強個性であり、万能的で無敵でもある。ただし、ストレス耐性と胃薬が必要である『完結』   作:サルスベリ

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 評価が下がりました。

 でも、気づいたときのサルスベリが思ったことは一つ。

 『わぁ~こんなプロットもない勢いだけの作品に、評価をつけてくれるなんて優しい人、多いなぁ』です。

 ここって、心の広い人多くありません?

 てなわけで、頑張って連日投稿です風味です







嫉妬は見苦しいものです、見ていて悲しくなります。でも矛先が違うところを向いていると、見ていて微笑ましくなりませんか?

 

 

 

 

 どうも、皆さま、新婚の田中・一郎です。

 

 ふ、ふふふふふ、こんなことを言う日が来るなんてなぁ。人生、何があるか解らないって本当だよ。

 

 あ~~嫁さんのいる生活、ビバりあ充生活。

 

 しかも、あんな可愛い嫁さんなんだぜ。ヒミコちゃん、毎日のように可愛くなってる気がするのは、俺がノロケているからか。

 

 いやいや、間違いない。俺の嫁さんは可愛い。

 

 ちなみに、一緒に住んでます。一緒の部屋です、どうだ羨ましいか、世の中の男どもよ!

 

 でもな、ちょっと疑問があるんだよ。普通さ、嫁さんの手料理って憧れるもんでさ、食べたいって思うよな。

 

 思うだろう、けど俺はまだ食べてないんだよ。

 

 なんでだろうなぁ。

 

「どいてください弔君!」

 

「いいや、どかない。おまえに一郎の食事はまだ早い」

 

「いいえ! いいえです! 私は一郎君の奥さんですから!! 旦那様の食事を作るのは妻の務めです!」

 

 なんでだろうなぁ(泣)

 

 朝っぱらのキッチンから、俺の嫁さんの声と、俺の親友の口論が聞こえてくるんだよ、理由は解るだろ。

 

「今の時代は男女平等だ。それは差別に当たるぞ、ヒミコ」

 

「個人の想いに世間は関係ありません! 世間が正しいんじゃなく、私が正しいんです!」

 

「フ、言うようになったな。あれだけ一郎の前で緊張で、言葉を言えなかったお前が」

 

「その節は大変、お世話になりました。とても感謝しています」

 

「ならばいいだろう、おまえに譲れるものはない。ここは俺のキッチン(領域)だ」

 

「それとこれとは話が違います!」

 

 仲いいなぁ、本当にあの二人って話をしていると絵になるよ。なんだか、俺じゃなくて二人が夫婦に見える。

 

「違うからな、一郎」

 

「勘違いは駄目です一郎君! 私は一郎君命です! 一郎君一筋ですから!」

 

 ブハ!? い、いきなり飛びこんでくるのは反則です、ヒミコちゃん。真っ直ぐに飛びかかるようにしてくるのは、もっと反則です。普通の人なら死にますから。

 

「よくやった一郎、捕まえておけ」

 

「は?! 謀りましたね弔君!!」

 

「あ、はい」

 

 ニヤリと笑う弔に、俺は反射的にヒミコちゃんを抱きしめたのでした。

 

「離してください一郎君! クンカクンカ! 一郎君の匂い、温もり、一郎君の鼓動。はぅぅぅぅ私の幸せがここに。は?! ダメよ、田中・ヒミコ、これは罠よ、弔君が私を足止めするための罠なのよ! 田中・ヒミコ、田中・ヒミコ。ああ、いい響き。私のすべてが一郎君のものになった証。私の体も心も魂もすべて一郎君の腕の中。ああああもうヒミコは世界で一番の幸せ者です!」

 

 離れようとするのか、逃げようとするのか、高揚とするのか、ノロケるのかどれかにしようよ、ヒミコちゃん。俺はそんなにツッコミきれないから。

 

「いいぞ、一郎、良くやった」

 

「まあ、奥さんを抱きしめられるから俺は全然、いいんだけどさ。世間一般でいうところの、『ブラック・コーヒーが甘く感じる』じゃないのか?」

 

 普通、こんなに目の前でいちゃいちゃしていたら、砂糖が口から出てくるとか、リア充は爆発しろとか嫉妬の眼を向けるんじゃないの。

 

 弔がそんな顔するなんて想像もできないけど。

 

「何でだ?」

 

 料理を続けながら、背中を向けて弔が疑問を投げてきた。

 

「普通、男ならそう思うって話さ」 

 

「そうなのか。ありえないだろう」

 

「いやなんで?」

 

「当たり前だろ。父親と母親が仲がいいのは、子供にとって嬉しいことだ」

 

 は? え、あれ、今、弔はなんて言ったの?

 

 誰が父親で、誰が母親だって?

 

「俺にとって一郎は親代わりだ。おまえは男だ、だから父親といえば一郎だろう?」

 

「待った、そこからすでに話が違う。なんで同年代の俺がおまえの父親になるんだよ」

 

「だから、その奥さんといえば」

 

「待ておまえ! 話を聞け!!」

 

「俺の母親じゃないか」

 

 振り返り、凄いいい笑顔で語る弔の両手には何故かオムライスが。

 

 しかもハートのケチャップつきだとぉ!!

 

「だから、二人の最愛の息子から愛情たっぷりの朝食だ」

 

 お、おう、愛って重いんだな。

 

「ちなみに誰からその話を聞いた?」

 

 解っている、解っているんだが、間違いであって欲しい。ギルは、あんなに涙を流して祝ってくれたじゃないか、そんなあいつが愉悦のためのネタにするなんてことはない。

 

「ギルじゃない」 

 

 よっし、セーフ。あれ、でもギルじゃないって誰が。

 

「コナンだ」

 

「まさかの名探偵の裏切りかぁぁぁぁぁ!!!」

 

 思わず俺は絶叫、ついでに腕に力が入ってヒミコちゃんが。

 

「ダメです、一郎君、キッチンでなんて」

 

 とか、ちょっと流し目で言ってきました。

 

 おう、俺の嫁さん、俺の周りと似ているようにぶっ飛んでんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お洗濯は奥さんの仕事、役割、使命、疲れた旦那様を癒してあげたくて、今日も綺麗にお洗濯、お日さまポカポカ暖かい、洋服ポカポカ温めて。温もりギュッと抱きしめる。でもでもダメよ、そこは駄目。温もりは奥様だけの特権なのよ」

 

 朝食が終わって、俺と弔が店の仕込みに入る頃、ヒミコちゃんが歌いながら洗濯物を干しに行ってくれているんだけど。

 

「・・・・・・あれはな」

 

「待て弔! 言わなくても解る! アインズだろ! アインズ作詞作曲だろ?!」

 

「よく解ったな」

 

 解るだろうが! うちで音楽関係はあいつ以外にいないんだからさ!

 

「協力、爆豪だ」

 

「え、マジで?」

 

 あのポワポワの歌に、爆豪君が協力しているって。なんのジョークだよ、そんな話あるわけない。

 

 だって、彼はバリバリのロックじゃないか。

 

「一郎に何か恩返しがしたいと言ってな。赤面しつつ書いていたな」

 

「うわぁ~~~」

 

「背後に大笑いしたギルがいたが」

 

「止めようか弔君!! おまえそれ完全に『愉悦あるぜ、今日は大量だ』ってギルじゃないか!」

 

 あいつ、まさか今後は爆豪君に愉悦の対象を移すなんてこと、ないよな。そんなひどいことさせない、俺が絶対に爆豪君を護ってやる。

 

「一郎、おまえは俺を護ってくれないのか?」

 

「は? いや、なんだよ、それ? なんでそこでお前が出てくるんだよ?」

 

「実はギルからこんなものを貰った」

 

 弔が差し出してきたのは、革で出来た本のようなもの。

 

 これ、どっかの幻獣の皮を使ったとかじゃないよな、革っぽいから違うよな。

 

 そっと俺は慎重に受け取って開いてみると、着物を着た女性がいた。

 

 はい?

 

「見合い写真、というらしい」

 

「・・・・・・ギルガメッシュぅぅぅ!!!」

 

「呼んだか、マスター」

 

「出たな元凶!!」

 

「フハハハハハ、そう褒めるな、我は気遣いもできる、ナイスな英雄王、マスターが奥さんといちゃいちゃして弔が寂しくないよう、見合いさせて結婚させてやろうというのだ」

 

「どっから持ってきた?! 誰だこの人?!」

 

 めちゃくちゃ美人じゃないか?!

 

「一郎君?」

 

 ヒ?! な、なんで背後にヒミコちゃんの気配が。

 

 おい、弔、震えながら顔を反らすな。ギル、てめぇ蒼白になって固まってんじゃないよ。

 

「浮気、ですか?」

 

「え、いや、これは違う。これ、弔にだから」

 

「そう、ですか。ならいいです。でも、浮気はその許しません。許せないんですけど、一郎君の魅力を考えると私一人で十分なんて考えられませんね。もちろん一郎君の奥様として頑張ります。でもでも、一郎君の魅力は天下一、この世界に一郎君を超える男はいないから、世の中の女性が放っておかないのは仕方がないこと。ダメよ、ヒミコ、一郎君は私の旦那様、私の夫、その夫の浮気を見逃すなんて、私の独占欲が許さない。でもでもよ、ヒミコ、一郎君の魅力を独り占めなんて、世界の損失、歴史上の汚点! は!? そうよ、今から行ってちょっと総理大臣を脅して一夫多妻制を採用させればいいのよ。私だけの一郎君じゃなくなるけど、これなら世界の損失を回避できる! じゃ一郎君、私はこれから!」

 

「いや~~! 俺の嫁さんは今日も可愛いなぁぁぁ!!」

 

 咄嗟に俺はヒミコちゃんを抱きしめた。

 

「一郎くぅん」

 

 甘い声出すヒミコちゃんを抱きしめ、俺は体の位置を変えて二人に合図を送る。

 

 確保したぜ。

 

 ギルと弔は、無言で親指を突き出した。グッジョブ、いいぜ、通じ合うっていいよな。

 

「今、私の一郎君と私以外が通じ合ったような」

 

「気のせいだよヒミコちゃん!!! 俺の最愛の奥さん!」

 

「はうぅぅぅぅ?! そ、それは反則です、一郎君、レッドカードです、私の心にクリティカルです」

 

 ふにゃっととろけるヒミコちゃんを見ながら思う。

 

 うん、うちの嫁さんは可愛い。可愛いんだけど、変なスイッチがかなり多くて、ギルとか弔以上に気を使うなぁ。

 

 これが結婚生活か。そうか。

 

「いや、違うぞ、ヒミコだけじゃないか」

 

「こやつ、やりおる。この英雄王に気迫を向けるとは。危うくエレシュキガルに会いそうになったわ」

 

 おい、おまえらヒミコちゃんが精神的にダウンしているからって、好き勝手に言ってんじゃない。

 

「ところで、ギル、弔に持ってきた見合い写真の女性って誰?」

 

「我の古い知り合いだ」

 

 え、ギルに知り合いっていたの。確かに黒髪に和装が似合う、とても綺麗な女性だけど。

 

 なんだか、うっかり要素があるような気がする。

 

「弔のようなしっかりした男には、しっかりしつつもどこか抜けている女性がとても合うからな」

 

 あれれれぇ~~~言っていることがまともに聞こえるんだけど、何処か愉悦の匂いがしてないか。

 

 まさかぁ、見合いを出しに愉悦やろうなんて、そんなひどいことしないよな。

 

「で、名前は?」

 

「イシュタルという」

 

「女神じゃないかこの野郎!」

 

「フハハハハハ! いいではないか! ここにはすでにユニコーンやエリといった大天使がいるのだ! 女神の一匹や二匹、湧いてもよいではないか!」

 

「おまえ神様が嫌いじゃなかったのか?!」

 

「愉悦の前には、その程度、些事よ」

 

 こ、こいつ、本当に愉悦のために色々なものを投げ捨てるようになったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一郎さん、俺は気づいた。女って奴は可愛い、癒しだ」

 

 え?

 

「可愛いっていうか、フワフワして見ていて飽きないよね」

 

 ランチが終わって夕方にさしかかる頃、店に何時も通りに来た爆豪君とデク君。

 

 何故かその二人から、そんな色気話が飛び出しました。

 

「何があった二人とも!?」

 

 コナン、騒ぐなよ、二人だって高校生なんだぞ。

 

「天変地異の前触れか!?」

 

 ギル、おまえね。

 

「救急車を」

 

 いや、エル、救急車よりおまえの回復魔法のほうが、何時も使っているだろうが。

 

「キューピットでも悪戯したかな?」

 

 ソープ、おまえの知り合いにいたのか、いるのか、そうか。もっと早く教えてくれよ。

 

「いいぞ! 実にいい!! 色恋事は人間を磨く! 感性を熱くする! 即ち音楽を成長させる!」

 

 アインズ、おまえのそれって言いたいだけだろ。

 

「実はバレました」

 

 はい、なんて言った?

 

「クラスメートたちにバレて、色々言われるかなって思ったら、面と向かって『凄い』って言ってくれて、色々と聞かれて褒められたり感謝されたりで」

 

 ちょっと照れたようなデク君は、頬が少し赤かった。

 

「感謝は貰っていた。ファンレターも貰った。けどな、真っ直ぐにありがとうって言われたのは初めてだった。男と違うんだよな。なんつうか、こう胸のあたりが」

 

 爆豪君、それは言葉に出来ない想いだから、無理に言わなくていいって。そっかそっか、二人にも春が来たのか。

 

 思春期だねぇ、春だねぇ、もう俺自身が色々と幸せだから、周り中が幸せに見えてくるよ。

 

「ドキドキしてくるんです」

 

「モヤモヤだな」

 

「癒しで可愛いのは解るんですけど」

 

「ああ、そこは同意してやるぜ、デク。けどな」

 

 うんうん、いいね、甘酸っぱいね、昔を思い出すよ、そっか、青春っていいなぁ。

 

「あんなに細くてヒーロー出来るのかな?」

 

 はい?

 

「華奢じゃねぇ、折れそうだ。触った感じ、筋肉もついてねぇ。ヴィラン相手に戦えるのか不安だ」

 

 えっと、触ったの、爆豪君。

 

「筋肉を見るためです、相手も納得してくれました」

 

 うわ、完全に邪な気持ちない奴です。普通、高校生が異性に触ったら、何かしら思うことがあるじゃない。

 

 柔らかいとか、自分と違うとか、異性なんだなぁとかさ。色々と甘酸っぱい気持ちがあるじゃないの。

 

 なのに、異性に触って、『ヒーローとして』なんて言葉が出てくるなんて。

 

「かっちゃん、明日、相澤先生に言って訓練内容を見直そう」

 

「そうだな。あいつらじゃヒーローになったら死にそうだ」

 

「勉強のほうも、もっと高度にしないと。知識はあって邪魔になるわけじゃない」

 

「ああ、参考書を作るぞ、デク。一郎さん、鎮守府の資料室を貸してください」

 

「お願いします」

 

 あ、はい、どうぞ。

 

 入口を開くと、二人は頭を下げた後、走って行った。

 

「なぁ、コナン、俺は二人の育て方を間違えたのかな?」

 

「はぁぁぁぁぁ。いいやヒーローとしては間違ってないだろうな」

 

「そうだよな」

 

「高校生としては間違っているだろうけど」

 

 やっぱり、そうか。そうなのか。

 

 普通、もっと高校生ならさ、もっと青春してもいいんじゃないの。

 

「マスター、あいつらが選んだ道だからな」 

 

 そうかもしれないけど。

 

「一郎君が、色々と憂いています。考えています、横顔が素敵です」

 

「ヒミコちゃん、何時からそこにいたの?」

 

 で、なんでスマフォ片手にしてるのさ。

 

「夫の写真を撮るのは妻の役目ですから」 

 

「誰から聞いたのそれ?」

 

「ギルさんから」

 

 へぇ~~~そっか、そっか、ここに来てか。

 

「ギルガメッシュぅぅ!!!」

 

 俺はすぐにあいつを見つけて追いかけようとして、止まった。え、なんでおまえブラック・コーヒーを飲んでいるの。

 

「フ、マスター、おまえらは甘いな。甘過ぎて砂糖が出る」

 

「いや、なにその普通の反応。え、本当にギル?」

 

「王とはいえ、我も人であったか」

 

「ぎ、ギル? あれ、ギル?!」

 

 なんで崩れ落ちるのさ?! やけにカッコイイ崩れ方だけど!

 

 崩壊か?! いやでも弔は買い物に行っているし。

 

「マスター、おまえら本当にいちゃいちゃし過ぎ」

 

「なんだよ、コナン、普通だろ?」

 

「普通ねぇ」

 

 いや、待って、解った、解ってしまったから。

 

「ヒミコちゃん、なんで俺の隣でスマフォを上に挙げているの?」

 

「ツーショット写真がまだでしたので」

 

「あ、そう」

 

 いや写真撮るなら、一言あるでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの! お名前をうかがっても?」

 

「・・・・・死柄木・弔」

 

「私は八百万・百といいます」

 

 世界の何処かの片隅で、恋の花咲くこともある。

 

 田中・一郎の知らないところで、創造と崩壊が出会いましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 短いけど、頑張った。色々な方向に嫉妬が飛ぶヒミコと、それに嫉妬を向けながらも交わしていく弔。

 ランチキ騒ぎってこういうことかな、違うかな。

 違うかぁ、もっと頑張ろう風味な話でした。




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