とある世界で嫌われてる大魔法使いに転生したからあっちの親の願い叶えるわ 作:黒野真琴
最強の女王が誕生ずっと前であるここから。
この主人公の
「あなたは偉大になる。その日が来ることを待っています」
その場所で謎の女性が椅子に座っている彼女にそう言った。
その女性は占い師のようで、怪しげな衣装で水晶越しに見て未来を見たようだった。
「ちょっと待って!偉大になるって何の!」
のどかがそう言って大きな声を出すと視界が歪んだ。
視界が歪んで意識が薄れゆく中でのどかはその女性に質問された。
「偉大になる覚悟はありますか?あるなら『はい』と言って、ないなら『いいえ』と言ってください」
その質問にこれは夢だなと思いながら、意識が遠のく中で答えた。
「はい」
その解答に占い師は嬉しそうに笑みを浮かべた。
そして、のどかの耳元に近づいてそっとささやいた。
「では、お待ちしています。
のどかはその言葉を聞いた直後にほぼ完全に意識をなくした。
のどかは目を覚ますと見覚えのない天井が見えていた。
その天井と数分間にらめっこしてあることを思い出した。それで一気にガバッと起き上がった。
「あ、まさかここって異世界か。あそこで死んだもんね」
今言った死んだというのは帰り道でのことだ。
占い師に絡まれて色々言われた帰り道、意識がほとんどなくなって夢遊病のように歩いていたら、ほぼ無意識で歩いていたせいで転んで車道に出て車にひかれたのだ。
そこで機械音のような声が『転生を許可します』と言って魔法をくれながらこの世界に連れて来てくれた。
思い出したことを整理してため息をついていると、突然さっきの機械音のような声が聞こえた。
『おはようございます。新しい人生を進める準備は出来ましたか?』
その声にのどかはあまり驚かなかった。
自分が死んだはずなのに生きてる時点でおかしいのだから、それに心なしか若返ってる気もした。
「あなた、もらった魔法の一種よね。自己紹介と説明して」
のどかは結構ゲームをするからなんとなくは理解してるけど一応聞くことにした。
『私は固有魔法の《
その話を聞いて少し納得した。
力の呼び方がスキルじゃなかったのは、そもそもそれが存在しないからなのだ。
一人で納得してるとマキナが言いにくそうにしながらボソッと言った。
『えっと、あなた様はその大魔法使いに属しています。転生中に言っていた言葉で強くなったせいです』
今の言葉にはさすがに驚いて自分の中でその原因を探した。
「私を今度は大魔法使いにでもしてよ」と言っていたのも思い出した。
それを思い出して冷や汗がぶわっと出てきた。
「…取り消せないの?」
『……不可能です』
「デスヨネー」
とりあえず、どこかのスライムみたいに現状把握から始めよう。
のどかはそう思って体を動かした。
まばたき、発声、手を動かして、足を動かして、それで一回転してみた。
これでこの体が人の形をした魔法使いであることがわかった。
「なるほどね。次は、ここがどこなのか調べないと」
そう言うとすぐにマキナが反応して回答してくれた。
『ここは大陸のど真ん中に位置する魔の集まる土地、ウィリア魔法界です。ここには魔物と7人の大魔法使いしか居ません。その中であなた様は8人目の大魔法使いになります』
「親切にどうも」
場所の説明と追加情報まで言ってくれた。
それで自分がものすごい立場になってしまったことを再確認させられた。
しかも、今いる場所がそんなすごい場所に建ってる小屋だ。
生活感のない小屋に転生させられて意味不明だ。
ため息をつきながらこの小屋の中を探索することにした。
埃をかぶってるけど、ベッドとか色々あるから使えそうではある。
そうやって新しい人生に身を委ね始めた頃。
ウィリア魔法界という大陸の4割を占める広大な土地の中で、突然新たな大魔法使いが誕生したことに近隣諸国は焦りを感じていた。
この世界では大魔法使いはスライムの世界の魔王に等しい。
そんな大魔法使いは全ての魔物の頂点に立っていると言える。
それを人々は倒す手段がない。
現在の魔法界はその大魔法使い達が人間の国を侵略して広げた。
現在までに4つの国が滅ぼされている。
そんなイカれた大魔法使いに新人が現れたら、焦るのは当然だ。
そんな存在になったことを知らずに彼女は生きることを始めた。
今回は魔女が転生するまでとサポート役との会話でのこの世界の把握をするのがメインでした。