【完結】がっこうぐらし!モールスタートめぐねえエンドSランク縛り【MGNEND】 作:月日星夜(木端妖精)
年内最後に間に合わなかったので初投稿です。
まだ起きてるので年内だし初投稿です。
オリキャラが出るので初投稿です。
2020年になったので初投稿です。
瞬瞬必生なので初投稿です。
モールで過ごすのも残り僅かなRTAの続き、いざぁ……♂
おはよーございまーす! 朝です。
前回ようやくご飯を食べられて満腹状態で眠った優衣ちゃんは、寝起きからしてご機嫌にゆらゆらしております。だっらしねぇ顔……そんなんでこの後のチャート走れんの?
昨日生存者を探したので(探したとは言ってない)チャプター2が終了し、ノータイムでチャプター3が開始されました。ランクは当然S! ゴールデンに輝くSの字が素敵ですねぇ。
大目標は"生存者の痕跡を探せ"、小目標は"1階を探索しよう"。
ふにゃ顔レベルアップで得たポイントを俊敏に2振り、「全力疾走」のスキルを取ります。
「全力疾走」はスタミナを消費して3秒間1.3倍の速さで移動できるようになるアクティブ系のスキル。5秒のインターバルをおいて再使用できるようになります。速度は俊敏値を参照。
今日やる事はフライパン等の調理器具の調達、衣服の調達、みーくんとの友好度を所定の値まで上げてモールの外へ出ることと、るーちゃん救出です。
外はこのモール以上に「彼ら」が徘徊してますので「全力疾走」で切り抜けます。「投擲」等のスキルを取ればもっと穏便に移動することができますが何より時間が大事ですからね。時間度外視の安定重視……? これはRTAですよ。
ところで二日目朝の身体検査イベが確定じゃないって感想で見たんですけど本当でしょうか?
おかしいなー私の場合いつも起きるし、プレイ動画見る限りじゃみんな起こってる気が……する、した、かなー? どうだったかなー?(痴呆)
まま、特に悪影響なく走れているんでどうでもいいね。
生活に必要なものを集めるのは、優衣ちゃんがいない間にそれらを求めた二人が勝手に外に出ないようにするためです。それからみーくんの友好度が低いと「主人公を信用しない」からの「圭と喧嘩」からの「生きていればそれでいいの?」で仲違いイベントが発生してしまい、不在中ゆえに止める手段がないので駅へ向かった圭を迎えにいくはめになりかなりのロスになってしまうからです。
頼むから部屋の中で大人しくしててくれよな~。生きていればそれでいいんだよ!(強弁)
「先輩、立てますか? ご飯の用意できてますよ」
スキルをセットしているとみーくんが話しかけてきました。もう作ってるとは有能ですね。一家に一台けーちゃん欲しい。
両手を広げて「立ち上がらせて」とおねだりしましょう。
「自分で立ってください……」
戸惑いと呆れの混じった目で見られてしまいました。
辛辣な言葉に涙がで、でますよ……ほら優衣ちゃんも泣きそうです。えっメンタル弱すぎひん?
「わ、わかりました、わかりましたから泣かないでください!」
慌てて手を貸してくれたみーくんにありがとうとお礼を言いましょう。
やや頬を染めた彼女は、「先輩、子供っぽすぎます……」と照れ隠しをしながら視線を逸らします。
あ^~、好感度の上がる音ぉ!
「もう、美紀ー? 先輩泣かせちゃだめでしょー」
「ちがっ、泣かせてないから!」
ほっこりするやりとりをしり目にリュックをしょって食卓へ。机はないので皿は床に直置きですが、けーちゃんのよそってくれたご飯ならなんでも食べられますね。
しかしメニューは昨日と同じミートソーススパゲティ。
連続で同じメニューにすると精神値の回復量が減りますが、二連続程度なら誤差の範囲でしょう。私は三食クリームソーダでも構いませんがね。
そういえばみーくん、さっきからこっちちらちら見てるけどなんなんすかねぇ。
「いえ、別に……」
あ、わかった。先生わかっちゃったかなぁ。みーくん、優衣ちゃんに恋しちゃったんでしょ?
「違います!!」
ファッ!? お前ノンケかよぉ!
「意味がわかりません……」
またまたぁ~、かまととぶっちゃってぇ。みーくんが女の子を好きだなんてバレバレですよ~。ネタは上がってんだよ!!
実際圭との仲は怪しい……怪しくない?
直樹美紀と祠堂圭は大親友である。それはたとえ何度世界が終わろうと揺るがない事実。
けれど彼女達を探索に連れ出せるようになった後、何度も二人を窮地に陥らせ、手を取り合い生き延び、その相性の良さや距離感をからかい続けるとどちらかがそれを恋と錯覚し、意識し始めるイベントがあります。俗に言う"硝子の花園"エンドですね。
意識し始めた二人を部屋に閉じ込めて夜に部屋に戻らなければ翌朝にエンディング。No.40「ぞうか」。二人きりの花園の完成です。Foo! 主人公が締め出されて途方に暮れていますが知ったこっちゃないね。
食事の間にチャートを確認しておきます。忘れっぽいので丸暗記とかできないんですよね……。
えー、そういや肉類や魚類を冷凍しておいたので忘れずに回収しませんとね、4日目からは電気が途絶えるので無駄になっちゃいます。危なかった……完全にすっぽ抜けてました。外出た後のことばかり考えてたよ。
それというのも、今日のるーちゃん救出はかなり難易度が高く、私的キャラ救出難易度S+なんですよ。
詳しいことは
みーくん、けーちゃん、癒してくんない?
「先輩、今日も外に行くつもりなんですね」
無視されちゃったみたいですね。クゥーン……。
食器を片すけーちゃんを横目にしていたみーくんは、居住まいを正して優衣ちゃんに向き直りました。
「私も連れてって欲しいんです」
だめです。
「危険なのは、わかってます。でも……いつまでも千翼先輩にだけやらせるのは違うって、昨日圭と話し合って……決めたんです」
そんなことしなくていいから(良心)。
それって駄目って言ってもついてくるって事ですよね。じゃあ私の許可取る必要ないじゃん。
ああわかったよ……連れてってやるよ。連れてきゃいいんだろ!!
「……! あ、ありがとうございます……いつでも出発できますから、先輩も準備ができたら声をかけてください」
好感度が一定に達していたようで二人と一緒に探索できるようになるイベントが挟まれましたがようやく操作可能になりました。当然準備はできているのですぐに話しかけます。すると洗い物をしていたはずのけーちゃんがみーくんの真横に瞬間移動してくるので二人をパーティにインしましょう。
「先輩、私達もある程度は動けると思いますけど、外の事は先輩の方が詳しいと思うんです」
「こうして欲しいとか、待ってて欲しいって時は言ってくださいね。私も美紀も、言われたことはちゃんと守ります!」
うそつけ好感度が低くなると無視するゾ。それに何度苦しめられたことか……。
「それじゃあ行きましょう、千翼先輩……!」
覚悟を決めた顔で申し出るみーくん。
りょ! では外に出ましょう。
部屋に戻りましょう。
これにて三人での探索は終了です。
みーくんとけーちゃんのケツ意♂をないがしろにしているようであれですが、二人を連れ歩く余裕なんてないんだから最短で済ませるのは当たり前だよなぁ?
攻めチャートなら二人を連れ歩けるようになってすぐ外へ向かい、るーちゃん救出後その足で学校へ向かう、なんて事もするようですが、あまりにも難しいので私はしません。上手くやればるーちゃん救出を大幅に短縮でき、チャプター4・5を無視するのでかなりタイムも縮まるのですが……。
ただでさえ私の言葉選びだと指示は通らないわ画面外で死んだりするわ、るーちゃんイベでは仲良死しちゃうわで滅茶苦茶になってしまうので大人しく安定を取る事にします。
「そういえば、どこかで犬の鳴き声が聞こえた気がするんだよね……2階より下だったと思うんだけど」
ソファに座って音楽を聴いているけーちゃんに話しかけ、情報を得ました。ヘッドホンを外す動作が細かい!
犬とは言わずと知れた太郎丸のことです。
本RTAでは学校で攻略可能なキャラクターを生存させる縛りがありますので、攻略でき、かつエンディングのある太郎丸もきっちり救出します。
さ、きびきび探索に出ましょう!
なーんか忘れてる気もしますが、廊下に出たら果物ナイフを装備して……もう装備してるじゃないか。
みーくん達の前で装備しちゃだめだとあれほど……いや好感度足りてるしいいのか。ひょっとしてチラッチラッ見られてたのこれのせいですかね? 血濡れですもんね……そういや洗ってもいない。錆びて耐久値が下がってしまいますね。まあいいや。
あ、イベント起こすの忘れてましたので戻りましょう(ガバ)。
壁際に立つみーくんに話しかけ、生存者関連の話題を選びます。
「私達以外に生きている人は、きっといますよね……でも、良い人ばかりとは限らないかもしれません」
おっ、そうだな。
通常プレイでは痕跡を発見して、良からぬ行いが行われていたのを知ってから行動するのが本来の流れですが、チャプター3に入ってから一度でも籠城部屋を出れば条件を達成するのでこの会話まで短縮できます。
じゃけん、"合言葉"決めておきましょうね~。
「合言葉……ですか? ノックのリズムを決めておくというのは考えましたが……」
「面白そう! どんなのにしよっか?」
けーちゃんが話に乗ってきたので、ちゃちゃっと決めます。内容はこちらで決められます。
"合言葉"は二人を部屋に残したまま探索する私のチャートではかなり重要な要素です。これを疎かにすると他の生存者に押し入られて二人が
ちなみにみーくんの言うノックのリズムは、主人公が何も提案できないとランダムに決定されますが、自分で設定することもできます。私はターミネーターのアレにしてました。しかしノックだと結構な確率で生存者に突破され部屋に押し入られてしまうので必ず"合言葉"を設定しておきましょう(1敗)。
合言葉は入力時間を考慮して「ほも」としたいところですが、こんなに短いとあっさり見抜かれてしまうのでいくつかの単語の組み合わせにしてセキュリティを高め、さらにもう一つ付け加えましょう。
「じゃあ、私が『佐倉慈』『は』……と言ったら、先輩は『巡ヶ丘学院』『の』『国語教師』『だ』と答えるんですね」
「そのあとに『これは』『たぶん』『遺書』『だ』って言うんだよね……うん、覚えた!」
覚えなくていいから(良心)。教えたのは私ですがね。
こんな風に、かなり自由に台詞を吹き込むことができます。何単語に区切られるかはAI次第。
しかしあんまり汚い言葉を言わせようとすると弾かれるし好感度も下がるので慎重にいきましょう。巡ヶ丘の主要メンバーの名前を組み込むと好感度が僅かに上がります。
万が一にも押し入られたくないため長めの台詞にしましたが、『支店を板に吊るしてギリギリ太るカレーセット』『まだ続くぞ』くらいの長さで十分侵入は防げます。
「あの、私達も行きましょうか?」
さて。一回部屋に戻ってしまったので、もう一度みーくんディフェンスが入ってしまいましたね。
一人でどこにいくのか、何をするのか話さないと「私達が行きますから、先輩はゆっくりしていてください」と閉じ込められてしまいます。ご飯と服を取りに行くということを丁寧丁寧丁寧に説明すれば通して貰えます。あのさぁ……毎回とおせんぼするのやめてくれませんかね。こっちの事情も考えてよね、もー。
「わかりました。お気をつけて」
「絶対危ないことしないでくださいね、千翼先輩!」
みーくんの後ろからひょっこり顔を覗かせるけーちゃんに頷いてあげて、いざ鎌倉。
まずは3階の女性服売り場に向かいましょう。ここで持ち帰る衣装でみーくんの好感度を荒稼ぎだぜ。
とはいえ移動と収集は初日も2日目も見せましたし、倍速しても
ぷはー。今日もいい天気♪
……大人気の動画を流しておこうと思ったのですが、解説したい事があるのでやめます。残念ですね……。本当に申し訳ない。
徘徊する「彼ら」を避けつつ0円セールの服を漁る優衣ちゃんが手にしたのは、シックな感じの衣服です。シックってなんだ……?
垢ぬけたお高い系の衣服は圭の好みど真ん中。持っていけば好感度大幅アップ間違いなしです。
みーくんには大人なランジェリーを大量に持ち帰ってあげましょう。大喜びしてくれます。いやほんと。ホントホント、ホントだから。
水着もいくつか詰め込んでおきましょう。今は関係ありませんが、着ていれば浸水した場所も通常の速度で移動できるようになります。
優衣ちゃん用の衣服もここで入手しておきます。奥の倉庫っぽいところにある「しすたーの服」。
洋服として着れるようアレンジされたかなりかわいらしい一品ですね。
「彼ら」を天に送った際の精神値減少が抑えられ、欠損の激しい「彼ら」と遭遇しても減らなくなります。
外は校内に比べてボロボロの「彼ら」が多いので、制服のまま行くとガリガリ精神値が削られて調整が難しくなるので必須級です。
ただ、味方になり得るキャラクターと接触する際は制服の方が信用されやすいので、着替えられる場面ではしっかり着替え直した方がいいです。
1階へ移動し、「フライパン」と生鮮食品を回収。この後のために精神値を回復できる「キャラメル」を入手。ん、運良く三箱残ってました。幸先がいいですね。
いくつか「常備薬」と頭や体を洗うための「石鹸」を入手。
それから、ペットコーナーで犬用のササミを手に持ち、移動しましょう。
B1Fに続くシャッターの前まで来たら、痕跡を発見しないよう位置取りに気を付けて鳴きます。
アァン! オォン! ンアーッ!
……。
……。
……。
「わぉー~~……ん」
お、返事がありました。
タタタッと駆けてシャッターの僅かな隙間を潜り抜けてきたのは、まさしく太郎丸ですね。
距離をあけて止まり、こちらを窺う彼に封を切ったササミを放ってあげましょう。
ジャンプキャッチした彼は、優衣ちゃんが無害であるとわかってぶんぶん尻尾を振り始めました。かわいい。
ここにみーくんを連れていると「あ、わんこ!」とか「かわいい……」といった恍惚の声を聞けます。
「よしよし」
足元に擦り寄ってきた太郎丸を、ちゃんと屈んでから撫でてあげましょう。
立った状態でボタンを押すと攻撃が暴発して敵対状態になってしまいます(無敗)。
しばらく可愛がっていると、一声鳴いた彼が導くようにシャッターの下へ消えていくので、籠城部屋に帰りましょう。
「あ、おかえりなさい。千翼先輩」
「お、っかえ、っりな、っさいっ」
部屋に戻ると、二人は運動(意味深)をしていたようでやや汗を掻きつつ挨拶をしてくれました。
すっくと立ちあがったみーくんに、両手をうしろについてはーはーと息を荒げるけーちゃん。うーんこの。
位置取り的に腹筋でもしてたんでしょうかね。
はいみーくん、フライパン。
あとご飯。それとドスケベ下着。おクスリ。最後に石鹸。
「なっ、ななな、なんですかこれはっ!?」
みーくんの下着です。いつも一緒じゃ気持ち悪いでしょ?
「それはそうですが、なんでわざわざこういうの持ってくるんですか!?」
君がそういうの好きなの知ってるからだよ。
とは言わずに、こてんと首を傾げて誤魔化しておきましょう。
優衣ちゃん的にはみーくんが今穿いてるのとこれらに差はなく、ただの下着としか認識していないんでしょうね。他のキャラタイプなら動揺したり恥ずかしがるようなものも顔色一つ変えず持ってきますし。
「まあ、いいですけど……」
ほらぁ。
言った通りでしょ?
さ、用も済ませましたし、外に向かいましょうか。
本来外に行く目標が示されるのは生存者とのあれこれを終えた5日目以降ですが、チャプター3時点で出る事自体はできます。主人公一人の場合のルートを知っていれば出方がわかるんですよね。わざわざ美紀と圭を連れてきて入り口を塞ぐ瓦礫の撤去や寄ってくる「彼ら」からの防衛戦なんてこなすこたぁないのです。
「あ、千翼先輩」
来ましたね、みーくんディフェンス。本日三回目ですよ、三回目。
あれ、みーくんじゃなくてけーちゃんでした。なんでしょ?
「この髪留め、使ってください」
その場で自分のヘアゴムを外したけーちゃんが優衣ちゃんの手に握らせてくれました。
信頼イベですね。このアイテムは彼女の好感度と友好度が最高に達した証です。この大きさなら重さも全然ありませんのでありがたく頂戴しておきましょう。
イベントが終わると「髪を下ろしているけーちゃん」をじっくり眺め回すことができます。ここ以外では風呂上り等の特定のタイミングでしか見れません。
じゃあ外に行きましょうか。
「あ、千翼先輩」
来ましたねみーくんディフェンス。
ん? でもこの呼びかけのパターンは……。
「これ、あげます。眠れない時とかにどうぞ」
あ、信頼イベですね。もう達したのか、早い! よっぽど下着が嬉しかったんでしょう。
みーくんがくれるのはポケットサイズの文庫本です。中身は英文なので読めません。い ら な い。
どこか恥ずかしそうな彼女の顔を報酬として部屋を後にしましょう。
「どこへ、行くんですか……先輩」
スッ……と前に回り込んでくるみーくん。
今度こそみーくんディフェンスです。もうやんなっちゃうよ。
「千翼先輩……どうしても、どうしても一人で行くんですか? 私達が一緒じゃ邪魔ですか?」
好感度と友好度が最高に達した状態の彼女はかなり強引に主人公に同行しようとし始めます。
が、高好感度特有の「言う事を聞いてくれる」状態を利用して部屋に留めておきましょう。
あのねみーくん。邪魔だなんて、そんな事思ってない。ただ、心配なだけ。
それは一緒だって思うかもしれないけど……お願い。ここにいて。おかえりって、言って?
「……わかり、ました……」
よし。私の迫真の台詞選びにより無事みーくんを説得できました。胸に手を押し当てて俯きがちになるという優衣ちゃんそっくりの動作で脇に退いてくれます。
一見このまま出れそうに見えますが、出れません。どこへ行くのか、何をするのかの説明もしないとなお食い下がってきます。ですのでちゃーんとお話して不安を取り除いてあげましょう。
が、馬鹿正直にモールの外に出て小学校へ行き生きているかもわからない児童を助けるなどと
これを回避するには彼女のロジカル思考を覆すカリスマ性を持つか、元より交流しないかです。
そのどちらも不可能であり、しかも臆病なためけーちゃんにさえ外出を阻まれてしまう優衣ちゃんの場合は、もう素直に目的を話してしまいましょう。
よっす二人とも~。私これから生存者いないか確認してくるからな~?
「……? 気を付けてくださいね」
「今度は一緒に行こうね。ゆ、千翼先輩!」
嘘はついてないよ、嘘は。捜索範囲がモール内に留まるとは言ってないだけ。
それでも訝し気にしているみーくんの察しの良さには殺意が芽生えます。何度私の走りを阻めば気が済むんだ!
それから、けーちゃんの言葉を聞き逃さず呼称の変化を許可しましょう。友好度や好感度が下がりにくくなります。
「……ゆい先輩、頑張って!」
ぱっと明るく笑う彼女に、優衣ちゃんは制服の裾をにじにじして恥ずかしそうに頷きました。ここら辺の反応はキャラタイプと性格とそれぞれとの現在の関係が参照されるので非常に多岐に渡るのが面白いところです。
さて、廊下に出たらまずはけーちゃんから貰ったヘアゴムを使います。けーちゃんとの友好度がさらに下がりにくくなり、隠密に補正が掛かります。おそらく武器も持たず一人で駅に向かった彼女の隠密性がアイテムに込められているんじゃないかな。
髪を結んでいたリボンと交換しました。ちょっと地味になっちゃったかな? もともと地味か。
みーくんから貰った英文の本も流し読みます。知力に補正がかかりました。終わり!
ちゃちゃっと1階に向かいましょう。向かうのは前回電話をかけた宿直室です。
ここは、前回めぐねえと電話したところですね。本来B1Fにいる太郎丸のお世話をしているぶっきらぼうな女性から死ぬほど疲れている人が持つ鍵の話を聞けるのですが、知ってれば入手できるのでフヨウラ!
ベッドの下、向こうの壁側に落ちているので潜り込んで拾いましょう。これで隣への扉を開けて従業員用出入り口へ向かえるようになりましたが、そこから出るとかなりの量の「彼ら」に囲まれます。
が、タイプCの小柄さなら小さな窓からなんとか脱出できます。そこならやり過ごすことができちゃうんです。
他の走者が大体タイプCで走っているのはこういった「体が小さくなければ通れない場所」を通って短縮できることが多いからではないでしょうかね。
他のタイプにも良さはあるのですが、私的には断然Cがやりやすいです。
さて、道路に出ました。ここから鞣河小学校に向かうのに特に情報などは必要ありません。外に出れさえすれば自由に探索可能です。聖イシドロス大学に乗り込むもよし、ランダルコーポレーションに踏み込むもよし、生存者を探して合流してもいいし、自分が音頭を取って集団を作ってもいい。
生存者の情報はプレイヤーが能動的に集める事で知ることができ、救出したりしなかったりできます。
……今から助けに行くるーちゃんは、モールスタートで外出が大目標に設定されるようになる4日目以降では基本的に生きてなかったりするので、通常プレイだと手遅れな事が多いですね。
ごく低確率で奇跡的に生き延びていたとしても精神値が1桁だったり重い障害を抱えていたりと、かなり辛い状態での発見になってしまいます。連れ帰っても数日以内に亡くなってしまい、基本的にりーさんを道連れにするので学校に行く場合は切り捨てられてしまうことも多いですね……。子供と犬に厳しすぎないかニトロプラス……!
本チャートでは学校で攻略可能なキャラクターは全員生存させる必要があるゆえ助けますのでご安心を。
大学の面々はゲームの製作時期の関係で存在しないので(DLCで追加されたシナリオにはいますが)範囲外です。
ワンワンワン放送局もといラジオ姉貴は言わずもがな。すまんなガンマ姉貴。
さて、るーちゃんですが、正直この三日目でも最速で向かったとして生きているかは五分五分です。そこは祈るしかありません。
頼む、生きててくれ……! 頼む……!
リセットは嫌だ、リセットは嫌だ……。
道路には放置された車両や倒壊した建物の残骸などが障害物として設置されており、これを遮蔽物にして「彼ら」をやり過ごしていきます。
警官かそれに準ずる格好の遺体を見つけたら積極的に漁って「果物ナイフ」に代わる刃物を入手します。理想は「サバイバルナイフ」ですが、包丁系のアイテムでも可。なんでそんなもの持ってるんですかね?
今回は運良く初手でサバイバルナイフを引けました。果物ナイフは邪魔なのでポイ捨てしておきます。
しっかり装備して、と……。
ん? おや、遠方にいる1体の動き……捕捉されましたね……体温感知した……?
どうやら体温感知したようです。彼らの中には体温感知する個体もいるって事ですね。
外の「彼ら」には種類があります。
音に敏感なモノ。
視界が明瞭なモノ。
そして、体温感知するモノ。
体温感知してきた個体はしつこくしつこく追ってくるので殺すか、遮蔽物に身を隠してやり過ごしましょう。
原作やアニメのようにピンポン玉などの音、光で誘導しようにもできない個体もいるという事です。
初見殺しされた兄貴姉貴も多いのではないでしょうか。
今回は発見されるギリギリまで近づいてから隠れます。攻め攻めです。見つかると評価に響くのでかなり緊張しております……よし、あっち行ったので急ぎましょう。ちょこちょこ「全力疾走」を挟み、失ったスタミナは水を飲みつつ回復。しかし水分補給は最小限に抑えないと、帰るまでに尿意が限界を迎えてしまうので注意。
鞣河小学校に到着しました。ボロッボロでお化け屋敷みたいです(貧困な語彙力)。
ある程度進んだ先にあるバリケードの向こうに侵入したら足元を注意深く見ながら進みます。るーちゃんの出現位置はランダムですが、足跡という痕跡を発見できれば見つけるまでは容易にできます。問題はその後。
私、るーちゃんきらいです。だって逃げるんだもん。
るーちゃんこと若狭瑠璃は、プレイヤーが女性か成人以上の男性か、かつ殺傷武器を所持しているとこちらを発見した際逃走します。なんで? なんで? なんで?
武器を「装備」ではなく「所持」しているとなので、完全ステルスでもしていない限りはほぼ確定で起こる鬼ごっこイベント。
その最中も「彼ら」は容赦なく襲い掛かってきます。数は少なめになっていますが、それでもるーちゃんが逃亡の果てにランチに早変わりしてしまうこともしばしば。そうなれば当然リセットです。理由はるーちゃんが死んだら自動セーブが挟まるからです! 覚悟の準備をしておいてください……近いうちに訴えます。裁判も起こします。
逃走するるーちゃんを安心させる方法は私が知る限り三つあります。
助けに来た、高校は安全などと呼びかける。
りーさんの名前を出す。(要りーさんと友好関係を築いている)
子供向けの歌をうたう。
本日は歌いたい気分なので緩やかな曲調のものを選んで口ずさみましょう。
さあるーちゃん、カモンカモン。
……さっきから違和感覚えていたのですが、妙に廊下が綺麗ですね……端の方には埃が溜まっているのですが、真ん中はそうじゃないし、そのせいで足跡が発見できません。
んー、うろつく「彼ら」が鬱陶しい。光源に乏しいこの場所ではちょっと姿も見えにくいですし……しかし「無音歩行」を所持する優衣ちゃんならばもたつくことなく進んでいけます。
こちらに背を向けている一体をスニキルし、引き続き探索。見つけるまでにあんまり時間が掛かりすぎるのは困りますね……ただでさえ鬼ごっこに時間を取られるのに。
ちなみにここに複数人で来た場合は、逃走するるーちゃんを三方向から囲む事で一瞬で捕獲できます。ですがここまで人を連れてくるというのがそもそも難しいので一人でやるほかありません。
「っ!」
えっ!? なんかダメージ受けたんですけど……幻術か?
いや幻術じゃないですね。なんか頭にぶつけられたっぽく優衣ちゃんがふらついてます。なんだ……? 飛び道具を扱う「彼ら」なんて存在しないはずですが……。
ビシッバシッと容赦なくぶつけられる何かを受けつつ進んでいきましょう。ダメージは微々たるものですが、ほんと鬱陶しいですね。
あ。
向かう先に築かれたバリケードの上に女の子がいました! るーちゃんじゃないねぇ!
黒髪ロングに青い衣服、翡翠の目……割り箸でできた輪ゴム鉄砲を掲げてにやつく彼女は、超激レアキャラのせーちゃん! せーちゃんこと月日星夜ちゃんじゃないですか!!
私見るの初めてなんですよね! だって相当いる確率低いですし、全然情報もないし……彼女を発見したプレイ動画も4日目以降だったためすぐに死んでしまいましたから、これは勲章ものですよ!
……これるーちゃん生きてないかもしんないですね。それでも珍しいんで参考記録として続行はしますが……。
近づいていくと、彼女は向こうへ跳び下りてしまったので、バリケードを昇って追います。
お、るーちゃんと合流してるじゃないですか! なんという豪運……! 二人とも怪我らしい怪我もないみたいですね。せっかく助けても感染してたら意味ないので、これは助かりますねぇ!
「……」
「……」
とはいえ、友好的とは言い難いというか、この状況でもやっぱりるーちゃんは逃走するようです。
何やら手をわちゃわちゃと動かし合った二人は、ぴゃーっと逃げ出してしまいました。
追おうとすると脇からのっそり「彼ら」が出てきたので手早く処理していきます。この鬼ごっこ中に限り発見されても評価に響かないので堂々と走りましょう。
このイベントは当ゲーム屈指の難易度を誇り、救出は至難……ですが、このために私は何度も練習してきましたし、どう追えばどこに逃げるかは頭に叩き込んであります。その詳細もチャートにちゃーんと……あれ?
これせーちゃん増えて2対1になってますよね。……気のせいじゃなければ星夜ちゃんがるーちゃんの手を引いてましたし、ルートが変わってる可能性も……?
……。
……。
スゥー……あああああんんもおおおおおおやああああだああああああ!!!!!
ふう。泣き言を言っててもしょうがないので追いましょう。
意味があるかはわかりませんが、るーちゃんの行動対策に歩いて追跡します。
走って追うとかなり挙動が読みにくくなるうえ、捕まえられない場所に逃げ込んで「彼ら」防衛戦となってしまい逆に時間がかかってしまうんですよね。
せーちゃんがいるせいでどういう挙動になるのかわからないですが……姿が見えなくなるのは同じ、と。
この場合階段で上の階に逃げていると思うのでダッシュで行きましょ。踊り場に到着すればどっちに逃げたかは足跡を見ればわかりますので足を止めず上へ。お、ちゃんとありますね。なかったらどうしようかと思った……。
2階に上がっても姿は見えませんが、進みつつ耳を澄ませて物音が聞こえないか探ります。
大抵は「彼ら」の発する音ですが、そっちに向かえば高確率で「彼ら」をやり過ごそうとしているるーちゃんを見つけられます。これを繰り返しつつ袋小路に追い詰めて捕獲しましょう。
追い詰める場所の候補は、このイベント中にしか入れない校長室や各階の職員室、るーちゃんの教室である2-3です。
時間をかけすぎると「彼ら」にやられてしまうのできびきび追いかけましょう。
どこだぁ~? 探すぞぉ~?
む、物音がしました。こっちか!
違いますね。んん? 「彼ら」すらいませんね。こんなこと今まであったか?
あ、そういえばせーちゃんこと月日星夜ちゃんは攻撃的なんでしたっけね。輪ゴムで狙撃してきたり、音で誘導してきたりするんだとか。それで「彼ら」をこちらにぶつけてきたりもするそうです。……最悪の遅延行為じゃないか!?
ま、まあ、しかし私このイベントだけはめちゃくちゃ練習しましたから、大丈夫です、たぶん!
というわけで8倍速でお送りいたします。
え~、かれこれ5分ほど経ちましたが、だーれもいませんね。生存者は、誰一人、見つけられませんでした。
はーつっかえ。やめたら? 追跡者。
この辺からだいぶん集中力が切れ始めてプレイが乱暴になってきてますね。「彼ら」を無視して進み、時折掴みかかられてQTEを発生させてます。ロスだよそれ(他人事)。
そいでもってこれ見よがしに罠が仕掛けられてますね……。廊下の低い位置に紐が張られてます。こんな見え透いたものに引っかかる奴いんの?
「っ!」
いました。ダッシュしてた優衣ちゃんが盛大に足をひっかけてスッ転びました。リュックがすっぽ抜けて派手な音を立て、「彼ら」を引き寄せてしまいます。だめだめですねぇ……。
立ち上がり、リュックを回収しつつ群がられる前に「全力疾走」で切り抜けましょう。
ん、にっくきせーちゃんを見つけました。……るーちゃんはどこに行ったんでしょうかね? まさか二人別々に追って捕まえろと……?
しばらく追っていて気付きましたが、所々にある紐は歩いていれば引っかからないみたいですね。
暗がりの中なため視認は困難でしたが、紐があると彼女はジャンプしますし、「彼ら」は足を取られて転ぶのでそれを見てから回避余裕でした。
ていうかなんか普通に追いつけそうですね。せーちゃんは特定のポイントに追い詰めなくても捕まえられるのかな?
と思ってダッシュしてみたらシーンに入りました。やったぜ。
「──っ!」
「!」
組み伏せたせーちゃんが何やら取り出して噛み、ぐいっと顔を動かしたかと思えば鳴り響く警報。こいつ防犯ブザーもってやがりましたよ! ていうかこれ仲間にした時のるーちゃんの緊急回避じゃないですか! え、緊急回避してくるNPCとかありか!?
うろたえる優衣ちゃんの下から抜け出したせーちゃんは小柄な体躯を活かしたスピードで逃げると、バリケードの下を通って向こう側へ行ってしまいました。
いや、まだいますね……なに? あっかんべーしてますね。
ふーん。ふーん。あったまきた……(冷静)。
ま、子供らしいってああいうのを言うんじゃないですかね? それくらいでは怒りませんよ私は。
優衣ちゃんもしっかり追い詰めるような動きに切り替わっています。冷静に行動している+1145141919点
待てこらガキ! コラ!
教室に繋がる小窓から逃げたりするせーちゃんですが、こっちも小柄なので楽々追えます。逃げられると思ってんの? かわいいなぁ。
はい、捕まえました。
緊急回避されました。
はぁ~(クソデカ溜め息)
鳴り響くブザーで「彼ら」が寄ってきますが正直どうでもいい。今はあのクソガ……せーちゃんをとっ捕まえてガタガタにしてやるのが先決ですからね。
怒り心頭な私の操作のせいで優衣ちゃんがぼこぼこ壁にぶつかったりしてますが、タイムはやばいしるーちゃんは見かけないしで内心焦ってたんです。しょうがなかったんです。許してください、なんでもしますから!(古典)
ていうか、この方向だと上手く行けば校長室に追い詰められそうですね。ちょっとやってみます。
教室入るふりして、階段上がるふりして、ちょっと待機して……扉の開閉音が聞こえたらGO!
「……!」
追い詰めました。覚悟決めろせーちゃん。持ち帰ってたらいに沈めて良い香りがするまで洗ってやっからよォ!
しかしこの時の私は緊急回避を怖がってもたもたしてました。発動しない条件があるのか、ランダムなのかとか頭を働かせていましたが、結局普通に捕まえられました。
そうしたらるーちゃん捜索に移るのかな、と思ったけど、会話が挟まりましたね。
といってもせーちゃんは喋りません。たしか生まれつき喋れないんだったかな。うろ覚えです。
手話っぽいものをわちゃわちゃやってますが理解できません。字幕とかないのか……(困惑)
優衣ちゃんが理解できていない事を察したせーちゃんは困り眉で見上げてきてます。そんな目で見られてもなあ。
とりあえず自分は危害を加えるつもりではない事と、りーさんの妹であるるーちゃんを助けに来たことを伝えてみます。
「ほーん」みたいな顔をしたせーちゃん、説得に成功したらしく手を握ってきました。
そのまま手を引いて動けるみたいです。とりあえずこの校長室に隠されているアイテムを回収しておきましょうかね。あやしい袋を入手しました。ぐへへ……こいつをお湯にでも入れればみんな……ぐへへ。
さて、校長室を出ると、またイベントっぽいですね。
学校の外に出た優衣ちゃんは、せーちゃんに手を引かれるまま物置小屋にやってきました。
せーちゃんが前に出てココンコンと独特のリズムでノックをすると、カラリと扉を開けてるーちゃんが顔を覗かせます。そんでもってわちゃわちゃと手を動かし合って……手話で話してるんですかね? これ。
お、るーちゃんも同行してくれるようになりました。どうやら二人捕まえずともいいようです。
ということは? ということは?
このイベントの想定時間を2分も下回りました! やったぜ。
いや、ほんと、この短縮はでかいですね! 救出できた人数も相まって激うま味です!! 二人増えた事で消費する食料は増えますが、子供がいると精神値の減少が大きく抑えられるので安定性が増し、回復速度も上がります。それが倍。いいぞ~コレ!
鬼ごっこイベントを成功で終えたので、学校が安置化されました。BGMも穏やかなものに変わってます。
この曲、ドラクエの気球の曲より良いすね。
一時的に「彼ら」がいなくなった校内を自由に探索可能になりましたが(もう用は)ないです。
諸々アイテムはあるもののRTAではフヨウラものばかり。ただ、「教師の手記」とか雰囲気あるのでぜひプレイして読んでみてください。
さて、救出に成功したるーちゃんとせーちゃんですが……かわいい。かわいいですね。ノンケになりそう。
るーちゃんはベージュの長髪に二つのお団子、茶色のたれ目。クマをモチーフとした洋服が子供らしくはまっていて、守護りたくなります。所持品として防犯ブザーを持ってました。
せーちゃんは黒髪ロングに翡翠のつり目。黒いドレスっぽい服に散りばめられたてんてんが星空みたいで綺麗です。全体的に良いとこのお嬢様っぽいですね。持ってる輪ゴム銃は武器ですね。いちおう高校でも工作で作れて、「彼ら」に当てると少しの間混乱させることができたはずです。
二人とも声を失ってはいますが、顔色も良く精神状態は良好のようです。これはたしか、せーちゃんがいる場合のるーちゃんは食料の調達などができ、ある程度出歩けていたのが原因らしいですね。二人揃ってた場合3日と言わず1週間以上余裕で生きてるらしいです(攻略wiki調べ)。
さらにるーちゃんが発症する失声症も、普段からせーちゃんと接する事で手話を覚えているため意思の疎通ができ、妹が覚えたてで嬉々として見せる手話をなんとなく理解しているりーさんも話す事ができるらしいです。良い事づくめですね。流石激レアキャラだ。
ぽてぽてと歩く優衣ちゃんの後ろをちょこちょことついてくるるーちゃんとせーちゃんがとてつもなくかわいいのでその場でぐるぐる回りつつ眺めております。
こういうのを専門用語でロスといいます。かわいいなあ。
るーちゃんは子熊、せーちゃんは妖精ですかね。良い組み合わせだあ……。
この子ら、真夏の野獣先輩より可愛いすね。
暗くなる前にモールに帰りましょう。
出発する前にせーちゃんのお尻を追いかけていたせいで減っている空腹値と精神値を補うためにキャラメルを食べます。
「!!」
「!!」
うわ。一個口に含む優衣ちゃんの前に二人がずずいっと寄ってきました。
そして揃って重ねた両手を前に出して上下にぱたぱた振ってます。なにこれかわいい。
しかしこれは優衣ちゃんの貴重な回復アイテム。涙を呑んで知らんぷりしましょう。
「~~~~!!」
「!! !!! !!!!」
猛抗議されてます。さらに詰め寄られて、ていうか纏わりつかれておねだりされてるのですが……馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!
「♪」
「~♪」
だめでした。
1箱ずつあげたキャラメルがみるみる彼女達のおくちに消えていきます。ああ……3箱あって良かった。消費しきったらまた探さなきゃなりませんし、当然それはロスになりますからね。
二人も食べ終わったようなので出発しましょう……あの、服掴まれてるんですけど……まさか?
「!」
「!!」
3箱目も寄越せ、らしいです。
大人しく献上しましょう……たぶんアイテムを犠牲に友好度上げられてるんだと思います。そうとでも思わないとやってらんないよ。
チャプター5以降からはファストトラベル(特定の場所まで即座に移動できる機能)が使用できるようになるのですが、今はまだ使えないので地道に歩いて帰ります。
二人も連れてますが、しっかり「ついてきて」とお願いして隠密移動を徹底しましょう。
あっこらせーちゃん、「彼ら」を撃つのはやめなさーい!
……ちょっと苦戦しましたが、どうにかこうにか戦闘状態にならずにモールに帰ってこれました。
小窓から内部に入ります。三人とも子供だからここから入れますが、たとえばラジオ姉貴を連れて来た場合は正面突破するしかないんですよね。彼女も助ける場合は二日以内に学園生活部が「えんそく」に来るタイミングがちょうどいいんじゃないでしょうか。
話が逸れましたね。5階に戻る前に調味料を調達し、二人用の石鹸、3階で衣服を回収していきましょう。
戻ってまいりました。
「おかえりなさい、ゆい先輩!」
「……その子達は?」
生存者を発見しました(モール内でとは言ってない)。
モール外へ出た事は二人の口からも伝わらないので不和には繋がらない。うーん、完璧ですね。
「良かった……生きている人、私達以外にもいたんだ……!」
感動の面持ちのけーちゃんと安堵の表情のみーくん。二人とも不安だったんでしょうね。ただでさえずっと部屋の中で過ごしているから、もしかしたらもう世界中どこを探しても自分達以外はいないんじゃないか、とか思ってしまっていたのかも。
そこに投入された子供二人は確実に二人の癒しになってくれる事でしょう。……肝心の二人は、さっそく室内を歩き回って好き放題見て回ってます。自由だなー。
さて、夕ご飯にしましょうか。今日は豪勢にステーキにしましょう。作るのはけーちゃんですけど。
はい、調味料。
「わ、ありがとうございますゆい先輩! お塩も何もないからどうしようって美紀と話してたんです!」
「贅沢な悩みかもしれませんが……やっぱりこういうのは欠かせませんよね」
そうだねー。焼いただけのお肉では気も滅入っちゃいそうですね。
さ、ここで校長室からパクッてきたアイテムの出番です。
じゃじゃん!
「最高級紅茶パック」です。
10パックで4000円!? うせやろ!?
みなさん美味しい美味しいと飲んでくれます。ほんとぉ?
味は知りませんが好感度はうなぎのぼりです。
せーちゃんは図々しく優衣ちゃんの膝の上に陣取るくらいになりました。
るーちゃんも感情に乏しい顔をしてぴったりくっつく位置に座ってくれます。
襲われても大丈夫なよう盾を取りつつ、より人見知りしない方に寄ってるだけだと思いますねクォレハ……。
お風呂タイムです。
みーくん、一緒にどう?
「恥ずかしいです……」
ほーん。じゃあけーちゃんは?
「あの、それじゃあ一緒に……」
やったぜ。どうやらけーちゃんは入ってくれるようです。
みーくんも後一回で陥落かなー。楽しみですねぇ。
それでもってるーちゃん、せーちゃん。まずうちさぁ……たらいあんだけど、入ってかない?
「!」
「!!」
諸手を挙げて賛成の意思。駄目って言われても入るぞって勢いです。彼女達も女の子って事ですかね。
圭と手分けして二人を丸洗いしたら、就寝前の雑談タイム。
「そろそろ安全圏を広げなくちゃ、って思うんです」
この5階は「彼ら」もいない事だし、しっかりとしたバリケードを築き、他の部屋を見回って危険を排し、安置化させようという提案ですね。みーくんとけーちゃん、今はるーちゃんとせーちゃんもいるので、四人のためにもやってあげたいところですが、どうせここは学園生活部が来るまでの仮拠点みたいなもんなので曖昧に頷くに留めます。
あ、そうだ。改めてチャートの流れでも話しておきましょうか。
このチャートはモールスタートではありますが、迎えるエンディングは学校での「そつぎょう」エンドです。
その時のめぐねえとの状態を特定のものにする事で分岐し、めぐねえエンドに行きつきます。二つエンディングが流れる珍しい形式ですね。どちらかというと後日談みたいな感じなのかな?
この調子なら予定よりも早くめぐねえと結ばれる事ができると思います。
うーん、私のチャート完璧すぎない? お前達のチャートって、醜くないか?(暴言)
きららチャンスは「歌唱」のようです。プレイヤーの歌唱力が求められます。なんだそれは(素)
無難にきらきら星でも歌っておきましょう……。ゆらゆら歌う優衣ちゃんの左右で声が出せないゆえに参加できないるーちゃんとせーちゃんがぱたぱた踊っております。まるで学芸会みたいだぁ……。
みーくんはしっとりとしたバラードを歌ってくれます。このゲームのテーマソングのアレンジであり、ソロですね。かっこE!
けーちゃんは"練乳を奪いなさい"を歌ってくれました。はぇー、洋楽すっごい……。
さて、結果は……?
「先輩の勝ちでいいです」
「なんかね、かなわないなーって感じがする!」
はいっ☆
まんまるお月様を背景に五人並んで大ジャンプ。
なーんか釈然としませんが勝ちは勝ちですね。それぞれとの友好度が上がり、体力に+1されました。
二つの布団をどう割り振るかでわちゃわちゃしましたが、私がソファで寝る、いやこっちの布団に二人で……と話していた結果、るーちゃんとせーちゃんは優衣ちゃんの布団に潜り込み、けーちゃんとみーくんが一緒の布団で寝る事になりました。みーくんが「あれっ?」て顔してますが何も問題はない、いいね?
というところで本日はここまで。ご視聴、ありがとうございました。
□
あのとき。
星夜ちゃんがたすけにきてくれなかったら、きっとわたしは……たべられちゃっていたと思う。
体がふるえる。
何回も、何回もかんがえた。
これはぜんぶゆめで、朝おきたらぜんぶもとにもどってて、りーねーがいて、お父さんとお母さんがいて。
それを、目の前でうごく手になんども「ちがう」って言われて……あたまが、ぼうっとした。
□
ふつうの日だった。
そらはあおくて、かぜはあんまりなくて、クラスのみんなはにぎやかで、じゅぎょうがはじまってもまださわぐから、先生がこまっていた。
でも、その声がだんだんひめいにかわって、ひなんくんれんがはじまって、それはくんれんじゃなくて……。
先生が、きょうしつのとびらを閉めた。バンバンとたたく音がすごく、すごくこわかったのをおぼえている。
しずくちゃんとなんだろうねって話していたら、もえかちゃんがしずくちゃんに噛みついた。
それからのことは、あまり思い出したくない。
もっとさわがしくなって、先生がおこってたり泣いてたりして、わたしをロッカーの中へ閉じこめた。
「いいか、絶対に出てきちゃだめだぞ! 何があってもだ!!」
おこられてるんだとおもって、うなずくことしかできなかった。
くらやみの中で丸くなって……ずっとそうしていた。聞こえてくる声がこわくてみみをふさいで、でも、どうなってるか気になって、すこしだけとびらを開けた。
先生がたべられていた。
なにかかおにかかっておもわず目をつぶってしまって、さわってみたらあったかい。でも、へんなにおいがした。ケガしたときみたいなにおい。しょうどくえきのにおいもおもい出した。
いきを止めてかくれていた。見つかったら、わたしもたべられてしまうんだとおもうと、かなしくないのになみだが出た。
ふと、ともだちの一人と目があった。
……それはもうともだちじゃなくて、「なにか」だった。
ふらり、ふらり、「なにか」がくる。
わたしは、かべのほうへにげて、いきをしないようにして、あっちにいってほしいってつよくかんがえた。
でも「なにか」はまっすぐこっちにきて……。
ビシリ。
ふと、聞きおぼえのある音がした。
輪ゴムのおと。
せいよちゃんが使うてっぽうの音。
少しだけあけたとびらの前に輪ゴムがとんできたから、あってるとおもう。
輪ゴムをぶつけられた「なにか」は、わたしじゃない方へあるいていった。
それでもこわくて、ひざにかおを当ててなにもかんがえないようにしていたら、コンコンコン、とノックの音。
かおを上げると、だれかがそこにいて、びっくりして大ごえをだしてしまった。
……そうおもったんだけど、こえはでてなくて……どうしてか、なにもはなせなくて。
「……?」
ひょいとさしだされた手に、くらくてよく見えなかったけど、ようやくそれが星夜ちゃんだとわかってほっとした。
からだに力が入らなくてうまくたてなかったけど、手をひいてもらって……ありがとうって言おうとして、いきしか出ないのにこまってしまった。
『喋れないの?』
手話で話しかけてくる星夜ちゃんに、なきそうになりながらうなずく。
『じゃ、これで話そっか』
手をふられて、あ、そっか、わたしも手話をすればいいんだって気がついた。
それからわたしたちは、二人できょうりょくして、「なにか」からかくれつづけた。
星夜ちゃんはかしこくて、「なにか」をとおざけるほうほうをたくさんしっていた。
……テストのてんすうはひくいし、いっつもしかられてるのに。
なにかあったときのために、「にげみち」をきめておこう、とはなした。
大きい「なにか」が入ってこれないばしょ。小さい「なにか」の手がとどかないばしょ。
それから……生きている「なにか」からにげられるばしょ。
つぎの日も、つぎの日も、二人でいっしょにいれば、「なにか」からにげることができた。ごはんも、食べられた。
おばけになってしまったみんなのことがかなしくてわたしがなくと、星夜ちゃんがなぐさめてくれる。
『わたしの方がお姉さんだから』って……たんじょうび、3かげつしかちがわないのに。
いつか、ひなんじょやこうこうにいってみようって星夜ちゃんと話したりして、すごしていた。
わたしたちのへやでなんにもかんがえないでいると、まどのそとを見ていた星夜ちゃんが手まねきしたのでそっちへいく。
まどのそと。ゆびさされた先に、まっくろな「なにか」がいた。
生きている「なにか」だ。
まっすぐこっちにきている。
たしかめにいこうって星夜ちゃんは言うけど、わたしはこわくていやだった。
でも、もしかしたら「きゅうきゅうたい」の人や「じえーたい」の人かもしれないし……。だから、いくことにした。
くらいろうかをあるいていると、「なにか」を閉じこめたきょうしつのとびらがカタカタゆれているのが見えて、むねがいたくなった。
星夜ちゃんはゴムでっぽうを手に「ばりけーど」の上にのぼったから、わたしはすきまからのぞくことにした。
……。
……うたが聞こえてくる。
ひくくて、かすれたこえの……なにこれ……こわい……!
──や……がて…………ほしがふ……る……
「っ!」
星夜ちゃんも、こわかったんだとおもう。すぐにてっぽうをうって……!
──ほしがふ……る…………ころ……
……!
あたまに当たってるのに、「なにか」みたいにふらつきながらあるいてくる!
うたはとまらない。どんどんちかづいてきて、星夜ちゃんがとびおりてきた。
目があうと、ふるふるとくびをふる。だめだ、って。
もういちどすきまから「なにか」を見る。
たぶん、おんなの人。くろいふくは、スカートだったからそうだとおもった。
チャリチャリとゆれるじゅうじかが、おそろしい。
こ……ころ……ときめい……て…………
うすくらやみの中にうかぶきんいろのひかりが、どんどんおおきくなって。
みみがキーンとするようなこえも、どんどんおおきくなって。
ときめい……て……く……る……
ヒュッと振られたなにかが「なにか」をきりつけた。
じゃぐちをゆびでおさえたときみたいにいきおいよくちが出て、でも、おんなの人にはかからなくて。
わたしと星夜ちゃんはあわててにげだした。
とおせんぼする「なにか」に輪ゴムをあててひるませて、ぴょーんととんでけりつける星夜ちゃんも、いつものじしんまんまんなかおじゃなくて、こわがってるみたいだった。
……。
「べつべつににげよう」って星夜ちゃんがいった。
いやだっていったのに、「わたしがなんとかするから」、って。
星夜ちゃんがなげたボールペンのほうにむかっていくおんなの人からにげるために、上のかいへいって、ぐるりと回って下のかいへ戻って、そとへでる。
このままいっしょにかくれてちゃいけないの?
「まんがいちがあるからね」……こうしゃのほうをふりかえりながら、フッとわらう星夜ちゃん。
どうして一人でいっちゃいうの?
「まんがいちが、あるからね」……わたしのほほに手をあてて、かなしそうに、星夜ちゃんがいった。
わたし、また、せまいばしょにひとりぼっち。
どうしよう……もし、星夜ちゃんがかえってこなかったら……。
そうしたら、きっと……わたしはすぐにしんじゃうだろう。
……りーねー……。
──ココンコン
目をつぶっていると、おおきな音がした。とびらを開けると、星夜ちゃんがいて……うしろにおんなの人もいた。
おどされてるのかもって思ったけど、「むがい」とみじかくつたえる星夜ちゃんのつーんとしたかおを見れば、だいじょうぶそうっておもえた。
おんなの人は、ちゃんと見てみると、こわいかおではなかった。
おもっていたより小さいし、くろいふくも、きょうかいの人みたい。
たしかめるためにむりにおかしをねだってみたけど、「しかたない」ってかおしながらくれた。
……いい人だ。
もっとねだってみたら、「いやだー」ってかおしたけど、くれた。
すごく、いい人だった。
チヒロというらしいおんなの人についていくと、デパートにやってきて、そこにはりーねーと同じせいふくをきたおんなの人が二人もいた。
ノートとえんぴつをかりて、りーねーのことを聞いてみたけど、わからないっていわれた。
うーん、りーねー……だいじょうぶかな。
りーねーはしっかりしてるようにみえて、すごくこわがりだからしんぱい。
星夜ちゃんは「きっと生きてる人のお姉さん役になってるよ」っていってくれたけど……。
ひさしぶりにちゃんとしたふとんでねた。
チヒロは、とってもあたたかくて、りーねーににたにおいがした。
□
あの時。
差し伸べられた手を掴んだのは、間違いなんかじゃなかったのだと……思いたかった。
心臓が揺れる。
繰り返し、繰り返し、それにつられて体も揺れる。
生きている、証。……本当に、私は生きているの……?
よくわからない。生きるって、なに?
◇
屋上の菜園は私達園芸部のもう一つの家だ。
ひとつひとつ大切に育てた野菜は、素人仕事ながらも立派に育ってくれて、その青臭いにおいを胸いっぱいに吸い込むのが、大好きだった。
……「だった」。
そう、それはもう、過去の話。
空を揺るがすような大きな音が、終わりの始まりだった。
致命的だった。だって、その方角は──。
屋上にめぐねえがやってきて、遅れて見知らぬ女生徒と生徒でも教師でもない男性が現れて、それが突然豹変して、かと思えば死んだ。
……それ。
その道具は、そういうことに使うんじゃない。
それは、私達の大切な──。
額に走る鋭い痛みに顎が跳ね上がって、押さえていた扉に顔をぶつけた。
その向こう側から「なにか」の呻く声がする。恐ろしくてたまらない、怪物の声。
わからない。わからない。わかんない。
何が起こっているの? どうしてあの子は人を殺したの? なぜめぐねえは何も言わないの?
……めぐねえは、何も答えてはくれなかった。
「なにか」がかつての生徒であったことは、夜を明かしてからじんわりと染み込むように理解した。
割れた窓越しにその姿は見ていたし、何より窓を突き破って飛び出した手は、そういうものだった。
理解したからといって何がどうなるわけでもない。
とにかく、何か、なにか……そう、まずは、朝ご飯? よね………………?
お腹を空かせたらしい彼女達に、私はこの菜園で作ったものを振る舞った。
自信作の数々は、誰も笑顔にできなかった。
私とて一口齧ってみて、いつもみたいに顔がほころぶなんてこともなく、ただただなんの味もしない粘土のような食感に眉を寄せただけだった。
……ううん。
辛い。すごく辛い。
いいえ、苦いのかも。それとも、すっぱい?
味覚が変になっちゃったのかな。それとも、私自身がおかしくなってしまった?
きっと、そうだろう。
るーちゃん。
るーちゃん。私の妹。まだ二年生の女の子。
何が……起こっているのか……まだ、上手く飲み込めてないけれど。
もはやあの子の命がないだろうことは、……っ、認めっ、たくないのに、どうして私は確信しているの……!?
「若狭さん、丈槍さん。ここでじっとしていてね……」
いや。いやよ、先生。置いて行かないで……!
やだ。やだやだやだ……やだぁ……
じわり、じわり、肌を蝕む恐怖に、もう、動けそうになかった。
「若狭さん」
ぼんやりと、何かの影が目の前にあった。
うっすらとした線で構成された人影。
ずっとずっと遠くに聞こえる声は、ああ、めぐねえ。
線の揺れている部分は癖毛。一本飛び出しているのも癖毛。
あなたなのね……? 「なにか」ではないのよね……?
頬に添えられていたらしい手が離れていく。
一瞬走った熱に、体が揺れた。
「丈槍さんのこと、頼んでもいい?」
「…………」
……めぐねえからのお願いに、沈んでいた意識が浮上する。
私とは離れたところで勝手に開いた口が何ごとか答え、話したけれど……自分の中に響く音の意味は、私にはよくわからなかった。
線でできためぐねえと子供の落書きみたいな黒い線の塊が部屋を出て行く。
……部屋。
私、いつの間にこんなところへ来ていたのだろうか。
でも、どこか見覚えがある気がする。
簡単に沈み込める記憶の海に身を投げ出すと、すぐに思い出せた。
先生の代わりに部活動の申請書を提出しに来た、生徒会室。ここはきっとその場所だ。
「──ひっ」
そう思って顔を上げたのは、間違いだった。
だって、ここは生徒会室じゃなかった。それどころか部屋ですらない。
よくわからないピンク色の壁に覆われたどこか不気味な場所。
人の体内のような色合いのそれにはいくつか筋が走って、時折思い出したように脈打っている。
あまりの悍ましさに口を押さえて、そうすると椅子に座っているのも辛くて滑るように下りる。
へたり込んだ床すらてらてらとした肉壁で、粘着質な肌触りに背筋が粟立った。
「あのっ、大丈夫!?」
線がやってきた。蠢いている。
いや……いやよ! 近づかないで!!
「わわっ」
あっちへいって!
なんなのよ! 私を……殺す気、なの……?
ぞっとして、体中が凍えた。
呼吸がままならない。早鐘を打つ心臓より早く吸って吐いてを繰り返して、際限なく下がる眉が、見開いたまま痙攣する目が、何一ついう事を聞かないで勝手に動いている。
「お、落ち着いて……こわくなーい、こわくなーい」
目の前で線が揺れ動く。それがますます私を混乱させるのに、左右に揺れるものを自然と目が追って、だんだん線が太くなってきた。
よく見れば、この線……上の方が動物の耳のよう、だわ。
……。
「こわくない、こわくないよー……」
……。
やわやわと目の前で揺れ動く線が像を結ぶ。
それは、手だった。小さな手。
「お茶どうぞ! チョコもあるよ。ね、大丈夫だよ……」
手に握らされた硬い線と、黒い長方形の線。
それが何かはわからなくても、私の前にいるのが誰かなのかは、なんとかわかった。
私にこんなに優しくしてくれて、こんな風に近づいてくれる子は……。
……ああ、るーちゃん! るーちゃんなのね!?
「えっ、えっ?」
良かった……生きてる、生きてる……!
っ、ごめんなさい。痛かった? 強く抱きすぎたかしら……ごめんね。
「ううん、だいじょうぶ、だよ……?」
それならいいの。ええ、本当に……。
……でも、どうしてるーちゃんが高校、に……。
……? …………?
「あの、若狭さん。あのね……」
るーちゃん、どうしたの? なぜりーねえと呼んでくれないの?
いえ、そもそもるーちゃんはいつ高校に……?
そん、なの、どうだっていいわよね。
だってるーちゃんはここにいるんですもの。気にしなくたっていい。気にする必要は、ないわ。
そうよ。ああ、やっとはっきり見えた。
るーちゃんの顔。るーちゃんの声。
聴こえるわ……胸の鼓動も……それに、とても暖かい。
「わたし、丈槍由紀っていいます」
「……?」
なあに、るーちゃん。聞こえないわ。なんだか耳が遠くなってしまって……もう一回言ってくれる?
「痛いっ……う、く、わたしの、名前は、丈槍由紀!」
「えっ?」
えっ、なに……?
るーちゃん、どうしたの? ……どうし、どこ……るーちゃん……?
私の顔を覗き込んでいるのは……私が、頬に手を添えてあげているのは、るーちゃんではなくて、変な帽子をかぶった桃色の髪の女の子だった。
ぱしりと私の手を取った彼女が仰け反る。すううっと息を吸い込んで──
「あなたの、お名前、なんですかーっ!!」
……。
「わ、わかさ、ゆうり……」
「若狭さん……ゆうりさんだね。」
「え、ええ」
……なんだろう、この子。
というより……私は、何をしていたんだったか。
この子の頬にべったりとくっついている黒いものはなんなのだろう。
かすかに香る甘い匂いは……。
「わたし、丈槍由紀! "るーちゃん"って子じゃ、ないよ」
「っ!」
強い語調の名乗りの後に、こちらを窺うような声音で告げられたのは……。
じゃあ、るーちゃんはどこ? あなたが隠したの?
もしそうなら……!
ふわりと、カカオの香りに包まれた。
「落ち着いて。ね?」
……ぁ。
……ああ。
……私、今、なにを……。
この子がそんなことをする理由なんてないじゃない。
それに、るーちゃんはもう……。
「あのねっ、ゆうりさん」
抱き着いて来ていた彼女……ええと……たけやさん、の息が耳をくすぐるのに、身を捩る。
「わたし、今、すっごく不安なんだ」
……それは、そうだろう。
だってこんな状況なんだもの。
私だって不安で仕方なかった。
「すっごく、すっごく、怖いの」
そう。怖くて怖くてたまらなくて……。
でも、今は、なんだか落ち着いていられる気がする……。
「だから」
ほんのちょっとでも思考を「そちら」へ傾けると、あっという間におかしくなってしまいそうだけれど……。
「ぎゅーって抱き締めてほしいな……だめ?」
「……。それくらい、なら」
できるわ。だって今、ほとんどそんな感じだもの。
この子が飛びついて来たみたいだから、自分の体が倒れないようにするためにこの子を支えていて、もう抱き締めているようなもの。
少し力を入れれば、それでおしまい。
「んっ」
そうすると、この子も抱き返してきて……。
押し付け合った胸の奥、異なる鼓動が重なって、なんだかどんどん意識が遠のいていく。
……人の熱。
それがここにある。
そしてそれは、もはや失われてしまったものだ。
「……?」
微かに動く彼女の体を支えながら、肩に顔を
……良い香り。頭がふわふわしてくるような。
……ああ。
はっきりとした意識が、現実を正しく認識してしまった。
頭の中と体の中が致命的なまでにぐちゃぐちゃになって、二度と元には戻れそうにない。
それなのに体の方は変わらず彼女を受け止めていて、静かに息をしている。
……それは、良い事だ。
私を心配してくれたこの子を不安にさせずにすんだ。
でもね、もう……息をしていたくないの。
目をつむってしまったから、開けたくないの。
この鼓動を止めてしまいたいの。立ち上がりたく、ないの。
だって、とっても、心が息苦しいんだもの。
だからこのまま……「そっち」の方へ傾いていって……。
「ゆうりさん……?」
沈んで、沈んで、沈んで……溶けて消えてしまおう。
そうすればきっと、またるーちゃんにも会えるよね。
まぶたの裏の暗闇が眩しいくらい真っ白になる。
どんどん感覚が鈍くなっていって、立っているのか座っているのかわからなくなって。
きもちいい。
意識が四散していく。
空にのぼるみたいに、上の方へ消えていく。
……。
……………。
……。
……。
……。
……。
…。
‥。
。
「……ぅ、ん?」
かくんと頭が揺れて、それで意識が浮上した。
天井より後ろを向いていた顔を戻せば、目の前にたけやさんの顔がドンとあって、しばし目を瞬かせる。
「あのっ、あのね、ゆうりさんのこと、なんて呼んだらいいかなって!」
呼び方?
えっと……そうねえ。
──りーねえ。
「私の妹からは、りーねえって呼ばれていたけど」
「じゃあ、わたしもゆうりさんのこと、りーねえって呼んでいい?」
「それは……」
目を細めて、袖を口許にあてて思案する。
その呼び方はなかなか特別なもの。
フラッシュバックするみたいに思い出するーちゃんの、彼女だけに許した呼び名だから。
「でも、そうね……たけやさんなら、いいかも」
「ほんと!? やったあ!」
ぱっと両手を上げたたけやさんが、何がそんなに嬉しいのかにこにこ笑って喜ぶのを眺める。
素敵な笑顔……見てるとこっちまで元気になってきちゃいそうね。
でも、どうして「りーねえ」なのだろう。
「うーん。お姉さんみたいだから……?」
むむむっと眉を寄せて答える彼女の子猫みたいな仕草に、なんだか優しい気持ちになる。
かわいいわね、この子……1年生かしら?
「よろしくね、りーねえ」
「ええ、よろしく」
そう言ってから、ああ、初対面だったって思い至った。
とっても長い付き合いな気がする距離感だったけれど、会ったのはつい昨日だった。
不思議な感覚……。
「じゃあ、わたしのことはー……」
「ゆきちゃんって、呼んでもいいかしら」
「うん!」
考える前に口をついて出てきた言葉に、たけやさん……ゆきちゃん、は1秒だって間を置かずに頷いた。
ふふっ、それ考えてから言ってるのかしら? きっと由紀ちゃんは、本能で生きるタイプなのね。
「それって褒め言葉?」
「そう、褒め言葉褒め言葉。えらいえらい」
「わぷ」
意味も無く頭を撫でてあげると、彼女ははにかんで私の手を受け入れた。
それから、彼女とたくさんの話をした。
学校のこと。私達のこと。
私の菜園のこと。彼女のヒーローのこと。
"ダリオマン"なるキャラクターが"究極の闇をもたらす者"と輪投げ勝負をする話を熱心に語る由紀ちゃんは、私の心を急速に癒してくれた。
永遠にそうしていたい気持ちに駆られたけど、そうも言っていられない。
いやだけど……思い出してしまった。
「さて、と。めぐねえも頑張っているんだから、私達も頑張らないと」
わざわざ声に出して確認しながら立ち上がる。
それだけの事がこのうえなく辛くて、果てしなく長い時間に感じられた。
立ち上がれば、この現実と向き合わねばならない。
生きるために動かなければならない。
正直何もしたくなかったけれど、ぼうっと私を見上げる由紀ちゃんを見下ろすと、僅かに活力が生まれて……これならなんとか動けそうだ。
私一人だったらダメだったかもしれない。でも彼女もいるんだから、って。
……そう、そうだ。
私、この子に助けられたみたい。
弱気の虫に負けそうになっていたところを、引っ張ってもらって……。
ふるり、体が震えた。
私……さっきまで、生きるのを諦めてた……?
全然覚えていないのだけれど……その感覚は、大きな実感を伴って私の中に残っていた。
……。
「めぐねえからは由紀ちゃんの面倒を見ていてって頼まれたけど、他に何もしないのも……ね」
意識がはっきりしていなかった時に聞いた会話も、思い出そうと思えば思い出せた。
そして、そういう風に頭を働かせると、どんどん感情が甦ってきて体を蝕んでいった。
不可能。無力。絶望。
めまいがする。
実際に、平衡感覚をなくして倒れてしまいそうになった。
「わっとと」
でも、すかさず由紀ちゃんが支えてくれたおかげで、どうにか思考を保つことができた。
生きるのは、恐ろしいけど……弱音ばかり吐いていてはいけない。
この子のためにも、今私達のために頑張っているめぐねえに報いるためにも、私にできる事をしなければ。
……。
少し時間をかけ、由紀ちゃんと手分けしてこの生徒会室にあるお菓子やちょっとした飲食物を見つけ、それを記してみたのだけど……ペンを動かしているとどんどん冷静さが戻ってきて、由紀ちゃんにりーねえと呼ばせているおかしさや恥ずかしさが表面化してきた。
だから、やんわりと訂正したのだけど……。
「えーっ、でもでも、かわいいのに」
「いえ、あのね由紀ちゃん。かわいいとかそういうのじゃなくてね……」
普通に「悠里さん」と呼んでくれればいいのだけど、由紀ちゃんはとても嫌がった。
困ったわ……一度は良いと言ってしまったから、訂正しづらい……。
それに、嫌ではないのだ。彼女にそう呼ばれるのは。
……りーねえと呼びかけられるたびにるーちゃんの姿が思い浮かんで、心が痛むけど。
うるうると瞳を潤ませて私を見つめる由紀ちゃんを見ていればなんとか耐えられた。
それと同じくらい、胸の中に生まれる熱があって……嬉しくてたまらなかった。
そういった理由で押し問答を繰り返し、結局訂正できないうちにめぐねえと、……恵飛須沢さん。……くるみが戻ってきてしまった。
はじめ、部屋に入ってきためぐねえの後ろに黒くてぐちゃぐちゃな線がついて来たので何事かと混乱してしまったけど、それがちゃんと同級生であると、私達のために頑張ってくれたのだと教えてもらうと、だんだんと人の姿に見えてきて、今ではしっかり判別できるようになった。
休憩を挟み、気になる事があると言い残して職員室に向かっためぐねえは、顔色を悪くして帰ってきた。
かと思えば「なにか」……「彼ら」を一掃すると言う。
あまりにも無謀に思えて理由を問いただせば、いち早く外に向かえる環境を構築して、千翼優衣という生徒を助けに行きたいのだと教えてくれた。
千翼さん……あの小さい子。背が低いのに俯きがちで、立っていると顔が見えないくらいの……でも同じ目線で作業してたから、金の瞳を持つ彼女の顔ははっきり覚えていた。
園芸部の仲間。いつもめぐねえの後をついて歩いている子。そして……髪型や、仕草や、声音や、身に着けているものがめぐねえとそっくりな、不思議な子だった。なんとなく姉妹なんだろうなって思ってて、違うとわかってびっくりした記憶がある。
……事の顛末を聞く限りじゃ、残念だけど千翼さんが生きている確率は限りなく低いと思うのだけど……。
それはめぐねえだってわかっているはずだ。
でも、わかっていて、諦めていないようだった。
なぜ信じられるの? だって、こんな状況なのよ? 生きている訳ないじゃない。
その子も、るーちゃんだって、きっともう……!!
「若狭さん。若狭悠里さん」
ふんわりと微笑むめぐねえが優しく語り掛けてくる。
「決して諦めてはだめよ。私が信じずして、あなたが信じなくて、彼女達が生きていることを、いったい他の誰が信じるというの?」
……。
……先生。
それは、でも。
……でも、私は縋った。
るーちゃんはきっと生きている。
この状況から助けてくれるヒーローがきっと現れる。
そう考えることで、絶望を遠ざけた。終わりを先延ばしにした。
「ここが安定したら、まずは小学校へ行きましょうね」
「……はい」
力強く、絶対に生きていてくれていると断定するかのように話すめぐねえは、頼もしかった。
うん……!
そうよ。私が生きているって信じれば、るーちゃんは生きていてくれる!
きっと、きっと助けに行くわ。待っててね、るーちゃん!
TIPS
・若狭悠里
ゲーム開始時にランダムに起こるイベントで決定される要素の一つに、彼女の精神値がある
開始時に確定で屋上にいる彼女が市内の爆発を目撃した時、その方角に小学校があること、そして妹の安否に思考がいきつくと、精神値が非常に低い状態、あるいは0以下でゲームが開始される
学校外スタートの場合は0にはならない
・たいせつないもうと
若狭悠里に発現する事があるバッドステータス
精神値の上下が丈槍由紀に大きく依存する状態
・がっこうよりすき
丈槍由紀に発現する事があるバッドステータス
精神値の上下が若狭悠里に大きく依存する状態
・不屈
一度精神値が0以下になってから復帰した
次に0以下になっても復帰する確率が大幅に上昇する
・希望
何かに縋ることで精神値を保つ
特定の出来事によってそれが崩れた時、大きく精神値を減少する
・若狭
パンデミック発生から5日以内に救出可能なキャラクター
ただし3日目以降生存確率は大きく落ち、5日目ですら10%を下回る
さらに救出しても障害を負っている事が多く、基本的なゲーム期間である2週間を生き残れない
「瑠璃」という名前は当初ファンの間で呼ばれていたが、アップデートにより学校内の資料で名前を確認できるようになった。おそらく逆輸入だと思われるが、この形式は大変珍しい
精神値の減少を抑える「鈍感」、体力の消耗を抑える「マイペース」、誰かの精神値の減少を抑える「いもうと」を持っているが、消耗度合いによってスキルを失う
・
パンデミック発生から5日以内に救出可能なキャラクター
生まれつき声を失っているものの、それを感じさせない元気さが取柄で
仲の良い若狭瑠璃とともに悪戯を繰り返していた
るーちゃんとセットの場合は不自由なく過ごしているが、1人の場合はるーちゃんと同じく消耗しきっている
音を発生させる「陽動」、本来警官や自衛隊などが持つ「精密射撃」、一定時間スタミナと精神値が減少しなくなる「高揚」、足音を抑える「忍び足」、周囲の精神値を上下させる「悪戯」等のスキルを所持しているが、消耗の度合いによってスキルを失う
・千翼優衣
歌うのが下手。
声自体は綺麗なものの、ぼそぼそと歌うので音楽にならない。
・やがて星がふる
穏やかな曲調が美しく、子守歌にも使われる子供向けの歌
・精神値
モール組
・千翼優衣
57/100
・祠堂圭
98/100
・直樹美紀
83/100
・若狭瑠璃
41/100
・月日星夜
32/100
巡ヶ丘組
・丈槍由紀
44/100
・恵飛須沢胡桃
48/120
・柚村貴依
32/100
・佐倉慈
48/130
・若狭悠里
17/80