とある世界で嫌われてる大魔法使いに転生したからあっちの親の願い叶えるわ   作:黒野真琴

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アスタリアはうまくやらなければいけない。


第8話 村の拡大は順調

あれから数日はほとんど動きがなかったが、アスタリアの村がケイオスと呼ばれるようになったのを新聞で知った。

この世界にも和風の魔物がいる。それが新聞屋もしてる烏天狗一族。

烏天狗は〈蜂のビーシス〉と敵対していているので、距離を取るために南のアスタリアに助けを求めた。

それをアスタリアは快く受け入れて拡大中の村に入れた。

 

結果、烏天狗の新聞の顧客もグルーガーとジュラルから距離を取るためにやって来て、トロールとハーピーも村にやって来た。

合計300人にまで増えた。

 

「いきなりこんなに増えるとはね。楽しくって踊っちゃうよ」

 

そうやってテンションの上がったアスタリアは楽しくしてるが、その裏で幹部の種族代表達が心配していた。

この間の侵入者の件で警備の甘さも思い知らされたから。

 

「アスタリア様、このまま進めるとここはいずれ大きくなります。そうなる前に他の大魔法使いに目をつけられたのだから対策を考えねばなりません」

 

烏天狗のリーダーの勘九郎(カンクロウ)は話を聞いて誰よりも心配した。

彼も含めて誰も主人の戦闘を見たことがないから、強者と戦って勝てるのかを心配しているのだ。

 

「心配なんてしなくていいよ。だから、会議は私抜きでやって」

 

「そう言うわけには参りません!」

 

アスタリアは面倒な会議が嫌いで逃げようとしたが、勘九郎に大声で止められてしまった。

 

「なら、私が結界とか色々と仕込んでやるわ。それでも不満ならみんなの魔法をかき集めて仕掛けをすればいい」

 

そんなことでまた逃げようとしたので勘九郎はキレそうになった。

そんな時に館の会議室に1匹のコウモリが入ってきた。

それを見て瞬間にアスタリアは魔王の死に連想した。

 

「それは本当なの!」

 

キュルーラはコウモリから話を聞いて驚いた。

その内容は彼女にしか伝わってないので、アスタリア達に向けて翻訳した。

 

「魔王である私の父が死にました。魔王の座が空いたので私か妹に継承されることになったそうです」

 

この言葉を聞いてアスタリアは興奮を抑えきれなくなった。

たった数日で望んだものが目の前に転がってきた。

 

「どうなさいますか?アスタリア様の考えに任せます」

 

キュルーラにそう言われてアスタリアは即答した。

 

「妹に譲りなさい。その子があなたの言うことに聞いてくれるなら」

 

青く輝く瞳は何かを企んでる目をしている。

それでもキュルーラには主人のために動くしかなかった。

 

「アスキャラなら言うことを聞いてくれます。私を慕ってくれているので、今でも国に帰ってくるのを待っているくらいですから」

 

「それなら、そのコウモリに継承権の譲渡を伝えるように言って、正式に妹さんが魔王になったらここにくるように言って」

 

悪い顔をしてるアスタリアは偉そうに少しふんぞり返って下を指差した。

その主人の考えを魔法で読み取った5人は驚いた顔をした。

 

「分かったでしょ。13カ国のうち一つ目を私のものにする。それには言うことを聞かせられる駒と散らばってる吸血鬼を指揮できるあなたの2人がいるの」

 

アスタリアの考えを理解したキュルーラはすぐにコウモリに伝言を託した。

それから自分の飼ってるコウモリ数匹に魔法界にいる吸血鬼達への伝言を託した。

 

これで妹が魔王になる。そのついでに自分のところにはぐれ者も集められる。

アスタリアの吸血鬼の保護体制が完成する。

数少ない吸血鬼はこの世に1万人しか存在しない。それは人間の総人口よりはるかに少ない。

だから、アスタリアは支配で守るつもりでもいるのだ。

 

 

 

 

 

この騒ぎに乗じてアスタリアはうまく会議を抜け出した。

すると、その後を小型トロールのトロンバが追ってきていた。

 

「1人にしてくれる?せっかく会議を抜け出したんだから」

 

「そうはいきません。幹部としては会議でちゃんと色々と決めたいのですから」

 

ここまで大きくなってくるとアスタリアは配下を面倒に感じ始めていた。

それでも5人とも優秀ではある。

 

「それなら、まずは警戒を強めておいて。それができたら話を聞いてあげる」

 

アスタリアはそう言うとステルスの魔法を使って消えてしまった。

これもマキナが勝手に習得させた魔法だ。

 

「まったく、とんでもないお方だよ」

 

トロンバはアスタリアがいた場所を見つめながらそう言ったら、次に森の方を見つめた。

 

「警備か…確かにこの魔力は気になるな。わざと警戒しないといけない状況を作られてるようだ」

 

そう呟くとトロンバは館の中に戻っていった。

 

 

 

 

 

2人がこっちを見ていたのに気づいた木の上の猫は焦った。

 

「ここで見つかるかと思った。マジで焦るんだけど」

 

あれから何度か近くに様子を見にきてる暇な猫は、このタイミングでこっちを向かれてたので、そろそろかなと思った。

 

「でも、まだ接触するべきじゃないな。まずは強化魔法で誰かに襲わせるか」

 

そう呟くとケルタはニヤリと笑って村を離れた。




今回は新しい住民の紹介と吸血鬼の王の死亡がメインです。
ケルタの暗躍等はおまけに過ぎません。
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