空母ずいかく194 THE GREAT GAME [更新停止・改修作業中]   作:特殊作戦群

40 / 60
初陣を完全勝利で飾った第94航空団だったが、実際に戦闘に出撃したパイロットの心は穏やかではなかった。


第39話~パイロットの苦悩~

旗艦「ずいかく」

 

医務室

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

二条三佐も辻堂三佐も無言でメディカルチェックを受ける。その折

 

「二人共、良くやってくれた」

 

深山航空団司令と風吹一佐が入室してくる

 

 

「二条隊長、辻堂隊長、苦しい戦闘だったがよくやってくれた」

 

風吹一佐は二人にねぎらいの言葉をかける

 

「ありがとうございます、艦長」

 

二条三佐は言い

 

「ありがとうございます。」

 

辻堂三佐も言った。そして

 

「艦長、乗員全員の報告では東亜連邦機MIG35のステルス効果はミサイル射程の70㌔圏内では無効、我F-35JBのレーダーはくっきりと捉えていたと・・・・」

 

深山一佐は報告し

 

「我々の有利に繋がる貴重なデータです、「プレデター」「アーノルド」両隊の戦果ですな」

 

深山一佐は言い二人はメディカルチェックを済ませ、医務室を後にする。

 

 

 

第94航空団パイロット待機室

 

 

「どうした?二人共大丈夫か」

 

待機室に戻り自分の椅子に座ると

 

第3飛行小隊「ピジョット」隊隊長柳木三佐と第4飛行小隊「イーグル隊」隊長の神田良治三佐そして第5飛行小隊「ファルコン隊」隊長の栗原健二三佐の三人に囲まれる

 

「・・・まるで・・・・生きてる気が・・しないんだ・・・・何というか」

 

言葉では上手く言い表せない感情をどう言えばいいものかと二条三佐は懐の内ポケットから妻と子共と映る家族写真を取り出し

 

「・・・・日本を、領土を、家族を守るためにこの仕事してるのに・・・何でかな」

 

言い

 

「大丈夫か?」

 

神田三佐は言い

 

「神田、今の俺やお前ではわからん。生きている気がしない・・という事が」

 

栗原三佐も言い

 

「生きてる気がしない?」

 

柳木三佐も首をかしげるなか

 

「俺も同じだよ」

 

辻堂三佐も椅子に座る

 

「敵への同情も何も感じない、でもなぜか・・・言葉では言い表せない感じになる。一言で言うならば「生きてる気がしない」が一番しっくり来る。」

 

辻堂三佐も懐から家族写真を取り出す。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

二条三佐、辻堂三佐共に家族写真を見つめた後

 

「柳木、ここ頼むわ格納庫見てくる」

「俺も行く」

 

二条三佐と辻堂三佐はパイロット待機室を出ていった。

 

 

「あの二人、大丈夫か?」

 

やはり二人が心配なのか、神田三佐は言い

 

「生きてる気がしない・・・・か」

 

栗原三佐も腕を組みつつ言い、そんな中

 

「いずれにせよ、既に大多数の東亜連邦人が死んだ、この戦い簡単には決着がつかんぜ。俺達も恐らくは出撃し敵機と交戦すればあの二人の気持ちが分かると思う。」

 

柳木三佐は言い

 

「そうだな、沈着冷静な二条の事だ直ぐに元に戻るさ」

 

栗原三佐が言い

 

「そうだ、飛行隊の中ではトップクラスのパイロットだしな」

 

神田三佐も言った。

 

 

 

格納庫

 

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

 

整備員が忙しく動き回り出撃した機体の整備をしている、そしてそこには先程まで大空で敵MIG35と激戦を繰り広げていたF-35JBが鎮座している、それを見て居ると

 

「どうしたい、二条隊長に辻堂隊長」

 

整備長に話しかけられ

 

「すみません、忙しいところなのに」

 

二条三佐は言い

 

「イヤ、殆ど整備は終わった所だ」

 

整備長は言い

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

二人の顔を見て

 

「今「生きてる気がしない」かい?」

 

尋ねられ

 

「ど・・どうしてそれを」

 

辻堂三佐が言い

 

「私も長い事機体の整備しているが、パイロット達のその顔を見た事は二度しかない」

 

整備長は言い

 

「整備長は先の尖閣有事も・・・・・」

 

二条三佐は聞き

 

「ああ、副整備長として「いぶき」に乗艦していたよ。パイロットではない私が言うのも筋違いなきもするが「生きている感じがしない」という事が「生きている」という証拠じゃないのかな?」

 

整備長に言われ

 

「「あ・・・・・」」

 

二人は思わず言った、そう「初めて」の戦闘と言うことで迷いはしたものの「瞬時の判断」でこうして生きている。つまりそれこそが「生きている」と言う事だと整備長は言いたいのだと直ぐに感じ取り

 

「「ご教授、ありがとうございます」」

 

二条三佐と辻堂三佐は頭を下げ

 

「私もな、悲しく感じたものだったよ先の有事は最初に予備機含め15機あったF-35JBが最終的には7機まで減った。勝利こそしたもののその勝利のために殉職していった操縦士達を思えば悔しかった、「死なせる為に、自分達はスパナを握るのではない」と生きて帰ってきて貰うために、生還してもらう為に機体を整備するという事をね」

 

整備長の話を聞き

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

二人は何も言えなかった。自分達の先輩達も勝利への執念で「広東」を仕留めたのだと聞かされていたからだ。

 

「もう、迷いません整備長・・・・此処に・・・母艦に戻って来る為に」

 

二条三佐は言い

 

「私もです」

 

辻堂三佐も言った。

 

「私達も最善を尽くしてベストな状態で君達が大空で戦えるように機体を整備するだから君達パイロットも最善を尽くして、任務を遂行しそして母艦に戻ってきて欲しい」

 

すっ・・・・・

 

整備長は敬礼し、二条三佐、辻堂三佐も

 

すっ・・・・・

 

敬礼し

 

「ありがとう御座いました」

 

そう言い二人共格納庫を後にする。

 

「深山団司令、趣味が悪いですよ・・・・盗み聞きは」

 

整備長は言い

 

「バレてましたか」

 

深山航空団司令は物陰から出て

 

「部下が迷惑をかけました」

 

言い

 

「いや、あの二人は優秀だよ。これからまだまだ伸びるよ」

 

整備長は言い

 

「あの有事は後味が悪いものだった、日本人も中国人も大勢死んだ。」

 

整備長は言い

 

「ええ、私も元第92航空団隊員でしたからわかります」

 

深山一佐も言い

 

「戦闘は嫌なものです、でも戦わなければ守れない物もある。それが今なのだと私も思っています」

 

深山航空団司令は言い

 

「パイロットのケアをしっかり頼みましたよ」

 

整備長が深山航空団司令に言い

 

「はい」

 

深山航空団司令は頷いた。




次回~オペレーション・イーグル~を予定しています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。