とある世界で嫌われてる大魔法使いに転生したからあっちの親の願い叶えるわ   作:黒野真琴

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アスタリアはマキナを手放せない。


第7話 マキナからの助言

 大魔法使いの会議が起きたこの日の夜、マキナが言いたいことがあると言うのでアスタリアは館の自室に籠ることにした。

 そこでなら魔法と話してても静かに出来そうだから。

 

「マキナ、言いたいことって何?」

 

 ベッドに腰をかけてそう尋ねると、マキナは改めて丁寧な説明を始めた。

 

『この世界を征服するつもりなら、基本知識は全て押さえておくべきだと考えて話をさせてもらおうと思いました』

 

「いいわ。話して」

 

『この世界には4タイプの魔法が存在します。基本魔法、特殊魔法、固有魔法、究極魔法、後になる程取得難易度も条件も高くなります。特に固有魔法以降は普通なら取得不可能と言えます』

 

 このマキナの言い方から固有魔法以降はアスタリアなら獲得できるのだろう。

 

『アスタリア様なら固有魔法は私と《記憶吸収》になります。究極魔法は大魔法使いやそれに匹敵する者のみ与えられるので、アスタリア様は他の大魔法使いに認められればその段階に行けます』

 

 軽く言ってくれるけど他の大魔法使いは難しいだろう。

 それよりももう一つの固有魔法が気になったので目を使って見ることにした。

 

《記憶吸収》取得条件不明。見た魔法や受けた魔法を吸収して自分のものにできる。だが、一度吸収したらそれ以降はもう一度吸収することはできない。

 

 つまり、これはマキナの魔法を自分にかけさせれば吸収で使えるようになる。

 こんな感じだろう。

 

「他に言いたいことはあるの?」

 

『この大陸には4割を占めるウィリア魔法界以外に、13の国で構成されています。そのうち三つが人間をうまく利用してケット・シー、吸血鬼、ナイトメアが作りました。この三種族の王は数少ない魔王を名乗っている最上級の魔物です』

 

 国の数と魔物の国の存在はアスタリアにとって重要な情報だが、この世界にも少なくても魔王がいることに驚いた。

 ただ、大魔法使いでも相手をするのは危険だろう。

 

『この世界に置いて一番危険視されるのが大魔法使いなので、最初はそこまで到達しない魔物など人間の眼中にはありません。それを利用して三種族は国を作ってその中で成長して魔王となりました』

 

 これで人間がどれほど大魔法使いだけを見てるのかが分かった。

 魔物なんて魔法使いや騎士が束になれば勝てるなんて甘く考えてるから足下をすくわれたんだ。

 

「なるほどね。ちなみに、うちのキュルーラが王の娘だったりする?」

 

『さすがです。アスタリア様の予感の通り、キュルーラ様も魔王の器です。現魔王の吸血王キュラルシスが余命わずかなので、そこは簡単に落ちるでしょう。ただ、断らなければ』

 

 キュルーラが王の娘なのは直感で分かっても、マキナが心配するように王位継承権を捨てればあそこの土地は手に入らない。

 だから、汚い手でもアスタリアは世界を手に入れるためにやってみることにした。

 

 もちろん。彼女は仲間を大切に思ってるから無理矢理なんて考えてない。

 

「あそこは私の行動で手に入れる。13カ国のうち一つが手に入れば楽になるからうまくやるよ」

 

 ここはまだ大きくするつもりだから、アスタリアは吸血鬼の国と自分が手を組む形にしたいのだ。

 

 

 

 

 

 マキナの話が終わって楽しくなってきたのを感じたアスタリアは、小さく「うふふ」と笑いながらベッドに横になった。

 その時、自分の中で蛇がシャー!と威嚇するのを感じた。

 

 そっと窓の方を見たがそこには誰かの魔力の痕跡以外見当たらなかった。

 

 

 

 うん?誰かの魔力の痕跡?

 そう思ったアスタリアは急いで起き上がって窓に近づいた。

 その魔力の残りをマキナに検索させた。

 

 それでヒットするやつは村の中に居なかった。

 つまり、大魔法使いの〈蛇のアスタリア〉が敵と見るような他の大魔法使いの魔力を持った誰かが来たことになる。

 

 簡単に侵入されたのは由々しき事態と言えるから、明日以降は警戒をしないといけなくなった。

 

 

 

 

 

 その侵入者は〈猫のケルタ〉本人だった。

 気まぐれ猫は身の安全のために蛇の様子を見にきたのだ。

 

「来て正解だったよ。彼女なら退屈を紛らわしてくれそうだ。まぁ、僕は人間の脅威さえなければいいんだけどね」

 

 そう言うと猫は木の枝に乗って、そこから次々と飛び移って村から離れた。

 そこは今後ケルタによってケイオスという名で広まった。




今回はマキナのサポートがメインでした。
最後の猫はおまけです。
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