進撃の世界に鬼が乱入しました   作:創作の巨人

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段落設定出来てなかったので修正しました
(2020/01/03 12:21:04)



#8:トロスト区奪還

 飛び降りるポイントまで到着した後、エレンは飛び降りながら岩のそばで巨人化する。今度は、全身での巨人化だ。一体あの肉体はどこから生み出しているのか、エレンの体調は大丈夫かなど、気になる事は沢山あるが、私が考えた所で結論を出せるはずもない。

 

「よっしゃー、いくぞーっ!!駆逐してやる!!鬼神『ミッシングパープルパワー』!!」

 

 彼と同様、私も飛び降りながらスペルカードを発動させる。幻想郷で使うものとは違い、ほんの少しだけ改良した。あそこでは、ある程度は力をセーブしなくてはいけないので、最大で5m程にしていた。でもここでは、建物への被害はあまり考慮しなくてもいいとの事なので、エレンと同じ15m級になった。

 

「さぁエレン、岩を運ぶんだ!エレンの事は私が守るから安心してね!」

 

 しかしその時、エレンは近くの建物の上に居たミカサに拳を振るった。屋根に穴が開き、血液が空を舞う。ミカサがエレンの拳に潰された…かと思ったが、すんでの所で回避していたようだ。

 流石は首席、瞬発力は折り紙付きらしい。だがそのミカサでさえ、右頬を切る怪我をしている。あまりに突然な事で、少し遅れたとみえる。

 

「なんで!?どうしたのエレン!?」

 

 するとミカサはエレンの顔に乗って、どうにかエレンの意識を呼び覚まそうと訴えかけている。しかし当のエレンは、自分の顔を殴り、運ぼうとしていた岩に寄りかかり、座り込んでしまった。どういう訳か、巨人の体は再生していない。

 

「作戦失敗だ…!」

 

 近くにいた精鋭班の班長のリコは、そんな彼を見るやいなや赤い煙弾を放った。あれは、作戦に深刻な問題が発生した時の信号だ。あれにより、壁の上で待機しているピクシスに伝わった。

 

「エレン、どうしたってのさ!?」

 

「スイカ!!こっちはいい、お前は巨人を殺せ!巨人を優先しろッ!!」

 

 自我を失って、しまいには動かなくなった彼を助け出そうとした私は、エレンの元へ向かおうとするが、イアンはそれを止める。

 

「イアン…でも!!」

 

「早くしろッ!!」

 

「チッ……!」

 

 人数比としては囮兵士の方が何倍も多いはず。それなのに巨人達は、人数がより少ないこちらに誘き寄せられ始めている。恐らくは、私やエレンという、より大きなエサに引き寄せられているに違いない。何ともまぁ、サシャのような巨人だ。身近だが小さなエサより、遠くでも大きなエサを欲するとは。

 

「イアン班長!前扉から4体接近です!11m級、6m級、4m級、12m級です!!」

 

「4体同時だと!?」

 

 比較的エレンの近くに居た巨人のうなじを軽く握り潰した私は、本作戦を中断or続行しようかと言い合いをしている班長達より先に動き出した。

 確かに作戦の要であるエレンがこんな体たらくでは、如何に精鋭班の班長であろうとも狼狽えるのは仕方ない事だ。

 

「任せなイアン!あんなの、私が殺してやる!!

『地霊-密-』!!」

 

 両手を組み、地面に叩き付ける。すると気脈が硬化して生成された紫色の槍が、複数本地面から飛び出して、巨人達のうなじを尽く貫いた。

 気脈を操る。これも、鬼の力のひとつだ。

 

「エレンには近付けないからね!!いくぞ、この雑魚共がァ!!」

 

「待つんだ、スイカ!!」

 

「ッ!?」

 

 更に奥から向かってくる巨人を倒しに行こうとすると、壁の上からアルミンが呼び止めてくる。こんなときに話しかけてくるアルミンではない。ならば何か考えがあるのだろう。

 

「なーに!?巨人を殺そうとしてるんだけど!」

 

「わかってる、だけど少しだけ待ってくれ!僕をエレンのところまで連れて行ってくれ!絶対に、エレンを目覚めさせるから!この作戦はエレンの肩に掛かっているんだ!」

 

「…!分かった、エレンは任せたよ!」

 

 アルミンは私の角にアンカーを刺し、私の頭に乗った。座り込んで煙を上げるエレンの頭に彼を降ろした私は、私が居ない間に集まりだしていた巨人を殴る。

 それから、一体何体の巨人を殺したのか…一体何人の兵士を救ったのか分からない。当然中には救えなかった兵士もいたが、それでもどちらかといえば救った兵士の方が多かった。建物はかなり損壊してしまってるが、そんなのは今更だった。

 やがて、アルミンがエレンを目覚めさせ、件の岩を持ち上げさせて。エレンは私の手助けを必要とせず、多くの兵士が見守る中で、トロスト区の扉を岩で塞ぐことに成功した。

 そこに、私が進んだ方向とは別の進路から彼へ向かった巨人が複数いたものの、急遽駆けつけた調査兵団によりエレンの安全は確保された。

 

「あ、いた!ねぇ君!ちょっと時間いいかな!」

 

 そんな時、私は1人のメガネの女(?)に声をかけられた。自由の翼のマントを羽織っているのを見るに、調査兵団の団員らしい。

 

「私はハンジ・ゾエ!調査兵団の者だ!君の事は早馬で聞いているよ!時間が無いから単刀直入に言うね!そこら辺の巨人、2体くらい生け捕りにしてほしいんだ!詳しいことは後で話すから!」

 

「分隊長!要領を得なすぎです!!」

 

「仕方ないだろモブリット、時間が無いんだ!!これ以上掃討に遅れたら、またリヴァイに怒られちゃうんだから!!てわけで頼んだよっ!!」

 

 それだけを言い残したハンジという調査兵は、部下らしいモブリットという男と立体機動装置でどこかへ飛んでいった。一体何を考えているのか分からないが、大方、巨人関連の研究や実験でもするのだろう。

 兵士を使うと死人も出やすくなる為に、早馬で情報を掴んでいた私に頼んだ……と。多分そんなところなのだろう。

 人間に都合の良い様に利用されるのは癪だが、ここで調査兵団に恩を売っておけば、人外である私も調査兵団に入りやすくなるだろう。

 

「…仕方ないなぁ…。酔符『鬼縛りの術』!!」

 

 お手頃なサイズの4m級と7m級を縛り上げ、壁の上で手持ち無沙汰な様子の調査兵に渡した。ハンジの考えを知らされていなかったのかかなり困惑していた様子だったが、「ハンジからだ」と言うと、「またハンジさんか…」と呆れて、渋々2体の巨人を受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからの掃討は固定砲などを受け持つ兵士に託し、私はエレン達と合流しようとした。しかしミカサとアルミンと合流したはいいが、何故だかエレンの姿が見当たらない。

 2人を問い詰めると、エレンの身柄は憲兵団が受け持っているとのこと。…詰まる所、またもや連れ去られてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 INトロスト区────萃香による巨人討伐中

 

 ピクシス司令から作戦を伝えられたあと、駐屯兵や訓練兵などが一体となって、トロスト区内に散っていった巨人を壁の隅に誘き寄せていた頃。

 民家の上にて、上から与えられた任務をこなすように見せかけながら、秘密の会話を交わすある3人組が居た。アニ、ライナー、ベルトルトだ。

 

「ベルトルト……ありゃあ一体なんだ…!?」

 

「地面から槍…まさか戦鎚の力か…!?いいや、戦鎚の力は、タイバー家が極秘に家庭内で継承を続けているはず…スイカが戦鎚の力を持っているはずがない…」

 

「よく考えな2人共…あれは戦鎚の力じゃない。戦鎚の力なら、硬質化で作られてるからすぐには消えたりしないはずだろ。…スイカのアレはまた別な力だってことだ…」

 

「そ、そうか……。でも、さっき僕をあんな風にうなじごと貫かなかったのは…」

 

「そこまで長くは伸ばせない…もしくはあまりに焦っていたからそう出来ることすら忘れてた…。そうなるのかな」

 

「…多分だけど…焦っていた訳では無いと思う。焦っていたら、うなじを削るのに必死になって、下半身を吹き飛ばすっていう考えにはならないんじゃないかな…。岩をうなじに投げなかったのはエレンに手柄を持っていかせるため…なのか?」

 

「はっ…。超大型(あんた)の下半身を吹き飛ばすなんて、とんだ化け物だね、スイカは…」

 

「ああ……調査兵団以上に気を付けなくちゃ…。ライナーもよく気を付けるんだ…」

 

「あぁそうだな…下手したら一瞬でお陀仏だぜ、あんな強さじゃ。俺の鎧も貫通するかもしれん」

 

「調査兵団に気を付けるって何だ?あのスイカがベルトルトの下半身を吹き飛ばすってどういう事だよアニ?『僕をうなじごと貫かなかったのは』って言ったのか?ベルトルト?」

 

「「「ッ────!?」」」

 

 そんな中、背後から3人の会話に割って入り、それを咎めた男が1人。

 3人の背後に居たのは、アニと同じく憲兵団を志望としていて、ジャンとは違い「王に仕える」という明確な目標を持つ根っからの真面目な男、マルコ・ボットだった。

 座学の面においてはあのアルミンに次ぐほどの頭の良さで、凄まじい頭の回転を見せるという。

 

「マルコ…今のは………冗談…だ」

 

 明らかに普通ではない間を作りつつ、どうにか誤魔化そうとするライナー。しかし、そう簡単に黙せるほどマルコは馬鹿ではない。そして無駄に深入りしておかしな状況を深めようとするほど、無鉄砲でもない。どこかおかしいなと思いつつ、彼がとった行動は、「仲間として接する」というものだった。

 

「きっ……君らしくないな!?この非常事態じゃ冗談言いたくなるのも分かるけど!!でも、今は作戦に集中しろよ!ほら、また巨人が来たぞ!!端に誘導するぞ、行くぞ!」

 

 マルコが足早に去ってからも、会話を続ける。だが今度は、少し3人の顔色が悪い。

 

「……………アニ」

 

「…………アンタらが殺りなよ。私は夜に動いてやってるんだ」

 

「俺もベルトルトも、とうに姿が割れてる。お前しかいない」

 

「……ふざけんな、コノヤロウ…ッ!!マジで…いっぺん死ね…!!」

 

「…スマン…」

 

「口だけなら何とでも言えんだよクソ野郎…!」

 

 ……その後、マルコは巨人に体を握り潰されて死亡してしまったという……。




現在公開可能な情報
ハンジ・ゾエ:調査兵団第四分隊の分隊長というそれなりに高めの役職だが、かなりの変人として通っている。巨人の事となると興奮するタチで、矢継ぎ早に喋ることもあるという。
モブリット・バーナー:第四分隊副長。ハンジへツッコンでばかりだが、かなり真面目な兵士。
リヴァイ:調査兵団の兵士長という役職。エレンが幼い頃から人類最強と謳われている兵士。背が低いのがコンプレックスで、口は悪いが優しいと調査兵の中では割と有名らしい。昔のトラウマでティーカップは取手を持たない。



次回、美の巨人(笑)登場。

本作を読んでる方は、進撃の巨人と東方Projectをどの程度ご存じですか?折角のクロスオーバーなので、それぞれのネタなどを使うにあたって参考にさせて頂きます。

  • 進撃は知ってる/東方は知らない
  • 進撃は知らない/東方は知ってる
  • どちらも知ってる(ある程度原作履修済み)
  • どちらも知らない(聞いた事がある程度)
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