真剣で最強の弟子に恋しなさい!   作:TE

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久しぶりの更新となりました。
どうもビジョンは出るけどそれを文章にする才能がない。
本当にすみませんでした。


BATTLE.13 朝のひと時から

「えっ!もう完成したのですか!?」

 

朝の登校中、クリスの驚きの声が響き渡る

 

「うん。トンファーも朝に届いてるから帰ったら渡すよ」

 

「おおっ!!ではマルさんも連れて取りに行きます!」

 

笑顔でそう言うクリスに兼一も思わず笑顔になってしまう。

 

「それにしても頼んだのは昨日ですよ?一日もしない内に届くなんて・・・」

 

「えっと、頼んだら速達で送ってくれたんだよ。ちょうどトンファーを作ってたみたいなんだ」

 

「速達でも翌日の朝に届くなんて・・・」

 

「うん。速達の速達なんだ・・・」

 

大和の疑問に答える兼一はどこか遠い目をしていた。

兼一は速達で届いたことを思い返してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

「うーん・・・」

 

朝の2時30分頃。兼一は唸されていた。特に暑いわけではない。何か異様なものを感じていた

 

「う、うーん・・・」

 

次に頬に何やら違和感を感じる。それでも兼一は起きない

 

「そろそろ・・・・起き、ろ」

 

「はっ!?」

 

聞きなれた声にようやく目が覚める兼一。そして目が覚めた兼一の目の前には綺麗な女性の顔があった。さらにその女性は兼一がよく知っている人だった

 

「し、しぐれさん!?」

 

「おは、よ、ケンイチ」

 

この女性の名前は香坂しぐれ。

梁山泊が豪傑の1人。そして兼一の師匠。

何故、しぐれが来ているのか兼一は理解出来ずにいた。

 

「な、なんでしぐれさんがここに?」

 

「なんで・・・ってケンイチが頼み事をしたのだ、ろ?」

 

「えっ?」

 

いきなりのことで頭が回らない兼一であったが、頼み事について思い出すとすぐに理解した。

 

「もう出来たんですか?頼んでまだ1日も経ってないのに!?」

 

「うん・・・素材は足りてたからすぐに作っ・・・た」

 

そう言ってしぐれは兼一に何かが入った風呂敷を渡した。兼一はそれをすぐに開いて中を確認した。

 

「・・・流石しぐれさんが作ったトンファー。かなりの業物ですね」

 

「当然・・・だ」

 

しぐれ作のトンファーを確認して正直な感想を述べる兼一に誇らしげに胸を張るしぐれ。兼一に褒められたからか感情豊かではないしぐれの表情はとても嬉しそうだ。

 

「この埋め合わせは任務が終わったら必ずしますね」

 

「それは、いつに・・・なる?」

 

「えっと、1年後くらい?」

 

百代の護衛任務の期間は百代が卒業するまで。

卒業したら全て打ち明けると鉄心に言われたのだ。

百代は武神と言われてはいるが今は学生。卒業するまでは学生生活を楽しんで欲しいという鉄心の孫娘に対する思いなのだろう。

 

「そんなに、待て・・・ん」

 

「と、言われましても・・・」

 

「だから、今もら・・・う」

 

「えっ?」

 

兼一に馬乗りしていたしぐれがどんどん近づいて行く。

 

「ぎゅー」

 

「ええっ!?」

 

しぐれが兼一の身体に抱きついた。兼一はいきなりのことで動揺を隠せないが師匠であるしぐれを突き飛ばして離させるわけにもいかず、しようとしても無駄な抵抗で終わるのであるが。

そして、何より

 

(身体に2つの柔らかいものが当たっている?!)

 

兼一の煩悩がそれを許さないのであった。

 

「うん・・・満足・・・」

 

「そ、そうですか」

 

言葉通り満足そうなしぐれ。逆にしぐれが離れたことに安心したような少し残念なようなと複雑な心境である兼一。

 

「梁山泊じゃ、ケンイチに、会う、のは控えるように、言われてる・・・。会えない分、充電し、た」

 

「じゅ、充電って・・・」

 

「じゃあ、僕は帰、る・・・」

 

そう言うとしぐれは窓開けて身を乗り出すと首だけ振り向けた。

 

「兼一、また、ね・・・」

 

「は、はい!」

 

しぐれが兼一の返事を聞くと窓から飛び去った。

兼一は窓の方に移動するがしぐれの姿はもう見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、別に何でもないよ。」

 

思い返してたら大和に声をかけられたのですぐに切り替えた。

 

「クリスさん、しぐ・・・製作者の人も良く出来たと言ってたから楽しみにしててね?」

 

「うむ!マルさんにもそう伝えておきます!」

 

「みんな、おはよう〜!」

 

クリスと話していると元気な声が兼一たちを呼んだ。見てみるとタイヤを引いた一子がいた。

 

「ワン子おはよー」

 

「お前またタイヤ引いてんのかよ」

 

「うん!走り込みと言えばやっぱりタイヤ引きでしょう!」

 

「なんともまあ、一時代前の考えだな。それ最悪周りの人に迷惑かけるだろ」

 

「そんな事ないわよ。周りの人は笑ってこっちを見ていたわ!」

 

「それって、馬鹿にされているか、暖かい目で笑われてるかのどっちかだよね?」

 

「でも、良い修行だよねって、今朝我流ブルーさんに言われたわよ?」

 

どうだと言わんばかりに胸を張る一子だがそれは無視して大和がある単語に食いついた

 

「つか、ワン子我流ブルーに会っているのか?」

 

「うん!最近修行中によく会うのよ」

 

「へー、最近巷で噂になってるよね?正義の仮面我流ブルーって」

 

「おう。川神で起こる事故を防いで回ってるとか聞いたな。前なんか交通事故でひっくり返ったバスを元に戻したって聞いたぜ?我流ブルーはこの俺様以上に筋肉がある奴なのか?」

 

「うーん。見た感じ大和と背格好は同じだからガクト見たいに気持ち悪くはないわ」

 

「おい、さりげなく俺様の筋肉を罵倒してないか?」

 

ガクトのツッコミはスルーされるが一子の言葉は続いた。

 

「それにいつもジャージ着てるからわかんないわよ。聞いてみたらスーツは破れて本部に支給待ちとか言ってたけど」

 

「ますます怪しい上にスーツが支給制って何さ?」

 

「しょーもな」

 

ツッコミ所満載な我流ブルーの事情に呆れる一同。それでも大和は話を聞く

 

「他には何か聞いたりしてないのか?それかおかしな行動とか」

 

「えっ?そうね〜・・・あっ、そう言えば一つ気になる事があるわ」

 

「なんだ?」

 

「我流ブルーさん、お姉様が来る度に姿を消すのよね」

 

「姉さんが?」

 

「そうなんだよな〜」

 

「あっ、モモ先輩!」

 

いきなり現れたのは百代だった。その様子は少しどんよりとした様子だった。

 

「あいつ、ワン子には仲良く話すのに私には気配を感じた瞬間に逃げるんだぞ?酷くないか?」

 

「と言われても姉さんと我流ブルーのファーストコンタクトって最悪だったし、仕方ないんじゃないかな?俺も我流ブルーみたいな力があったらそうするかも」

 

「そうだけど〜、何も顔も合わせずに逃げる事はないだろ?」

 

ぐてーと大和にのしかかる百代。ちなみに腕は大和の首をしっかりとキメていた

 

「そう言えば一回どうしてお姉様と会わないのか聞いたことがあるわ。流石に挨拶ぐらいはと思って」

 

「さすがは私の妹。この愚弟とは大違いだ」

 

「そ、それでなんて言ってたんだ?」

 

「えっとね、気配を感じる度に殺気を感じるからだって」

 

「姉さん、挨拶する気すらないじゃないか」

 

「ぐぅ、仕方ないじゃないか!久しぶりの強者がこの川神にいるのだからヤリたくなるに決まってるだろ!」

 

いや、その理屈はおかしい。そうツッコミたかったが百代の腕がさらに強まりそうなので抑える大和

 

「少しだけでもいいからヤらせてくれないかな〜。先っちょだけでもいいから〜」

 

「なんかモモ先輩の言い方が別の意味に聞こえるんだが・・・」

 

「それは思春期男子に起きる幻聴だよ、ガクト」

 

「んっ?」

 

ガクトとモロをよそに百代はあることに気づいた。

 

「お前、みない顔だな?」

 

「えっ?」

 

百代の視線は兼一に向けられていた。

 

「この人は白浜兼一さんだよ。最近、島津寮に来た新入りさんだよ。それとまゆっちの友達」

 

「ああ。まゆっちが嬉しそうに話していたあの・・・」

 

「あうあう・・・。私そんなに嬉しそうに話していたでしようか?」

 

恥ずかしそうに喋る由紀江だったがその声は誰にも聞こえてはいない。兼一はとりあえず挨拶をすることにした。

 

「おはようございます。僕は白浜兼一。宜しくお願いします。」

 

「ああ、宜しくっとそう言えばあなたは年上でしたね。私は川神百代です。此方こそ宜しくお願いします」

 

お互いに挨拶が終わると握手する2人。

 

(やっぱり、この子は凄い才能の持ち主だ。握手しただけでわかる。大きな気に武術のセンス、計り知れないものがある・・・)

 

(ふむ・・・よく分からないが少し違和感を感じる。だが、気は少ないし、特に注意すべき点はないか・・・)

 

お互いに握手したことで相手の気を探った2人。お互いに感じるものがあったようだ

 

「白浜さんはどうしてこんな時期に転入を?」

 

「えっと、ちょっとこちらの事情で勉学をもう一度行うことになりまして。ここの川神学院なら年は関係なく入れると聞きまして」

 

「まあ、じじいはそう言うところは自由ですからね」

 

百代の質問に答える兼一。百代が兼一を疑っているのは兼一も理解している。だから、してくるであろう質問の内容を読んで練習をしていた。

 

川神学院に着くまで色々質問されたがボロは出さず、どうにか兼一の正体はばれずに済んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は朝から疲れたよ。でもなんとか百代さんに僕の正体がばれずにすんだ。これもまゆっちが練習に付き合ってくれたおかげだよ」

 

「いえいえそんな!私なんて何もしてませんよ!」

 

朝の出来事を話す二人であったが兼一に事件が降りかかる

 

「ここに白浜兼一さんはいらっしゃるかしら?」

 

扉が開けられたかと思いきやいきなり兼一を呼ぶ声が響き渡る。目線を向けると体操着(ブルマ)を着た少女がいた。

兼一と由紀江は目を合わせて知ってる人ですか?いや知らない人とアイコンタクトをしてから兼一は1人で扉の方へと向かった

 

「えっと、僕が白浜ですけど・・・」

 

兼一が話しかけると少女はにやりと不敵な笑みを浮かべた

 

「初めまして、白浜さん。私の名前は武蔵小杉、1年S組所属よ。私はあなたにプレミアムに決闘を申し込むわ!」

 

「え、ええっ!?」

 

小杉からの決闘の申し出に兼一は驚きの声を上げるのであった。




まさかのあの後輩登場!?

せっかくなので出してみました。

次回はいつになるかわかりませんが長い目で見て頂ければ幸いです。

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