「うーーん……みんなのイメージかぁ…」
ノートにびっしりと言葉を書き込む。
…例えば、歩夢は…真心溢れる…とか。
せつ菜ちゃんはスクールアイドルに対して…熱い、とか。
「せーーーんぱいっ♪…何してるんですかっ?♪」
ひょこっと顔を覗かせるかすみちゃん。
「ん?…あぁ、ソロライブに向けて作曲をな」
「わぁ~♪先輩の作詞、期待してますっ♪」
「かすみさん、峻さんのことを焦らせてはいけませんよ」
「はぁーい……でも、峻先輩…手こずってるみたいですね…」
「ん、まぁ9人分だしな…まぁ、少しずつ進めるよ」
とはいえ…正直、眠いっちゃ眠い。
睡眠時間が少なくなってるのも事実。
「…峻さん、無理…してませんか?」
きゅっと胸の辺りで小さく握りこぶしを作るしずくちゃん。
「…大丈夫だよ、ありがとうね…しずくちゃん」
「…いえ、大事な…部長ですから♪」
「むむむ……しず子と峻先輩…仲良しになってませんか~ぁ?」
「そ、そんなことないですよ!///」
「俺も…普通なんだけど…」
「ふんっ!いいですもーんっ
峻先輩っ、かすみんの曲はかすみんがスクールアイドルで一番かわいいって事を知らしめるようなのにしてくださいね!♪」
こ、ここは…合わせておいた方が…いいか。
「ん、んん…それは…もちろん、かすみちゃんは宇宙一可愛いスクールアイドルだからね」
「う、宇宙一…っ…!♪」
その言葉にぱっと明るく笑うかすみちゃん。
やっぱり可愛いって言われるのが一番嬉しいみたいだな…メモメモっと…。
「も、もー…峻先輩の為なら…かすみん一肌脱いじゃいますよ~…///」
そう言うとちらっとお腹を見せて脱ぐ素振りを見せるかすみちゃん。
「ま、待った待った!それはスクールアイドルとしてダメだから!…お気持ちは嬉しいけど!」
…いや、凝視はしちゃったよ?
嘘はつけないし…。
「私にも協力できることあるなら遠慮なく言ってくださいねっ♪」
「あ、ああ…ありがとうねしずくちゃん」
「そ、その……こんなこと言った後に…相談しにくいんですが…今度、劇の練習相手…して、くれませんか…?///」
「もちろん、そういう約束だからね」
「……ち、ちなみに…せ、接吻のシーンが…あり、まして…///」
「……え?…そ、それを…俺が…練習相手…で?」
「い、嫌なら…いいですよ…っ?」
「…む、むしろ…役得というか…」
「…ふふっ…やっぱり峻さんに頼んで…正解でした♪」
「えっと…何か言った?」
「なんでもありません♪」
「あー!またしず子と峻先輩仲良くしてるー!ぶーぶー!」
─────────────────
(…結局…しずくちゃんとかすみちゃんの話し相手になってたから…あんまり進まなかったな)
家に帰ってきて…しばらく机の上で唸る。
さっきっからボールペンの先端を出したり閉まったりを繰り返している。
「峻~?…歩夢ちゃんが来てるよ~?」
「えっ…歩夢?」
「あっ…ごめんね、夜遅くに…峻くんのこと…心配で顔出してみたんだけど…」
「ん、体は大丈夫だよ…作業自体はあまり進んでないけどね」
「そっか…♪
…何かあったら、すぐに言うんだよ?」
そう言うと、歩夢が手を重ねてきた。
「…峻くん、私ね…峻くんが…一番頼れる人…で、いたいの」
「どうしたのさ、急に」
ふっと笑う俺に歩夢が静かに話し続ける。
「…最近の峻くんを見てる、とね…どこか遠くに行っちゃいそうで…心配…なの…」
「何言ってんの、俺はここにいるよ」
「……そう、だよね…」
それでも腑に落ちない顔をする歩夢。
……あんまり、こういう手は使いたくなかったけど…。
「歩夢…っ!」
「きゃっ…!!///」
立ち上がり、歩夢をベットに押し倒す。
「…しゅ、峻…くん…?///」
あまりの出来事に目を丸くする歩夢。
「…俺が…ずっと一緒にいるって…証拠…あげるって言ったら…どうする?」
「…えっ、えっ……???///」
「…無理やり…口付けとか…する、かもよ?」
「あっ……わ、私…は…っ…///」
顔を赤くし、口元を隠す歩夢。
上から覆い被さる俺の事をじっと見たまま…言葉を失っていた。
「…どう、する…?」
「…あっ……んっ…っ…///」
「……なんてな、驚かし過ぎた、ごめんな
俺は居るから…大丈夫だよ」
そう言うと俺は歩夢から離れた。
「あっ…………………うん………………」
(私は………………峻くんに……何もかもしてあげたい…って…思ってるのに…どうして、言えないの…?)
その後、歩夢はずっとベットに腰掛けたまま俺の作業風景を眺めていた。
…顔を赤くしたまま。
今回はかすみちゃんとしずくちゃんと歩夢ちゃんの絆メーターが上がりました!
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