【完結】がっこうぐらし!モールスタートめぐねえエンドSランク縛り【MGNEND】   作:月日星夜(木端妖精)

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誰かを笑顔にしたいと願うその想いが、私達を熱くするんだ!
お前がくれたチャートで私はこのゲームを走る
これが人間の力だ! これがbiim兄貴の力だ!

勝利の法則は決まったので初投稿です



5仲違いイベ~ガバに次ぐガバ

 おはようございまーす……。朝です……。

 昨日は電気の供給が途絶えたところまで。今日も元気にやっていきましょ。

 

 館内が暗くなって雰囲気が重々しくなり、徘徊する「彼ら」の数が増えました。どういう理屈なんでしょうね? リバーシティ・トロンは終わり! 閉店! みんな解散! と少なくなってもおかしくないのに。私はここら辺の理由、いまいち理解できていません。地下の生存者がどうとかこうとか……? 

 

 明るくなってくるとねぼすけな優衣ちゃんがもぞもぞ起き出します。いや起きれません。太郎丸が胸の上に乗ってますねぇ。お前の寝床部屋の隅に用意してあげただろ何乗ってんだ! 胸が潰れるぅ!! 元々潰れてました。

 

「くぅ~ん」

 

 微振動で起きた太郎丸はおもむろに優衣ちゃんの顔を舐め始めました。太郎丸顔舐めすぎィ!! と投げ飛ばしたいところですが両脇をがっちり固められていて逃げられません。優衣ちゃんかなり悶えております……あ、退いてくれた。起きましょ起きましょ。

 

 子供二人に引っ付かれてるところを無理に出たので服が脱げかけてますが色気の欠片もあったもんじゃないね。健全!

 にしても夜通し生存者と密着していたせいで案の定精神値減ってますね。ん? なんか体力も減ってますね……というか空腹ゲージ空ですね。試走じゃ起きなかった現象に困惑しつつお着替え。

 ま、空腹値0になっても死ぬわけでもないし、2、3回程度なら暴走もしないし、チャートに影響もないので問題はないですね。

 

 ここまでオリチャー1回も発動してないとか私はプロの走者か?

 ルートの問題でほぼ1から構築してるので全編オリチャーみたいなもんですがね。

 いちおう外国人兄貴のチャートをパクっ……参考にしてはいますが、試走を重ねて頑張って考えたものでもあります。褒めてくり~。

 

 ロリ組が起き出してきたところで朝食。昨日手に入れておいたレトルト系があるので優衣ちゃんの精神値ももりっと回復する事でしょう。あ、今回レベルアップはしませんでしたね。しばらくは上がらないかな……足りないステータスはきららチャンスにお祈りしましょう。食事じゃ食事じゃ!

 

「……」

「……」

「……」

「……」

「わぉー……」

 

 え、くっら!! なにこれ暗い!!

 お通夜みたいな雰囲気になってますけど、おかしいですねぇ……こんなこと今まで一度もなかった……いや、昔圭と美紀を意図的に仲違いさせようとした時は凄くギスギスしてましたが、その時はそもそも食卓を囲んでなかったし……けーちゃんどうしたんですかね? なんかやたら暗い顔してますけど……。

 

 で、話しかけることもできず操作可能になったので、真っ先に圭に話しかけに行きます。これ放置しとくとまずい気がするんで。

 

「……」

 

 話しかけましたが、見上げられてすぐ視線を外されてしまいました。何回話しかけても同じ反応ですね。なんだこれは……。

 どうにも精神値が低くなってるっぽいですね。ロリ組がいれば安定するのではなかったのか……? 件の二人は部屋の隅の太郎丸ハウスに固まって大人しくしてます。悪戯好きのせーちゃんすらなんにもしてません。やだ……怖い……アイアンマン!

 

 壁際に立つみーくんにも話しかけてみます。頼む……反応してくれ……頼む!

 

「……先輩、顔色悪いです……風邪、ですか?」

 

 顔色悪いのはお前じゃい!

 まずいですね……全体的に精神がやられてる雰囲気びんびんきてます……。でもみーくんはああ言ってますが、優衣ちゃんの精神値は半分割ってないんですよね。咳もしてないので風邪でもないです。

 なんかのイベントですかねこれ……星夜が健康体で仲間にいると~とか? うーんよぐわがんにゃい。

 

 予測つかないし、うだうだしててもタイムが死にますのでとりあえず食料調達と、みんなの精神値を保護するために衣服売り場に行きます。

 廊下に出たらサバイバルナイフを装備して…………装備……あの、装備欄なんにもなくなってるんですけど……ちょ、ちょっとアイテム画面開いてみます!

 ……ナイフ無いですねぇ!

 

 急いで籠城部屋に戻ってきました。廊下より暗くないか?

 あのぉ~、つかぬことをお聞きしたいんですけどぉ、どなたかわたくしのサバァイバルナイフ……知りません?

 

「……ゆい先輩、昨日の夜、私のこと見てた?」

 

 は? なんで見る必要あるんですか(素)。何やらけーちゃんが話しかけてきましたが、暗転即朝になるので私にわかるわけないんだよなぁ……優衣ちゃん、見てたの?

 ふるふると首を振る優衣ちゃん。「そっか……」と呟いたけーちゃんは、もぞもぞとヘッドホンをして大人しくなりました。

 いや、ナイフ……。

 

「いえ、知りませんけど……」

 

 みーくんに聞いてみても、これは別段隠したりしてる反応ではないですね。もし信頼されておらず寝ている間に取り上げられたなら、もうちょっとわかりやすく誤魔化してくれますので。

 まさかるーちゃん? それともせーちゃん……? 子供二人に武器を隠されるなんて経験ないし、情報もないはずなんですが……。

 

「……」

 

 ふるふると首を振るるーちゃんに、「ないならこれ貸してあげよっか」みたいにゴム銃を差し出してくるせーちゃん。

 一応受け取っておきましょう。こういう好意を断るとどんどん好感度が下がってしまいますし……ていうかせーちゃんの好感度が低いのか高いのかこれもうわかんねぇな?

 

 結局サバイバルナイフは返ってきませんでした。悲しい。

 まま、もう少しレベルが上げられれば無手でも問題なくなるので、用心しつつ探索に出ましょう。

 

 本日やる事ですが、電気が使えなくなったせいで電子ポットでお湯を沸かせなくなったのでたらいに湯を張るのが難しくなり、お風呂に入れなくなりました。

 これにより精神値の回復がし辛くなります。みんな女の子ですからね……お湯に浸した布で体を拭くだけでは安らぎません。

 

 そこで発想の転換です。

 前に集めた水着を使い、水遊びをします。

 お風呂が使えない辛さ、苦しさを楽しさで上書きしてしまおうという由紀式発想法ですね。これで逆に精神値を大幅に回復できます。

 

 精神値は50を下回ると様々なデメリットを齎すことを説明しましたが、90以上ではメリットを生み出すようになるんですよ。

 ステータスに補正がかかったり、周囲の人物の精神値を微回復させていくようになったり、本来大きな精神ダメージを受ける出来事にも耐性を持ったり。

 精神値が100の状態だと、体力MAXの時と同じようにガードブーストが働いてヘリが落ちても即座に動けるような強靭さを発揮するようになります。

 

 ただ、このゲームは開始からして50を下回っている事が多く、劣悪な環境によりゲームクリアまでずっと40~50あたりをうろちょろしてる事が多いので滅多に起こらないんですけどね。

 

 さて、衣服売り場にてせーちゃん用の水着を回収します。彼女の事を考慮してなかったので前回取ってなかったためちょっとロスですが背に腹はかえられません。サイズはあてずっぽうです。他の子のは試行回数のごり押しでデータを取っているのですが、せーちゃんのデータはないから仕方ないね。大体るーちゃんと一緒かな?

 

 好みの傾向もわからないのでそれもてきとうに。

 続いて1階で食品を回収。やることは変わらないので倍速。

 

 籠城部屋に戻ってきました。

 

「ただいま……」

「ゆい先輩、おかえりなさいっ」

 

 お? 部屋の雰囲気、かなり明るくなってますね。不安げな優衣ちゃんの挨拶にけーちゃんが真っ先にお返事してくれましたし、みーくんは太郎丸と戯れてますし、るーちゃんせーちゃんコンビは紐であやとりをして遊んでます。……今朝のはなんなんだったんでしょうかね……?

 

 夕飯まで時間を飛ばしたいので雑談をしようと思うのですが、その前に本日のメインイベントをこなします。

 それは、「美紀圭仲違いイベ」です。

 

 衣食住を充実させても、二人と恋人状態になっていても、なんだかんだいって起こる「生きていればそれでいいの?」

 有史以来ほぼ確定で起こり回避不可能とされてきた美紀圭仲違いイベントが今──終わりを告げる。

 

 大技スーパータイムハッカーの出番です。やる事は簡単!

 この出入り口の扉のですね、ここら辺にぃ、美紀圭仲違いイベのフラグ、埋まってるらしいっすよ。

 じゃけん優衣ちゃん壁に埋め込んで不発に終わらせましょうね~。

 

「んっ」

 

 足元に「石鹸」を置き、角度をつけて、扉と壁の境目目掛けて「石鹸」を踏んづけながら「回避」飛び込み! 連続飛び込みをバッタンバッタン繰り返していきます。成功しろ成功しろ成功しろ……。

 頭かち割れるゥ~! スポッ!

 嵌まりました。誰か助けて! ライダーたすけて!

 

「んなっ、何事ですか先輩!?」

「な、なにがどうなっちゃってるのこれ!?」

「……? ……!?」

 

 壁尻状態で足をばたつかせる優衣ちゃんに部屋中てんやわんやになっております。

 これがこのゲームの面白いところで、特定のバグに遭遇すると付近の誰かが手を貸して助けてくれるんです。……力を入れる方向違くな~い?

 

 壁嵌まりバグに遭遇し行動不能に陥っている時、味方キャラに発見されると救出してもらえます。ごくごく稀に「彼ら」も助けてくれたりします。

 この仕様にて仲違いイベを上書き! 万が一にも発生させないようこの位置で嵌まる必要があったんですね。

 こんなことができる場所は限られてますが、重要なイベントをこれで上書きしちゃうと詰むので気を付けよう!

 

「うんしょ、よいしょ……!」

「優衣先輩、痛くないですか? 平気ですか? 千切れたりしませんよね? 大丈夫ですよね?」

「!」

「! っ!」

 

 困惑しながらも四人+1匹が無様な格好の優衣ちゃんを引き抜いてくれようとしています。

 抜けました。ぷう。これでもうけーちゃんが出て行くような事は起こりません。体を張って喧嘩を止める……優衣ちゃんも聖人君子の仲間入りですね。みんな平和が一番!

 

「わんわんわんっ!」

 

 太郎丸もぐるぐる回りながらそう言っております。よしよし、頭を撫でてやろう……お手!

 

「わぅ~ん」

 

 お座り!

 

「わう!」

 

 ちんちん!

 

「わんわん!」

 

 うんち!

 

「わ……?」

 

 うんこぉ!!!!

 

「先輩、太郎丸が困ってます……」

 

 はい。すみませんでした……。

 いやでもね、やっぱり今朝の事が気になってしかたないんですよ。なぜか今はなんともないですが、またいつああなってしまうかと考えると不安で夜も10時間しか寝られませんしおチャートも壊れてしまいます。

 

 その時はその時の私にどうにかしてもらうとして、夕食です。

 今日も今日とてレトルトですが、こんな世界ではこれすらご馳走ですね。

 けーちゃんが話題を振ってくれて大変明るくご飯を食べられました。

 

 さあ、お楽しみの時間だ。みなさんお待ちかねの水着回ですよ水着回!

 いそいそ着替え始める優衣ちゃんに一同困惑の眼差し。

 

「先輩、お風呂はもう……」

 

 沈痛な面持ちのみーくんにサプライズな提案をしましょう。

 水着持って来たからさ、みんなで入ろうよみんなで! ぬるま湯でもいいから!

 

「でも……」

「ね、美紀。せっかくゆい先輩もこう言ってくれてるんだし、一緒にはいろ?」

 

 趣旨は理解したけど一緒に入るのは恥ずかしいらしいみーくんですが、これで三回目のお願いであり、けーちゃんの援護射撃も相まってついに陥落しました。

 じゃあ脱げ(豹変)

 

「……」

 

 ぴらっと水着を広げてみせるせーちゃんがとっても嫌そうな顔をしてます。好みではなかったようですね……。

 でも着てくれました。るーちゃん優衣ちゃん含めビキビキビキニ1,2,3! 眼福ですね。

 

 優衣ちゃん、スタイルの良いみーくんの体にゴクリと生唾を飲んでおります。

 体型が羨ましいのかレズなのか……めぐねえが好きなだけのノンケのはずなので羨ましいだけでしょうね。

 空腹値が底を尽きそうなのでささっとガム食べます。

 瞬時に殺到してくるるーちゃんとせーちゃんにも分けてあげましょう。

 ……みーくんとけーちゃんにもあげないとかわいそうですかね?

 

「あ、ありがとうございます、先輩」

 

 どういたしまして。

 タイムのためにお風呂タイムは即終了。

 

「くしゅっ」

 

 きゃっきゃうふふして精神値は大幅に回復しましたが、ぬるま湯に浸かっただけのためみんな風邪気味になります。そこで常備薬の出番です。

 これを飲んで、あったかくして寝ればこの状況では致命的なバッドステータスである「風邪」にはなりませんし、即就寝に移れるので一石三鳥!

 

 きららチャンスは「かけっこ」でした。俊敏が火を噴きますよ。+されたのも俊敏ですけどね。

 精神値ィ!

 

 

 

 

 おはようございまーす! 朝でーす!

 今日もレベルアップはしませんでしたが、昨日特に何もしなかったのでしょうがないっすね。

 るーちゃんの好感度を最大まで上げれば信頼イベが起こりレベルアップもできますし、せーちゃんもいるので予定より余裕を持ってモール最終日を迎えられそうです。

 

 

「……」

「……」

「……」

「……」

「わぅーん……」

 

 ……いや、暗くないですか? けーちゃんがめっちゃ暗い顔してるんですけどぉ!!!

 なんなんだこのイベントは……わからん、まったくわからん!

 さっきからけーちゃんがちらちら見てくるのですが、優衣ちゃんが視線を向けると露骨に逸らします。絶対何かあるよこれ!

 

 タイム的にはあれですが、今夜は「起きてる」を選択して様子を見てみますかね……? 一体何が起こってるんでしょうかね。

 

 本日やる事。

 食料調達。以上!

 

 さっさと日数を進めてめぐねえに救出に来てもらいましょう。みんなを率いてこっちから学校に突撃すれば数日分短縮できますが、「あめのひ」にかち合って事故ることが多いので1週間過ぎて救出が来るまで地道にやっていきます。覚醒めぐねえ率いる学園生活部なら「あめのひ」を誰一人欠けることなく切り抜けてくれますからね。

 なお2回目の「あめのひ」は……AIの機嫌と時の運次第ですね。運に頼らなければならないとは……いやだいやだリセットはいやだ!

 

 操作可能になってすぐけーちゃんが近づいてきました。

 

「ゆい先輩、昨日の夜……私のこと見てた?」

 

 なんで見る必要があるんですか(素)。

 よくわかんないけど頷いておきましょう。うんうん見てた見てた、夢の中で?

 

「やっぱりそうなんだ……夢じゃなかったんだ……」

 

 うんうん。

 え、終わり? 他に何かないんですか?

 

「……」

 

 うっそだろお前w けーちゃんなんにも言ってくれなくなりました。これはもう今夜確認してみるしかないですね。

 念のためせーちゃんからゴム銃を借りて、と。それじゃみーくん、食料調達に行ってきます。

 

「……、……。行ってらっしゃい」

 

 その間はなんだよ! みーくんディフェンスすらなしで外に出ました。

 倍速倍速。何か起こった時用に「彼ら」を狩ってレベルアップを図っております。

 そういえば大目標と小目標ですが、しばらくチャプターは変わらず外の事関連になってます。フラグ踏んでないのでずっとこのまま。時間経過で切り替わるので放置でいいです。とはいえ、小目標に導いてもらえないのはちょっと困りますよね。自由シナリオの弊害なのかな。

 

 ゴム銃で怯ませた「彼ら」の後ろに回って膝裏を蹴ってバランスを崩し、転倒してくるその首裏に膝を叩き込んで頃す優衣ちゃん。明らかに動きが素人ではない……。これで周りからの評価は「運動が苦手などんくさい子」なの笑っちゃいますね。  

 

 食料も調達したのでちゃちゃっと戻りましょう。というところで等速に戻りました。

 あれ……籠城部屋がレッドゾーンになってる……?

 

 ここ、腐った食べ物を手に入れちゃったので捨てようとしたところ、マップに目がいったんですよね。

 安全な部屋はグリーンで表示され、危険な場所はレッド、未探索は無色、探索済みは薄い水色で示される仕様なのですが……。

 

 籠城部屋は絶対的な安全圏です。生存者に襲われ、攫われてもぬけの殻となったとしてもグリーンのまま。

 だから今まさに襲われているのかもしれないですね。うーん、生存者なんて7日目に近づくにつれて次々に「彼ら」に変貌していき全滅しているはずなんですが……ここでもまた悪い乱数を引いてしまったようです。

 

 というわけで籠城部屋へ急ぎ帰還しましょう。襲撃者の人数はこちらの生存者数に関わらず2~3人くらいですが、武装している事が多いので厄介です。大抵は向こうの要求する食料や水、衣服を渡せば開放してもらえます。いわゆるお使いイベを強要してくる害悪マン達ですね。札害せねば!(使命感)

 

 籠城部屋前につきました。

 ん? ローディング……?

 

 なんかイベント入りました。

 ドアノブに手をかけた優衣ちゃんは、それを回そうとして何かに気付き、扉に体を預けて耳を澄ませます。

 そこに何を感じたのか表情を険しくすると、ゴム銃を構えてゆっくりと扉を開きました。

 

 隙間から覗く部屋の中はやたらと薄暗く、人の気配がありません。

 もう少し開いてみて左右を見回しても、誰もいない。これはいったい……?

 

 警戒しながら部屋の中へ入る優衣ちゃんの、その両脇。身を潜めていた影がバッと飛び出してきました。

 

「っ!!」

 

 ポポン、と弾けるクラッカー。

 

「ハッピーバースデー! お誕生日おめでとう!」

 

 飛び出す色とりどりの紙吹雪に目を丸くする優衣ちゃんに、ランプを手にしたけーちゃんが声をかけてきます。

 ………………。

 あっ、これかあ!

 

 やや明るくなった部屋にわらわら出てくる面々は、誰かに襲撃されたとかそんな様子は欠片もないですね。

 どうやら起こっていたのは誕生日イベだったみたいです。

 プレイ中、最初の質問とは別にゲーム本体に設定した誕生日になるとこうしてキャラがお祝いしてくれるんですよね~。なけなしの材料で作ったケーキとお菓子やジュースでもてなしてくれます。るーちゃんとせーちゃんが折り紙の冠をくれるようなので屈んでかぶせて貰いました。優衣ちゃんすっごく照れてます。

 精神値等に影響はないですが、これはファンには嬉しいイベントですね!

 

 ……RTA的にはとんでもないロスですがね!(ガバ)

 

 本走中にこんなイベント起こしてるとかマ? あほすぎちゃう?

 ちなみにスキップ不可です。あーあ。あーあ。

 

「~♪」

「~~♬」

 

 バースデーソングを歌ってくれる美紀圭に踊ってくれるるーちゃんせーちゃんと太郎丸。

 心は癒されますがおタイムは完全に死にました。

 

 ……、……。

 いや、まだですね。まだリカバリーは利きます!

 というのも、何度か説明した通り学園生活部が「えんそく」に来るのはパンデミック発生より1週間後、ランダムな日数経過なんです。

 これの最速を引ければタイムはプラスになるので続行します!

 

 といったところで本日はここまで。ご視聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 あの時。

 私は私の意思で、ヒーローとなったのだ。

 

 

 

 

「オレが思うに……あんた、ヒーローには向いてないんでないかね?」

 

 刈り込んだ黒髪に、黒い肌に、サングラス。

 筋骨隆々の巨漢が私を見下ろしてそう言った。

 

 傷つき膝をつく私には返す言葉が無かった。向いてないというのは、私が一番よくわかっていたからだ。

 

 生来体が弱く、意志薄弱にして戦う力を持たない私であった。

 だが……だが、だ。今は、違う。

 

「ほう? どう違うのか、是非とも教えて欲しいもんだねぇ」

 

 ……!

 なんという威圧感! 外見は静かなままだというのに、その荒れ狂う内面が垣間見えて体が勝手に震えてきてしまう……!!

 

 いや、いい。震えたままでいいのだ。

 こんな私でも、ヒーローだと思ってくれる人がいる。

 そんな善き人たちのために私は立ち上がったのだ。

 

 そして今は……私自身、ヒーローでありたいと、強く思っている。

 だから……挫ける事も、負ける事も許されぬのだ!!

 

「甘い……甘い甘い! 意気込みは立派だが、それで勝てると思っているのか?」

 

 当然だとも。

 あいにく私には……意気込み(それ)しかないのだからね!

 

「……フッ。いい目だ……いいねぇ。……じゃあ、やろうか」

 

 

 

 

「それで、どうなったの?」

 

 向かいの席に座るりーさんが、グーマちゃんを抱いてにこにこしながら続きを促すので、わたしはめいっぱい手を広げて盛り上げるのを意識しつつ続けた。

 

「もちろん、ダリオマンの勝ち!」

 

 どうしようもなく追い詰められて、だけどやっぱりダリオマンは勝って……でもねでもね、内臓殺すマンも本当は悪い奴じゃなくて、ダリオマンがもっと強くなれるようにあえて悪い奴を演じていて……!

 

「ふふっ、そうなのね」

「うん!」

 

 わたしの話を楽しそうに聞いてくれるりーさんに、わたしも嬉しくなってきて勢いよく頷いた。勢いよすぎて帽子がずるっと取れかけちゃうくらい。

 あらあらって直してくれるりーさんは……だいぶん、落ち着いてきたみたい。

 

 今日、わたしたちは学校へ行った。

 りーさんの妹が通っていた小学校。

 でも、そこには……"るーちゃん"は、いなかった。

 

 生活の跡はあった。ほんの少し前まではそこで過ごしていたんだろうなって感じさせる、お菓子の空き袋とか、空のペットボトルとか、お布団代わりのコートとか……。

 けど、もう校内には「彼ら」しかいなかった。

 

 そんなはずない、絶対生きてる、きっとどこかに隠れてる……取り乱したりーさんのために、わたし達は学校中を探し回って……。

 でも、やっぱりいなくて。

 

 めぐねえが言うには、もしかしたら救助が来て、別の避難所に移ったのかもしれないって。

 でも、わたしは聞いてしまった。くるみちゃんとたかえちゃんが「争った形跡がある」って話してたのを。

 

 ほんとは、そういうことを包み隠さずりーさんに話すべきなのかもしれないけど……ずっとずっと泣き止まないりーさんに言い出せなくて……。結局、誤魔化すみたいにたくさん話して、落ち着いてもらうしかできなかった。

 

「由紀ちゃんのお話は面白いわね。もっと聞かせて?」

「うん!」

 

 見つからなかった妹さんの代わりみたいに、めぐねえの熊の人形を抱いているりーさんは、見た目だけは穏やかだった。でもきっと、その内側に激しい怒りを隠していた内臓殺すマンみたいに、りーさんも悲しい気持ちを隠しているんだと思う。

 

 めぐねえも、それをわかっているみたいだった。

 だからわたし達と「よく話し合いましょう」って言ってくれたけど……りーさんは、まだそういう気分にはなれないみたい。嫌だって言って、私の手を引いて教室に逃げて来た。

 それで、こうしてお話をしてるんだけど……。

 

 ……めぐねえ、疲れてるみたいだった。

 ううん、めぐねえだけじゃない。みんな、そうだった。

 生きているんだって信じていた子がいなくて、助けられたんだなんて嘘だってわかってて。

 ちひろって子だって……めぐねえ、はやく助けに行きたいだろうに、「それは言わない約束よ」って、「とても心配で、不安だけどね……今目の前にいるのはあなたたちなの。放ってはおけません」って。

 

 でも……。

 

 ううん、だめだめ! 暗いことばっかり考えてたら気が滅入っちゃう!

 辛い時こそ笑顔でいなくちゃ。せめてわたしくらいは、笑顔でいなくちゃ。

 

「由紀ちゃん」

 

 りーさんが、お話をせがむ。

 ……だから今は、たくさん楽しい話をして、いっぱい楽しんでもらおう。

 

 

 

 

「みんな疲れてる、ねぇ……」

「うん。だから、なにかできないかなって」

 

 静かな廊下で、わたしはたかえちゃんに相談してみることにした。

 たかえちゃんも辛い目にあったみたいだけど、わたし達の中では、きっと一番大丈夫だから。

 

「由紀は偉いなあ。私なんて自分の事で手一杯だよ」

「そうかな……たかえちゃん、みんなの相談役になってるでしょ? すっごく助かってると思うよ」

 

 そんなことないーって否定するけど、たかえちゃんが頑張ってるの、知ってるよ。

 だからわたしも相談したんだ。みんなが明るく笑えるような何か、ないかなって。

 

「そうは言ってもな……正直りーさん……あの人はどうしようもないし、恵飛須沢さんだってかなり余裕なさそうだし」

「そこをなんとか! このままじゃ、ずっとこんな感じになっちゃいそうで……いやだよ」

「うーん……」

 

 二人で頭をつっつきあわせて、何かないかを考える。

 考えて……考えて……頭から煙が出てきそうなくらいに、やっとこ思い浮かんだ。

 

「そうだ、パーティしよう!」

「はぁ? こんな時にか?」

「こんな時だからこそ! だよ!」

 

 みんな不安を抱えてて、疲れてて、辛くて。

 でもきっとそんなのは、美味しいものをたくさん食べて、みんなでわいわい盛り上がれば吹っ飛ぶはずだよ!

 それにそれに、今日の休息は明日の充実! それがじゅーよーなんだよ!

 

「……たしかに、そうかもね」

 

 でしょ!

 じゃあさっそく、めぐねえに提案に──。

 

「待て待て、由紀一人だと心配だし、あたしも行くよ」

 

 そう? たかえちゃんがいれば百人力だね。

 それじゃあ今度こそ、めぐねえのところにしゅっぱーつ!

 

 

 わたし達の提案は、受け入れられた。

 今ある食料を放出しちゃいましょうってめぐねえも言ってくれて、夕ご飯はとっても豪華になった!

 けど、その代わりに食べられるものがほとんどなくなっちゃったから、調達に行かなくちゃならないんだって。

 

「だからね、モールに行きましょう。そこになら、きっとたくさんの食べ物があるはずよ」

 

 めぐねえのその提案に、反対する人はいなかった。

 今日みたいに班分けして、めぐねえの車で行くことが決まった。

 

 わたしとりーさんはお留守番かな……?

 居残り組にもやることはあるぞーってたかえちゃんが言った。たかえちゃんもその居残り組?

 ……そうみたい。

 

 たくさん作ったバリケードの点検や、見回りとか、ご飯の管理。うん、やることはいっぱいある。どれも大切なことだ。もしかしたら、「彼ら」と戦うことになるかもしれない。その時は、わたしも覚悟を決めなくちゃ。

 めぐねえやくるみちゃんに守られてばっかりじゃだめだもんね。……わかってる。今こそ私もヒーローになる時なんだ、って。

 

「丈槍さん。お留守番、お願いね?」

「ラジャー!」

 

 明日のことを考えてか、めぐねえは緊張しているみたいだったけど、おんなじくらい元気になっているみたいだった。

 ちひろさんが見つかれば、もっと明るくなるだろう。そうしたらりーさんだって。

 

 大丈夫。なんとかなる。

 胸の内側と、お腹の奥にぐっと伸しかかる嫌な感じから目を逸らして、前だけを見つめる。

 大丈夫……めぐねえが作ってくれた、わたし達「学園生活部」なら……なんだって上手くいく!

 

 明日も頑張るぞー! おー!

 ……って意気込んでみたけど、頑張るのはめぐねえ達だよね。

 ただしくは、頑張れー! だったかな。

 

 応援すると、遠征組のめぐねえとくるみちゃんは少し恥ずかしそうにして照れていた。

 その空気にあてられてか、りーさんも元気そう。良かった……。

 

 こんな雰囲気がずっと続けばいいのにな。もっともっと、良くなりますように。

 何度も考えると、本当にそうなる気がしたから、寝袋に潜り込んだ後もずっとお願いを繰り返した。

 

 

 

 けれど、翌日はあいにくの雨の日だった。

 




TIPS
・あめのひ
雨宿りに来るたくさんの「彼ら」からの防衛戦
ゲーム中2回起こり、高難易度では苦戦は免れない
1回目の「あめのひ」では大抵めぐねえが亡くなる

・精神値
モール組
・千翼優衣
43/100

・祠堂圭
36/100

・直樹美紀
49/100

・若狭瑠璃
41/100

・月日星夜
41/100

学校組
・丈槍由紀
31/100

・恵飛須沢胡桃
55/120

・柚村貴依
59/100

・佐倉慈
46/130

・若狭悠里
31/80
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