ダンジョンに平和の象徴がいるのは間違っているだろうか   作:黒納豆

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本編に入りますが、プロローグの俊典が入団した日からかなり時間が飛びます。なお、特に理由はありません。


第一話

ダイダロス通り。街である筈なのに、迷路のようになっており、冒険者から「ダンジョンより迷宮(ダンジョン)してるぞ、ここ!?」と言われる場所である。そんなダイダロス通りでは、早朝にもかかわらず、二つの団体が対峙していた。

 

「観念しなさい闇派閥(イヴィルス)【アストレア・ファミリア】(わたしたち)が来たからには、貴方達を逃がさないわ!全員まとめてとっ捕まえてギルドに突き出してあげるわ!」

 

剣戟の中心にいる、美しい赤髪をポニーテールにした少女が勇ましくそう言う。 

 

「ふざけんな!こんな朝っぱらから襲撃してきやがって、糞供が!大体、てめぇらどうやって俺らの隠れ家を見つけやがった!」

 

「はんっ、カジノにでも行って、怪しい奴にちょっと質問したら(脅しをかけたら)話してくれたぜ?やっぱ、てめぇらみてえな奴らには人望なんてねえもんな!」 

 

罵声を浴びせてくる闇派閥の男に対し、小人族の少女が得意げに答える。 

 

「ちっ、調子に乗りやがって。てめぇら、数ならこっちの方がたいぶ上なんだ!さっさとこのこいつら片付けてづらかるぞ!」

 

リーダー格の男がそういうと闇派閥のメンバーが一斉に襲いかかってきた。先程、リーダー格の男が言った通り敵の数の方が少数精鋭の【アストレア・ファミリア】の団員よりも多く、更には闇派閥にもLv4が複数いるため【アストレア・ファミリア】はかなり不利な状態での戦いを強いられるだろう。ーーーそう、本来ならば。

 

Oklahoma(オクラホマ) SMASH(スマァッシュ)

 

身長2Mを越す巨体、筋骨隆々なその肉体は250kgを上回り、その輝く金髪の前髪はアルファベットのVのように逆立っている。その巨体の男ー俊典は襲いかかる敵のど真ん中に突っ込み、自身の回転する勢いで敵を弾き飛ばした。そして、彼に弾き飛ばされた者は壁に衝突し、一撃で戦闘不能となる。吹き飛ばされた者の中にはLv4もおり、本来ならば同じLv4である俊典に一撃で倒されることなどあり得ない。だが、俊典には身体能力を爆発的に上げる『魔法』と『スキル』がある。だからこそ、【アストレア・ファミリア】は真正面から襲撃をするという手段をとることができた。それ程まで、影響力のある彼に神々が付けた二つ名は救済者(ヒーロー)。彼が、【アストレア・ファミリア】入団時に目指していたことと、彼が自身の犠牲をいとわず、人々を救おうとする姿からつけられた。そんな彼は敵に囲まれてながらも豪快に暴れる回る。

 

「ちょっと、トシノリ!敵を倒してくれるのはいいんだけど、景気よく建物をぶっ壊さないでよ!?」

 

「HAHAHA……いや、ホントにすまない、アリーゼ少女。どうも加減が難しくてね」

 

自身も敵と剣を交えつつ、アリーゼは俊典に文句を言う。それに対して俊典は申し訳なさそうに謝るがその間にも「SMASH」と派手にぶっ壊しており、「あ〜も〜〜」と頭を抱えていた。………どんまい、アリーゼ。

 

「アリーゼ、トシノリ、喋ってないでさっさと敵を倒してください!!」

 

自身も敵を木刀で殴打しながら、リューはアリーゼと俊典を叱責する。

そうこうしているうちに敵の数はみるみる減っていき、最後にリーダー格の男だけが残った。

 

「くそっ、チクショウ、ふざけんなよ、糞野郎共。ぶっ殺してやる!」

 

そう言って、リーダー格の男は自暴自棄(ヤケクソ)気味に武器を構え、「死ねええええ」と言いながら近くにいたリューに向かって突っ込んだ。リーダー格の男も恐らくLv4、しかし自暴自棄(ヤケクソ)になって突っ込んで来ているため隙だらけであり、リューからすれば倒すことは容易である。故にリューは油断した。()()()()()()()()リーダー格の男の口元が弧を描く。次の瞬間、男はリューに接近し、懐から火をつけるマジックアイテムを取り出て、自らの体に火をつけた。男が何をする気か悟った、アリーゼがリューに警告をあげ、リューもその場から離脱しようとする。だが、もう遅い。男がつけた火が恐らく服の中に仕込まれていたであろう火炎石に引火した。

 

「タナトス様、万ざぁぁぁぁぁい!!」

 

男はそう言い残し、盛大に自爆した。

 

「リオン!?」

 

【アストレア・ファミリア】の団員達から悲鳴が上がる。だが、アリーゼは見逃さなかった。男が自爆する瞬間、アリーゼがギリギリ視認できる速度で雷が走り抜けたのを。

 

「HAHAHA、大丈夫さ少女達!何故って?私がいる!」

 

声がした方を見ると、爆心地から遠く離れた場所にリューを抱えた俊典が立っていた。実は、いち早く敵が自爆することに気づいた俊典が爆発する寸前に100%のフルカウルを使用し、リューを抱き抱え、離脱していたのだ。そして、俊典はアリーゼ達の前まで跳躍し戻ってきた。それを見た、【アストレア・ファミリア】の団員は安心して息を吐いた。

 

「ふ〜っ、よかった。ありがとう、トシノリ。………それにしても、トシノリは入団した時はあんなに純朴そうな少年だったのに、なんか胡散臭いおじさんみたいな口調になったよね〜。」

 

「なっ、お、おじさん!?」

 

仲間を助けた筈なのに、唐突にアリーゼから罵倒された俊典は驚き、そして落ち込む。さらに、そこからライラと輝夜が追い討ちをかける。

 

「確かにな〜。大体、アタシらとあんま変わんねえ歳なのに、〇〇少女〜とか呼んでるし、なんか気持ちわりぃよな〜」

 

「大体、極東出身なのに、明らかに口調がおかしいしな。そう考えるとたいぶ変人だな、俊典は」

 

俊典は自分の頭におじさん臭い、気持ち悪い、変人と書いた石が、ズガン、ズガン、ズガンと三連続で当たる姿を幻視し、かなり落ち込む俊典だが、彼の災難はそこで終わらない。横抱きー所謂お姫様抱っこーをされて硬直していたリューが正気を取り戻し、次の瞬間ボンッと顔を赤く染めて俊典の腕から飛び降り、その時に体を捻る要領で俊典を投げ飛ばし、壁に叩きつけた。

 

「私に、触れるなっ!!!」

 

「グヘッ」

 

「「「「 あっ」」」」

 

投げ飛ばされた俊典は壁に顔面をめり込ませた。かなり落ち込んでいた俊典を投げ飛ばすとはこのエルフかなり鬼である。ただ、どうやら羞恥のあまり投げ飛ばしてしまっただけのようで、本人も投げた後に驚いていた。 

 

「あー、またリオンの悪い癖が出た。も〜、今のはトシノリだったから良かったけど、普通の人だったら死んでるよ〜」

 

とアリーゼがリューに注意し、そこにライラも加わる。

 

「そーそー、トシノリは無駄に頑丈だから、良いけどよ〜、気を付けろよな〜、リオン」

 

アリーゼやライラが好き放題言っていると、俊典が壁から顔を出した。

 

「君達、結構酷くないかい?」

 

「すっ、すいません、トシノリ。助けてくれたにもかかわらず投げ飛ばしてしまって。貴方に抱えられてから混乱してしまい、そのまま投げ飛ばしてしまいました。本当にすいませんでした。」

 

義理堅いリューは顔を赤く染めつつ、すぐに俊典に謝罪した。

 

「いや、いいんだリオン少女。どうやら私は『無駄に頑丈』らしいからね」

 

俊典は、やたらと『無駄に頑丈』を強調してそう言った。 

 

「あはは、トシノリ、もしかして、拗ねちゃった?」

 

アリーゼは苦笑いしつつ俊典にそう尋ねる。 

 

「いや、別に拗ねてなどいないとも。リオン少女を助けたのに罵倒されたこととか、投げ飛ばされているのに好き放題言われていたこととか、全然、全く、これっぽっちも気にしてなどいないさ。」

 

アリーゼ達は悟った。「あ、これ絶対かなり拗ねてる」と。

 

「ごめんって、トシノリ。この後の昼ごはん奢るからさ〜、機嫌直して〜」 

 

こういったやりとりを中心に、闇派閥との抗争を終えた【アストレア・ファミリア】にはとても和やかな雰囲気が流れていた。

 

 

 




ヤギ・俊典
Lv4
力:S 963
耐久:A 886
器用:D 427
敏捷:S 925
魔力:A 839
耐異常:G
剛拳:G
魔防:H
《魔法》
SMASH(スマッシュ)】  
・付与魔法
・速攻魔法
・SMASHと唱える事により発動
・瞬間的にステイタスを超強化

《スキル》
平和への希望(ワン・フォー・オール)
・早熟する
・一定期間ステイタスに超高補正
・補正時間は使用者の体力に依存



とりあえず、オールマイト(俊典)のステイタス書いてみました。オールマイトはもっとレベルが高いだろと思う方も多いと思いますが、作者があまり高レベルを書きたくないという理由でオールマイトの身体能力は高いレベルによるものではなく、魔法とスキルのおかげで実際は自分より上のレベルよりも強いという設定にしたいと考えています。この他にも、色々至らぬ点は多いと思いますが、暖かく見守っていけると幸いです。
     

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