東方贖罪譚を知らない方もいると思いますので注釈。
主人公、名前は 秦 空(はたの うつろ)
ヒロインは古明地 さとりです。
「メリークリスマス!」
そう言われ、目を覚ました。そういえば今日はクリスマスか。どう言った行事かは知っているが特に思い出はなかった。
「メリークリスマス」
返す言葉に迷った結果だった。だが、特にプレゼントを準備していたわけでもない。言われてみれば確かにクリスマスだった思うような人間が何かを準備しているわけがないのだが。
「そしてトリックオアトリート」
「は?」
あまりに雑すぎないだろうか、というか一緒にやっても良いようなイベントだろうか。いや、普通に考えたらダメだろうが...。
「待ってくれ、さっきメリークリスマスって言ってなかったか...?まぁ、いい今お菓子出してやるから待ってくれな」
「それはなしです!」
突然ストップをかけられる。いや、じゃあどうしろと...。あー、トリックか。
「そぉい!」
起こした身体をさとりのラリアットによって無理やりベッドに倒される。ベットが大きな音を立てて軋んだが大丈夫なんだろうか。
「お菓子がないならトリックですよ!」
「楽しそうで何よりだ。で、何するんだ?押し倒すってことはそういう行為に至るって事で大丈夫なのか?」
「いや、そのつもりですけど。そうなにも感じてないような顔されるとやる気削がれますね」
いや、何も反応できないこと知ってたろ....。というツッコミはさておき蛇のようにさとりの体を抜けるとベッドから立ち上がる。
「少し、外の世界でも歩いてみるか。今日はきっといい具合だろうし」
「どうやっていくんですか?きっと八雲 紫は許しませんよ?」
不満そうに言い放つさとりを抱きしめ、耳元でこうする、と囁き座標を変更する。
飛んだ先は東京スカイ○リーの前、いくらなんでもピンクのゴスロリのさとりは目立ちすぎるため、ワンピースに変えておく。
「何でもありですね...空」
「まぁ、俺だしな。取り敢えずこれ被ってくれ、ピンクの髪は目立ち過ぎる」
そう言ってごく普通の帽子を渡す。
「外の世界のいいとこを見せてやるよ」
周囲には大体カップルしかない。まぁ、クリスマス当日の夜6時ともなればそうなっても仕方ない。逆にこの状態で一人でここにくる奴は相当な勇気がある。
「いいとこですか」
さとりの手を引いて入場口へ、料金を払いタワーの中へエレベーターに乗りこむ。
「耳がキーンってならないように気をつけてくれよ」
「えっ、あっ、はい」
握っていたさとりの手を離そうとするが逃げようとした手をさとりに握られた。少し恥ずかしそうに俯くさとりをみて彼も握り返す。
そんなことをしてる間に、タワーの頂上へと到着した。
「はわぁぁぁっ!すごい、宝石みたいですよ空」
到着するなりかなりの力で引っ張られ若干も不満があったが彼女の輝いた目を見てそんな気持ちも消えてしまった。
「周りに人いるからそんな大声出すなよ」
苦笑しながらさとりに注意すると彼女も周囲の目線に気づいたのか俯いて顔を真っ赤にしていた。
「でも、本当にすごく綺麗ですね空。本当に宝石みたいです」
ガラスの下に広がる夜景は確かに宝石のように輝いていた。高速道路を行き交う車のヘッドライト、住宅の明かり、ビルに転々と残る光。その全てが調和していた。
「満足そうで嬉しいよ」
眼科に広がる光景に心奪われているさとりを見て、彼は覚悟を決めていた。彼女は何があっても守り抜くと。例え、その結果何よりも厳しい結末と、彼自身に不幸が舞い降りたとしても。
クリぼっちの私の文に目を通していただきありがとうございました。最後の文章は東方贖罪譚の本編の方で意味がわかっていただけるともいます。気が向いたらぜひ読んでいってくださいな。