空母ずいかく194 THE GREAT GAME [更新停止・改修作業中]   作:特殊作戦群

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第5護衛隊群が日本海側に張り付き半島監視、そして第6護衛隊群は先島諸島での夜間訓練、両艦隊共に離れているこの期を「かの国」が逃すはずもなく、事態は最悪の展開へと動き出す。


第19話~恐ていた事態~

小笠原諸島

 

春島

 

「なんだ、騒がしな」

 

島民は外に出る。外でその異常に気づく。

 

「大きな音だったな」

 

外に出てきた住民も言い

 

「なぁ、さっきから携帯通じないんだけどもさ」

 

もう一人も言い皆がスマートフォンを見ると

 

「電波が・・・・0?!、まさか」

 

後ろを振り向くと山あいの電波塔の鉄塔方面から火の手が上がっている。

 

「どうなってるんだ・・・・」

 

そして空を見上げた時

 

「「「ッ・・・・・!!」

 

 

その頃

 

西ノ島

 

「大変だって、早く本島でも沖縄でもいいから連絡をつけろ」

 

交番に住民が来ていた。

 

「まずまず、落ち着いて下さい」

 

駐在の警察官は言うが

 

「東亜連邦」の攻撃じゃ」

 

老人が言い

 

「ほんとまずいって。今まで俺とじっちゃん沖合居たけども海保の巡視船が沈められているし、俺達漁船にも撃ってきたんだって。」

 

「嘘こいてなんになるよ」

 

乗組員が言い

 

「ああ・・・もう手遅れだ・・・」

 

空を見上げた若者は言った。空一面に、白い花のごとくパラシュートが咲いており素人が見ても「空挺部隊」だというのが分かる。

 

「ああッ最悪だ」

 

数分とせずにその手にAK74自動小銃を持った兵士達がこっちに来るのが見える

 

「逃げろッ」

 

交番の警官が言いホルスターから拳銃を取り出し警告、発砲のタイミングと東亜連邦兵士のタイミングは重なる。その場に物言わぬ、死体が二つ出来上がってしまった事は言うまでもない。こうして西の島・春島の住民は拘束され、公民館に軟禁される事になる。そして東亜連邦の国旗が三島の頂に突き刺されたのだ。

 

 

 

そこから数時間後 

 

総理官邸 対策室

 

「やはり東亜連邦じゃないか!!」

 

官邸では怒号が飛び交い

 

「だから自衛隊の基地をあそこに置くべきだと言ったんだ」

 

官僚の怒号・罵声が飛び交い

 

「福澤官房長官、確認されている被害は?」

 

伊部総理は言い

 

「海保の巡視船2隻が沈められ、救助された乗員の話では奴らいたぶるように撃ち殺したとの事です。西の島では駐在の警察官と東亜連邦の兵士とで銃撃戦になり警官一名の死亡と東亜連邦兵士一名の死亡が確認されています。」

 

報告を聞き、

 

「住民らの状態は・・・」

 

尋ね

 

「その後の通信は一切ありません。恐らくは電波塔を破壊したものと思われます。住民の安否については一切不明です」

 

報告を聴き終え

 

「西郷、防衛大臣。自衛隊に対し「統合任務部隊」の編成を命じます。」

 

伊部総理は言い

 

「総理、事はもう「防衛出動」レベルの事案です。せめて「防衛出動待機命令」をお願い致します。」

 

西郷防衛大臣は言い

 

「記者会見の後、直ちに承認するものとする。」

 

伊部総理は答え

 

「海上自衛隊は先島諸島での夜間訓練中の「第6護衛隊群」に演習を切り上げ、現場海域への急行を命じました」

 

再び西郷防衛大臣は報告し

 

「第6・・・・・」

 

官僚達は言い

 

「「ずいかく」か・・・・」

 

伊部総理は言った。再び恐れていた事が現実のものとなってしまった日本。そして現場海域へ急行する事になる「第6護衛隊群」彼らは暴虐に立ち向かう日本の切り札になり得るだろうか・・・・




次回~現場海域へ~を予定しています。

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