荒廃した都市。その都市の瓦礫をもぐもぐと食べる女性型の影。アラガミという、あらゆる物質を喰らう存在だ。実際はオラクル細胞という特殊な細胞が集まった粘菌のようなものである。
彼女が───というか俺が人の形をしているのは元々人間だからである。気がついたら女の子としての生を受けてて友達のラケルの実験につきあったら、なんか、化け物になった。
この世界にはアラガミと呼ばれるオラクル細胞が寄り集まった化け物がいる。極東(絶対日本)の呼び方で荒ぶる神、アラガミと名付けられたそれらを倒し人の生活圏を守るのがゴッドイーターという、オラクル細胞を打ち込み人の限界を超えた存在達。
ラケルは研究者で、俺は頭悪いからな。お前の役に立ちたいっていったら頬を染めて笑ってくれた。なんかちょっと怖かった気がするが、うん、気がするだけだよな。
そして、投与した結果あっさり失敗した。このままアラガミとなり周りの全てを喰らう前に、と逃げ出し早半年。今日も必死に生きております。
けど声が五月蝿い。『全てを喰らえ~』とか『進化をリセットせよ~』とか……。
これってひょっとしてアラガミの本能?取り敢えず石とか喰ってます。ええ、はい。
そういやラケルもオラクル細胞入ってるんだっけ?そのせいで歩けなくなったとか……声、聞こえてるのかな?いや、ゴッドイーター達はそんな話をしてないし、たぶん違うんだろう。
というか何故に俺は人の意志が残っているのだろう?脳なんて喰われたろう?あれかな?オラクル細胞が俺の脳細胞を、其処に含まれていた記憶を模倣したのかな?何それ、俺って俺って言えるの?怖。
まあ意識があるのは良いことだけどね。ちなみにアラガミとしての強さとしてはオウガテイルと泥仕合出来る程度。だった………オウガテイルとか食べている内に少しは強くなった。
そして、生活に余裕ができてくると改めて思うのが死の恐怖。いや、人として死んでるかもしれないけどさ。
けど、こういった考えが二度と出来なくなると言うのは、怖い。というわけで考えた。死なない方法を───。
核増やせばいいんじゃね?
アラガミには核がある。身体を形成するオラクル細胞を統率する核が。其処を破壊されると細胞の統率が不可能になり崩壊するのなら、その核を複数作れば命のストックになるはずだ。早速実験。早速失敗。
何だろうね?もう一つの人格が出来て、乗っ取られそうになると言うの?それも、喰う喰う喰う喰う喧しい。放り出したらアラガミが生まれた。なんとなぁく繋がってるのは解る。ていうか此奴オウガテイルやん。
完全に俺の支配下におけるようだ。また、このオウガテイルを通して他のオウガテイルを操れるようになった。
核増殖実験二年目。
子供達もだいぶ増えた。子供達、で良いのかな?子供達と言えば孤児院のみんなは元気にしてるだろうか。ラケルがが建てた孤児院、其処の手伝いにもよく言ったなぁ。というか元々そっちの手伝いこそが本職だったし。ラケルと俺の子供達だもんな、と言ったらそうね、と微笑んだラケルは天使かと思ったわ。結婚したい。今は同性だから無理だしそもそも友情以上を感じられないけど。
身体が女だからか、どうも男に引かれるっぽいんだよな。好きな男が出来たこともある。何時の間にか居なくなってたのは寂しかった。ラケルが慰めてくれたけど……親友万歳!
まあ、そんな優しいラケルの孤児院子供達が少しでも危険な仕事に就かなくてすむように、ゴッドイーターになろうと思ったんだがまさかアラガミになってしかもアラガミ増やすとか───。
いやまあこの子達は俺に忠実だし人は襲わないだろうけど。最近じゃ産まれてくる子をメイキング出来るようになった。ライオンとか剣みたいな頭をした奴とか。
あ、核増殖は上手く言った。時間がかかるけどね。完全に連結した全く同じ思考をする存在を作らなきゃいけないから当然手間だ。
………なんだけど、核が増えるたんびに処理速度が上がっていき今では別の作業しながら五分ほどで核を作れるようになった。子供達にも植え付けてこの身体が破壊されても直ぐにバックアップ出来るようにしたぜ!
まあ核の極小化とかにも成功はしたけど、流石に運動性能とか落とさずに、は限界が近づいてきた。というわけで身体の体積を増やすために角とかも作ったのだが、途中からあれ?と思った。別に、生物の形をしている意味はなくね?と──。
というわけで、地面を喰って大きな穴をあけて其処にオラクル細胞を満たした。まるで水溜まり。この中に核がある。幾つも。
それを広げる。
アラガミ生活四年目。
最早海といっても過言ではない。というか海の一部を占領した。人型の部分は今や端末の一つ。我が子達もだいぶ増えた。何度か他のアラガミとも抗戦になったけど海に取り込み、学習し、作り直した。今は話し相手が欲しくて人型のアラガミを作る練習中。今日も、俺にとっては平和な日常が続く。
海の一角を黒く染め上げるアラガミが確認された。それは大きな角を生やした人間の女性のような形をしており、即座に討伐隊が組まれた。しかし、それは無意味に終わる。黒い海はオラクル細胞のプール。触れれば即座に補食される。補食されたゴッドイーターは、全身の細胞をオラクル細胞に変えられた人型アラガミとして敵となる。本体も黒い海の中央にいるため近付けず、狙撃しても傷一つつけられない。また、黒い海は無数のアラガミを生み出し少しでもとどまれば囲まれ喰われてしまう。
故に倒せず、そのアラガミは海の化身にして数多の生き物の祖である神の名を与えられた。特級接触禁忌種──ティアマトと。
ティアマト
人間時代はティアという名前であった。ラケルとは古い友人であり足が動かなくなった彼女を甲斐甲斐しく世話していた。男勝りな性格で女にもそこそこモテていた。告白されたことはない。身体が女だからか男に引かれた過去を持ち、それまで女らしいことをしてこなかった為親友であり一番女の子らしいと思っているラケルに相談するも想い人は何時の間にか消えており、ラケルが一晩中慰めてくれた。抱き締められて頭撫でられたり。
孤児院の子供達がゴッドイーターにならずにすむように少しでも多くアラガミを減らそうとゴッドイーターになることを決意。アラガミ化する。
逃げ出し、野をさまよう中少しでも生存率を上げるために核を増やすことにした。その実験中、アラガミを増やす能力を得た。
その後核を無数に増やした結果結合率が並外れて高くなり接触禁忌でも傷を付けることは難しい存在となった。
身体に収まりきらなくなった核を保存する黒い海を形成。この黒い海も本体──というより核の比率的にこっちが本体。生み出した個体一つ一つに己の核を入れており核が一つでも残っていれば復活が可能。ゴッドイーターが黒い海に飲まれると体内のオラクル細胞と黒い海が干渉、本人を完全に模したアラガミとして生まれ変わらせる。また、オラクル細胞一つ一つにその個体の情報があるため黒い海の上なら何度でも復活可能。
ティアから見たラケル。
親友 歩けない?俺が何処にでも連れて行ってあげる! 天使かな? 結婚しよ。え?冗談冗談 孤児院の子供達は俺たちの子供だよな!
ラケルから見たティア
男勝り 男言葉 王子様 いい匂い お馬鹿で可愛い 首輪をつけて媚びさせたい