艦隊これくしょん ~scavenger~   作:レストレーション

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第二次世界大戦が終結して数十年がたったある日、南太平洋上を航行していたアメリカ海軍のイージス艦が行方不明になった。

それを筆頭に各海域にて船の遭難事故や行方不明事件が多発

事態を重く見た国連は直ちに調査に乗り出した

各国が調査を進める中、日本の調査チームが事件の原因を突き止める事に成功

それは、得体の知れない生物であった

深海から突如として現れる事から深海棲艦と名付けられたその生物を国連はシーレーンの安全確保の為に排除をしようと試み、全ての軍を持って深海棲艦に攻撃したが、全く歯が立たず、制海権を奪われ、逆に撤退する羽目になってしまった

人類の命運もこれまでかと思われたが
その深海棲艦に対抗する存在が世界各地で現れた

その存在は軍艦の魂を身に宿した少女、艦娘である

艦娘達の活躍により、多大な犠牲を払いつつも制海権は次々に奪還されていった


スカベンジャーの日常

今日も一日、艦娘達は人類の制海権奪還の為に艦娘達は戦っていた

 

敵棲地を制圧し、艦娘達は帰還していったが水平線に小さな漁船がいる事には気づいてはいなかった

 

 

漁船は継ぎ接ぎだらけの妙に厚く真っ黒の装甲板、漁網用の大きなクレーンと漁網、漁船には似つかわしくない対空砲、中途半端な大きさの錨、機銃で空いたと思われる穴、

そして、漁船の生須の中身は魚ではなく、深海棲艦の残骸や艦娘の装備の一部が入っていた

 

「…で艦娘達は言ったかカル?」

漁船の操縦席にいる男がきいた

 

「あぁ、行ったよスター」

甲板で双眼鏡を覗いていたカルと呼ばれた男がそう答えた

双眼鏡の脇には[雪風]と書かれていた

 

「おう、了解だカル」

 

スターと呼ばれた男はエンジンを指導させ艦娘が制圧した棲地へ向かった

 

船の上では潜水服を着用したを背負った女が出てきた

 

「コルト、準備はいいか?」

 

「勿論良いわ、いくらきつくても金になるからね」

コルトと呼ばれた女はそう答えた

 

到着すると、コルトは海に飛び込み、カルは彼女の飛び込んだ場所に重りを着けた漁網を投げた

 

 

~海の中~

 

 

魚の群れなどを無視し、コルトはひたすら海底を目指す

 

やがて海底が見え、そこには様々な深海棲艦の残骸が散らばっていた

 

(やっと作業開始ね)

 

と彼女は呟き、残骸を調べたり、装甲や武装を工具ではずし始めた

 

 

~海の上~

 

スターはひたすらレーダーを凝視し、カルはソナーの反応をみていた

 

彼らは海底のコルトから合図があるまで、こうしているしかないのだ

 

彼らの仕事は、海底に沈んだりした深海棲艦や、艦娘の艤装の残骸を回収して、溶かし売り捌くのが仕事のいわば、

スカベンジャーである

当然彼らの行為は違法であるが、当然リスクは承知の上である

 

彼らの同僚には艦娘に見つかり逮捕された者、深海棲艦に見つかり機銃掃射で蜂の巣になった者、潜水艦の魚雷で吹き飛んだ者、不発弾を運んでいる最中に起爆し吹き飛んだ者、自分の船の最大積載量を超える量を回収し帰還する途中で船が転覆した者等色々いる

 

だから彼らは漁船には艦娘や深海棲艦の武装を装備させたり、全くタイプの合わないパーツを無理矢理溶接したり、違法レベルの改造も施されていた

 

この漁船も元々の漁船に深海棲艦の装甲を取り付け、飛行場姫の対空砲を流用したキャノンや、様々な艦娘の電探を組み合わせた強力なセンサーや、センサー妨害機、深海棲艦や、艦娘の脚部艤装を解析して製作したエンジン等を付けていた

 

しばらくすると、コルトからの合図があった

 

二人は巻き上げ機を作動させ、海底から網を引き上げた

 

網には部品が詰まっていてついでにコルトが掴まっていた

 

「コルト、今日の収穫は?」

 

スターが聞いた

 

「リ級の砲塔、たこ焼き、零式水上偵察機のフロート、川内型のカタパルト、その他装甲板よ」

 

「まぁまぁだな」

 

彼らはそんな会話をしながら、帰還する準備をしていた

すると突如警報が作動した

 

スターがセンサーを見ると空を飛ぶ何かがこちらに向かって来るのがわかった

 

「ケル!地点6.1に不明の機!」

 

ケルが双眼鏡を覗くと、瑞雲がまっすぐこちらに向かって来ているのが見えた

 

「瑞雲だ!全速力で離脱しろ!」

 

スターは通信妨害機を作動させ、そのあとにエンジンを始動させた

 

コルトは足ヒレを外し、後部の砲塔についた

 

「プラズマ三式弾、準備良し!」

 

「撃て!」

 

コルトが発射した弾は上空で青い爆発をおこした

 

そして、瑞雲は船に向けて落下していった

 

ケルが漁網を広げ、瑞雲を受け止め、操縦席の妖精をブイにくくりつけて、船外へ放り出した

 

「よし!離脱だ、ヒャッホー!」

 

三人を乗せた漁船は海域から逃げ去って行った…

 

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ケル達が去って数時間後、偵察機の報告が遅い為に偵察機の飛んでいった方角を艦娘達が捜索していた

 

艦娘達がそこで見つけた物はブイにくくりつけられ、海を漂っていた瑞雲の操縦士の妖精だけであった

 

さらに、ブイには「お疲れ」と油性のマジックで書かれており、明らかに相手を馬鹿にしていた

 

この事に艦娘達は怒り、ブイを握り潰してしまった

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

日本近海のとある島

 

この島には警備府がおかれ、かつての前線基地でもあったが、警備府は統合され、この場所は放棄されていた

 

今はケル達の活動拠点である

 

ケル達の乗った漁船がドックに入ると、ピンクの髪の少女が歩いてきた

 

それを見つけたケルは手を振り

 

「明石!ナトリウム燃料の調子はどうだ!」

 

と叫んだ

 

明石は「勿論大丈夫よ、それより今日の収穫は?」

 

と返した

 

「金剛型の砲塔、リ級の砲塔、たこ焼き、零式水上偵察機のフロート、川内型のカタパルト、瑞雲、イ級のスクリューとシャフト、ドラム缶、その他装甲板だ」

 

「なかなか集まったわね」

 

「瑞雲は解析して保存、砲塔は柱の補修、フロートは部品取り、たこ焼きはデコイに改造、金剛型の砲塔は好きにして良い、それ以外は売り払うぞ」

 

「了解!」

 

 

 




登場人物と、その他の紹介

・登場人物

ケル

本名は太田 昌平、年齢は46、一応船の所有者である
肥満体型であるが、昔は妻がいたが病気で亡くしている
この仕事に誇りを持っており、本人曰く「この仕事を辞める時は、俺が死んだ時だ!」らしい


スター

本名は星野 修一、年齢は32、船の操縦とクレーンの操作を任されている
マッドと船の改造案についてよく話している姿が目撃される(所有者のケルや、コルトはこの改造に関しては大歓迎だったりする)


コルト

本名は太田 穣、年齢は20、ダイバーのライセンスを持っている、ケルの娘であり、金にがめつい性格は母親のせい(ケル談)らしい

明石

元艦娘、大本営で技術研究をしていたが、性格に問題があり、装備開発を頼みに来た艦娘を解体しようとするなどの行動に起こし、艤装解体の上に解雇された
スターが路地裏でうずくまっていた所を連れてきた
船の装備のほとんどは彼女が開発した物である

・その他

漁船

ケルの所有する魔改造された漁船、深海棲艦の軽くて頑丈な装甲を何枚も張ったため、重巡クラスの砲撃までなら無傷で耐えれるまでに頑丈になった
さらに、電探を撹乱させる装置や、主砲まで搭載しており、もはや軍艦と言っても過言ではない領域まで、達している


プラズマ三式弾

沈んでいた長門型の艦娘の主砲の中に入っていた三式弾を解析し、別物に仕上げた物
機械システムを麻痺させる効果があるため、前後の主砲に6発づつ入っており、深海棲艦と遭遇した場合に発射し、艦隊全体を麻痺させ、その隙に逃げている
明石が造った為、ケル達には仕組みが全くわからないという


ナトリウム燃料

明石が大本営に所属していた頃に作った物
海水を分解して、取り出す為に、特別な装置が必要だが海沿いなら何処でも造れる為、新しい燃料として期待されたが、重油より危険な代物の為、研究は中止された

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