クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Another Story   作:クロスボーンズ

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本来二つに分ける予定だ出たシナリオを一つに纏めてみました。

深夜のレポート開けでテンションおかしい時に書いた為、至らない箇所があるかもしれませんが、温かい目でみてくだされば嬉しいです。

なお、予め言っておきます。ここで出てくる言葉のうち、何処かで聞いた事がある単語が出てきたと
しても、それの元ネタとは何の関係もありません。

俗に言う名前が似ているだけです。

それでは本編を、お楽しみください!




第46話 戦火は再び・・・

まずアンジュ達の目に写り込んだのは天井であった。

 

「ここは・・・?」

 

周りを見渡してみる。自分はベットに寝ており、周囲にはナオミ、ヴィヴィアン。そしてタスクがいた。三人ともアンジュに続く様に目覚めた。

 

「あれ?確か俺たち・・・」

 

「大丈夫ですか?貴方方は黒の部隊に回収された後、直ぐに気を失って眠っていましたよ」

 

心配そうにドクターゲッコーが顔を覗き込んできた。その隣にはサラマンディーネ達もいる。

 

「確か私達・・・そうだ!サラ子!私達をあの場所に連れて行きなさい!」

 

「ええ。私達もあの場所へと行くつもりでしたし」

 

状況を思い出した四人は跳ね起き、サラマンディーネの背中を急かしながらある場所へと進んで行った。

 

「一体どういうつもりよ!説明しなさい!」

 

現在アンジュとナオミ、タスクとヴィヴィアンの四人は黒の部隊の執務室に来ていた。そこにはアスカを除いた黒の部隊のメンバーが集まっていた。内容は無論、シルフィーの暗殺についてだ。

 

しかし先程から部外者に話すことはないの一点張りをされている。

 

「ロシェン様、何故魔人族に対しての作戦が私達に教えてもらえないのですか!?今後の行動のために・・・」

 

【ドスッ!!】

 

次の瞬間、サラマンディーネの身体は扉へとたたきつけられた。ロシェンがサラマンディーネを殴りつけたのだ。

 

「サラ子!?」

 

「放っておけ」

 

ロシェンが殴った手を擦っている。

 

「一般軍人が口を挟まないでもらいたい!ここは

黒の部隊の作戦室だ。正規軍とは、やり方が違う!!」

 

「たとえ対魔人族の為に作り上げた部隊とはいえ、同じ軍隊であることに変わりはないはずです!」

 

「総帥は黙れと言っている!」

 

今度はカリンがサラマンディーネに殴りかかった。これにはナーガとカナメも激怒した。

 

「貴様姫様に向かって!」

 

「忘れたとは言わせないよ。ここでは如何なる階級であろうと、黒の部隊の位が優先される。たとえ相手がお姫様であろうとな」

 

その言葉にサラマンディーネ達は押し黙ってしまった。それはその言葉が真実である事を物語っている。しかしアンジュは黙らなかった。

 

「あんた!一体どういうつもりよ!シルフィーを殺す様に仕向けるなんて!」

 

「・・・いい機会だ。この映像を見てもらおう」

 

室内が暗転したかと思うと、そこには映像が映し出された。避難所で見た映像システムと似ていたが、映像の中身は違っていた。

 

「この映像は・・・」

 

「アカシックレコードを知っているか?」

 

「それなら聞いたことがあるわ。確か地球の全てが、そこには記録されている。でも、その存在は伝説のはずよ」

 

「その伝説の存在が、今君達が見ている映像。フォビドゥン・ファイルだ」

 

フォビドゥン・ファイル。魔人族がこの世界で行った侵略行為がこのファイルには保管されているのだ。

 

「まず魔人族が現れたのは、今よりもっと昔、そう、あのD warsと呼ばれるあの戦争より遥かに昔の事だ。かつて、この世界にいた人間は、時空転移実験を行った」

 

「時空転移実験!?それは確かD warsでこの地球が滅びかけ、それから逃れる為に研究されたのではないのですか?」

 

タスクが口を挟む。

 

「それは少し違う。時空転移の技術はとっくの昔に確立されていた。そしてこの技術の確立直後、かつての人間達はある事を試みた」

 

「ある事?」

 

「別の地球から知的生命体を呼び寄せる計画とされている。言い伝えによれば、その実験で、太平洋に島が転移してきたらしい」

 

「・・・で。その結果、魔人族って呼ばれる団体が来た訳ね」

 

「そうだ。魔人族はこちらの交友の使者を殺した。その為当時は戦争になると誰もが予想したが、ある事実が発覚した為、戦争にはならなかった」

 

「ある事実?」

 

「当時、魔人族には機械文明がなかった。空輸などの技術はなく、船などは良くてイカダであった。だから当時の人間達は、魔人族の転移してきた島を大目に見積もって封鎖し、実質飼い殺しにする事を

決定した」

 

「そして人間でない存在を呼び寄せた為に、時空転移技術は禁忌とされ、封印されていたのだ」

 

「そこから永い刻が流れ・・・D warsが勃発した。その結果は君達も知っているだろう?多量のドラグニウムが地球全土に降り注ぎ、地球は実質崩壊。その地球から逃れる為に時空転移技術もその時に解禁された」

 

「そして長い時は、魔人族に発展の機会を与えてしまった。魔人族は機械文明を手にすると、その力でドラゴン達にケンカを売り付ける時もあった」

 

「こうして徐々に不満が燻っていき、そして遂に第一、第二のレーテの悲劇が引き起こされたのだ」

 

レーテの悲劇。ある日、アウラの家が突然出火。当時病弱だったアウラの娘と、その世話をしていたベビーシッターが死亡。そしてアウラも全身火傷の大怪我を負った事件である。

 

そして第二のレーテの悲劇。魔人族がエンブリヲと共謀しアウラを誘拐。そしてその場にいた市民の殆どが焼き殺された事件である。この二つのレーテを引き起こした存在とされるのが、シルフィーである。

 

「そこから龍魔大戦と呼ばれる戦争が引き起こされだ。その結果として、我々黒の部隊は勝利を収めた。だが終戦にあたり、魔人族の死体を確認出来なかった為、魔人族がまだ生きている可能性を考慮し、黒の部隊は維持されたのだ」

 

映像はここで終了した。電気が再びついた。

 

「これでわかったか。奴らは侵略者の末裔だ。この地球には、この様な言葉がある。何人も、その星に住む者を侵略する事は許されないのだ」

 

タスクの表情が曇った。彼ら古の民は、その侵略行為を受け世界から追放された存在だ。その言葉に何かくるものがあるのだろう。

 

「・・・あの。貴女の話を聞いてて少し疑問に思った点があります」

 

恐る恐るナオミが質問をした。

 

「貴女の言い方、特にDwarsから後の言葉は、まるでその場にいたかの様な言い方でしたので。そんな昔の事を貴女は見ていたのですか?」

 

その質問にロシェンは一つため息をした後、呟いた。

 

「・・・私は始まりの光を浴びた存在だ」

 

「始まりの光?」

 

「それについては私が答えましょう」

 

背後から声がした。振り返るとそこにはドクターゲッコーがいた。

 

「始まりの光とは、私達の中で初期の頃にドラゴンとなった者が浴びた光の事です。この光を浴びた存在は光の作用か副作用かは分かりませんが、寿命が極端に伸びました」

 

「とはいえ、第二のレーテの悲劇でその殆どが焼き殺され、残っているのはロシェン様と大巫女様。

議会の方々。アスカ。そしてアウラだけです」

 

「ゲッコー!その様な事を部外者に伝えるな!」

 

「あら。すいませんね」

 

「とにかく!今後私達は対魔人族の掃討作戦を開かねば成りません。アンジュ達。貴女達にはこの件から退いて貰いたい」

 

「なんですって!?」

 

「これはこの世界の問題だ。他所の世界の人間がとやかく口を挟むべき問題ではない!直ぐに元の世界に・・・」

 

「ビーっ!ビーッ!ビーッ!」

 

突然執務室にけたたましくサイレン音が鳴り響いた。赤ランプもぐるぐると点灯している。

 

「何事だ!」

 

「大変です!現在魔人族の部隊が進行中です!」

 

「なっ、場所は!?」

 

「現在都からはかなり離れた距離ではありますが、このまま進軍が続けば、後18時間後には、都へと侵入されます!それにDEMの反応が7つ程確認されています!」

 

DEMが7つ。皆予想がついた。α、β、γ、Δ、Ζ。ν。そしてΩ。

 

次の瞬間、ナオミは部屋を飛び出した。それに続くかの様にアンジュ、タスク、ヴィヴィアンが飛び出した。

 

「ナオミ!・・・シルフィーを連れ戻すんでしょ」

 

「話を聞きたい。あの時の言葉が本心だと、私は思わない。だから・・・」

 

「私も付き合うわ。首根っこを掴んででも一緒に戻ってやる!」

 

「私も行く!このままお別れなんて嫌だ!」

 

「・・・ミィ」

 

ヴィヴィアンも名乗りを挙げた直後、彼女の本名を呼ぶ声がした。背後には娘を心配する母親がいた。

 

「お母さん」

 

「・・・何も言わなくていい。アンジュさん。娘を、そしてシルフィーさんをお願いします」

 

「そうですか。やはり貴女方は、その道を選ぶのですね」

 

声の方に振り返る。そこにはサラマンディーネ達がいた。

 

「止めても無駄よ。私達は私達の仲間を連れ戻す。それの邪魔をするなら・・・」

 

空気が張り詰めている。このままいけば一悶着起こる雰囲気であった。だがその空気も直ぐに過ぎ去った。

 

「私と行動を共にするのであれば、戦線への参加を認めます」

 

「姫様!?」

 

「ですが、もし彼女達と戦場で対峙する様な事となれば、その時私は迷わず戦います。それを邪魔しない事。それが条件です」

 

「・・・上等よ」

 

「今から一時間後、私達は進軍を止めに戦場に行きます。それまでに用意をし、議会の入口へと機体と共に集まってください」

 

そう言うとサラマンディーネ達は来た道を引き返していった。曲がり角に差し掛かって途端である。

 

「姫様、少しよろしいでしょうか?」

 

不意にドクターゲッコーが話しかけてきた。

 

「例の件ですが・・・ごにょごにょ」

 

「なんですって・・・後で確認をとります」

 

 

 

 

 

あれから一時間後、議会の入り口にはドラゴンの部隊。龍神器3つ。そしてアンジュ達のパラメイルが集っていた。

 

「私達の目的は、現在都に向けて進軍中の魔人族を討伐する事です」

 

「姫様!対魔人族の為に設立された黒の部隊は!?」

 

「それが、黒の部隊はこれまで演習がほとんどであった。故に実戦での部隊などを動かす手続きが全く取れない!許可が取れすぐに援軍として駆けつける予定です。それまでに我々で、いえ、我々の手で魔人族を討伐するのです!」

 

「何よあいつら!偉そうな事言って、結局他人任せじゃない!」

 

「これじゃあ税金泥棒だな」

 

皆が思い思いの愚痴を言う。長い間ある組織ではこの様な不満も溜まるものなのだろう。

 

「ドラゴン軍!進軍せよ!!」

 

ドラゴン達は飛び立った。戦場を目指し・・・

 

そしてそれを参謀室から見つめる者がいた。ロシェンだ。更にその隣にはリラもいる。

 

「例の計画を始めるぞ。リラ」

 

「そっちはどうぞが勝手に。でも、僕の邪魔をしたら許さないからね」

 

そう言うと、二人は参謀室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方こちらは、シルフィーサイド。

 

時間軸は、シルフィーがナオミ達と別れてからすぐ後の事。

 

ゲートを通った先は、何処かの部屋である。その部屋の雰囲気は社長室の様であった。

 

「ここは?」

 

「おいおい忘れたのか?ここはスマートブレイン。俺たちが所属していた軍隊だ」

 

天井の照明が、暗い部屋を明るく照らす。皆、緊張の糸がほどけたのか、思い思いの体制で床やソファーに横になり、寛ぎはじめた。やがてシオンが口を開いた。

 

「さて、シルフィー。お前が聞きたいことは何だ?」

 

「あっ。じゃあ率直に聞くけど、私は人間なの?それとも化け物なの?」

 

「答えを言ってしまえば俺たちは人間じゃない。俺たちは人間の姿を借りてるだけで、化け物の姿が本当の姿なんだ。ちなみにシルフィーの姿はキマイラだな。俺はケンタウロスがもとになってるな」

 

「なんめ私はあの島で目覚めたの?」

 

「かつて俺たちは、竜魔大戦に負けた。その時このまま滅ばぬ様に、俺たちはDEMに備えられたコールドスリープを使う事にした。そしてあの島は時空転移で向こうの世界へと移転した。そして今から10年前、地殻変動の影響で俺たちは目覚めた」

 

「他に魔人族はいないの?」

 

「いない」

 

「ミスルギで私が使ったあの能力。あれは何

なの?」

 

「あの能力は魔人族が持つ標準スキルみたいなものだ。魔人族はそれぞれ何かしらの能力を持つ。俺がゲートの魔術みたいにな。シルフィーのは、自分以外の他者の原子や分子を操作できる。わかりやすく言えば、相手を燃やしたいとき、燃えろと念じれば相手の原子や分子がプラズマとなり、瞬間的に超自然発火を引き起こす。これ以外にも念じればそれなりにできると捉えておけ」

 

最後の質問、黒のドラゴンが言っていた言葉。それはシオン達も聞いていたはずだ。

 

魔人化の発動トリガーは基本自己の任意によるもの。だが例外は存在する。身体が死ぬとき、生き延びようと自然に発症する。そしてこの発症はあくまで肉体を強化しているが、あくまで死への時間が伸びているだけ。

 

その間に原因を取り除かなければ今度こそ死ぬ。シルフィーに生えた翼はまだそのままだ。つまり症状はまだ直っていない。

 

「私には・・・後どれくらいの時間が残されてるの」

 

一瞬にして場の空気が凍りついた。これまでの知らない事を教える簡単な空気ではない。彼女の質問は答えではなく宣告になってしまう。

 

「・・・それは俺達には分からない。このまま何事もなく、数十年間生き続けるのか、それとも一分後には発作が出て即死ぬのか。そしてそれは、俺たちも同じだ・・・」

 

「・・・ねぇみんな!お酒飲まない?せっかくシルフィーと合流できたんだし」

 

場の雰囲気に耐えきれなくなったのか、ミリイが備え付けの冷蔵庫から酒とツマミを取り出した。

 

「そうだな。せっかく昔みたいに揃ったんだ。後の事は今は考えずぱーっといこう!」

 

「ほら、シルフィー。あんたも一応二十歳超えてんだ。鬼殺しの一本くらいのみな」

 

エセルが酒とチーズを投げてきた。慌ててそれを受け止める。

 

周りは何のためらいもなく、酒を口に流し込む。恐る恐るシルフィーもビールに口をつける。

 

「どうだい?初めてのビールの味は?」

 

「・・・変な味・・・」

 

その一言に、皆が大爆笑した。そこからは皆、一気に酒が入ったのか何処か浮き足立ち、されど何処か空元気な雰囲気がその場を支配した

 

「全くシオンはゲートでいいよな!俺の能力なんて重力変化だぜ。いつ使うって能力よ」

 

「それならまだいいじゃないか。私なんて瞬間絶対零度魔術だぜ。寒いったらありゃしねぁ」

 

「私は大地を操る魔術かな?シルフィー覚えてない?貴女を檻に閉じ込めた能力の事」

 

「皆さんは戦闘用向きなんですね。私なんて本来保健の先生ですから能力だっけ外科的治癒能力。戦いには向いてませんよ」

 

「まだいいじゃん!私なんて触れた物体を灰にする魔術だよ。触れなきゃダメなんだよ」

 

その後、思い思いの愚痴を述べ、宴会の様な夕食は自然と、一人、また一人と潰れていく事で、御開きとなっていった。

 

 

 

 

 

 

やがて夜も更けた頃、不意に皆が眼を覚ますと、そこにはシルフィーの姿がなかった。

 

「あいつ、トイレにでも行ってるのか?」

 

ふとエレベーターを見ると、地下一階、DEMが置かれている格納庫を指していた。皆が一度顔を見合わせた後、全員で格納庫へと降りていった。

 

そこにはそしてオメガの前にシルフィーはいた。今まで泣いていたのか、目は泣きはらし、床には軽く水溜りが出来ていた。

 

「オメガ・・・」

 

「・・・泣いてた。ついさっきまで。これから先、辛くて泣かないようにと・・・そしてもう一つ。彼女が私にした質問がある。何でシオンは、十年近く私を放っておいたのか」

 

その言葉に鞘へとシオンの手が伸びた。見れば見るほど今の彼女は無防備。真正面から殴り合えば能力の件もありまず勝てない。だが今なら勝てる・・・殺せる。

 

そんな考えがよぎった。数百年前、かつての龍魔大戦時の記憶が脳裏をよぎる。

 

(私達は!仲間じゃ!友達じゃなかったの!?)

 

(私はこうするしか生きていけなかった!!)

 

(文句あるどっかいけよ!!私を見捨てたあの時みたいに!!)

 

「やめろシオン」

 

顔を上げるとオメガがブラスターを突きつけていた。今にもシオンを叩き潰すかの様な位置に置かれている。気がつくと自分は既に刀を抜いており、それを彼女の手前まで突き付けていた。

 

すると先程まで静観していたドミニクが声をかけた。

 

「シオン。一つだけ答えて。貴方の目にはシルフィーがどう映ってるの?先生を実質殺した忌むべき存在?私達とは別の時間を生きたシルフィー?それとも・・・私達と一緒の時を過ごしたリラ?」

 

「・・・・・・」

 

その質問に、シオンは答える事ができなかった。自然と皆の視線が奥へと集まる。DEMが置かれている格納庫のさらに奥。そこには一つのカプセルが安置されていた。そしてその中には、一人の少女が眠る様に死んでいた。

 

腰まである白い髪、透き通る肌白い肌、少女の容姿はシルフィーと同じであった。だが彼女の周りには生命維持装置が至る所に備えられており、コールドスリープ中とはいえ、余りに厳重すぎである。

 

そして彼女には、決定的に一箇所だけ違っていた。カプセル内の彼女には・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両腕がなかった。

 

 

 

次の日、シオン達は地下格納庫に集合していた。皆の手元には資料と、DEMのコントロールユニットが握られていた。

 

「全員集まったな。これから俺たちは、ドラゴン達に戦争を仕掛ける。狙いはドラゴンの都の心臓部分、特異点発生装置。これの破壊だ。各自の役割は渡した資料に記されている」

 

するとシオンはシルフィーの方を向いた。彼女自身は何も言わずに黙って資料を読んでいた?

 

「シルフィー。お前は今回の目標の切り札だ。だからトレーラーの助手席にいろ。オメガなら自動操縦で動ける・・・なぁ。シルフィー。この戦いが終わったら、名もなき島で俺たち皆んなで過ごそう」

 

「・・・」

 

それに彼女は何の返事もしなかった。

 

「よし。それじゃあトレーラーに荷物は乗せたし、あれをやるか。シルフィーは聞いてるだけでいい」

 

「自分達に居場所はない。ならば自分の手で手に入れる。居場所も、未来も」

 

自分達を奮い立たせる文を詠唱した後、皆がスマートブレインを後にした。

 

 

 

そして現在、ドラゴン軍と魔人族の両軍は、互いに睨み合っていた。一触即発とは正にこの事を言うのだろう。誰もがその場の空気によって、動けない状態であった。

 

気まずいのか、シルフィーはアンジュ達と目を合わせない様にしている。

 

「・・・どけ。俺たちはドラゴンを皆殺しにしようとは思っていない。そしてアンジュ達。言ったはずだぞ。俺たちの前に立ち塞がるなら容赦はしないと」

 

「残念ね。それで黙って引き下がる程、私達は大人しくないわよ」

 

「降伏して頂けませんか?貴方方も七人で我々と戦えば、勝ち目がないのは目に見えているはずです」

 

「・・・そちらの言葉ではないが、そんな言葉で引き下がる様なら、始めなら戦争をするつもりなんかねぇ」

 

その言葉に皆が武器を握り直した。血の雨が降る事は予想できた。

 

「ギャオーーーン!!」

 

遂にドラゴン達が、シオンめがけて突撃してきた。その瞬間であった。

 

「よし!全員俺のそばに集まれ!!」

 

トレーラーから乗り手が飛び出す。その掛け声の次の瞬間、シオン達の足元に大きな穴が出現した。それはシオンを中心にDEMと共に一瞬で消えた。そして穴は直ぐに塞がれた。

 

「きっ、消えた!?」

 

皆が困惑していた。あのゲートは所謂どこでもドアだ。つまり何処かへと移動した訳だ。では何処へ?そう考えた次の瞬間、都から緊急通信が入った。しかも相手は大巫女様である。

 

「サラマンディーネよ!すぐに兵を戻すのだ!」

 

「大巫女様!どうなさったのです!?」

 

「魔人族が、この都に攻め込んできた!」

 

その瞬間、皆が敵の狙いを理解した。

 

「まっ、まさかあいつら。戦力を引きずり出させて、手薄になった都に直接攻め込むつもりだったのか!!」

 

「姫さま!急いで戻らねば!」

 

「そうはさせん!」

 

その直後、トレーラーのコンテナ部分が開かれた。そこには100体を超えるであろう人間の大きさをした、異質な存在がいた。そいつらは銃を持ち、無機質な声でこう告げた。

 

「お前達の相手は、我々ライオトルーパー隊だ」

 

時を同じくし、竜の都にて。

 

「あっ、あれは何だ!!?」

 

都にいる人々は、皆空を見上げていた。それに空いた大きな穴。そしてそこから7つの機影が姿を現した。その手には機体の乗り手を乗せて。

 

「さぁ、戦争の始まりだ」




今回の話は深夜の変なテンションの時に書いた回なので、至らない箇所があるかもしれません。

その為、質問などを受け付けることにしました!ストーリーのネタバレになる様な内容は答えられませんが、もう少し詳しく説明してほしい箇所がありましたら、遠慮せずに質問してきてください、
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