宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国編   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国編」です。


白色彗星帝国編21 開戦

 ディッツ提督らが、作戦指揮をとる中、ガトランティス艦隊は、サレザー系を中心とした全方位の八箇所の宙域に、百隻規模の艦隊が押し寄せては、撃退し、再び同じ宙域に同規模の艦隊が押し寄せては撃退しを繰り返していた。必然的にそれらの宙域に戦力を集めることになり、サレザー系防衛の為、集結させた約四万隻ものガミラス艦隊は、その宙域を中心に、分散して対処せざるを得なくなっていた。

 これによって、手薄になった宙域に、デスタール率いるガトランティス艦隊がワープアウトして現れた。約三百隻規模の艦隊がサレザー系付近に突然現れた為、ガミラス艦隊は、慌ててその宙域に艦隊を向かわせた。

 デスタールの艦隊は、駆逐艦に、大量の小彗星を牽引させていた。

「デスタール指令。人工太陽爆弾の発射準備が整いました」

 デスタールは、ミルベリア星系の戦いから、後方の本隊に生還した後、ラーゼラー参謀長直々の命令により、新たな艦隊を与えられ、再出撃を指示されていた。

「計画通り、時間差をおいて順次発射する。第一陣を射出!」

 デスタールの指示で、小彗星を牽引していた駆逐艦が速度を上げた。そして、小彗星が次々に点火され、駆逐艦の牽引ビームが解かれると、猛スピードで、慣性によってサレザー系方面に飛び去った。

 サレザー系の恒星から最も遠い惑星のガミラス軍基地では、十基程の小彗星が飛来して来るのを感知していた。基地では、惑星間弾道弾の発射準備が急がれ、巨大なミサイルが、基地の地面のミサイルサイロから頭を覗かせた。準備が出来たミサイルは、続々と空に向けて打ち上がって行った。

 惑星間弾道弾と小彗星は、途中の宇宙空間で出会い頭に接触すると、大爆発が起こり、小彗星も惑星間弾道弾も消滅した。

 デスタールは、サレザー系の惑星基地から、惑星間弾道弾が発射されているのを確認すると、そこへ小彗星を向け発射させた。

 ガトランティス艦隊と、ガミラス惑星基地の間では、小彗星と惑星間弾道弾が飛び交い、激しい爆発が起こっていた。

 デスタールは、艦隊の一部の複数の駆逐艦と中規模空母からなる艦隊を、小彗星に紛れて派遣し、ガミラスの惑星基地上空から、艦載機による爆撃を行った。

 小彗星を避けるために、ガミラス基地の防衛艦隊は、基地上空を空けざるを得ず、ガトランティスの侵入を許してしまった。

 ガトランティスの艦載機デスバテーターが、数百機飛び交い、次々に爆弾を投下し、基地は火の海となった。そして、惑星間弾道弾のミサイルサイロに爆弾が落ちると、ミサイルが誘爆して、基地は巨大な火の玉となった。

 邪魔をする惑星間弾道弾が飛来しなくなったため、デスタールが放つ小彗星は、サレザー系奥深くに次々に飛び去っていった。

 基地を突破され、侵攻してくるデスタールの艦隊に対抗するため、別のガミラス艦隊がまたそこに向かって行き、激しい戦闘はまだ終わりそうもなかった。

 

 サレザー系の別の宙域にも、千隻規模のガトランティス艦隊がワープアウトして現れていた。

 ナスカ提督率いる第三機動艦隊は、多数の駆逐艦と空母艦隊と、新型のカラクルム級戦艦、及び、火焔直撃砲艦隊を多数含む大艦隊だった。

 これを感知したガミラス側は、二千隻からなる大艦隊をサレザー系内で移動させ、これに真っ正面から対抗させた。

 数の上でガミラス艦隊は圧倒的に優位に立っていたが、百隻規模のカラクルム級新型戦艦の射程圏内に到達すると、先制攻撃を受けて、多数の艦が撃沈され始めた。ガミラス艦隊は、この射程距離を詰める為、先行艦を小ワープさせる指示を出した。ワープで、先行する駆逐艦が続々とワープしていく。

 一方、ガトランティスのナスカ提督は、戦況の報告を受けて、次の作戦を指示した。

「敵艦隊が、小ワープで間を詰めようとしている。火焔直撃砲艦隊を、カラクルム級戦艦の背後につかせ、これを攻撃させろ」

小ワープで出現したガミラス駆逐艦は、機動力を生かして、カラクルム級戦艦に襲いかかった。高速で編隊を組ながら、カラクルム級戦艦に陽電子砲の砲撃を加え、多数の艦を撃沈して行った。

 約五十隻規模の火焔直撃砲艦隊は、カラクルム級戦艦の背後に一斉に移動し、小ワープで出現した直後のガミラス艦隊に向け、砲撃を開始した。火焔直撃砲の砲火は、ガミラス駆逐艦が高速機動する前に一斉に焼き払った。

 双方の艦隊は、真正面からぶつかり、激しい艦隊戦が繰り広げられた。

 数の上で圧倒的に優位だったガミラス艦隊は、急速に数を減らして行き、優位性が損なわれ始めていた。

 そこで、ガミラス艦隊は作戦を変更し、その宙域から反転して、星系内に艦隊を移動させた。

 本星の防衛艦隊では、その戦況を受け、新たな指示を出した。十隻の戦闘空母に特殊装備を載せて向かわせた。

 ガミラス艦隊は、デスラー砲によって崩壊した惑星エピドラ周辺まで、半数にまでに減った艦隊を戻していた。エピドラは土星に似たガス惑星で、崩壊しつつも縮退した状態でいまだ存在していた。ガミラス艦隊は、そのエピドラの輪に進入した。その輪は氷と岩塊により構成されている。

 これを追っていたガトランティスのナスカ提督は、罠かとも考えたが、真正面から堂々と戦うことを選んで、全艦隊を追跡させ、輪に進入させた。

 その時、本隊から派遣された戦闘空母十隻は、エピドラ周辺に既に到着していた。空母には、以前、作戦立案を支援していたヴェルテ・タランの案を元に、特殊装備を載せていた。戦闘空母の飛行甲板には、反射衛星砲が搭載されており、その砲門が上を向いて、発射準備が完了していた。既に、戦闘空母から発艦した艦載機より、反射衛星散布の完了を受領していた。作戦は、ガトランティス艦隊が輪に進入したのを確認して、即時開始された。

「反射衛星砲発射!」

 十隻の戦闘空母から、反射衛星砲が時間差を置いて発射された。

 反射衛星砲のビームは、離れたところから発射され、エピドラの輪の周辺を飛来する反射衛星に照射され向きを変え、カラクルム級戦艦に命中した。命中した艦は大破して爆発した。予想外の位置からの攻撃によりガトランティス艦隊は、混乱していた。そこに、反射衛星から反射したビームが、全方位から襲いかかり、次々に大破、炎上していった。反射衛星砲は、カラクルム級戦艦を狙い撃ちにしており、ガトランティス艦隊は、大打撃を受けることになった。

 混乱の中、火焔直撃砲艦が、輪の中で砲撃を行った。しかし、火焔直撃砲は、砲のエネルギーをワープさせる機構となっており、障害物の多い輪の中での発射は最悪の事態を引き起こした。発射されたビームは、火焔直撃砲艦の目の岩塊に命中し、自艦もろとも周囲の艦を巻き込んで大爆発が起こった。

「罠だったのか! 全艦隊、至急輪の中から退避しろ!」

 ナスカ提督が指示を出すが、既に時遅く、主力艦隊であるカラクルム級戦艦と火焔直撃砲艦が全滅しており、残存艦隊は、ガミラス艦隊の攻撃の餌食となっていた。

 輪の中から脱出したガトランティス艦隊だったが、ガミラス艦隊の攻撃を受けて、次々に艦が沈んでいった。ナスカ提督の座乗する巨大空母にも攻撃が加えられ、大破炎上していた。

 ガミラス艦隊は、勝利を目前にして、意気や盛んに攻撃を続けていた。

 

 そこに、ワープアウトする巨大な物体があった。現れたのは、あの白色彗星だった。

「あの大彗星は、ワープ出来たのか!」

 驚くガミラス艦隊の前に、白色彗星はゆっくりと進み始めた。

 ガミラス艦隊は、白色彗星に一斉に攻撃を加えるが、何の効果も無く、白色彗星はガミラス艦隊に向かって進撃を開始した。

 白色彗星に乗っていたバルゼーは、ナスカ提督に通信を送っていた。

「ナスカ提督、無様だな。もうよい。そこをどけ」

 ナスカ提督は、バルゼーごときに、と偉そうに言われたことで悔しそうに唇を噛んだが、撃沈寸前の自艦を憂慮し、白色彗星の前から退避する指示を出した。

 白色彗星は、ガミラス艦隊に真っ正面から進撃した。千隻もいたガミラス艦隊は、次々に白色彗星に飲み込まれ、撃沈するか、航行不能になって周囲を漂流していた。全ての艦が戦闘不能になったことを確認して、バルゼーは指示を出した。

「イスカンダル星とガミラス星に向け、進撃を開始せよ」

 その白色彗星の背後からは、ゴーランド提督率いる約千隻の第一機動艦隊が、ワープアウトして現れていた。ゴーランド提督は、周囲の様子を確認して呟いた。

「バルゼーの奴、あんなものを与えられて調子にのっているようだな。まぁよい。皆のもの! 奴に着いていくのだ! イスカンダルのお宝は目の前だ!」

 ゴーランド提督は、持っていた剣を振り回して高笑いをしていた。

 

 その時、進撃を開始する白色彗星の目前に、ワープアウトする艦隊があった。

 それは、戦闘空母ミランガルと、ガミラス駆逐艦からなるガミラス艦隊である。その中心に、ヤマトの姿があった。

 

 バルゼーは、ほんの少し驚いていたが、気にするほども無いと指示を出した。

「面白い! 踏み潰せ!」

 

 ヤマトの艦長席には、フォムト・バーガーの姿があった。先だってのクーデターにより、ヤマトは、ガミラス軍に接収されていたのだ。

「あんまり、人の船を乗っ取って使うって、気乗りしねえなぁ」

 ミランガルからの通信による連絡が来ていた。

「バーガー少佐! 絶対に外すなよ。その一発にガミラスとイスカンダルの命運がかかっている!」

 それを言われて、バーガーは、緊張した面持ちで返答した。

「ネレディア、まぁ見てろって」

 バーガーは通信を切ると指示を出した。

「波動砲発射十秒前! 対ショック対閃光防御!」

 ヤマトの波動砲口に光が集約し、発射寸前の状態となっていた。

「発射!」

 バーガーの号令で、戦術長席のガミラス兵が、波動砲のトリガーを引いた。

 しかし、何も起こらない。

「どうした!?」

「トリガーを引きましたが、反応がありません!」

「何だと!?」

 慌てて、バーガーも戦術長の席へと走り寄り、波動砲のトリガーを引くが、何の反応も無い。

「ミランガルに連絡! 作戦は失敗だ! 波動砲が発射できない!」

「何故だ!?」

 ネレディアが抗議の声をあげている。

「そんなこと言っている暇はねぇ! 逃げるぞ!」

 彼らは、急ぎ反転して一斉に退避した。

 しかし、目前に白色彗星は迫ってきており、ネレディアの艦隊の駆逐艦は、早くも一隻航行不能になって、白色彗星に飲み込まれていった。

「全艦ジャンプで脱出するぞ! ジャンプ用意!」

 その時、側面から、白色彗星の背後にいたはずのゴーランド提督の艦隊が迫ってきていた。ゴーランド艦隊のミサイル艦から、巨大ミサイルが次々に発射された。

 そのミサイルが、ヤマトに向かって飛んだ。

「駄目だ! ジャンプが間に合わねぇ!」

 そこに、ミサイルに向かって、ミランガルが覆い被さった。巨大ミサイルが突き刺さったミランガルは、飛行甲板が真っ二つに大破し、炎上しながらヤマトの上方へ飛び去っていった。

「ネレディア!!」

「ヤマトを失ったら我々はお終いだ! 原因を突き止めて、再攻撃を! 頼んだぞ、フォムト……」

 それが、ネレディアからの最後の通信だった。

 その隙にヤマトは、ワープして、その宙域を辛くも離脱した。

 ワープアウトしてガミラス星防衛艦隊に戻ったバーガーは、放心して膝をついていたが、気を取り直して艦のガミラス兵に命令した。

「戻ってネレディアを助けるぞ!」

「馬鹿なことを言うな!」

 ディッツ提督から通信が入ってきていた。

「提督、あいつが……、ネレディアが!」

「ガミラスの命運がかかっているのだ。バーガー少佐、目を覚ませ。しっかりするんだ。すぐに本星に帰還して、波動砲発射失敗の原因を突き止めろ!」

 バーガーの頭の中に、最後のネレディアの声が響いた。

 頼んだぞ、フォムト……

 バーガーは、歯を食い縛って立ち上がり、指示を出した。

「本星に帰還する!」

 

続く…

 




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開しています。
注)但し、以前pixivに連載した小説の加筆修正版です。以前のpixiv連載版とは、一部内容が異なります。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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