そして三雲がくる日。隊室の雰囲気はあまりよろしくない。というか真琴が1人で嫌なオーラを出しまくっている。
「真琴」
「はーい。私寝転んでるから」
そういいソファーで寝転ぶ真琴。少しすると隊室のドアがなる。それを除くと三雲が来ていたのだ。
「や、きたな三雲」
「川原さん。今日はありがとうございます」
「いやいや烏丸に頼まれたからな。それに俺自身も借りがあるし」
そういいお茶を入れて三雲が渡してくれたどら焼きを食べる。そして話を聞き始める。シューターとしての戦いを教えてほしいとのことだ。
「それでなんでお前はそんなことを?」
「僕自身が強くなろうとして以前に失敗しました。けど木虎に教えてもらったんです。僕は自分のことに意識しすぎていた。だからこそ周りのことを強くすればうちのチームはもっと強くなれるって。僕が今すぐ強くなる必要はないんだって」
「はーあの木虎がね。まともなことを言ってる」
それは想定外だった。木虎はなかなかにプライドが高い。だからこそ三雲に教えるなんてことをするとは思ってもいなかった。
「それで何を教えて欲しい」
「シューターとしての闘い方を教えてください」
三雲は席を立ち上がり頭を下げてくる。その姿を見て教える気になったのか寝転んでいた真琴も座っている。
「それじゃあ模擬戦をしよう。そこから感じ取ってくれ」
「はい!!」
「真琴、桜相手をしてくれ。三雲は俺とペアだ。それじゃあよろしく」
「はーい」
「……」
「真琴たちが勝ったらなんでもいうことを聞いてやろう」
「よし!本気でやるよ。桜ちゃん」
「了解です」
「はぁ──────────」
とんでもなく長い綾香のため息が聞こえる。そして特殊なルールの説明だ。
「それじゃあ特殊なルールの説明だ。使っていいのはシューターの弾とシールドのみ。三雲はレイガストもOKな。元々レイガストを盾として使うシューターのようだし」
「了解。それなら合成弾は?」
「今回はなしだ。あくまでも三雲の訓練だから。そして判定は綾香に任せる。ベイルアウトクラスならすぐに説明してくれ。それじゃあ10分後に始めるからなー」
「はーい」
「「了解」」
三雲と部屋を出る。あくまでも今回は三雲の練習なのだ。合成弾なんて使うとレイガストがすぐに割れてしまう。まぁもっとも2人のフルアタックを喰らえばそれどころではないんだけど。
「川原さん。それでどうするんですか?」
「そうだなぁ。とりあえずテキトーだな。俺が合わせるから三雲は好き勝手に動いてくれ」
「なぁ!」
「そんじゃ行こうか」
三雲はふと思った。なんでこんなにも適当な人がA級部隊の隊長なんだろう。これならまだ自分の方がマシな作戦を立てられると思いながら部屋に入って戦闘の準備をする。
「それじゃあ始めるか」
「3・2・1始め!」
綾香のカウントで撃ち合いが始まる。そしてまともに打ち合えたのは最初だけ。
トリオン合計でも負けてる俺たちが勝てる通りはなくすぐに隠れることになった。
「三雲次俺がフルアタックしたら一瞬カバーに入ってくれ。レイガストで俺の前に来てくれ。そしたら勝ちだ」
「??わかりました」
そしてフルアタックを仕掛ける。その瞬間にメガネくんの後ろに逃げるようにして遠くからアステロイドを放った。
2人はハウンドでレイガストを縫うように攻撃しようとしたので俺は放ったアステロイドに追従するように三雲を抱えて走った。
ハウンドとアステロイドでは誘導半径がある分アステロイドの方が早い。そしてそれはシールドで防がれる。
しかしもう一度同じように放つ。
「これが今回のヒントだ三雲」
「え?」
俺が放ったアステロイド?は2人の真横まで進んで曲がってトリオン体を破壊する。そう最後に放ったのはハウンドなのだ。
アステロイドを放ちフルアタックで2人と撃ち合っていたのは最後の一撃もシールドを前に出させるためにギリギリまで曲げなかったのだ。
「だぁーやられた」
「あれハウンドか。騙された」
「あれってどういうことなんですか?」
「ん?そもそもハウンドは知ってるよな?」
「はい」
「ハウンドの性能はそもそも追尾の強弱で曲がるように使っている人が多いんだ。ならその追尾性能を切ったら?」
「!真っ直ぐに進む」
「そういうこと」
「そしてこれに関しては俺がやるより三雲の方がいいんだ」
「どういうことですか?」
「悪い言い方だけど三雲はトリオンが少ない。だからこそアステロイドとハウンドの差がわかりにくいんだ。トリオンが多いやつに限ってハウンドとアステロイドの差がもろに出るから」
「なるほど」
隊室に戻ると真琴が不貞腐れてソファーで寝転んでいる。
「これは?」
「あー隊長に負けたのが相当効いたらしくて。言うことを聞いてもらうつもりだったのにって」
「はぁ、まぁとりあえず三雲そういうことだから」
「はい、今日はありがとうございました」
そして三雲が部屋を出る直前隊室に客がやってきて綾香は何も言わずに開ける。そして見た瞬間に俺は逃げてしまったのだ。
「川原!アタシと勝負しなさい。修には修行をつけたんでしょ。ついでに勝負よ」
「ついでってなんだよ。っていうかなんでこっちにいるんだ!」
2人はドタバタしながら隊室で追いかけ合いをする。そう来たのは玉狛第一エースアタッカー小南だったのだ。
小南は元アタッカーランキング1位しかし川原にはほとんど勝てなかったのだ。ランク戦に参加していない今でもそのことを根に持っているので何かあるたびに川原に勝負を挑んでは勝ち数がそこまで先行しない。
「だぁーもうわかったわかったから。ただ5本だけな」
「そうこなくっちゃ」
「あ、そうだ三雲。さっき言ったことはまだやらない方がいいぞ。今のお前じゃはっきり言って力不足だ。だからこそギリギリまで隠しとけ」
「はい……」
三雲にそういう川原。それは三雲にとってもわかっていたことを現実として突きつけられた気分なのだ。そんなことを言われては流石にショックだったのだ。
「ちょっと修に何言ってんのよ」
「事実だ。ただヒントもあげたけどな。それを気づけないならこれから先は無理だな」
小南はさっき川原が言っていた言葉を思い出す。それでもさっぱりわからないため勝負をすることにしたのだった。
評価くださいっていうとだんだん落ちていくので感想欲しいです