始まりの天使 -Dear sweet reminiscence- 作:寝る練る錬るね
てか、飛ばしていかないと完結できる気がしません。創作意欲が湧くうちに書くべし書くべし!そしてみなさんは感想を書くべし書くべし!物語の考察とか、最新話じゃない話の感想とか、前作品の感想とかも大歓迎!作者が喜ぶからね!
暗く、狭い部屋だ。
机があり、椅子があり、寝台があり。その他に色々と物が転がっている簡素な部屋。とある泥人形、そして少年が死を迎えた部屋と、それは酷似している。いや、真似て作ったという表現が正しいだろうか。
灯はなく。部屋に光るのは青白い魔術の光のみ。美しい蒼の光が、金の髪を持つ女性を照らし出していた。光の映し出す画面には鱗のようなものが埋め尽くしており、何かを潰すような音が響いていた。
『ふん。人間というものは愚かだな。動きは愚鈍で、味は粗悪で、何より脆い。地の肥やしにしかならぬ。何故こんな生き物が世界を支配していたのだ?』
尊大で、傲慢で、相手を威圧するような声が画面の向こうから聞こえてくる。何かの圧縮音が消え、大きな蛇体を持つ女神が画面から遠ざかった。
そして画面いっぱいに映し出された、血、血、血。死体の肉と、臓物と、骨。映像のみだが、あまりにもグロテスクな光景。常人であれば、見ただけで胃の中身をひっくり返すだろう。
『あら、それを言ってしまいます?人間が面白い。その事実だけで私は十分。別にムカついたからって、身体で潰すことないと思うけど?』
『……そうか?我ながら、お前好みの殺し方だと思ったのだが』
『……まぁ、お互いミンチになるまで闘うってのは好みだけど…………でもやっぱりナシデース!流石にボディプレスでもミンチにはしまセーン!』
嬉々として、死をなんとも思わぬ二人……否。二柱の会話。正直、嫌悪感を覚える。死とは本来もっと静謐であるはずなのに。
そう、
『おい、おい。お前だ。聴いているのか冥界の』
「……あら、何かしら。今、理想の死について考えていたから忙しかったのだけれど」
思考を妨げられることは不愉快だが、仕方なく呼びかけに応じる。思ったままを口にしたが、どうやらそれが相手にとっては奇妙な返答だったらしい。鼻で笑う声が聴こえてくる。
『……はん、相変わらず奇天烈なことを考えている。我が魔獣はエシュヌンナ、シッパル、キシュ、カザルを飲み込んだ。北部はこれで全滅だ。貴様の方はどうだ?太陽のはともかく。お前はあの忌々しい壁の内を滅ぼす算段のはずだが?』
「……あら、図体の割に意外と遅いのね。あなた。あれだけの魔獣を従えておいて北部を滅ぼすことしかできないのかしら。……なんて。私も人のことは言えないのだけれど」
報告しながら歯噛みをする。口の奥でギリリと奥歯が鳴った。順調だったのに。完璧だったのに。あの王が下したあの一手で、全てが台無しになったのだ。愚痴の一つも漏らしたくなる。
「あの魔術師のせいで、人口の一割と八つの市を消してからは毎日数十人単位よ。ま、順当にいけば一年後には国が崩壊してるんじゃないかしら?」
『……ははは。一年、か。ソレも良い。不服だが、我が魔獣共では兵士どもは
画面の向こうの覇気が、少しだけ緩んだ。
……その現象自体はいただけないが、仕方ない。おかげで助かっている面もある。尤も、『彼』が知ったら大変なことになるだろうが。
『ちょっとちょっと。私を除け者にして話を進めないで。私だって、聖杯を狙ってるんですから』
「……あなたは別に、人間で遊べればなんでもいいんでしょう?聖杯なんて求めてもいないだろうし。精々、チャンピオンベルトとでも思ってるんじゃない?」
『……ワオ、お姉さん驚きデース!そこまで読まれてましたか!実際、ワタシはあれ、チャンピオンベルトだと思ってマス!』
……いつものことながら、頭痛がしてきた。確かに彼女を含め三柱は聖杯を願望器の面では見ていないが、流石に例えが秀逸すぎる。聖杯からの知識でチャンピオンベルトを巻いたあの女神が、容易に想像できてしまったではないか。
呆れ果てた自分の雰囲気を悟ったのか。画面の向こうから、わざとらしい咳払いが聞こえた。
『まぁ、よい。此度の会合は貴様らの意思を確認するものでもあったのでな。一度こちらに赴いてから、冥界のが通信でしか話せぬと宣うのだ。こうして定期的に意思を確認せねば、おちおち眠ることすらできぬさ。……貴様の
珍しくこちらに向けられた皮肉の笑みに、思わず頬がかぁっと紅くなる。……が、これでも女神同士。そう易々と隙を見せるわけにもいかない。一瞬で元の顔色を取り戻すと、即座に反論の態勢へと移る。
「か、勘違いしないでちょうだい!私はこの『三女神同盟』から脱退するつもりもなければ、彼らを滅ぼさないつもりでもないの!」
『うふふ!図星を突かれたからといって、そう声を荒げなくてもいいじゃない!そんなに大きな声を出したら、来ちゃうんじゃない?『彼』が』
「!?」
太陽のに諭されて、即座に周囲を確認する。……人影もなければ、気配もない。暗がりには魔術の光がぼんやりと灯されたほどで、誰かが通った形跡もない。……どうやら、自分の近くにはいないようだ、と少しだけ安心した。
「……大丈夫みたいね。全く、驚かせないでほしいわ」
『ふん。女神の人柱が、ただの死人に怯えることもなかろう。いくら
「……違う。私が恐れているのはそうじゃないの。そうじゃないのだけれど……まぁ、説明するのも億劫だし、その解釈でいいわ」
自分のホームである冥界で『彼』が暴れようが、そこまでの被害はない。精々自分のメンタルがごそっと持っていかれる程度で、鎮圧自体はものの数分で終了するだろう。寧ろ、気にしているのは全く別の方面なのだが……。
「それより、本筋に戻りましょう。私たち『三女神同盟』は、お互いを不可侵の条約で結んでいる。これは今後も破棄する予定はない。これでいいかしら?」
『……あぁ。その言質だけで充分。貴様は無慈悲ではあるが、『奴』に対しては、妙に甘いところがあるからな。絆されぬか慮るばかりよ。大方、
「あ、甘くなんてないのだけれど!?…………ッ!?」
思わず反論してしまってから、自分がまたも大きな声を出してしまったことに気がついた。口を手で塞いでから、周囲を確認する。……これといって、異常はない。
安堵のため息をつきながら、待たせていた相手に続きの言葉を……
「私は人を滅ぼすことに躊躇なんて無い。結局、あの愚かな人間共に価値なんて……」「エレシュキガル様〜!お〜や〜つ〜だ〜よ〜!」
「…………」
『…………』
『……』
……恐れていた事態が発生した。
……沈黙。場を包む沈黙が痛い。やけに間延びした声のせいか、先ほどまで嬉々として話していた太陽の女神すら口を一の字に結んでしまっている。
と、とにかく何か手を打たなければならない。このまま動かずにいれば、事態が悪化するのは目に見えている。まずは、扉の向こうから音波攻撃を仕掛けてくるあの少年から片をつけなければ……!
全力で部屋の外へと駆け出し、扉を押し開ける。破裂したような音を立てながら
「いまちょっとカッコつけてるとこだったの!!黙ってて!!あとありがとう!あとでお茶にしましょう!」
「は、はい!わかった……!」
「よしいい子!暫く待ってて!」
閃光のような速度でそう言い終えると、再び全速力で部屋の中へと舞い戻る。その間、僅か十秒。
「……失礼したわ。早速続きを……「エレシュキガル様、お砂糖は〜?」…………2つ!!」
『……』
『…………』
「…………」
扉を閉め忘れていた。キィィィ、と自身の悲鳴を体現したかのような音を立てながら、扉が閉まる。
『…………終わるか?』
「終わらないわよ!?何!?ここで終わったら、私ただ醜態を晒しただけの間抜けな女神になっちゃうじゃない!」
今まで聞いたこともない慈愛と憐憫に満ちた声が、余計にエレシュキガルを刺激する。悲しいかな。魔獣の女神にもまた、
『……ま、まぁ。あの英雄の攻撃でこの程度の手傷で終わったと思えば安いものでしょう。彼が本気になれば、私たちとてただでは済みませんもの』
『そうだな。そういうことにしておこう。……冥界の、貴様はよくやっているとも。我らの圧倒的優勢を崩しかねない英雄の隔離、見事である』
「なんだか余計に憐まれてるんですけどぉ!?雑なフォローが余計に痛いわ!」
先ほどとは別の意味で頭を抱えてしまう。今の今まで張り倒してきた無情な女神の皮が、脆くも崩れ去ってしまう錯覚を覚える。
だが、そんなぐだぐだした空気は、長くは続かなかった。
『……母上、御歓談のところ失礼致します。ただ今帰還いたしました』
優しい、青年の声。幾たびか聞き覚えのある中性的な声。……彼の死体を明け渡したのはエレシュキガル自身とはいえ、ほんの少しの、罪悪感。気が緩み始めていた三柱の意識が引き締まった。
『おお、お前か。よくぞ戻った。今し方、二柱の女神と今後の方針を確認していたところよ』
『……そうでしたか。でしたらちょうど良かった。今し方、魔力の揺らぎが観測されたところです。おそらく、例のカルデアの者達のレイシフトかと』
『……ようやくか。遅い、遅すぎるな。既に手遅れもいいところよ』
魔獣の女神が、残酷に口元を歪める。それに関しては、エレシュキガルも全くの同意見である。あと三ヶ月ほど早ければまだしも、北部が陥落し、仕掛けが整ったこの状況では如何なる力を以ってしてもこの三柱に勝つことは不可能だろう。
しかも噂ではただの人間とサーヴァント擬きが一騎だとか。そんな微々たる戦力で、何ができるというのか。
『ええ。彼らなどあなた方の敵にすらなりません。ですから御尽力を。ウルクの大杯を手にした者が、焼却後の世界を支配する。その契約が変わることはありませんので』
緑髪の少年は、大きく手を広げ、仰々しい声でつらつらと言葉を並べていく。……まるで、女神を扇動するかのように。
『母上のように魔獣で地を埋め尽くすもよし。太陽の女神のように目に見える恐怖となって人を滅ぼすもよし。或いは───
彼らしくもない。酷く改まったその宣言が、この会合の解散の挨拶となった。
『ねぇ、エレシュキガル。私、あの子割とタイプかも。今度会わせてくれないかしら?うちのジャガーとでも交換しない?』
「…………あら、随分と吠えるじゃない。人の宝を盗んでようやく不死になった蛇如きが。餌の蠅がわりに死を御所望かしら?」
『あら、こわいこわい。じゃあ楽しんできたら?お、や、つ』
「……コロス」
何度も経験した、穴に体が吸い込まれていくような光景。感覚。視界が白く染まる。黒くなる。そして、視界が開ける。そして……
「お、落ちてるぅぅぅ!?」
「きゃあああ!?お、落ちてます!バンジーです!先輩!」
「フォウ!フォーウフォウ!」
気がつけば立香は、天空からのスカイダイビングを体験していた。下を見れば、辛うじて草らしきものが視認できる。高度にして、およそめちゃくちゃ高め。自分が体験したこともないほどの高さであることだけが理解できる。
「あ、アーラシュ砲に似た気配を感じる……」
ふと、脳裏を第六特異点の無茶苦茶移動法がよぎった。轟々と吹き付ける風、迫りくる地面。早速、現実逃避が始まっていた。
「そ、そそそそ、そんなことを言っている場合ではありません!いえ、私も未だにあれはトラウマなんですけど───!」
「フォォォウ!!」
話している間にも、どんどんと地面は迫ってくる。のこり八十。七十。六十メートルと、視界がどんどんと緑に覆われはじめて──
「ほ、宝具の開帳……お願い、間に合って……!」
間違いなく、地面に激突する。潰れたトマトのように血と臓物を散乱させて、立香達の命が終わってしまう───そんな想像が具体的な形を取り始めた、その時。
「……ったく。生き残ることすらまともにできねぇのか、カルデアの奴らってのは。です」
呆れたような物言いが、何もないはずの空で耳に届く。直後……もふり、と。想像していたものとあまりにかけ離れた感触が、立香達を包んだ。綿のような。マットのような。ゴムのような。
弾力があり、かつ衝撃を吸う謎の物体が、3バウンドに及んで立香を跳ね返し。そして安定した。
白いモコモコとした物体は安定した途端すぐに消えてしまい、その高低差分だけ、立香達は尻餅をつく。だがその痛みもあの落下に比べれば微々たるもので、想像とのギャップに数秒ほど思考が停止した。
「……死んだかと思った」
「……フォウ」
ぶつけた腰の痛みも感じず、未だに激しく脈打つ心臓を押さえながら、なんとかそう漏らす。今まで命の危機は何度も乗り越えてきたつもりだったが、それらとはまたベクトルの違う恐怖に、身体がガクガクと上下に震えていた。
左手側を見て、マシュとフォウが無事であることを確認して、ようやく安堵のため息を吐いた。
「…………同感です。すみません、マスター。私の判断が遅れたばかりに、宝具を展開する時間がなく……」
「いやいや、そんなことないよ!マシュに指示しなきゃいけないのは俺だったんだから、むしろ俺の……」
責任だ、と。口にしようとした……直後。
「……」
視界が、自身に影を差す相手のことを視認する。
身長は……140センチほどだろうか。かなり小柄な、少年か少女であることが窺える。
フードのようなものを被っているせいでその貌は見えず、はみ出た
「……き、君が、助けてくれたの……?」
立香は見ていた。自分たちが落ちる寸前、地面はただの草原だった。そこに突然あの白い物体が現れ、そして突然消えたのだ。アレがなければ、立香達の命はここで終わっていただろう。
魔術か、もしくは宝具。周囲に人影がないことから、引き起こしたのが少年であることは明らかだ。見ている感じ、纏う雰囲気からして、一般人とも思えない。
「……英霊の、方なのですか?」
マシュが起き上がってそう尋ねたが、英霊らしき彼、彼女の反応は芳しくない。フードの下から覗く蒼の双眸が、立香とマシュ、そしてフォウを射抜いていた。
そして数秒の沈黙の後に、その重い口が開かれた。
「……みっつ、忠告してやる、です」
声は、中性的だった。どちらかといえば高めだが、それは声変わり前特有のもので、声だけでは性別を判断することができない。ただ無機質で、少しだけ震えている。
「ひとつ。野宿は……するな。こっからまっすぐ、絶対魔獣戦線か……ッ!……西の、杉の森を目指せ、です。眠るな。もし夜を回っても、そこでなければ、寝るのは…だめ、です」
乱暴なのか、丁寧なのかわからない。かなり特殊な喋り方だ。少なくとも、立香は会ったことがない。
フードの相手は、ふらふらとふらつきながらも、こちらへの忠告を続ける。その姿と声色が、あまりにも辛そうで……苦しそうで。
「ふたつ、め」
「ま、待ってくれ!君、苦しいんだろ!?もう喋らなくていいから、そこで横になって……」
「うるせぇ、です……」
立香が触れようとしたその手は、英霊の手によって振り払われる。
……冷たい手だった。全てを拒絶するような。何もかもを凍らせてしまうような。何もかもを否定してしまうような、そんな冷たさ。
刺されるような冷たさに面食らった立香は、少年(仮)が寒さを堪えるように屈み、息も荒くなっていることにも気がつく。
「……常識を、疑え。……おまえらの常識と、この世界の常識は……違う。……疑うことが、最後の鍵になるはずだ……です……ぐ、ぅぅっ……」
「先輩!下がってください!」
聴き入るように英霊の忠告を待っていた立香。その立香と英霊の間に、突然マシュが盾を持って割り込んだ。
「この方、何かおかしいと思っていましたが!
「魔術王の……!?」
では、敵なのか。
……では、何故こんなに苦しんでいるのだろうか。そしてそんな中で、立香たちに話をしているのだろう。そんな謀で殺すならば、今すぐ襲い掛かったほうが早いだろうに。
そもそも、立香達を助けなければ、空から落ちた時点で死んでいた可能性すらある。……本当に、敵なのだろうか?
「……三つ、め。みっつ、めは…………あぁぁっ!」
最後の言葉を口にしようとして、彼は一層苦しそうに彼自身の身体を抱きしめる。震えもかなり大きくなり、今にも崩れ落ちてしまいそうだ。
……敵じゃない。……敵だとしても、ここまで苦しみながらも助けてくれた相手を、放ってはおけない。そう考えて、マシュの盾から一歩だけ彼の方に踏み出して、事情を訊こうとした。
「君は、一体何を……」
……その瞬間、いくつかのことが同時に起こった。
「……!先輩、伏せて!」
「…………えっ?」
まず、立香の目の前に拳大の『何か』が接近した。
突如出現した黒がかったソレは、球体と呼ぶにはあまりにも不安定で、かといって角ばっているわけでもなく、今にも空気に溶けてしまいそうなほどに輪郭が曖昧なもの。
絶対的に自然界には存在しない物質。そして恐らく、この英霊の宝具。
そしてその接触を、マシュの盾がすんでのところで防いだ。マシュの盾が宝具らしきものを弾き返し、宝具が空彼方に消える……その時。
「……なっ……!?」
宝具が……爆発した。
数多の物質を内包したような球体は、その姿を純白の煙に変え、明らかに見合っていない質量になりながらも、ほんのコンマ数秒で辺り一面に広がったのだ。
大量の煙が視界いっぱいに広がり、思わず咳き込んでしまう。だが体にこれといって異常はなく、精々煙たいくらいだ。
そして、何も見えなくなった世界に、あの声が響き渡った。
「……最後、は。……冥界の、奴に、伝えろ、です。……ッ……!ギル……ガメッシュ、エルキドゥ……この、二つの名前、を」
「……毒ガス……ではなさそうです!先輩、フォウさん、ご無事ですか!?」
「フォウ、キューン!キュ、フォ!」
「俺は大丈夫!それより……」
訊かなければ。何を知っているのか。何を言っているのか。そして……彼は一体、何者なのか。山ほどの疑問が、浮かんでは消えて、浮かんでは消える。
そして、最後に出たのは……
「き、君の!君の名前は何!?」
本当に、他愛のない。世間話のような一言だった。
沈黙。何も、返ってこない。煙幕は晴れず、白い煙がもうもうとその場を立ち込める。失敗した。そう、思った時──
「──ウチは…………亡霊。……名前もない、ただの人でなしだ、です」
奇跡のように返答が返ってくると。まるでそこには何もなかったかのように、煙が晴れる。……当然、フードの子供はその場からいなくなっていた。
「…………先輩、今のは……」
『……あぁ、よかった!繋がった!』
ようやく見えるようになったマシュと目を合わせると、通信が復旧したのか、ロマ二の声が手の機械から聞こえてくる。
どうやらいつも通りというかなんというか、酷く慌てている様子だ。
『驚いたよ!いくら大気中の魔力が濃いとはいえ、藤丸君達のY座標が120mに達していたんだ!その様子だと、無事だったみたいだね!よかった……』
「……ドクター。先ほどの英霊、そちらでは確認できたでしょうか?」
『……英霊?こっちでは君達以外、サーヴァント反応は
「……そう、ですか……」
……先ほどの煙幕と言い、謎の白い物体といい、子供といい。
まるで、夢でも見ていたかのようだ。跡形もなく、立香達以外に確認されることもなく消えている。
けれど、しっかり覚えている。三つの忠告。野宿をするな、常識を疑え。冥界にいる誰かにあの二つの名前を伝える。立香とマシュとフォウだけが、そのことを覚えている。
「……いや。それよりも、現在地を確認しよう。ドクター、ここは────
そこからは、正史とほとんど変わらない。立香達は魔獣に襲われ、空を飛ぶ謎の女性と遭遇し、そしてエルキドゥと名乗る緑髪の美青年に案内され、絶対魔獣戦線から西の杉の森へと赴く。エルキドゥという名前を聴いて、先ほどの子供を思い出しながら。
まぁ、尤も───
「……おや?彼らがここにくるようだ。……どうやら、あの子の助言が効いたらしいね」
「……黙ってください。マーリンはムカつきますが、
「おやおや、これは手厳しい。どれ、少しばかり、仕込みをしておこうかな……」
杉の森で佇むのは、正史とは少し離れた、特殊な
Q. ここだけで他のstay nightやプリヤとか投稿するの?
A.FGO編が終わったらまた別に作品作ってそこに投稿します!その際strange fakeとかZERO含めて再投票できればいいな、と思っています。
三柱の女神が恐れる英雄……一体何ヘル君なんだ…
謎の少年、通称亡霊くんちゃん(感想欄で勝手に決まった)の正体を予想して見てください!