YAWARA!~2020 LOVE/WISH   作:いろいと

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vol.3 男の本能って……

「だから~風祭さんはね、さやかさんのお友達にも手を出してたのよ。紫陽花杯に出てたお嬢様たち。それってさやかさんのことを婚約者として大切に思ってなかったってことでしょう。でもあたしたちには何もしなかった。こんなに魅力的なあたしにもよ。つまり、柔ちゃんには本気だったってこと」

「マリリンあんた余計なこと言わなくていいのよ。今更風祭さんのことを知っても柔ちゃんには関係ないし、風祭さんは柔ちゃんを本気で好きだった間でもとっかえひっかえ女と遊んでたのは分かり切ってることだもの」

「男の人ってそう言うものかな……」

 

 柔は不安になる。

 

「松田さんは違うと思いますよ」

 

 今日子が静かに口を挟む。

 

「あんなに一生懸命猪熊さんを応援して来た人ですから。後ろめたいことがあったらそんなこと出来ないと思います。だから信じていいんじゃないでしょうか」

「キョンキョン……」

「だから~男の性欲なんて何の後ろめたいことも無いんだってば。動物的本能よ。定期的に処理しないとそれこそ問題よ。いつも一緒のカメラウーマンなんかべったりしてたし、いい相手だったんじゃないの」

「それはないです。邦子さんとは何もないです」

「本当~」

「前にそんなようなこと言ってたので。はっきり聞いたわけじゃないけど」

「松田さんにだって過去に女の一人や二人はいたはずだし、それを聞いたからって嫌いになるわけじゃないでしょ。問題なのはこれからよ。付き合ったはいいけど離れ離れで、浮気するなんてこともあるから。自分の物になった途端、男は彼女を大切にしないものよ」

「それはナンダの彼氏だけでしょ。あたしは大切にされるもん」

「うっさい!」

「猪熊さん、花園くんを見たらわかると思いますが一途に人を思う人もいます。だから松田さんもそうだとおもいますよ」

「あたしもそう信じてる。ありがとう、キョンキョン」

 

 今日子は優しく微笑む。影が薄い子だったけど、今ではみんなの癒し役のようになっている。

 

「やっぱりみんなと会うと元気でるな。富士子さんがいないのが残念だけど」

 

 柔はしみじみ思う。柔道を通してできた友達は、卒業しても変わることなく応援してくれるし柔自身も大切に思える。

 

「富士子さんは静岡の実家に帰ったんでしょ。花園くんと一緒に。それもそれですごいわよね。富士子さんのご両親、結婚に反対だったじゃない。こんな風に実家に帰ること快く思ってないんじゃないの」

「どうだろう。なんだかんだでフクちゃんは可愛いだろうし、花園くんも学校の先生になるために試験とか受けてて頑張ってるし。そんなに悪く思ってないんじゃないかしら」

「だと、いいけど」

 

 

 

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