協力者(英雄達)との挨拶も終わり、放課後。
兼一は由紀江に島津寮に案内してもらうため一緒に下校していた。
「ああ・・・・・・。こうしてクラスメイトと下校できる時が来るなんて・・・」
『まゆっちの夢がまた一つ叶った瞬間だ~。今日のまゆっちは神に愛されてると言っても過言じゃないぜ~』
いつも以上に上機嫌の由紀江。クラスメイト(兼一)と一緒に帰ることそれほど嬉しいのだろう
「大袈裟だな~。僕以外にも友達はいるんでしょ?」
「はい。でも同じ学年の友達はいなかったものですから・・・・・・」
『白浜っち以外の友達は全員年上で学年が違うから帰る時は1人が多いんだよね』
「なるほど。じゃあ、同い年の友達がいない訳か。僕以外のクラスメイトの友達も欲しいよね」
「は、はい・・・・・・。」
先ほどとは逆に落ち込んでしまう由紀江。入学して結構日が経っているがクラスメイトの友達がいないことは気にしているようだ
「なにか協力できそうなことがあったら言ってね?案内のお礼って訳じゃないけど僕も多少なりとも力になりたいから」
「あ、ありがとうございます!」
『白浜っちが協力してくれるなら鬼に金棒、まゆっちに真剣だぜ!』
「そういえば、黛さんも島津寮に住んでるんだよね?そこにお友達がいるの?」
「はい!皆さんとても良い人ばかりで大変お世話になってます」
兼一は由紀江の楽しそうな表情を見て本当に良い人なんだなと理解できる
「ちなみにどんなん人がいるの?」
「えっとですね。女性の方は私を入れて3人います。お名前は椎名京さんにクリスティアーネ・フリードリヒさんです。京さんは二年生で弓道部に入ってます。クリスさんはドイツからの転入性です。男性の方も3人います。お名前は直江大和さん、風間翔一さん、源忠勝さんです。3人とも二年生で同じクラスです。大和さんは『軍師』と呼ばれておりまして・・・」
「軍師?」
軍師と言う珍しいあだ名に反応する兼一
「はい。とても頭の良いお方で風間ファミリーで作戦をよく立てていたり、色んな人からご相談を受けて解決しているところからそう呼ばれているらしいです」
「へえ。それで『風間ファミリー』というのは?」
「同じ寮に住んでいる風間さんを中心としたグループです。私も最近そのグループに入れてもらったんですよ!」
『でも入って早々怒られちゃったんだけどな』
「うっ・・・それは言わないで下さいよ松風」
「その風間ファミリーってグループはとても楽しいところなんだね?」
「はい!それに白浜さんもご存じかと思いますが、武道四天王の川神百代さんもいらっしゃいまして・・・」
「えっ?」
ぴたりと進めていた足を止めてしまう兼一
「・・・ということはその直江くんも川神百代さんのお友達なの?」
「?はい。それに源さん以外の島津寮に住んでいる方々は全員風間ファミリーでモモ先輩のお友達です」
「なっ・・・・・・」
(なんだってぇぇぇぇぇ!?)
心の中で驚愕の叫び声をあげる兼一。百代とは出来る限り接触はもちろん存在を知られることは出来る限り避けたい。
鉄心もそれがわかっているはずなのに何故百代と深い関係にある友達がいる寮へと住ませることにしたのだろうか。その理由は川神院と仲の良い島津寮であることもそうだが、誰も転入してきた一年に興味は持たないだろうと考えたからだ。
しかし、誤算が生まれてしまう。それは兼一と由紀江の関係である。まさか2人が知り合いであるなど思いもしなかったのである
「どうかしましたか?」
「い、いやなんでもないよ」
「そうですか?・・・ああ、私、寮に帰ったら皆さんに白浜さんのことをご紹介するんです。」
『なんかわかんねえけど変なフラグみたいの立っちまったんだが大丈夫か?」
(大丈夫じゃない!?)
そう思った兼一はどうしようかと考え込む
「あの、黛さん。ちょっとお願いがあるんだけど良いかな?」
「はい?何でしょうか?」
「僕が武術を行っていることは秘密にしてもらいたいんだ」
「秘密ですか?」
兼一が出した考えは口止めであった。まあ、それしか思いつかなかったのであるが・・・・・・
「うん。川神さんはかなりの戦闘狂だと聞いてね。出来る限り戦闘を避けたいんだ」
「なるほど。確かにモモ先輩は強者に飢えているようですし。白浜さんが強い事を知られたら大変ことになってしまいますね。わかりました。白浜さんの武術に関しては誰にも言わないように致します」
快く兼一のお願いを了承してくれる由紀江に一安心の兼一
「あ、あのですね。その代わりと言ってはなんですが、わ、私も一つお願いがあるのです・・・・・・」
「お願い?」
「は、はい!その、白浜さんのことを『兼一さん』と・・・お、おおお、お呼びしてもよろしいでしょうか!?」
大声でお願いを伝える由紀江。何をお願いされるのかとちょっと不安になった兼一であったが内容を聞いてその不安が一気に消えてしまう
『おうおう、白浜っち。まゆっちがお願いを聞いてやったのに、まゆっちのお願いが聞けねえってか?』
「こ、こら松風。白浜さんは同学年とはいえ年上のお方です。それなのに気易く下の名前で呼ぶのは失礼に値します」
『でもよ、まゆっちは大和とかモモ先輩とかは下の名前で呼んでんじゃんかよ』
「そ、それはちゃんと許可をもらって・・・・・・」
「良いよ」
「えっ?」
「僕のことは好きに呼んでもらって構わないよ。そうだ、僕も松風みたいに『まゆっち』って呼んでも良いかな?」
笑顔でそういう兼一に段々と表情が笑顔に変わっていく
「も、もちろんです!」
「それじゃあよろしくね、まゆっち」
「はい!よろしくお願いします、兼一さん!」
由紀江との仲が一層深まった兼一なのであった。
ちなみに島津寮に着いた兼一は由紀江によって紹介される。もちろん武術については一切話さずにしてくれたことに兼一は感謝するのであった。
まゆっち無双な一話になってしまいました。
紹介シーンはあえて抜かします。
別に書くのが面倒になったとか、そういうのではないので・・・
いや、本当ですよ?
次回は新たなマジ恋原作メンバー登場する予定です
感想お待ちしております