クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Another Story   作:クロスボーンズ

55 / 59


さぁ、今回と次回で精神世界編をやっていこう!

回想シーンについてですが、その人物の記憶と言いつつ、実際にはその場にいない、見てない事が幾つか含まれていますが、なんの問題もありません。温かい目で見守りましょう。

尚、この章だけの取り組みとして、この『』を使っている会話分は、回想など、過去部分の会話だと捉えてください。


第52話 絶望の帝王

 

 

心の傷は肉体の傷とは違う。肉体の傷ならば薬などで癒し、痛みが引いてくる。やがて傷跡も癒えてゆき、少し手を加えれば元に戻る。

 

だが心は違う。薬などなく、例え表面に傷口がなかろうと、どれだけ気高く振る舞おうとも、心にその受けた傷跡と恐怖は、永く残り続けるの。

 

そしてそれは時に、時間の流れでさえ癒せない時もあるのだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ん。んんっ?」

 

アンジュ達が目を覚ました。自分のいる場所は何処かの室内である。すると周囲の人間も、続々と目を覚ました。

 

「ここが、精神世界ってとこなの?」

 

「あぁ。間違いない」

 

室内には棚の様な物が並べられていた。だが全ての棚が空っぽであった。床にはビデオテープの様なものが乱雑に放り出されていた。その全てに日付が刻印されている。

 

「これが、シルフィーの記憶?」

 

不知火は数個のテープを取ると、近くのデッキで

再生し、その映像に喰いついていた。

 

試しにアンジュ達も一つ、手に取ってみた。今から1.2ヶ月程前の日付が刻印されたテープ。近くには再生機の様な物がある。

 

粗い画面の後に、映像が始まった。シルフィー目線なのか、カーテンの様な何かが開かれた。

 

『シャイニング・ラブエナジーで私を大好きになぁ〜〜〜れっ♡』

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

アンジュ達は無言でテープを取り出し、元の場所へと戻す。自分達は何も見ていない。サリアなんて見ていない。いいね?

 

近くのテープを棚に入れてみる。すると棚から入れたテープが射出された。まるで拒絶するかのように。

 

「こいつ!入りなさい!!」

 

「無駄だよ。それは主が望んだ事。楽しかった過去も、楽しい思い出も必要ない。そう言って全てをぶちまけた」

 

不意に声がした。振り返るとそこには見知った顔がいた。

 

「シルフィー!?」

 

「違う。私は貴女達がシルフィーやリラと呼ぶ人間の精神体の切れ端。それともう一つ。ここにあるのはあの子の記憶。リラとして生きてた頃の記憶はないよ」

 

「おお美しい花よ。その名を何という」

 

「先生。自分の娘を口説こうとしないでください」

 

「冗談だ。なぁお嬢さん。貴女の主は何処にいらっしゃる?」

 

すると彼女は奥の扉を指した。

 

「あの扉。あの部屋に、主がリラとして生きてきた頃の記憶がある。その部屋の奥にもう一つ部屋がある。そこに、本当の精神体がいる・・・」

 

慎重にドアノブに手をかけた。ゆっくりと中を開けてみる。まず鼻に不快な異臭が来た。

 

「こ、これって!!」

 

中は凄惨な光景であった。先程は空っぽの棚にばら撒かれたテープであったが、今度のは少し違っていた。

 

今回、床にばら撒かれたテープの殆どが血で赤黒く染まっていた。まるで忌まわしい記憶の様に。その中で数個ほどある、鎖が巻かれたテープ。その内の一つのテープに刻印された日付が一段と目を引いた。

 

「◯◯年12月24日」

 

その日付に魔人族とサラマンディーネが反応した。

 

「先生。これって・・・」

 

「間違いない。これは、あんたらの言う第二の

レーテの悲劇の時の物だ」

 

「なっ!第二のレーテの悲劇・・・」

 

第二のレーテの悲劇。魔人族がエンブリヲと共謀し、アウラを連れ去った。その後魔人族により、

ドラゴンの市民の半分以上が焼き殺されたあの忌まわしき事件。

 

「直ぐに再生を!」

 

デッキに皆が注目する。しばらくして、映像が開始した。

 

『カリス!何とか、何とかならないのか!?』

 

その映像の最初は、隔離室の様な場所でカリスと不知火。そして明らかに体調の悪いシルフィー、いや、リラが映し出されていた。そしてリラの両腕には、腕輪が付けられていた。

 

『・・・無理ですよ。体内組織が完全に崩壊しています。逆になんでこれまで症状が起きずに、普通の暮らしをしてたのか、そして今も生きていられるのか。この状態事態が奇跡です』

 

『何とかならないのか!ドラグニウムを取り出すとか・・・なんか手はねぇのか!!!』

 

『・・・一つだけ。方法があります。不可能に近い方法が一つ』

 

その言葉に不知火の眼に光が戻る。

 

『なんだそれは!教えてくれ!!お願いだ!!どんな不可能だって、俺は乗り越えてきた!今度も乗り越えてみせる!だから教えてくれ!!』

 

『ドラゴンの所に行き、ドラグニウムを浄化するんです。それならドラグニウムを実質無力化できます。そしてそれを通院の様に定期的に通う形で。

それが、この子が助かる唯一の方法です』

 

『ですがその手法は恐らく無理です。実質交流を

絶っているのに、信用できるドラゴンがいるのですか・・・』

 

やがてカリス達が帰った後、不知火はあるものを

取り出した。それはトランシーバーの様な通信機である。

 

『・・・もしもし、俺だ。アウラ、緊急事態だ。

浄化を頼みたい・・・あぁ。今日の19時、場所は初めて俺たちが出会ったあの滝壺・・・え?腕輪?あぁ。娘が二つとも付けてる・・・直接合って話したい事?わかった。こっちも話したい事がある。弟子達は呼ばない。二人と二機だけで行く・・・頼む』

 

そして時間は経過し、二人は外へと出ていた。リラはオメガに、不知火はファントムに乗っていた。とは言え、今のファントムは飛べない為、バイクの様な見た目となっていた。

 

『これから、何処に、いくの・・・』

 

『リラ。これからリラはお母さんと会うんだ』

 

『お母さん・・・私のお母さんって、どんな人なの?』

 

『あいつは、リラと同じくらいのペッピンさんだぞ。きっと男だったら、お前だって惚れてるはずだ。今回は事態が事態だけど、いずれ新しい家族として、ミリィにも合わせてやらないとな・・・にしても』

 

不知火が腕時計を見ている。時刻は既に19時03分となっていた。

 

『遅いな。そろそろ来てもいい頃合いなのに』

 

【ガサガサっ!】

 

すると近くの茂みから物音がした。

 

『アウラか!?』

 

だがそこから現れたのはアウラではなく、全身ボロボロのアスカで有った。

 

『おっ、おい!あんたしっかりしろ!大丈夫か!?』

 

『伝言。不知火に・・・大変だ、都、襲撃・・・』

 

『都が襲撃!?どういう事だ!』

 

『このままでは、アウラが・・・アウラが・・・』

 

『おい!しっかりしろ!アウラがどうした!!』

 

だがアスカはその眼を静かに閉ざした。余りの疲労などで、意識不明の重体である。

 

『ファントム!リラを頼む!!オメガ!力を貸せ!』

 

お互いに機体を乗り換え、不知火は都を目指し飛ばした。竜の都では、至る所から火が噴き出ていた。逃げ惑う民。黒いラグナメイルに立ち向かうドラゴン。

 

そしてそれを蹂躙する黒いラグナメイル達。

 

その奥に一際巨大なドラゴンが囚われていた。そのドラゴンは今にも、空間に開いた穴に向かって放り投げ出され、直ぐに穴は塞がった。

 

『アウラァァ!!!』

 

その大きな叫びに反応してか、ある男が、振り返った。

 

「エンブリヲだ!」

 

タスクが憎々しげに見つめる存在、エンブリヲ。アンジュ達の世界を創り出し、古の民を迫害した全ての元凶。

 

『おや?魔人族とは珍しい。ここになんの様かな?』

 

『てめぇかか。てめぇがこの騒動の首謀者か!!』

 

『だとしたら、何かな?』

 

『妻を返してもらう』

 

『それは出来ない。彼女はいずれ、私の目指す理想の世界の、必要なパーツとなる。やれ』

 

無人のラグナメイルがオメガ目掛けてやってきた。

 

『邪魔すんじゃねぇ!!!』

 

一気にオメガはアクセルモードへと変化し、黒いラグナメイルを次々と叩き潰していく。

 

『機械に負ける俺じゃねぇ!!妻を、アウラを返せぇ!!』

 

遂にエンブリヲのヒステリカと組み合いとなった。

 

『ほうっ。中々の戦闘力を持つ機体だ。だが所詮は猿知恵の集まり。私に勝てると思わない事だ』

 

そこに一つの機体が慌てて駆けつけた。ファントムだ。

 

『ご主人様!大変です!!娘さんが!!』

 

『何!?』

 

リラの意識は朦朧状態である。既に身体からは血が流れ出ている。棺桶に片足を突っ込んでいた。それをエンブリヲは見逃さなかった。

 

『成る程。あのガラクタがウィークポイントか』

 

『!リラ!!!』

 

ディスコードフェザーの直撃からファントムを庇い、オメガは地面へと叩きつけられた。

 

これ以上は時間の無駄と感じ、エンブリヲは破壊されかけたラグナメイルを引き連れ、向こうの世界へと渡っていった。

 

『なんて事だ!アウラが!アウラが連れ去られた!!』

 

『我々はどうすればいい!!』

 

指導者を失い、民は混乱している。不知火は娘を担ぎ、機体を動かそうとする。しかしオメガは起動しなかった。

 

『落ち着くのです!!』

 

騒ぎを咎める様な威厳ある声が響いた。その声の主はロシェンであった。

 

『狼狽た所で何も変わらない!誰がどう見ようと、これは魔人族の侵略行為である事は、明白だ!魔人族はこの世界を棄てた裏切り者、エンブリヲと共謀し、我々を滅ぼすつもりだ!滅ぼされてたまるものか!この魔人族を処刑するのだ!』

 

「なっ!」

 

「馬鹿な!先程の何処に、我々の世界への侵略行為と言える箇所があるのだ!?」

 

だが、既に錯乱していた民にとって、その言葉は次やるべき事を指し示していた。こうして二人がギロチン台へと架けられた。

 

『待て!俺ならどうにでも殺せ!娘に手を出すんじゃねぇ!!』

 

『よかろう。まずは父親の首から斬り落としてやれ』

 

【ザシュッ!】

 

意識が朦朧としていた彼女だが、その瞬間は見てしまった。目の前で首を斬り落とされた父を。赤い血飛沫が飛沫する。

 

『あっ・・・ああっ・・・』

 

『さて。次はお前・・・』

 

『や・・・やっ・・・』

 

『ん?』

 

『やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!!』

 

次の瞬間、振り下ろされたギロチンの刃はガラスの様に砕け散った。リラの姿が完全に獣へと、キマイラへと変化した。

 

『お前たち、もう許さないぞ・・・』

 

すぐ近くのドラゴンに右手をかざした。途端にドラゴンは燃えだし、炭となる。

 

そこからは先程よりも大パニックであった。恐怖で足がすくむ者。ヤケになりリラに挑む者。そしてそれを噛み殺して行くリラ。早めにその場を逃げた者達を除き、例外なく次々と殺された。

 

そしてその地獄の終わりは突然であった。突然リラの姿がキマイラから人間へと戻り、倒れ伏した。

 

「何が起きたの・・・」

 

「幾ら魔人の姿となっても、それはあくまで延命の延長線に過ぎない。あの場でキマイラになったら、都から逃げれば良かったが、あいつは逃げなかった。その結果、ドラグニウムの過剰吸収に身体が耐えきれずに心肺停止。あいつはこの時に死んだんだよ」

 

その頃、ようやく自己再生の能力で首と胴体が繋がった不知火が見たのは、この世の地獄であった。

 

『リラ!?おい!リラ!!』

 

『先生!!』

 

その時、チャリオットの様な物に乗ったシオン達が駆けつけてきた。

 

『お前たち!どうしてここに!!』

 

『ミリィが二人がどっか行ったって聞いて、まさかと思って例の場所に行って、そこで倒れてた女から聞きました!!』

 

『何考えてんですか!?こんな毒の溜まり場に来て!ファントムとオメガはフリード達が回収しています!!今すぐにここから撤退しますよ!!!』

 

『見ろ!魔人族だ!やはりこれは、魔人族の侵略行為なんだ!!」

 

生き残ったドラゴン達がシオン達を指差す。魔人族は踵を返し、都から逃げ出す。それにドラゴンは一匹も追いかけて来ようとはしなかった。それだけ、都の被害も出たという事だ。

 

『死ぬなリラ!!死ぬんじゃない!死ぬなぁーー!!』

 

不知火は移動中、必死にリラの心配蘇生を行っていた。意地でも蘇らせる。やがて一同は、住処へと帰還した。

 

『ここなら脅威的な意味では安心できる。待ってろリラ!直ぐに俺の魔術で治してやるからな・・・』

 

そう言う不知火の手は震えていた。彼には分かっていた。自分が無理な事を、馬鹿な事を言っている事に。遂にエリスは宣告した。

 

『不知火。時間がないからはっきりと言うわ。貴方の魔術は自己再生。自分の事ならたとえ首を折られようと平気な程に強い。でも親子間とはいえ、他人であるリラに、貴方の能力は何の意味も持たない』

 

『お、俺は魔人族デルザー軍団大首領、不知火様だぜ。こんな、こんな一人の少女の命くらい、余裕で救える・・・』

 

モニターを見ていた不知火の手が震える。自分の情けなさに、自分への怒りで。モニター内の不知火も同じであった。

 

『・・・何がデルザー軍団大首領だよ・・・何が神に等しい存在だよ!!妻を目の前で拐われて!!しかも目の前で死にかけてる自分の娘一人救えないで!!俺はなんて無力な人間なんだよ!!!』

 

悲痛な叫びが、部屋の中に響いた。

 

『手は、残されてる。彼女の付けている腕輪。これは魔道具ね。人柱を入れる事で魔道具は、人柱となった存在の魔術が使える様になる』

 

『どう言うことだ?』

 

『簡単よ。シオン。あなたがこの子の身体の一部となる事。そうすれば彼女には自己再生が付与される。そうすれば、彼女は再び命を得る。うむ初起動にはもう一人必要ね。私がなるわ』

 

『時間制限はあるのか?』

 

『基本は半永久的ね。私達がいつ目覚めるか、それは分からないわ。これは彼女を健康な体にもどすのではなく、あくまで不知火の力で死なないように維持することが目的。万が一腕輪が身体から外れたら、彼女は確実に死ぬ。それだけじゃ無い。下手したら、私達は永遠に封印され続ける危険もある。それでもやる覚悟はある?』

 

『あぁ。そんなもんデメリットでもねぇ』

 

すると不知火はシオンの方を向いた。

 

『・・・シオン。恐らくこの件で間違いなく軍部はタカ派のゴンドウが実質的な指揮権を得ることになる。簡略的ではあるが、お前を臨時の大幹部に任命する。もしもの時は、ゴンドウの暴走を止めてくれ。ファントム。お前にも迷惑をかけるな』

 

『お気になさらないで下さい。ファントムはご主人様にしか起動できません。だから待ってます。ご主人様が目覚めるその日まで・・・』

 

『じゃあ、始めるわよ・・・』

 

やがて光のようなものが画面を多い、映像はここで途切れた。

 

「これが、第2のレーテの悲劇の真実・・・」

 

ドラゴン達が教わった事。それは魔人族がドラゴンを虐殺した。結論だけを見たらそれは間違いではない。だがこの記憶が真実なら、ドラゴン側にも少なからず非があるのは確かだ。

 

ロシェン達は自分達の都合の悪い部分をぼかしていた訳だ。

 

「・・・この数日後にリラは追放刑となり、その一ヶ月後に龍魔大戦が勃発した。魔人族側には、ドラゴンによって不知火が殺されたと伝えた」

 

「・・・先を急ぐぞ。この扉の先に、お目当てのものが」

 

先程とは違う。ドアノブに触れた途端、拒絶の意思を感じ取った。それを受けつつ重々しい扉を開けた途端、眩しい光が目に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこはミスルギの処刑場の様な、広い会場であった。そして観客席の様な所には、空席のはずなのに、見えない何かが居る気配もする。

 

「オーガ!オーガ!オーガ!!オーガ!!!」

 

突然オーガコールが響いた。それは会場中の見えない客から発せられる様な、歓喜の声であった。やがて通路の向かい側から、一人の少女がゆっくりと歩いてきた。それこそ、彼等の探していた存在である。

 

「シルフィー!」

 

「・・・違う。私はリラよ」

 

その声は、シルフィーとは全くの別物であった。姿も、ミスルギで起きた、例の変化体であった。白かった髪は何かの返り血によって赤黒く染まっていた。それによってシオン達は全てを察した。

 

「まさかお前、記憶が・・・」

 

「戻ったわよ。腕輪を外した瞬間に・・・で、何しに来たの」

 

「何って、お前を助けに来たんだ。聞きたい事もあるし」

 

「助けに・・・今更そんなこと言うなよ」

 

「はっ?」

 

「全部思い出した・・・だからやっと分かったのよ。私には初めから、何もなかったってことが。誰も私を待ってない。誰も私を必要としていない。ならば望まない!戻る場所も!私を待ってくれる存在も!何も!!だだ力だけで組み伏せる!!相手を叩き潰せる!最強の力を!!!」

 

すると彼女の背後に、一機のDEMが降り立った。周囲の見えない声のボルテージも興奮へと変わる。

 

「オメガか!?」

 

「・・・違う。オメガじゃない!」

 

その機体のボディの色はZEROと同じ黒であった。だがそのボディラインは金色であった。何より、オメガ以上の威圧感。それをこの機体は全身に纏っている。

 

【Standing.by・・・complete】

 

シルフィー・・いや、リラが乗り込んだ後、重苦しくら無機質な起動音と共に、 機体は完全に目覚めた。そしてその存在を、シオン達は理解した。

 

「間違いない!DEM・tyep・Ω(オーガ)だ!!」

 

「あの機体を知っているのか!?」

 

「以前、一度だけ聞いた事があります。彼女は追放後、ギリシア文字を利用し24体のDEMを作り上げた。だがオーガは、オメガ内の部品を組み込まなければ完成しない。彼女は、自分に唯一寄り添ってくれたオメガで戦う道を選んだ。だからあの機体は、封印されていたはずです!!」

 

「向かってくる以上仕方ありません!こちらも機体で応戦を・・・」

 

このとき皆が気づいた。機体は向こうの世界にある事に。

 

オーガはバルカンを放った。こればかりは部が悪過ぎる。避けるしか無かった。

 

「気を付けろ!精神が死ねば、その肉体も死ぬ!」

 

「お願いシルフィー!話を聞いて!!」

 

だが彼女は止まらない。信じていた全てに裏切られ、捨てられ、騙され、この世の全てに絶望した。そんな目をしている。操縦にも手加減や容赦はない。こちらを本気で殺しにかかってきていた。

 

「生身で勝てるかバカヤロー!!!」

 

「大変そうね」

 

すると戦場に、彼女の精神の切れ端がやってきた。

 

「あんたあいつの仲間みたいなもんでしょ!何とかできないの!?」

 

「私にはできない。でも力を貸しに来た」

 

すると彼女は皆の頭に手を乗せ、目を瞑った。すると突然攻撃が止んだ。その後、彼女達の背後に、重い何かが降り立った。

 

それはパラメイルなどの機体であった。

 

「これは、ヴィルキス!?」

 

ヴィルキスだけではない。DEMや焔龍號など、自分達の機体がそこには並べられていた。メンテも完璧であった。

 

「あなた達の記憶から読み取り、具現化させました。AI以外は完璧に再現されています」

 

「あなた・・・」

 

「私は切れ端です。切れ端として、主の願いを届けただけです。そして私からの願いです。主を止めて・・・」

 

それだけ言うと、彼女の姿は朝露の様に消えていった。

 

「・・・もう、自分で止める事が出来なくなるとこまで来てしまったか・・・」

 

「なら止めてやる!!話し合う気がないなら、力ずくで話し合いの場に座らせてやるだけよ!!コックピットブロックを引き摺り出してやる!!」

 

「おうっ!!!!!」




という訳で唐突に始まりました精神世界内での戦闘です!

流石に強引すぎだろ的な意見が来そうですが、せめて戦う作品らしく、機械での戦いのシーンも投入しましょう(質の方はお察しください)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。