「我が名はウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツゥ!」「はいはいオダブツオダブツ」「勝手に省略することは許さん!」 作:世嗣
「自分の闇ってのはな、力づくで消そうとしちゃいけねぇんだ。
逆に抱きしめて……電球みたいに自分自身が光る。
そうすりゃあぐるっと360度、どこから見ても、闇は生まれねぇ」
(ウルトラマンオーブ)
轟音に、満身創痍の須美が目を覚ました。
「う、ぅ……」
身体は雷に焼かれたせいか、痺れたように上手く動かない。
「あれは……」
須美が目を上げて
「私たちを、守ってくれてる……」
光と闇。
禍々しい闇を纏うのはバルタンの方なのに、何故だか須美はそれを疑わなかった。
「──ッ!」
「シェアッ!」
手刀と鋏が弾け、あたりの空気が吹き飛んだ。
翼はそのまま腕の延長をするように付いている剣をウルトラマンへと振り下ろすが、その大雑把すぎる振りが当たるわけがなく、簡単にいなされて逆にカウンターを当てられてしまう。
「ぐぅっ! 当たらねえか……!」
『ええい、剣の使い方ヘタクソか!』
「こちとら剣なんて生まれてこの方使ったことねえんだよ!」
『この失格ウルトラマン!』
「ウルトラマンは敵だ馬鹿!」
踝まで海に浸かったまま、翼は吹き飛びそうになる足を必死に踏ん張って、左のハサミではない方の拳で殴りかかる。
だがウルトラマンはそれを僅かにしゃがむことで掻い潜り、バルタンの懐に潜り込む。
がしりとバルタンの腰が掴まれた。
「なんだこいつ、離せ……!」
『急いで抜け出せ!』
「そう簡単には──」
チェレーザが忠告の声をあげた。
だが、ウルトラマンはそんなもの知ったことかとばかりに担ぎ上げるようにして、バルタンを沖合まで全力で投げ飛ばした。
「──ぐぁぁっ!」
海面に叩きつけられたバルタンが痛みに呻き、同時にその巨体に海の水が飛沫をあげた。
背中を強く打ち付けて一瞬息ができなくなるような錯覚を覚えた翼が、思わず口を押さえるように剣鋏の右腕を持ち上げた。
瞬間、視界に喉に喰らいつかんとする八つ裂き光輪が偶然剣にぶち当たった。
「──っ」
光輪は動きを止めず、ガリガリと剣を噛むように回転を続け止まる様子はない。
『両手でガードだっ!』
チェレーザの声に翼が思わず従い、剣に左手を添えて、半ば力押しで、かろうじて弾くように押し返した。
吹き飛んだ光輪はそのままバルタンの背後の海に着弾し、一瞬周辺の海を真っ二つに切り裂き、海底までのどでかい亀裂を作り出した。
アレが喉に当たっていたらと思うと背筋が凍る。
翼はひとまず立ち上がり距離を取ろうとする。
だが、『ウルトラマン』はそんな暇など与えてくれない。
「な、はや──」
「ヘェアッ!」
ウルトラマンが神速の踏み込みとともに、鋭い手刀でバルタンの無防備な脇腹を狙う。
翼は無我夢中で両手でその攻撃を受け止めると、今度は視界の外から強烈な膝撃ちがバルタンのアーマーに覆われた腿を強かに打ち付けた。
がくりと僅かに膝が落ち、顔の位置が下がると、そこに正確無比な拳打。
たまらず翼は腕を顔の前に固めて亀のように閉じこもる。
だが、ウルトラマンはそれすら意に介さず、するりと掌をガードの間に潜り込ませると、亀の甲羅を引き剥がした。
(攻撃が、いや防御でさえ通用しない!?)
不定形の黒いモヤであったときの身体スペックの差は、バルタン星人となることでほとんど埋まった。
けれど、『クレナイ・タスク』と『光の巨人』では培った技術にあまりにも差がありすぎる。
『もっと本気でやらなければ死んでしまうぞ少年!』
「もうとっくに、こっちは全力で、限界でやってんだよ!」
『これだから最近の若モンは!』
剥がされたガードの隙間を縫うようにウルトラマンの手刀が叩き込まれる。
走る鈍い痛みに必死に耐えながら、バルタンは腕を振り回して、必死に相手に喰らい付いていく。
そんな中、チェレーザはやたら滅多にデカいため息を溢す。
『はー、やれやれ仕方ない。少年、私に体の主導権を渡したまえ』
「は?」
『
「……お前戦えんの?」
『失礼な。幼馴染みのヒモやってた誰かさんと違って私はウルトラマンになる修練を積んでいたんだ。戦いで引けを取ると思うなよぅ!』
「でも、お前に身体を渡すのは」
翼が「って、いまお前オレのことヒモって言った?」と言いかけたが、そんな無駄な思考はウルトラマンの幾度目かの拳打と共に吹き飛んだ。
それを追撃するように、無数の鏃のような光弾ががバルタンを襲う。
『早く私に体を……ああ、くそまた! 少年横に転がれ!』
チェレーザがなかなか主導権を渡そうとしない翼に苛立ちつつも、指示を飛ばす。
だがバルタンは、自分に迫る光弾よりも、背後で庇い続けている少女たちを見た。
「ーーー」
逡巡は一瞬。バルタンはそのままの位置で光弾を受け止めることを選択した。
そして次の瞬間、無数の光弾が無慈悲にバルタンへと突き刺さる。
体を覆う強固な鎧が一部砕けて、その表皮の奥まで光の鏃が突き刺さり、バルタン特有の響くような声を苦悶と共に漏らす。
バルタンが、海の中に膝をついた。
「なんだよ、これ、身体が焼けるみたいに……」
『ええい、だから避けろと言ったのだ! この身体がバルタンである以上ウルトラマンの『スペシウム』とは相性が最悪だぞ!』
「スペ、シウム……?」
ウルトラマンの撃つ必殺光線『スペシウム光線』。
この地球においては知られていないが、それは火星に存在する莫大なエネルギーを秘めた『光の原子』である。
だいたいのウルトラマンはこの光の力を巻き込み自身の力へと変えることができる。
だが、バルタン星人は違う。
バルタン星人は種族としてこの『スペシウム』の成分にデフォルトで弱い。
故に、まるで牽制のような光弾でさえ、身を焦がす毒となり、バルタンの体力を大きく削る。
「なるほどな……ほのおタイプのオレにはみずタイプの攻撃はなんでも効果抜群ってことか」
『やたらと可愛い例えをするな! 気が抜ける!』
膝をついたバルタンへ駄目押しの八つ裂き光輪。
背後に勇者を庇うバルタンがそれを避けられるはずもない。
先ほどのように右腕の剣で受け止めて弾こうとするが、先ほどのスペシウムのダメージが抜け切れておらず身体に力が入らない。
『負けて、たまるかっ!』
それでも、翼は背後に流れ弾がいかないよう、光輪の圧力に腕が弾かれそうになりながらも、必死に耐える。耐える。耐え続ける。
その先に、勇者たちの助かる未来があると信じて。
だが、そんな甘い考えを打ち砕くように、ウルトラマンは『スペシウム光線』のチャージを始めた。
勝てない。
クレナイ・タスクでは、今の状況をもうどうにもできない。
けれど、迷う。あの心の中の、一度は自分を乗っ取ろうとした存在に完全に身体の主導権を預けていいのか。
今の翼はちっぽけな地球人の体ではない。全長50メートル以上の、人類の脅威ともなりうる『剣の魔人』なのだ。
その身体を、チェレーザに渡してもいいのか。
『少年! 早くしろ!』
悩み、悩んだ末に、タスクが叫ぶ。
「っ、わかった! チェレーザ、アイツを倒してくれ!」
『ふ、そうこなくてはな!』
かちり、と表と裏が切り替わる。
瞬間、今までバルタンらしい黄色の目をしていたバルタンの瞳が真っ赤に染まり、まるで受け流すように八つ裂き光輪を吹き飛ばした。
八つ裂き光輪はそのまま背後に飛んでいき、公園を大きくえぐりながら消えていく。
「ようやく、ようやく、私の出番だな」
バルタンは左の五指を軽く握りしめると、自身へむけてスペシウム光線のチャージを続ける巨人を見据えた。
『おいチェレーザ、街が──』
翼が何かを言うよりも早く、ウルトラマンのスペシウム光線が発射され、一瞬でバルタンへと殺到。夜を明るく染め上げながら、バルタンへと突き刺さり爆発を起こした。
白煙の向こうで、ウルトラマンがゆっくりと構えを解いた。
だが、白煙の中のバルタンの姿が突如消失する。
「
いつの間にかウルトラマンの背後に現れたバルタンが、その彼ら特有の低く響く声で笑うと右腕の剣鋏を振るった。
一閃。
翼のものとは比べ物にはならない鮮やかな剣技が、光の巨人へと明確なダメージを与えた。
僅かに声を漏らしたウルトラマンは僅かに距離を取りながら牽制の光の鏃を連射する。
「
だが、チェレーザはその尽くを剣で払い、時にはひらりとかわして、無傷で乗り切って見せる。
それどころか残像を作りながら一歩踏み出し、剣鋏で海を巻き込むように切り上げながら、ウルトラマンへと更なる斬撃を叩き込まんとする。
翼には引き出せなかったバルタン由来の分身能力。経験が見える迷いのない太刀筋。ウルトラマンと渡り合えるだけの身のこなし。
その全てを駆使して、チェレーザはウルトラマンと互角に渡り合っていた。
間違いなくチェレーザが操るバルタンは翼よりも遥かに強い。
けれど。
「──ヘェアッ!」
ウルトラマンの光弾が再び飛ぶ。
「
けれどバルタンはまるでため息をつくかのように肩を落とすと、無駄に大仰な振りで剣を振るうと飛来していた光の一つを打ち砕いた。
そして、砕けた光の流れ弾は当然のように背後にある街の方へと飛んでいき、その中の一つがまだ傷つき動けない勇者を襲う。
「──っ、危ない!」
「きゃあっ!」
銀が斧を振るってかろうじて光を弾いた。巨大な双斧はそれだけで盾のようにも扱える。けれど、その代償に戦斧を持つ銀の腕が軋み傷が開き血が吹き出した。
地面が弾け、勇者たちが地面を転がっていく。
運良く命中はしなかったものの、既に怪我をしているのを考えれば今の彼女たちには、ほんの少しの衝撃ですら大きな痛みを与えるだろう。
だが、チェレーザはそんな事知ったことかとばかりに光の巨人へと組みつき、鋏と手刀とを切り結ぶ。
『チェレーザ! 鷲尾さんが! それに街の方も……』
「ああん?」
『剣でちゃんと斬って落としてくれ! じゃないと被害が広がる一方だ!』
「えー、ウルトラマンが戦うときは、このくらいの被害はつきものだぞう?」
『だからウルトラマンはオレたちの敵だろッ!』
チェレーザは強い。翼とは比べるまでもない。
だが、『守る』気が全くない。
自分だけが傷つかなければそれでいい。街も、背中にいる人間がどうなろうと、チェレーザはどうでもいい。
今彼にとって大事なのは、『ウルトラマン』に勝ち、己の力を証明することだけだ。
それは、倒すといった癖にやたらと人や街を庇おうとするあまり中途半端に攻勢に移れない翼とはどこか対照的だった。
(オレは、こいつに、この身体を任せていいのか……?)
今まで敵を倒す、という一点で僅かな協調を見せていた二人の心が揺らいだ。
揺らぎはそのままバルタンへと伝わり、今まで互角に渡り合っていたウルトラマンへと、僅かな隙を晒した。
そこを狙いすましたようにウルトラマンの前蹴りがバルタンとの距離を大きく引き離した。
チェレーザの操るバルタンは強い。
ウルトラマンにこのままでは押し切れないかもしれない、とそう思わせるほどに、その実力は拮抗していた。
故に、光の巨人は一つの選択をした。
ばちり、とウルトラマンの身体に
チェレーザが戸惑うように「電気……?」と心の中で首を傾げ、翼もまた同じように戸惑いの感情を抱いた。
けれど、その感情は視界を同じくしているはずなのに、同じものを見たからではなかった。
『なんだ、今の』
チェレーザに訊ねようとしたのも束の間、現れたビジョンが渦巻く螺旋とともに溶けるようにウルトラマンの姿と重なる。
《 ウルトランス! エレキングテール! 》
ウルトラマンの右腕がまるでビジョンの怪獣の尻尾のように変わる。
「海から逃げてっ!」
園子からの声が飛ぶ。
そして、チェレーザが全てを理解して急いで海から離れようとするが、もう遅い。
右腕が勢いよく海面に振り下ろされ、海面を通して一瞬で怪獣『エレキング』由来の50万Vの電撃が走る。
勇者たちを一撃で昏倒させた、古き日本では神の権能とされていた破滅の雷。
そしてそれは──同じく海をフィールドにして戦っていたバルタンへと殺到した。
『──あ、がああああああああっ!』
それは一瞬のことだった。
まるで光が閃くように、エレキングの雷は海を走りバルタンを襲い、そのあまりの威力にチェレーザと翼、二人の意識を同時に刈り取った。
焼け焦げたバルタンの身体が膝をつき、倒れ伏す。
「ーーーーー」
だが、その直前に右腕の剣が地面に刺さりその身体が完全に倒れるのを支え、留めた。
それは、こんなやつに負けてたまるかというチェレーザの意地か、まだ倒れてはいけないという翼の決意か、はたまた偶然か。
それと同時に、ウルトラマンの
まるで何かの警告を示すかのような赤い光をよそに、ウルトラマンが十字を組んだ。
スペシウム光線。
バルタンが忌み嫌い、その生命を脅かす必殺の一撃となるもの。
意識を失ったバルタンに防ぐ術はない。
クレナイ・タスクの想いも、チェレーザの奮闘も何も意味を成さないまま、終わることになる。
ウルトラマンの腕の中に光のエネルギーが集まっていく。
彼は幾たびか自分の必殺の光線が防がれたことを見て、絶殺の意思を込めて、抜き打ちではなくこれで全てを終わらせるためのスペシウムのチャージを始めた。
発射されるまで、あと五秒。
「あの、怪獣……」
その姿を傷つきながらも見上げる少女が一人。
「このままじゃ、死んじゃう」
鷲尾須美。神に選ばれた巫女であり勇者。
白菊の衣装を纏う青の弓を使う少女。
彼女は、他の二人とともに先ほどのウルトラマンとバルタンとの攻撃の余波で少し離れた砂浜の方まで吹き飛んでいた。
ウルトラマンは彼女たちに興味を失ってしまったようで、その視線が彼女たちへ向くことは先ほどから一度もない。
けれど、彼女の何かが、あの怪獣を放っておいては駄目だと訴えかけていた。
須美が無意識に駆け出す。
「須美!?」
銀が須美を呼び止める。だが、須美は止まらない。
「わっしーどこ行くの!」
園子が重ねて言葉を投げかけ、須美の後ろへ続いた。
「あの怪獣を……あの人の所よ!」
「あの人……あのハサミのやつか?!」
「……ええ!」
「さっきアタシたちが吹っ飛ばされたのはあいつのせいなんだぞ! 忘れたのか?!」
銀が遠回しに「あいつに助ける価値なんてない」と言う。
それはバルタンが彼女たちを気にせず戦ったために、あと少しで更なる傷を負っていたことを忘れていないから。
同じようなことが再びあって、須美や園子が傷つくと考えているから。
光線が撃たれるまで、あと三秒。
園子の深い色の瞳が須美をじっと見つめる。
いつも掴みどころがなくて、何を考えているかわからない彼女だが、今瞳に宿るものは真剣そのもの。
須美が言葉に詰まった。
「私、は」
朧げな意識の中で見た背中。
あの闇纏う剣の魔人は、当然のように須美を守ってくれた。
その後にはまるで彼女たちのことを忘れてしまったかのように庇うのをやめてしまった。
でも、それでもあの魔人に悪感情を抱けなかった。
だって、鷲尾須美は。
「それでも、あの人を信じたい!
だって……あの怪獣が私たちを守ってくれたことだけは、嘘じゃないから!」
剣の魔人の終焉まで、あと一秒。
走っていた須美の体ががくりと崩れる。積み重なった疲労と負傷では、もうこれ以上動くことはできなかった。
それでも須美は足掻くように矢を番え、光の巨人へと撃ち放つ。
夜を切り裂く青の残光は巨人の肩へとあたり炸裂。けれども、依然としてウルトラマンに大きな傷はなく、光線の収束を揺らがせてほんの僅かな時間を作ることしかできない。
その時間、約一秒。
瞬き一回分。息を吐いて吸う刹那。無限の中に消えていくその狭間。
でも、その一秒を乃木園子は無駄にしなかった。
「園子!?」
彼女は膝のバネだけを使い跳ねるようにして加速、バルタンにスペシウム光線が突き刺さる寸前、その身を二つの巨体の間に躍らせた。
そして、彼女は盾を構えると盾の表面に沿って
受け止め切れるはずのない熱量に盾が融解し、光のかけらが園子の装束を撫でて赤い花にて彩った。
まさに絶技。今まで見ていたスペシウム光線の特性と射角を調整して、足場のない空中で、受け止めるのではなくて逸らして流す。おそらく過去にも未来にもこれだけの技術がこなせる勇者は彼女以外にはいないだろう。
破壊の光線がバルタンをかすめながら空の月へと飛んでいき、神樹の作る四国結界に巨大な孔を穿つが、あっという間に塞がれ元に戻って行った。
銀が助ける必要がないと言った『あの怪獣』。
須美が信じたいと言った『あの人』。
園子はどちらの言い分もなんとなくわかった。
銀はあの怪獣は園子や須美に危険があると思ったからそう言って、須美は助けてくれたことを信じたかったからそう言った。
ただ、なんとなくバルタンの方に悪い感情は抱けなかった。なんとなく優しそうな雰囲気がした。だから、乃木園子は動いた。
結果、須美の生み出した消えていくはずだった一秒を、乃木園子は値千金の一秒へと変える。
残されたのは膝をつき気を失ったままのバルタン、空中で半壊の槍を片手にした園子。
「えへへ〜、上手くいってよかった……いててっ」
高さ約20mほどまで飛び上がっていた園子は無防備に海の方へと落ちていく。
「銀、そのっちを!」
「ああ! 園子今そっちに行くぞ!」
銀が腕を庇いながら園子の元へ向かおうとしたとき、目の前で青白い電光が弾けて散って、銀のゆく手を阻んだ。
それだけではない、一部の雷が動けない須美の方へと向かった。
迷ったのは、一瞬。
「っ、くそ、須美危ねえ!」
銀が燃える斧で雷を防いで園子の方に目をやった。
「銀、身体が!」
「いーって、気にすんな! それより園子の方を──」
その時、ウルトラマンの身体がぼこり、と不気味に蠢いた。
《 ウルトランス! HYPEREREKING TALE! 》
力の質が、変わる。
ウルトラマンの身体に眩いだけの光が集まり、先ほどまで怪獣の鞭となっていた腕を起点に禍々しいまでの破壊の稲妻を身体に宿した。
「ーーー」
園子は瞬時に自由に動く槍の穂先を使って自分の身体を雷の射程範囲外まで弾こうとする。
「◼️◼️◼️◼️ッ!」
だが、それをさせぬとばかりに雷を纏うウルトラマンが吠えるように光弾を飛ばして園子の槍を撃った。普段ならば離すはずもない園子も、スペシウム光線という紛れもない必殺の光線を受け止めた時の負荷から思わず取り落としてしまう。
「これは、ちょっとまずいかも〜」
この場を凌ぐためのいくつかの方法を園子は思索する。
けれど、出てくる答えは何もなく、彼女は羽をもがれた鳥のように無様に落ちていくしかない。
ウルトラマンの身体の雷電が弾ける。
「ーーーっ」
園子は思わず目を瞑り身を屈めた。雷が当たる可能性を低くする、あまりにも虚しいせめてもの抵抗。
「園子!」
銀が斧の片方を投げた。斧は弾丸のように飛んでいくがウルトラマンの攻撃を邪魔するにはあまりにも遅い。
そして、須美はただ動けぬ身体のままで、叫んだ。
ただ無意識に、いつものように、まるでよく親しんだ誰かに頼むように。
「お願いっ! そのっちを助けてぇぇぇぇっ!」
バルタンの目が、光を宿した。
『──みもり、ちゃん』
気絶していたはずの翼の意識が、まるで声に応えるようにこちら側に帰って来る。
彼はおぼろげな意識のままで、頼まれた通りに、彼のそうするべきだと思う通り身体を動かした。
膝をついていたバルタンが、空中の無防備に目を瞑る園子を鋏ではない左手で包むこむように胸にかき抱いた。
意識は半ばまだ飛んでいる。けれども彼の身体は守ることを選んだ。
海を伝い雷がバルタンを打ち、その身体を焼き焦がす。けれど、彼は園子を離すことなく、ただ守る。胸に抱いて、破壊の際に用いる光線のエネルギーで包み込むようにして手の中に雷を通さなかった。
『が、ああああああああ、ああっ!』
バルタンの装甲が砕けていく。その青黒い身体は煤をかぶったように見窄らしく変わっていき、関節の節々からは血のような闇が滲んでいた。
バルタンを構成するものは闇だ。
それは人を照らすものではなく、深みに誘う恐ろしきものだ。
光か闇で言えば、人が安心するものは光のはずだ。
(なんか…………あったかい)
触れる手は冷たい金属で刺々しい。
バルタンの体温など感じられるはずがないのに、園子には彼の温かさが伝わってきていた。
「◼️◼️◼️◼️ーーー」
そのタイミングでウルトラマンに銀の斧が刺さり、バルタンへの雷の放出が止まる。
だが、腕を覆う雷は留まることがなくまるで侵食するように刻一刻と強くなっている。
「あいつ、園子を……」
「やっぱり私たちのことを助けてくれた」
バルタンが手を開いて園子を少し離れたところに下ろす。
「守ってくれたの?」
バルタンは何も言わない。
彼は怪獣、人に伝える言葉は持たない故に。
ただ、代わりに彼らの声帯にしか表せない言葉で吠えてウルトラマンへと突っ込んでいく。
巨人と魔人がぶつかり合う。
巨人は依然として圧倒的なまでの光を纏い、赤いタイマーが光っている以外は二分前にやってきた時とほとんど変わらない。
けれど対する魔人は、満身創痍でもう傷ついていないところを探す方が難しい。
翼がバルタンの身体を動かしなんとか致命傷を避けて立ち回るが、チェレーザほどのセンスがない彼では限界は見えている。
《 ウルトランス! HYPEREREKING TALE! 》
三度、ウルトラマンの身体に電撃が走る。
もう今度は耐えられない。今まで身体を守っていた装甲は半ば砕け、度重なるスペシウムのダメージに限界寸前で避ける余裕もない。
きっと、誰も何もしなければ彼はこのまま死ぬ。
でも、それを見過ごせない勇者たちがいた。
人を守るように、その怪獣を助けようとするような少女たちが。
一人はその手の温かさから。
一人は友を助けてくれたその姿から。
一人は胸から出づる信じたいという気持ちから。
バルタンのために、走り出した。
「ミノさん! わっしー!
「わかった!」
「……ええ!」
園子の声に、銀は迷いなく、須美は一瞬考えて言葉を返す。
エレキング由来の雷の細かなスパークが辺りへと走る中、動けない須美を除く二人がウルトラマンとバルタンを囲むように広がる。
『何を……?』
鷲尾須美が弓を地面に突き刺し、祈るように言葉を紡ぐ。
「あめつちに きゆらかすは さゆらかす」
其は、
人が神へと希う、唯一の言葉。
弾ける光のかけらを掻い潜るように槍の穂先を足場にして海を走る園子が、ウルトラマンの背後で海面に槍を突き刺した。
「かみわがも かみこそは きねきこゆ きゆらかす」
須美の言葉に重ねるように、園子が祝詞を引き継いだ。
すると、須美の弓が突き立てられた場所から園子の槍まで青い光が走る。
すると、須美の青に園子の力が混ざるように紫の色が混じり、光が走る。
銀が細かいスパークを交わしながら大橋の近くまで駆けて、海辺に燃える戦斧を突き立てた。
「みたまがり たまがりししかみは いまぞきませる」
銀の祝詞が形になると、園子の槍から銀の斧まで青と紫の光が走り、その中に銀の赤色を溶かしながら元の須美の元まで帰っていく。
そして、描かれるのは『三点結界』。
バルタンとウルトラマンを囲む、勇者三人を頂点とする光の三角形。
世界が、揺れる。
『なんだ、これ……なんか、力が不安定に』
何かを感じ取ったウルトラマンが腕を半ば怪獣に侵食されながら、その鞭を大きく振りかぶり海へと叩きつけようとする。
バルタンはそれを食らうわけにいかないとばかりに、必死に離れようとするがウルトラマンは巧みに距離を取らせようとしない。
「──シェアッ!」
振り下ろされる電撃の鞭に翼が身を固くする。
けれど、それよりも一拍、須美たちの祝詞を唱え終わるのが早い。
「「「みたまみに きまししかみは いまぞきませるーーー!」」」
三人が心と声を一つに重ね、個々の祈りでしかなかったものを、一つの祝詞として完成させる。
無垢なる少女たちの祈りが神樹へと届き────世界の理が書き換わる。
海でしかなかったものが、色とりどりの木の根に代わり、彼らを三点結界ごと本来のフィールドの
『な、なんだここ!』
これは、何故か樹海化の反応を素通りするウルトラマンへの大赦への対抗策。
勇者三人が結界の要となり、祝詞を起点に神樹へと嘆願、その中の存在を対象ごと樹海への転移を行う────言うなれば『人為的な樹海化警報』。
そして、このフィールドが海でなくなった以上、ウルトラマンは海を使った逃げ場のない
それは、つまりバルタンがウルトラマンの懐に近づけるということ。そして、対人戦であるならば、
けれど、そんな彼女たちにも計算外が一つだけ。
大赦の急ごしらえと、バルタンとウルトラマンという二つの巨大な質量に演算が狂い、二つの巨体が大橋の上空にぽーんと投げ出されてしまう。
その拍子に、バルタンに向けて振るわれようとしていた変質したエレキングの鞭も外れたものの、空を飛べないバルタンではこれ以上どうすることもできない。
「わっわっ、わっしー、怪獣さんも巨人も空に行っちゃったよ〜!」
「そ、そんな、あんな高くなんて、どうしたら」
「ええい、やっぱりぶっつけ本番は無理があったか!」
胸を赤く点滅させるウルトラマンがまるで翼を持つ鳥のように風を切って飛ぶと、ただ落ちることしかできないバルタンと地面の間に滑り込む。
そして、腕を十字に組み『スペシウム光線』のチャージを始める。
(オレじゃ空を飛ぶことはできないでもこのまま落ちたら間違いなくあの光線にやられて死ぬじゃあ何かを飛ばしていやでもオレはチェレーザじゃないからそんなことできない分身は分身ならなんとかでもチェレーザがどうやっていたかなんてオレには分からないでもでもでもでも)
必死に思考を巡らせる。けれど、答えは何も出ることはなく空中で身動きを取れない『紅翼』には何もできない。
けど、彼の中にはもう一人の『彼』がいる。
『むにゃ、ううん、ウルトラマンさん、ティガさん光の力お借りします……』
『ーー! チェレーザ! 起きたのか!』
『ふわーあ。なんだね少年こんなタマヒュンゾーンで。戦闘は終わりジェットコースターでも満喫してるのかね』
『ちげーよ! 今空落ちてんだよ!』
『ええ〜、だってこのバルタンに空飛ぶ力なんて──ゲェェッ?! ここどこ?! 橋?! なんか木の根あるし……おわー! というかウルトラマンが待ち構えてるーーー!』
『御託は後だ! なんか今の状況をなんとかできないか!』
『ハァッ?! いきなり何を』
『できないならいい! オレがなんとかする!』
『ハァ〜〜〜〜〜〜! 出来ますけど〜〜〜ッ?!』
バルタンの目が赤く染まり、主導権がチェレーザに渡される。
『食らえいウルトラマン(初代)! これこそがお前と過去戦ったバルタン星人の想い! その怨念は破壊の嵐となりてお前を襲い』
『いいから早く使えよ!』
『ええい、やかましい奴め! こういうのは前口上が大切なんだよ! 行くぞ必殺!』
翼が体の中のエネルギーが根こそぎ引きずられていくのを感じる。
すると、バルタンの鋏の中に青白い光が収束していく。それはウルトラマンの
それは限界を超えるまで鋏の中に凝縮され、硬い一つの『弾丸』と変わる。
『───白色破壊光弾ッ!』
樹海の中に青光が炸裂し、十字を組むウルトラマンの胸にぶち当たった。
コンクリートの建造物なら粉々に砕け、人間など粉微塵になりきっと死体すらも残らない一撃。怪獣であっても無事で済むかわからない、バルタン星人にとっては最強の技だ。
「──ヘェ、アアアァッ!」
けれど、
効いていないわけではない。
しっかりダメージを食らっているし、スペシウム光線の発動を止める事もできている。
でも、それは光と闇の勝敗の運命を覆せるほどの一撃ではない。
予言は変わらない。
闇の魔人は、光の巨人に負けるしかない。
光は正義で、闇は悪。
負けるべきは闇だと決まっているのは、宇宙の真理だ。
《 ウルトランス! HYPEREREKING TALE! 》
四度目のウルトランス。ダメージを受けながらも生み出された、神の権能たる雷を宿した鞭が堕ちるバルタンを迎え撃つ。
ウルトラマンの鞭がバルタンへと向かう。
(オレじゃあ、勝てないのか)
翼の心に弱気が走りそうになり──それを叱咤するような青い光線が、ウルトラマンの腕に突き刺さり、鞭の軌道を僅かに逸らした。
「ーーーーー」
それはバルタンを援護する鷲尾須美の弓。
『美森、ちゃん』
視線が交わり、彼女が何かを言った気がした。
遥か上空の翼には何を言ったかはわからなかったけど、その口の形はきっと。
──がんばって、とそう言ってくれた気がした。
翼の心が震えた。
あの子を、自分の大切な少女を守りたいと、そのために目の前の敵を倒したいと、強く思った。
その想いに、彼に力を与えたモノは応える。
その瞬間、時が止まったはずの大赦の蔵書室の中で自然と『太平風土記』のページがめくれる。
神樹の理に反するように、本は自分で意思を持つかのように、絶滅の予言が描かれたページを開いた。
そして、
予言が書き変わる。
変わらない未来は、今変わる。
『──こんなところで負けられない』
バルタンの剣鋏が
今までバルタンの鋏の一部でしかなかった刃が、明確に腕と一体化した『剣』と変わる。
それは闇を払う聖剣などではない。言うなれば光を超えて敵を斬る──バルタンの『魔剣』。
『う、お、おおおおおおおおおッ!』
光の巨人は瞬時に鞭ではない左手の中に八つ裂き光輪を生み出そうとして────この世界に現れてから
鷲尾須美の信念。三ノ輪銀の奮闘。乃木園子の献身。そして、紅翼の覚悟。
全ての積み重ねた一秒が、今この『三分』に繋がった。
「ーーー」
カラータイマーの赤い光が消える。
ウルトラマンの中で光の力が霧散し、ウルトランスで制御されていた雷が散って、バルタンの前に嵐のように吹き荒れた。
けれど、バルタンは止まらない。
チェレーザはウルトラマンを『光の巨人』だと言った。常に人を守るために戦ってきたのだと。
相手は光の巨人。そして、自分は闇の魔人。
ならば、正義はあちらにあるのか。
『光が正義なんて───誰が決めたッ!』
翼が無意識にチェレーザの白色の破壊の弾丸の感覚を模倣して、魔剣に眩い青白い破壊の力を収束して行く。
『例えオレが怪獣だとしても! オレはあの子を守っていいはずだッ!』
50万Vの雷の嵐を抜けて『バルタン星人』が『ウルトラマン』の前に現れる。
『───白色破壊光斬ッ!』
『光の巨人』のカラータイマーを、『魔剣の魔人』が斬り裂いた。
それは、予言に記された未来には無かった一撃で、故にこそこの戦いの決着となる一撃だった。
コンコン、と病室のドアがノックされる。
「どうぞ」
病院着の須美がベッドの上から声をかけると、開いた扉から見知った顔が覗いた。
「紅さん、どうしてここに……」
「どうしても何も、毎日会ってる幼馴染みの女の子の見舞いに来るのがそんなに変?」
「あ、いえ、そうじゃなくて……」
「それとも、来ない方が良かった?」
「べ、別にわざわざ来て頂かなくても大丈夫でした。……来てくださったことは、嬉しいですけど」
「ん、じゃあ良かった」
翼が近くにあった椅子をベッドの側まで持ってきて腰掛ける。
「で、怪我の具合はどう?」
「ほとんど治りました。雷での火傷なんかも殆どあとは残らないだろう、とお医者様が」
「そっか、よかった。オレが君たちを見つけた時は結構酷かったからさ。女の子の身体に傷とかが残らなくて何よりだよ、うん」
「なんでも神樹様に選ばれた勇者は治癒力も多少の向上が見られるらしくて。本当に、神樹様にはお礼を言っても言い足りないです」
「……そうだね。まあ、須美ちゃんもしばらくは学校を休めるこの素晴らしき病院生活を楽しむといいさ」
「そういう訳にはいきませんっ! 私たちは勇者ですがそれと同時に小学生なんですから。一日も早く退院して、お国のために勉学に励まなくては」
「早く学校に行きたいなんて、美森ちゃんは真面目だなぁ」
「いえというか、早く畳に敷いた布団で眠りたいんです……! いくら病院とはいえ、この西洋の寝床は、耐えられない……!」
わなわなと震える須美に「あー、そういう」と翼が納得するように頷いた。
今の病院はどこもかしこもベッドだらけだ。清潔を維持するためにはこのスタイルが一番なため仕方ないが、どうにも須美には居心地が悪いに違いなかった。
「じゃあそんな日本の空気に飢えている美森ちゃんにはこれあげよう」
翼がほい、と持ってきた手提げの袋からタッパーを取り出して須美に差し出した。
須美が蓋を開けてみれば、ふうわりとあんこの匂いが病院に広がった。
「これって、牡丹餅?」
「前おやつは牡丹餅が理想って言ってたろ? だからちょちょいっと作ってきた」
「紅さんが、ですか?」
「お、信じてない顔だな。これでもオレはやる男だぞ?」
一緒に渡された箸を使って牡丹餅をとる。
翼が手ずから作ったというそれは、どこか形が歪で、レシピを見ながら四苦八苦する姿が透けて見えるようだった。
「あんまりしげしげ見ないでくれると助かる。あー、もちろん食べたくないとかなら、全然返してもらって構わないから。やっぱ男の手で触ったもんは気持ち悪いかもだしな」
「もう、そんなこと言いませんって」
頬をかきながら誤魔化すようにいう彼に、くすり、と須美が頬を緩めた。
「じゃあいただきます」
須美が一口ぱくりと牡丹餅を頬張る。
すると、今度は先ほどとは比べ物にならないような柔らかさの微笑みを浮かべる。
ただそれだけで、蕾が花開く瞬間に立ち会ったような温かい感情が翼の胸を満たした。
須美の笑顔と、挫けそうになった時に応援してくれたときの真剣な表情とが重なる。
翼は『美森ちゃん』を守りたいと思った。
だから、闇の力を受け入れて、剣を握り光の巨人と戦った。
(でも、本当に助けられたのは、オレだった気がする)
きっと紅翼が最後に立ち上がれたのは、彼女が信じてくれたから。
須美が嬉しそうに牡丹餅を食べ終えて、翼に向き直る。
そして、お礼を言うために口を開こうとして。
「ありがとう、鷲尾さん」
それよりも早く、翼の方からお礼の言葉が伝えられた。
「え、紅さん? あの、牡丹餅を頂いたのは私の方なんですが……」
「あ、え、あー! そ、そうだな、ごめん。なんか今伝えときたくなっちゃってさ」
「もう、私の言いたいことを取らないでください」
「ごめんごめん」
困ったように笑う須美に、今度は頭を下げながら、紅翼は、この子がこうしてずっと笑っていられればいいなと、そう思った。
それと時を同じくして、一人の巫女が翼とチェレーザが『ジャイロ』を見出した裏山へと訪れていた。
彼女はざり、と砕けた祠の欠片を踏み締める。
「やはり『彼』は『怪獣』となり、『
彼女は知っている。彼が戦ったものが天の神と呼ばれる存在に作られた『光を模倣した』バーテックスであるということを。
「あれほどあった怪我も、怪獣化を解けばほとんど消えていた。そして、エレキングの力は彼のもとへ渡る」
まるで水に濡れたような美しい黒髪と、白い巫女服はどこか作り物めいた美しさを宿している。
「例え未来は変わったとしても、結末は変わらない。貴方が貴方である限り」
彼女は空を見上げて、神樹の作り出した仮初の太陽を睨める。
「紅翼、貴方は希望の光か、それとも……」
まるで、その太陽の向こうに何がいるかを知っているかのように。
「底知れぬ闇……でしょうか」
そして、その手には、『太平風土記』と刻印された本が握られていた。
『バーテックス』
基本的にバーテックスの種類は二つ。
『星屑』と呼ばれる量産型の弱個体。
『十二星座型』と呼ばれる星屑の肉を捏ねてつくる強個体。
けれど、天の神はそれでは満足しなかった。
彼らは、その星屑と十二星座をも超えるものを求め、時に神とすら呼ばれる『光の巨人』を作り出した。
彼はバーテックスであり、ウルトラマン。人を守る意思を持つ彼らを再現し、人を滅ぼすために戦う滅亡の巨人へとした。
言うなれば『ウルトラマン型バーテックス』。
『ウルトランス』
怪獣の力を利用して戦う技術。
本来は『初代ウルトラマン』に使える力ではないが、天の神が『エレキング』のクリスタルを埋め込むことで疑似的な使用を可能としている。
エレキングのクリスタルは現在クレナイ・タスクの手に渡った。
気を失った勇者三人を抱き上げて病院に連れて行く翼
チェレーザ「あー、ダメダメ! ウルトラマンは笑顔で『おーい!』って手を振りなきゃ帰って来なきゃ! というか、なんで電話せんのかね。はー、スマホの一つも持っとらんのか君は」
翼「うるせえ! お前が海に投げ捨てたんだよ!」