MAN OF THE STEEL   作:COTOKITI JP

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やっと展開を進められそうです……。
次話はなるべく早く投稿出来ればと思っています。


Lightning and Arrow

「クソっクソっ!!テメェらここ(廃域)がどれだけ危険か分かっててドンパチ始めたんだろうな!?」

 

悲鳴にも近い声を上げるアリフ。

 

「こんなタイミングで廃域が発生するなんて予測出来るかバカヤローッ!!」

 

鳴り響く銃声。

 

舞い上がる砂煙。

 

地面の上で薬莢が跳ねる音。

 

そしてそれに合わせて聞こえて来る奇怪な化け物の叫び声。

 

彼らの銃口が咆哮を上げる度に2,3人はバタバタとドミノ倒しの様に倒れていく。

だがその死体の数を遥かに超える化け物が死体の山を這い上がってはその尋常ではない脚力で駆ける。

 

モズの撃つKord重機関銃は12.7×108mmを使用しており、引き金を引く度に一気に数匹の化け物の半身が吹き飛んだ。

 

管のような排莢口から吐き出された空薬莢がトラックの荷台に降り注ぎ、少しずつ金色の山が出来てきた頃、モズは突然射撃をやめた。

 

「どうしたモズ!?」

 

「オーバーヒートだ!!新しい銃身をくれ!!」

 

モズの怒声を聴き、飛び上がる様に立ち上がり荷台のツールボックスから予備の銃身を取り出し、モズに投げ渡した。

 

銃身を受け取り、すぐさまモズは今付けている銃身の留め具を外し、ハンドルを持って銃本体から引き抜くとそこから素早く左手に持っていた次の銃身を差し込み、固定した。

 

銃身の固定が成されているかしっかりと確認をし、それから射撃を再開する。

 

「……!! 奴らの数が減ってきたぞ!!」

 

先程まで百を超える群れを成していた化け物だったが、次第に群れの中に隙間ができ始め、とうとうその先にある地面が見えてきた。

 

「いいぞ!!あともう少しで殲滅出来る!!」

 

「クソォッ!!弾代誰が払うと思ってんだァ!!!」

 

またもやアリフから別の意味での悲鳴が聞こえて来るが、それにはお構い無しに高価な12.7×108mmが銃身から次々と吐き出される。

 

実際、Kordに使用する12.7×108mm弾は現在の市場ではブローニングM2などに使用される12.7×99mm弾と比べてかなりの高値で売られている。

 

弾一発で僅かとはいえ軽い食事が取れてしまうその弾は、実戦ですら使う事が無く、幾つかの弾薬箱が家の倉庫と言う名のガラクタ置き場に機関銃本体と共に放置されていた。

 

今回は廃域に進入するという事なので初めてそれらを外に持ち出したのだ。

 

銃本体、200発入りの弾薬箱5つ、予備の銃身5本、専用の3脚。

 

これらに掛かった値段をアリフが見積もった所、凡そ8万ドルもの費用をモズ達は負担していた。

 

それだけじゃない、他にも多くの小銃弾が消費されていた。

12.7×108mmに関してはまだ諦めが着く。

しかしモズ達が普段使用する一般的な小銃弾は決して欠かせないものである為、常に補給が必要とされる。

 

重機関銃より幾分かは安くなるとはいえ、それでも負担が来るのは間違い無かった。

 

たった今撃ち殺した最後の一体に使用した弾も含めれば、きっとかなりの大金になるだろう。

 

本当に、金は何時でも必要だ。

金が無ければ何も出来ない。

現に、彼等の命を救った大量の銃弾も元を辿れば金だ。

 

これ程シティの連中が羨ましく思えてくるのは何度とあるものでは無い。

 

チャージングハンドルを引いて薬室に弾が入っていないか確認し、足元にある空薬莢の山を足で退かすとそこに勢いよく腰を落とした。

 

名も知らぬ兵士達も同じように、息を切らしながら岩陰にもたれかかっている。

 

一切の言葉が聞こえて来ず、ただ複数人の荒い息遣いが聞こえて来るだけのこの状況下において、モズは一人の一人の兵士を見つめていた。

 

それは女で、身の丈に合わない巨大なライフルを傍らに置き、水筒をラッパ飲みしており、ふと彼女と目が合った。

 

荷台に転がった大量の空薬莢が鬱陶しく、また彼らと一度会話を交えておくべきかと考え、荷台から飛び降りると彼等の元へ歩み寄った。

 

やってくるモズに気が付いた彼等は一度警戒する素振りを見せるが、両手を軽く上げて交戦の意思は無い事を示すと警戒を解き、隊長らしき黒人の兵士が立ち上がり、モズの目の前へ来た。

 

彼の黒い肌の所々に見え隠れしている痛々しい傷跡は、どう見てもただの裂傷とか刺傷ではなかった。

 

見ただけで相当の死線をくぐり抜けてきた事がすぐに察する事が出来た。

 

彼の容姿を下から上までじっくりと観察していると、ジャケットに縫い付けられていたワッペンが目に止まった。

 

円形のワッペンの中央には両手に稲妻を持ち、それを胸の前でクロスさせている神であると予想出来る白髭を生やした老人がそこにあった。

 

そしてそれを囲む様に英語でこう書かれていた。

 

「第246空挺戦闘団……。 お前ら、まさか……」

 

モズは知っていた。

以前にもこのワッペンを見ていたのだ。

 

地上で戦うモズ達を支援する為に、敵を直上から空より降り注ぐ幾多もの稲妻の如く強襲する彼等には二つ名があった。

 

忘れるはずも無い。

 

共に戦場に立ち、絶望を前にしても尚戦い続けた彼らの名を。

 

「……『フォルゴーレ戦闘団』、まさか生き残りがいたとはな」

 

「それはこっちのセリフだ。 『ストレルカ機甲大隊』は全滅したと聞いたが?」

 

 

 

 

 




終盤に出てきた未知の単語に関してはいずれ説明しますのでしばしお待ちを。
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