。二人とも、入ってきて下さい」

 

僕の言葉と共に褐色の肌に白い髪をした赤いコートを着た僕と棒付きの飴を銜えて黒い髪に白衣を着た僕がリビングにやってくる。二人を見て皆さんが困惑していますが、紹介だけ先に済ませてしまいましょう。

 

「え~、話した人も話していない人もいるので簡単に説明しますと、僕が初めて神器を発動させた時に流れ込んで来た二人の魂をドッペルゲンガーを生成する技術を応用して、ちょっとあれこれした結果、完全に分離させる事に成功しました。もちろん、一人にも戻れます」

 

「まあ、そういうことらしい。本来私達は既に死人だ。よって名を持たない。とりあえずの所、アーチャーと名乗らせてもらおう」

 

「オレはプロフェッサーだな。よろしく頼むわ」

 

そう言ってアーチャーは堕天使の、プロフェッサーは悪魔の、そして僕は天使の翼を出す。さて、耳を塞いでっと

 

「「「「「「「えええええええええええええええええええええ!!??」」」」」」」

 

うん、予想通り。

 

 

 

 

 

 

 

皆さんが落ち着いてからアーチャーが入れてくれたお茶を飲みながら僕らについて説明していきます。

 

「先程も言ったのをさらに詳しく説明しますと、彼らはドッペルゲンガーの技術を応用してホムンクルスの肉体を与えた木場祐斗の一部です。今までも微妙に一部分だけ表面に出ていたりしました。一番分かりやすいのが皆さんにダウト発言されて感情的になっていた時とかですね」

 

「オレも研究者の端くれだからな。プライドってもんがある。それを否定されるのは腹が立つからな。かなり感情的になってもあの程度の事しか言えなかったから今言わせてもらうぞ。オレは研究職の人間、ああ、人間じゃなかったな悪魔か。とりあえず研究とかがメインだから覚えていてくれ。基本は共同研究室か格納庫か立ち入り禁止区域にいる」

 

「それから戦闘の際はゾンビアタックをするとき以外はアーチャーに身体を渡していますね。無意識にでしたけど」

 

「他にも料理や掃除などの時もだな。基本的に私は屋敷の管理を行う事になる。時間が空けば訓練場の方にも顔を出すつもりだ」

 

「ちなみに僕は外交方面と情報整理が基本になりますね。これからは三人に分かれている事の方が多いと思いますので覚えておいて下さいね」

 

「戦力の方はどうなっているんだ?」

 

ゼノヴィアさんが真面目な顔で質問してきます。その質問にプロフェッサーが答えます。

 

「肉体スペックは一人の時とほぼ一緒だ。そういう風にホムンクルスを調整したからな。魔力や光力の方は見事に三分割された。オレは光力を扱えないが膨大な魔力を、オリジナルが光力の大半を、アーチャーは雀の涙程の光力とこいつの世界独自の魔力を持っている。まあ、魔力の方もそれほど多いとは言えないな。ミッテルトより若干多い位だ。それから神器はオリジナルが持っている。あと、先程見て分かっていると思うが、オレが悪魔でアーチャーが堕天使、オリジナルが天使で、元に戻ると3種3対の翼を持つ事になる」

 

「戦闘スタイルは私は武器を使ってどの距離でも対応出来る。特に銃火器を使った遠距離戦なら負ける気はしないな。プロフェッサーは完全な後衛だ。接近戦のセンスはほとんど無い。オリジナルは一般的なエクソシストの戦い方とゾンビアタックが基本だろう。技量はそこまで高くない」

 

「僕達の評定では三人で連携をとれば一人で戦うよりも強いです。鬼戒神は除きますが。ただ僕とプロフェッサーだけだと若干不安が残ります。戦闘経験がそれほど多くありませんから。アーチャーは単独でもかなり強いです。手段を選ばなければ此所に居る全員で戦っても殺されますね。生前が生前ですから」

 

「あと、アーチャーは神器を持っていないが神器とほぼ同じ能力を持つ魔術が使える。というか、こっちが原型だな。応用で、槍とか斧とか盾とか神話に出て来そうな武器や防具も出せる。代わりに剣以外だと魔力の消費量が5倍以上とかシャレにならん。アーチャーの世界の魔力とオレ達が使える魔力は物が違うのか代用出来ないのがかなり痛い」

 

「まあ、私としては問題無い。十分なバックアップが無くとも、一人でどうとでも出来る。生前よりは良い環境でもあるしな」

 

「とまあ、そんな感じで戦力的には2倍ちょっとかな?仕事の分担が出来る様になったので僕的にはかなり楽になります」

 

「なるほどな。持久力は下がった代わりに戦力はかなり上がったと考えれば良いか。他に気になる事があるんだが、いいか?」

 

「どうぞ」

 

「記憶の方はどうなってるんだ?」

 

「一人の時の記憶は全員で共有しています。三人に分かれている時は一人に戻った時に共有しても良いと思う物だけを共有します。同一人物とは言え魂は別ですのでプライベートはしっかりと確保しています」

 

「それなら記憶の共有による堕天の可能性はないか」

 

「そもそも堕天の条件ってなんなんでしょう?」

 

「……考えた事がなかったな。結構バラバラだったはずだ。初期幹部の大半は人間とエロイ事をして堕ちてたはずだ」

 

「……そんなのが幹部で大丈夫なんですか?」

 

「実際どうにかなってるだろうが。一番新しい幹部のバラキエルなんか真面目な癖してSMプレイで堕天してるんだぞ。しかも、M側でだ。オレなんて乳を突ついて揉んだだけだぞ。ミッテルトは?」

 

あれ、確かバラキエルさんの奥さんって姫島さんのお母さんで、S側って……

深く考えるのは止めておきましょう。

 

「ウチはそんなんじゃないっすよ。ウチは……物欲、だと思うんっすけどね。たぶん。人間界で人間に変装して調査してたら、気付いた時には堕天してましたし。人間界って娯楽が多いっすから、それに釣られて」

 

「ああ、それも良く聞く堕天のパターンだな。珍しいのはレイナーレだっけ。世間一般のイメージからほど遠いだろうが、天使の中でもいじめとか嫌がらせがあってな。被害者側が力を求めると堕天する可能性が高いらしい」

 

「被害者側がですか?加害者側は堕天しないのですか」

 

「愛の鞭と捉えられるんじゃないのか?まあ聖書の神が死んでからのことだからバグかもしれんが」

 

「一度調査しておく必要があるな。オリジナルは絶対に堕天するわけにはいかないからな。オレ達の説明ついでに少し話し合う必要が出て来たな」

 

プロフェッサーがめんどくさそうに言っているけど、内心では喜んでいるだろうね。

 

「私からも質問があるんだけどいいかにゃ?」

 

「どうぞ」

 

「その、分裂?私達も出来るのかにゃ?」

 

「結論から言わせてもらえば、今の所はNOだ。と言うか、割ると能力が割った分減ると思うのが一番早い。肉体はホムンクルスで誤摩化せるが、それ以外の全てが割った分だけ下がる。たぶん、オレ達以外がやると記憶とかも割れると思うからオススメ出来ないな。割った時にある程度欠ける可能性もある」

 

「あ~、それは怖くて手が出せにゃいか」

 

「そういうことだな。あと、ホムンクルスを作るのがめんどくさい。時間をかけてじっくりと作るのならそうでもないが、今回は時間短縮の為に色々と手を加えまくったから死ぬ程めんどうだった」

 

「ホムンクルスの生成を外部から手を加えて早めるとか、無茶をやりやがるな。と言うか、よく二体も作れたな」

 

「そこら辺は死ぬ程頑張ったで終わらせてくれ。あんな細かい作業、二度とやりたくない」

 

「他に質問はありますか?」

 

「ますたー、わたしの(・・・・)ますたーは?」

 

「この状態ではアーチャーの言うことを聞いて下さい。全力を出す際は一人に戻りますので」

 

「は~い」

 

ルゥの質問を最後にとりあえずの疑問は晴れたのか、この場はお開きとなりました。無論、何か質問があれば気軽に聞いて下さいと最後に言っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side プロフェッサー

 

 

オリジナルでは堕天する可能性がある為に立ち入る事をオレ達で禁止した屋敷の最も地下にある研究室でアーチャーと共に人が一人丸々入るシリンダーに向かい合う。

 

「プロフェッサー、調査の具合は?」

 

「少しだけ進んだ。ルゥの質問のおかげでな。詳細は未だに分からん」

 

「分かっている限りで構わない。予測でもな」

 

「そうだな、色々と予想出来るんだが、今までの調査の結果から言えば、こいつが最もオリジナルに近いんだろうな」

 

「私達三人が合わさった、真なるオリジナルにか?」

 

「ああ、そうだ」

 

シリンダー内にはオレ達三人が合わさっている時の姿の木場祐斗が培養液の中に浮かんでいる。

 

「だが、私達が元に戻る際にこいつは必要ではない。じゃあ、こいつは何なのだと言う原点に戻ってしまう。考えられるのは、死霊秘法(ネクロノミコン)に犯された魂と肉体の一部というのが一番有力だな」

 

「なるほど。だが、それでは一人に戻った時に髪が白いままなのはどう説明する」

 

「それはオレ達の魂の一部も汚染されていてそれが現れているのかもしれん。調査は必須だ」

 

「オリジナルにはこの事は伝えなくても良いのか?」

 

「伝えた所で何の意味がある。オレ達はオリジナルに寄生する事で新たな人生を歩んでいる。だが、それ自体がアクシデントだ。もしかすれば、断罪の剣は結成されないどころか、今でも教会に属していたのかもしれない」

 

「だが、それを知る方法は存在しない」

 

「その通りだ。だが、その僅かな可能性を否定するわけにはいかない。そしてアーチャー、お前はそれを否定する権利はない。僅かな可能性に賭けて、己が師であり、マスターであった遠坂凛を裏切ったお前には、な」

 

「……くっ、知られていると言うのは中々に辛いものだな」

 

「ふん、言葉が過ぎたな。悪いとは思っているさ。だが、今のオレ達は木場祐斗の一部なんだ。ならば木場祐斗の為にこの命を使う義務があるとオレは考えている。その考えに同調してもらいたいとも思っている。それが出来ない、やり難いと思うのならオレが無理矢理縛ってやる」

 

「ふん、私だって分かってはいるさ。だが、知っての通り私は日常と言う物を忘れ過ぎてしまっている。精々出来るのは降り掛かる火の粉を払うだけだ」

 

「それで構わんさ。細かい所はオレが裏から手を回す。今までと同じだ。違うのは自由度がかなり高くなった事だけだ。暇な時間は好きに過ごせば良いだろう。一番に考えるのは木場祐斗の為になることだろうが、オレ達も今を生きているからな」

 

「そんなものか?」

 

「道をそれだけだと決めつけた末路は分かっているだろう?真ん中に一本芯を用意してそれだけを曲げなければ何とかなるもんだ」

 

オレはシリンダーに追加で魔法陣を描く。

 

「とりあえず、オレは当面の間、天界に行く時に堕天に関する情報を得てから堕天せずにエロイ事が出来るようにする結界を準備するのと並行してこいつの調査、それからミッテルトの方を鍛える。魔法関連の方はオレが担当するから近接戦闘組みは任せるぞ。急がないとオリジナルが襲われる可能性が久遠から示唆されちまったからな。発情期なんてあるんだな」

 

「そちら方面は全て任せる。私は手が出せないからな。訓練の件は構わないが、私は二流の戦士だぞ」

 

「才能云々はともかく、実戦経験は一番だろうが。それを模擬戦で叩き込んでやれば良い。幸い、治療の方は簡単だからな」

 

「それもそうか。では、研究の方は任せたぞ」

 

赤いコートを翻してアーチャーが研究室から出て行くのを見送る。それからシリンダーにもたれて中にいる木場祐斗を眺める。

 

「お前は誰なんだろうな。出来ればオレの予想の中で一番最悪な形じゃない事を祈ってるぞ」

 

最悪な予想を振り払い、オレも研究室から出て行く。それにしても、身体を作り替えたってのにタバコが吸いたくなるとは、魂にまでニコチン中毒に犯されたのかよ?ああ、もう未成年が多い中でタバコなんて吸えるかよ。というか、オレの身体も未成年じゃねえかよ。チュッパチョップスでいつまで我慢出来るかな。

 


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