いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?   作:ユキアン

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第5話

僕の主となられるリアス・グレモリー様はサーゼクス様に似た紅い髪を持った方だった。グレイフィア様に紹介され、白音さんと一緒に頭を下げる。僕の首にかかっている聖剣を芯にした十字架に眉をひそめていますが、グレイフィア様が何かを耳打ちして納得させてくれた様です。

 

そして、先に白音さんがルーク一つで転生し、僕はナイト一つで転生出来る様です。やはり魔剣に魔力を通さなければ問題無い様ですね。今の僕は年齢相応の力しかありませんから。無限の剣製もどうやらそこまでコストは高くない様です。そして悪魔の駒を埋め込まれ、身体が作り変わるのと同時に激痛が走ります。

 

「ぐっ、がああああああああああ、あああああああああああああ!!!!」

 

十字架がかかっている胸元が爛れているのがわかる。だけど十字架を捨てるわけにはいかない。全身に埋め込んでいる自然治癒促進の魔剣に魔力を全力で流し込み、破壊と再生が続けられ、やがて再生の方が勝り表面的には普通に見える様になる。そして新たに麻酔の様に痛覚を遮断する剣を体内に精製して問題無い様に見せる。

 

「はぁ、はあ、お、お見苦、しぃ、ところを、お見せ、しました」

 

「大丈夫なの?無理せずに外した方が」

 

「いえ、最初から、覚悟して、いたことです。はぁ、サーゼクス様からも、許可は頂いて、います」

 

呼吸を整えながら主となったサーゼクス様の妹であられるリアス・グレモリー様に説明を行う。

 

「お兄様がそう言っているなら良いんだけど、本当に大丈夫なの?」

 

「数日もすれば、慣れます」

 

実際、聖剣と十字架によるダメージに関しては既に対応出来ていますから。あとはこの倦怠感をなんととかすれば良いだけです。こちらも慣れればどうとでもなります。魔力はゴッソリと持っていかれますが。

 

震える膝を気力で支えて立ち上がり、仕込み杖を作って身体を支えます。白音さんが私を支えようとしますが、近づかない様に断ります。先に悪魔になっている白音さんが僕に触れれば聖なる力で火傷を負う可能性がありますから。

 

ちなみに3日間の間にそこそこの友好関係を作ることに成功しました。今世での初の友達です。孤児院では周りは兄弟ですし、教会時代は軟禁状態、エクソシストとして活動していたときに一人だけ気があったのが居たのですがすぐに彼は追放処分を受けてましたし。今更ながら淋しい生活を送っていたことに気づいてちょっとだけショックを受けてしまいました。

 

 

 

 

 

悪魔に転生して一ヶ月が過ぎました。一週間程で聖剣と十字架に対する耐性が付いてきたのですが、悪魔稼業を始める前に悪魔に関しての勉強が必要なのでグレモリー家の執事さん達に歴史や文字、マナーにレーティングゲームの勉強を見てもらっています。

 

グレモリー家では眷属も家族としてみられるので様付けで呼ばれるのは中々慣れないです。マナーに関してはグレモリー家や悪魔独自の物以外は教会時代に完璧に覚えていたので問題ありません。大戦期の歴史も大まかな部分はどの勢力でも一緒ですが、細かい部分では違いますが仕方のないことでしょう。文字に関しては若干手こずりましたが、こちらも問題無く覚えることが出来ました。

 

サーゼクス様との契約で作ることになっていた剣は一通りの勉強が終了した後にグレイフィア様がリストを持って来て下さったので、その日の内に2万本を精製して渡してあります。驚かれていましたが、これ位なら何の問題もありません。教会時代は消耗品扱いで大量に作っては折られていましたから。オーダーメイドで作った物はさすがに使い捨てにされることはありませんでしたが、普通の物は使い捨てが基本でしたからね。

 

それが終わってからは領土の一部を与えられ、そこに屋敷を用意してもらい新たな概念の研究と、死霊秘法(ネクロノミコン)の研究を始めました。精神汚染に関してはある程度緩和させる事に成功し、除去も可能となったので始めたのですが、さすがに1ページだけというのは効率が悪いとしか言いようがありませんでした。

 

内容としてはアトラック・ナチャに関する記述の様なのですが、この1ページには拘束に関する部分しか書かれていません。まあ封印系の概念に取り入れることは出来たので良かったのですが、出来れば一冊丸々欲しい所です。一カ所だけ心当たりがあるので、探索に向かいましょう。白音さんは苦戦している様なので悪魔としての仕事はまだまだ先になる様です。

 

 

 

 

持って来ている携帯食料を口にしながら夜空を見上げ溜め息をこぼす。アリゾナの砂漠を練り歩くこと三ヶ月、未だに目的の物は見つかっていない。そろそろ食料と水が底を尽きそうなので早めに見つけたいのですが、中々見つかりません。というかあるんでしょうか、最終決戦で勝利したデモンベインは?

 

アーカムという街はありましたし、覇道財閥もありましたし、総帥は兼定で娘に瑠璃が居る以上は鬼神飛翔のはずです。魔導探偵の噂も聞いた事があるのでデモンベインは此所に落ちているはずなんだけど。機械言語版の死霊秘法(ネクロノミコン)はデモンベインに搭載されているものだけだからなんとしても回収したい。最悪、覇道邸地下に侵入する必要があるかもしれないから、出来れば此所で回収したいんですけどね。

 

そしてその十日後にようやく目的の物であるデモンベインが埋まっていると思われる場所を探し当てた所で食料などが底を付いたので目印に魔剣を埋めてから一度冥界に戻り、白音さんの様子を確認してから再び食料などを補充してから一人でデモンベインの発掘を始めます。風の魔剣を作り出し、砂を吹き飛ばすと朽ちかけている鋼の巨神が姿を現します。

デモンベイン、人の為の鬼戒神、最弱無敵の魔を断つ剣。

 

これを実際に目にした所で頭を抱えたくなる。まさかデモンベインの世界とクロスしているとは思ってもみなかった。最もループを破った後の世界だったのだけは行幸と言えるだろう。ループ中の場合、意地でもシャイニング・トラペゾヘドロンの開発を行わなければならない所だった。

 

外装を取り外して内部を調べて見ると、意外にも状態は良いようで、それどころか機関である獅子の心臓が生きていることに驚きました。休眠状態のようですが、解析次第では稼働させることも可能でしょう。コックピットの方からも機械言語版の死霊秘法(ネクロノミコン)が発見されましたから当初の目的から言えば大成功とも言えるでしょう。

 

最も、これからこの機械言語版は再翻訳しなければ運用は不可能で、デモンベインも僕一人での修復は……死霊秘法(ネクロノミコン)を解析して獅子の心臓を稼働させれば自己修復でなんとか出来るでしょうか?とりあえず回収は決定ですね。収納用の魔法陣を新しく用意してデモンベインを回収して屋敷に戻ります。

 

部屋に戻るとサーゼクス様からオーダーメイドの魔剣の注文書が来ていたのでデモンベインの改修費用にちょうど良いと思い、魔剣を精製してグレモリー家本宅に届けておきます。その後は古い機械言語の勉強を行い、今の新しい機械言語に再翻訳を行う日々が続きます。それが終われば天界語と冥界語の写本も作り、厳重に封印しておきます。半分程写した所で魔術書としての力を発揮しましたから。正式な素材を使えば1ページで精神を犯しにくる戦術兵器ですから取り扱いには十分に注意しないといけません。

 

機械言語の方は機械に通さない限り、魔術書としての力は発揮出来ない様なのですが、こちらも封印しておきます。1ヶ月ぶりに屋敷から出て白音さんの様子を見に行きます。その間に魔剣を作った報酬で得たお金を使って人(人?)を雇い、地下を掘る様に依頼しておきます。そろそろデモンベインを本格的に調べたいですからね。

 

未だに白音さんは知識を詰め込むのに時間がかかっている様です。まあ語学は面倒ですからね。今は客間で休んでいると聞かされてそちらまで案内してもらいます。広すぎるんですよグレモリー邸って。貴族としてある程度の見栄を張る必要があるのは理解しますが、無駄も多いと感じてしまいます。孤児院時代と教会時代は清貧生活が普通でしたから、どうにも落ち着かないんですよね。自分の屋敷でも基本的には研究室に簡易のベッドを持ち込んでそこで寝ている位ですから。案内された部屋では白音さんがぐったりとしてソファーに身を預けていました。

 

「大分、お疲れの様ですね」

 

「祐斗さん、お久しぶりです」

 

「お久しぶりです。勉強の方は大丈夫ですか?」

 

「なんとか、と言った所でしょうか。祐斗さんは今まで何処に?」

 

「アリゾナの砂漠を練り歩いてとある物の発掘にね」

 

「砂漠にですか?」

 

「そう、誰が作ったのか、何時作られたのかすら分からない機械の神をね。出来れば見つからない方が良かったんだけどね。まあ断片は見つかってたから半分諦めてたんだけど」

 

「どう言うことなんですか?」

 

「神話関係は大抵は存在してるっていうのはもう習ったかい?」

 

「はい」

 

「その神話の中でも最も特殊な神話、クトゥルーに関しては?」

 

「あれは小説なんじゃないんですか?」

 

「居るよ、あの邪神共は。まあそれに対抗する者は他に居るから安心して良いよ。僕が用意しているのは万が一の保険だから。彼らと彼ならなんとかしてくれるだろうけど、ピンチになるならそれを手伝える位にはね」

 

「彼らと彼?分ける必要があるんですか、それ?」

 

「ええ、もちろんですよ。これ以上は秘密ですけどね。ここから先には文字通り全てを賭けないといけないですから。スタートに立てるかどうか、そこで魂を賭け、スタートするのに才能が必要で、先に進むのに良識を捨てなくてはいけない。そんな世界ですよ。迂闊に踏み込んで髪が金から白になってしまう位に」

 

「!?」

 

自分の髪を触りながら説明すると白音さんが驚きで目を見開く。あっ、やっぱり猫なんですね。瞳が猫みたいになってます。普段は人と変わらないんですが、興奮したりすると猫っぽさが出るみたいですね。

 

「まあ今は対策も用意してますから問題無いです。回収した機械の神も安全な物ですし、今は壊れていますから。修理も何時終わるか全くもって不明ですし、一番危険な物は魔剣で封印済みです」

 

実際、本当に修理出来るかも分からないんですよね。回収した機械言語版にはアイオーンに関する記述も見つからなかったですから見本になりそうな物もありませんし、装甲の素材であるヒヒイロカネも教会時代に見た物と微妙に違う感じがするんですよね。修理と言うか改修になるでしょうね。

 

「まあこの話は置いておきましょう。あまり考えていると身体にも精神にも悪いですから」

 

そこからは出来るだけ普通の話をして過ごしました。まあ二人とも話のネタになる様なことが少なくて困りもしましたが。前世とアーチャーの記録からなんとか使えそうな物をピックアップしながらもなんとかやり過ごすことが出来ました。少しは気を利かせれる様にならないといけませんね。

 

 

 




ということでデモンベインを発掘してしまいました。デモンベイン側の原作を崩壊させずに回収できるデモンベインはこれ一機だけです。他のデモンベインは九郎の元に届かないと旧支配者に滅ぼされてしまいますから。


タグに原作通り進めたいを入れてるんですが、本当に願望になりそうです。今考えてるプロットだと4巻まではなんとか原作っぽい気がする何かですけど、5巻から先は真っ白です。誰かネタを分けて下さい。

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