BEYOND YOU~WORLD TRIGGER Another Story~   作:ポンコツ創作者 リオロス

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第3話 記憶

ザッザッザッザザザッ

 

「ふぅ、そろそろ残り半分くらいか?以外にみんなタフだな」

「どちらかというと、レヴィアがあまり出ていないから、実力のない者同士で終わりの遠いやり合いをしているのだろう。」

 

少し荒廃した街でレヴィアが壁に隠れている。

 

今行われているのは模擬戦闘訓練だ。

実際の街をトリガーで再現した空間内で完全サバイバル戦闘をし、戦場で生き残るための戦闘技術の向上と戦線離脱の技術を身につけるという訓練である。

 

実際の戦闘では、トリオン体が破壊されて戦線から退くということも十分あり得る。

そういった場合に生きて離脱するのもまた、兵としての心得だ。

 

ドドドドッ!

 

「おっと」

 

レヴィアが頭を下げる。

 

後方から銃撃されたようだ。

 

レヴィアが選んだのは白兵(ブレード)トリガー・「鋼の鷲(アクィラ)」である。

障害物の合間を縫っていかないと、射程持ちを攻略することはできない。

 

「厄介だな全く。」

 

タッタッタッ

 

レヴィアが細かく動き回って相手の照準を合わせないようにしながら、近づいていく。

 

「よっと」

 

鋭い動きで相手を仕留めた。

実は彼が今回の訓練でのレヴィアが最初に撃破した相手であったりする。

 

「たあっ!」

 

死角からブレードが襲いかかる。

 

「おっと」

 

レヴィアは鋼の鷲(アクィラ)でいなして後方へ下がった。

 

「よっしゃ見つけたぜ!お前を倒して目立ってやる!」

「できるもんならやってみなよ」

 

レヴィアが構え直す。

 

「おりゃあっ!」

(全く…無闇に突っ込むもんじゃないっての)

 

突っ込む相手の攻撃をかわし、真っ二つにする。

 

「なっ…!?」

 

ボシュッ

 

相手のトリオン体が破壊され、すぐさま逃げ出した。

 

「やれやれ…」

 

ドッ!!

 

安心したのもつかの間、目の前にあった建物の壁に穴が開いた。

 

「あっぶね!」

 

これにはさすがのレヴィアも驚く。

 

単発でここまでの破壊力となると狙撃トリガー・火の鮫(シゥーク)だろう。

 

「後ろの方か…」

 

レヴィアが障害物の合間を縫って狙撃手がいると思われる方へと走っていく。

 

バッ!

 

物陰からいきなり飛び出してくる者があった。

 

「おっとぉ?」

 

レヴィアが後ろに下がって体勢を立て直す。

 

「よっしゃ、かかったぞ」

「二人がかりならいけるぜ!」

 

どうやら待ち伏せだったらしい。

 

「へぇ…考えたじゃん」

 

二人が一斉に襲いかかるのをかわし、あえて攻め気を見せずに対応する。

 

「よっしゃ、いけるぞ!」

(あ~あ。んなわけないじゃん。)

 

ドッ!

 

(来たな)

 

レヴィアはおもむろに頭を動かす。

 

「?」

 

ドンッ!

 

後方からの狙撃を避けて二人まとめて撃破した。

 

「甘いなぁ」

 

そのまま次々と敵を撃破し、残りはレヴィア含めて四人、そしてレヴィア以外はお互いに対面している。

 

レヴィアは正直なところ面倒なので共倒れを待ちたいところだ。

 

こそっと建物の陰から覗くと、三人がお互いに牽制しあって睨みあっていた。

 

それもかれこれ十数分である。

 

「いつまでやってんのかね…」

「レヴィアを待っている可能性がある。そうだとすれば、彼らが共謀してレヴィアが乱戦と思って入ったところを囲んでくると思われる。」

「うっわめんどくさ」

 

レヴィアは重苦しいため息をつき、一瞬で三人を撃破して訓練を終わらせた。

 

× × ×

 

「あーやれやれ。」

 

レヴィアがロビーのソファでだらしなくくつろいでいる。

 

「レヴィア、疲れたか?」

「あーもう疲れた。めんどくさ~。とっとと上位騎兵隊員になりたーい。」

「入団から一年以上所属していないと上位騎兵隊員にはなれない。レヴィアとしては面倒だろう。」

「はぁ~…」

 

レヴィアは大きなため息をつき、ソファに横になった。

そこへ

 

「失礼、レヴィアさんでよろしいですか?」

「えあっ!?」

 

突然のことに変な声が出てしまった。

急いで座り直し、声の主を見た。

 

声の主は例の妙な少年であった。

 

「驚かせてすみません、少しお話よろしいですか?」

「はぁ…」

 

二人はロビーの端の方へと移動した。

 

「自己紹介がまだでしたね。僕はトルロ・ヤクーツォと言います。以後、よろしくお見知りおきを。」

「それで…話というのは?」

「いえ、模擬入団の時、僕のことを見ていませんでしたか?」

(気づかれてたのか…なかなか鋭いな…)

「見ていたよ。他の子とは様子が違ったからね。他の子とくらべて興奮してる風には見えなかった。」

「それはお互い様ですね。」

 

少年が初めて笑顔を見せた。

といってもほんの苦笑い程度であるが。

 

「模擬入団なんてしなくてもよかったんだよ。だから退屈だったのさ。」

「…レヴィアさんはトリガーを使ったことがあるのですか?」

「…あるよ。」

「なぜ?」

「…さぁね。話す必要はないよ。で?話っていうのはそれ?」

「…はい。」

「ふーん…じゃぁね」

 

嫌なことを思い出さされて気分が悪くなったレヴィアはそそくさと寮に戻っていった。

 

「いいのか?」

「別に。関わっても面倒なだけだ。」

「…彼はレヴィアに興味をもっているように見えた。」

「どうせやたら強いから気になってるだけだろ。他のと違って蹴落とそうとしないだけだ。」

「…そうだろうか…?」

 

些か荒々しい口調でイフと話しらがら、自室に戻った。

 

バタンッ!

 

ガタッ

 

レヴィアが自室の机の引き出しを開ける。

そこには綺麗な石が使われたペンダントがあった。

 

このペンダントはレヴィアが父・ラーバスから貰ったものである。

もとはレヴィアの母親がラーバスに贈ったもので、レヴィアにとっては唯一の家族の記憶である。

 

「父さん…母さん…」

 

レヴィアが手にペンダントを握りしめて、啜り泣く。

 

すでにどの国かもわからなくなってしまった祖国に戻ることはできない。

彼にとっては一人でペンダントと共にいるのが、一人で思いに更けることができる数少ない安らぎでもある。




彼の近くには、少しずつ運命が近づいている。
それはまさに災難。
そして、アポミミシ有史以来の国難も近づいている。

現在、ワールドトリガーの二次創作をしておりますが、新しい小説をそれと平行することで更新の隙間をカバーできないかなとか考えてます。如何でしょうか?因みに新小説は完全オリジナルを予定しております‼️

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