いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?   作:ユキアン

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第7話

……疲れた。しばらくはそっとしておいて下さい。

何があったって?ちょっとアーカムで色々と巻き込まれただけですよ。具体的に言うと血の怪異に巻き込まれた。

あれはいきなりの事だった。そう、本当にいきなりだった。屋敷の改築はとっくの昔に終わって白音さんにギャスパーにヴァレリーさんの4人で今年からリアス様達が通っておられる駒王学園の入試に向けた勉強をしていた時に、突如紅いデモンベインによって地下を荒らされてギリシャ語版の1ページを奪われてしまった。

 

こんな所で鬼神飛翔が原作から外れるとは思っても見なかったので急いで残りの写本と修復途中のデモンベインを抱えてアーカムに直行したんですよ。もちろん三人は置いてきました。魔導書の汚染に耐えられない上に、文字通り最悪の敵ばかりの場所に連れて行くには力不足過ぎますから。

 

そこからは本気で大変でしたよ。魔導探偵や教授達と協力して逆十字と戦ったり、破壊された二闘流のデモンベインと本家のパーツを利用して博士に僕の持っていたデモンベインを改修してもらって半人半書と共にエロ本と戦ったり、何故か大導師に気に入られてその魔導書に狙われたり、最後の邪神との戦いにも参加してと気が休まる暇が無かった。もうね、一生涯分戦いきったと思うんだ。もうゴールしても良いよね?のんびり暮らしても良いと思うんだ。

 

まあ多少のメリットはあったんだよ。アイオーンに関する記述や、イタクァとクトゥグアに関する記述を写本化できたし、デモンベインも改修出来たから。使おうと思えばアイオーンもデモンベインも使えるしね。アイオーンの方は降りた後に魔力不足で寝込む羽目になるだろうけど。

 

トラペゾヘドロンに関しては触れるつもりは無い。間近で見たけど、あれは僕の手に余る代物だから。半年程教授の元で隠秘学についても学んで更なる力を身に付けられ、ついでに機械言語版と冥界言語版と天界言語版が混ざって化身した。

 

ついでで言うことじゃないと思うけど、予想外過ぎたんだ。容姿は本家とエロ本を足して3で割っちゃったみたいで、6歳位で精神面もそれ位の蒼いゴスロリ服を着た無垢な幼女なんだ。僕が面倒を見るしかないんだけどパパと呼ぶのだけは勘弁して下さい。写本を作ったのは確かに僕ですけど、白音さん達からの冷たい視線が辛いですから。

 

今は何とか“ますたー”と呼ぶ様に教育することが出来た。まあ常識も知らない子供なので教えればちゃんと覚えてくれます。あっ、ちなみに名前はルゥです。そして先日サーゼクス様のご子息であられるミリキャス様の友人としてどうかと悪ふざけで言ってみたら、それは良いねと返されて引きつったのも懐かしい。

 

やはり子供同士、相手に敵意や悪意が無いのを感じ取ってすぐに仲良くなっていました。こっちはハラハラしてましたけどね。あんな幼女でも本質は邪悪を討つための外法が詰められた魔導書ですから。そちら側に触れてしまえば敵意や悪意に関係なく殺してしまいますから。目が離せないんです。

 

ルゥの魔導書としての性能はアル・アジフ以下大十字九朔以上ですから。生半可な才能や耐性じゃあ一瞬で喰われます。僕は既に慣れてますから大丈夫なんですけどね。教授には驚かれましたけど。そんな才能でよく生きているな、と。アーチャーの記録が無かったら死んでますけどね。

 

まあそんなことがありまして、当分休みたいんですけど入試が迫っているんですよね。ついでに人間界で住む場所も用意しないといけませんし。グレモリー家でマンションを用意してくれるそうですけど、僕の場合色々と結界を敷いたりしないと危険過ぎますのでそこそこ大きい一軒家を自分で用意します。

 

三人は来年受験するのですが一緒について来ると言っていますので色々と改築も必要です。普段はお金をそこまで使わないのでこう言う時に一気に使います。建物の場合は質実剛健が基本ですね。華美な装飾を否定する訳ではありません。そういうのが必要な地位の人達からすれば華美ではなく分相応の代物ですから。僕の場合はそう言うのは必要無いのでいざという時の為に篭城出来る位の建物を用意します。扱っている物を考えれば足りない位なんですけどね。覇道財閥に比べるのもおこがましい位の設備ですから。何か問題があれば博士が手を貸してくれるそうなのでそこまで悲観してません。

 

 

 

 

 

 

 

 

今世では初の学園生活は中々楽しい物ですね。ここまで多くの人と触れ合うのは今世では初です。そして初めて気づいたのですが、どうやら僕、女性受けする顔立ちだった様です。学園でもよく女子から遊びに誘われますし、ようやく始めた悪魔稼業でも女性の顧客が多いですし、内容の方もそういうのが多いですから。

 

聖職者としては落第なのですが、悪魔としては及第点。悩みどころですね。男子の一部からは敵意の目で見られていますけど。特に隣のクラスの通称「変態三人組」からは親の仇を見る様な目で見られている。さすがに彼らのフォローは僕にでも不可能でどうすることも出来ない。他の男子は一緒に誘ったりしてなんとか出来るんだけど、彼らは性欲を全開にしてそれを隠すこともしないのでどうすることも出来ない。そういうことに興味があるのは仕方ないことだけど、学園にDVDなどを持ち込んで普通に教室で見せ合うのはどうかと思う。

 

リアス様はオカルト研究部という部活を作り、旧校舎を拠点としていました。かなり魔術的にはお粗末な拠点でしたけど。僕もオカルト研究部に入部する様にと指示があったので籍を置いています。悪魔稼業の為に集っても問題無い様にする為のカモフラージュだそうです。だからと言って意味の無い魔法陣を壁に書くのはどうなんでしょうね?床にあるのは転移の魔法陣なので構わないのですけど、どうせなら壁にも何か役に立つ物を書いておきましょうよ。とりあえず天井に魔力徴収と照明と保温の魔法陣を書いて壁に遮音と鉄壁の魔法陣を書き直しておきました。

 

それから、ひさしぶりに日本に戻ったので5歳まで過ごした教会がどうなったのかを覗いて来た。神父様はさらに年老いて杖を突いておられたが元気そうに過ごしておられたし、弟達も立派になっていた。兄達は既に離れられているのでどうなったか分からないが元気に過ごしていることだろう。正面から会いに行くことは出来ないのが悔やまれる。転生に関する研究を始めるか?

 

デモンベインの解析はほぼ終了した。悪魔稼業で少し忙しいが研究に関しては暇になっている。一時的にでも肉体だけを変化させれれば正面から会いに行っても大丈夫なはずだ。あっ、駄目だ。もしかしたら天界勢力内で指名手配されている可能性がある。変装する必要も、変装したら意味が無い気がする。はぁ、疲れているみたいだ。今日の所は帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまり思い出したくない。白音さん達に心配されてしまいましたが、あれと相対して普通に会話出来た時点でまだまともな方でしょう、きっと。逆十字達並のプレッシャー、サーゼクス様達並の魔力、鍛え抜かれた逞しすぎる肉体、達人級と言える程の武、強者としての力の意味を知っている目、何故か手に持つかわいらしい杖と今にも破れそうな少女服。男の中の漢な見た目なのに魔法少女プリティ☆ベルと名乗ってましたよ。5代目だそうです。バグらしいです。

 

話してみたらもの凄くいい人でしたし。普通に良い人過ぎてなんでそんな格好をしているのか逆に聞き辛かったです。結局は悪魔の仕事でちょっと訪れているだけだと言うと暴れたりしないでねと言われただけで済みました。今度は普通の服を着ている時に出会いたいです。

 

あと、仮面ライダーに似ている悪魔とも会った。最初は神父服を着ている僕に襲いかかってきそうになったけど、悪魔だと気づいて止まった。話を聞いた所、世話になっていた人達を教会関係者に皆殺しにされたそうだ。ああ、あるあるそういうの。たぶん、はぐれエクソシストだ。とりあえず知っている分の情報と探知系の魔剣をあげたら丁寧にお礼を言われた。たいしたことじゃないから今度会ったら何か奢ってもらうことで話をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

季節が巡り、春。白音さん達も駒王学園に入学して来たので顔見せの為に生徒会室に向かいます。生徒会には部長の友人でシトリー家の次期当主であられるソーナ・シトリー様とその眷属で固められています。そこで顔見せと軽い手合わせをしたのですが、この程度なんですか?

 

僕一人対残りの全員で戦っても負ける気がしないんですが。ギャスパーの停止世界の邪眼にかからないと触れることすら出来そうにないんですけど。ルゥがなんとか僕に付いて来れるかどうかと言った所です。途中で転けて泣いてましたけど。泣き止むまで抱きかかえて手合わせをしてたんですけど、それでもかすりすらしませんでした。

 

さすが騎士(ナイト)なだけはあると言われましたけど、手加減している状況で言われても。やはり血の怪異での戦闘経験値がここに来て大幅に現れているのでしょうね。久しぶりに顔でも見せに行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

久しぶりにアーカムに顔を見せに行き、その後のこととかを報告しあいました。ルゥもそろそろ魔導書としての力を使い始めても良い頃なのでアル・アジフに色々と教えて貰いました。ルゥはアル・アジフのことをおねえちゃんと呼んで懐いていますし、アル・アジフも満更では無い様です。おい、そこのロリコン、ルゥを変な目で見るな。首筋にバルザイの偃月刀を突きつけてやります。そのまま引きずって訓練を付けてやることにします。邪な考えが浮かばない位徹底的に。

 

「さあさあ、かかって来なさい!!」

 

「のわああああ!?何その物量!?というかバルザイがなんでそんなに!?」

 

「黄金の剣の方が良いですか?」

 

「なんでマスターテリオンのそれを!?」

 

「僕の神器、無限の剣製はありとあらゆる剣を作り出すことが出来る物ですから。オリジナルよりは若干威力は落ちますが十分でしょう」

 

「十分どころか過剰すぎるわって今掠った!!」

 

「安心して下さい。死んですぐなら死者蘇生も出来ますから」

 

「安心出来るかぁぁ!!!!」

 

その後もアル・アジフとルゥが戻って来るまで訓練を続けました。さすがにマギウススタイルでなければ人間の域を出れない様ですが、それでも強者ではあります。訓練ということで全力を出し切れないのも原因なのでしょうが、敵には回したくないですね。

 

 




ということで次回より原作スタートです。
ですが、更新がちょっと遅れます。具体的には日曜日まで更新できそうにないです。

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