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「……どうしてお前がここに居る?」
「アンタ達が戦っていた隙に飛び乗っただけだ。」
エアシップのコントロールルームにて、俺はVAVAとの接触に成功していた。
やった事と言えば単純で、エックスとVAVAが戦っている隙に、ハイウェイの柱部分の壁から壁蹴りでエアシップへと飛び移った、ただそれだけの事だ。
その後は、エアシップ内のイレギュラー達を殲滅し、操縦の為に必要な物が揃っているコントロールルーム(要するに操縦席みたいな場所)を占拠した。本当はVAVA回収前に奪取できれば良かったんだが、流石に間に合わなかったようで、自動で入力されている行先を変える事も出来なかった。
「で? 腰巾着が何の用だ。シグマからの伝言なら通信で既に聞いているが?」
「残念だが俺はもう腰巾着を辞めたんでね、個人的な用で来たんだ。」
「……何? ……だったら余計に分からんな。何故ここに……死にに来た?」
そう言って、VAVAはランチャーを向ける。……そのまま躊躇なく撃ってくるかと思ったが、俺が避ける事でエアシップの操縦が操作不能になった場合のリスクを考えたのか、向けて威圧するだけで何もしない。何も出来ない。
「単刀直入に言うと……お前を止めに来た。」
「何だと? お前が俺を? 笑わせるな……シグマの腰巾着如き、いや、元腰巾着だったか? ハン、その様子じゃシグマに捨てられでもしたか?」
「ああ、そういうお喋りはいいんだ。」
「……何?」
「もっと分かりやすく、シンプルに行こう。俺の計画上、お前に動かれると不都合なんだ。だから……ここで止まってくれるなら殺さないでやるよ。」
「まるで俺を殺せるかのような発言だな。」
「……止まってはくれないと?」
「当たり前だ。何故俺がお前如きの為に止まらねばならんのだ。」
「そうか。そうだよな。お前はそういう奴だ。……じゃあ、仕方ない。やろうか。」
そう言って手をVAVAに向け、掌を上に向けて指をクイクイと曲げて挑発すると、VAVAは一気に殺気立って飛び掛かって来た。
俺はそれに合わせてブレードを振りながら引き金を引くが、VAVAは咄嗟に飛びのいて躱す。殺気立って一直線に襲い掛かってくると思いきや、意外と冷静だったようだ。
まぁ、そもそも冷静じゃなかったら今頃ランチャーをぶっ放してこのエアシップのコントロール装置を破壊していたかもしれない。もちろん、そうなったら墜落だ。
極端な話、このコントロール装置を破壊して墜落させれば実質俺の勝ちみたいなもんだが。
俺がVAVAとこうして戦っているのは、VAVAが他のボスを倒してしまい、エックスが成長しないという可能性を潰す為であって、VAVAの撃破はそこまで重要ではないのだ。
成長したフルアーマーエックスならVAVAにも勝てるだろうし、もしなんなら俺も手伝ってゼロともタイミングを合わせて3対1でフルボッコにすればいいし。どうせここで壊してもMK-IIとか
だから逆に言えば俺はここでVAVAを倒してしまってもいいって訳だ。
エックスの成長を考えてシナリオ通りに進めるならVAVAとのリベンジマッチはあるかもしれないけれど、しかし、そのリベンジマッチの後にラスボスであるシグマ戦が待ち構えている事を考えると、出来ればこの戦いは避けてもらった方が確実なのではないかと思うのだ。
いくら成長したエックスとはいえ、VAVA相手に無傷で勝てるかは分からないし、それに、エックスとVAVAのリベンジマッチの前に、先に潜入していたゼロがVAVAの戦いで敗れ、致命傷を負ってしまうのだ。
致命傷を負ったゼロはエックスとVAVAのリベンジマッチの際に、VAVAの不意を突いて自爆する事でVAVAのライドアーマーを破壊してくれる。
そして(エックスがアームパーツを取っていなかったら)ここでエックスに自分のアームパーツを授けてシグマとの最終決戦へ送り出してくれるのだ。
……まぁその後
「……貴様、さっきから何のつもりだ?」
「何が?」
「俺との闘いに集中しろ! 俺を殺すつもりで来い!!」
「いや、俺はお前を止められればそれでいいからな。」
「ふざけやがって……!!」
VAVAは俺がコントロール装置の前から動かずに攻撃を捌いてばかりいる事に段々苛立ってきたようだ。
「チッ!!」
そうしてとうとう痺れを切らせたのか、VAVAは肩のランチャーをこちらに向け、殆ど躊躇なく撃ち放った。俺はそれを相殺出来ないと判断してその場から飛びのく。
そして、飛びのいた俺の背後から爆発とスパーク音が鳴り、次いで赤いランプと共にエアシップ全体に警告音が鳴り響く。
「いいのか? 壊しちゃったけど。」
「お前を殺した後でどうにかすればいい、それだけだ。」
後先考えているのかいないのか……いないか。
「じゃあ俺も、お前を殺した後でここから脱出するか……。」
「やれるものならやってみろ!!」
そう言い放ちながら、VAVAはもう形振り構わんとばかりにランチャーを乱発する。
だが、俺も戦闘型として作られたレプリロイドとして……そして仮にもあのシグマと共に任務に就いて、不本意ながらシグマの懐刀とまで……本当に不本意ながらそう言われていた実力と自負がある。
まともに狙いも定まってないバラ撃ち、それもランチャーのような連射速度の低い物の乱射など、今の俺には当たる方が難しいという物だ。
もしVAVAが本当にプレイアブルキャラとして各ボスを倒す世界線で、かつ、各ボスを倒す事でVAVAが入手できる特殊武器のようなものを回収済みだったならまだ勝負になったかもしれない、が……。
ライドアーマーから降りた、特殊装備も持たないVAVA相手に俺が負ける道理は……そんなに無い。
「チィッ、ちょこまかと……!」
俺は攻撃を躱す為にジグザグな動きをしつつフェイントを交えて高速で躱し続ける。……だが、ただ避けていても勝負がつかない。エアシップの高度がグングン下がっていくのを感じる。残された時間もそう多くない。
……そろそろ、覚悟を決めようか。
俺はジグザグした線の動きから、VAVAに向かって一直線の点の動きに切り替え、ガンブレードを振り抜く。
驚いた事に、俺がここで勝負を決めるつもりだと察知したのか、あるいは偶然だったのか、優れた機動力と戦闘センスがそうさせたのか、左腕でブレードを受け止めようとするVAVA。
もしこれがただのブレードだったならこれで損傷を左腕だけに留められたかもしれない、だが……。
「ズアァッ!!」
「ぐああっ!!」
俺はそのままガンブレードをVAVAに向かって全力で振り下ろし、腕に当たる所で引き金を引く。バスター音が鳴り響き、VAVAの左腕が切断され、左肩をバスターによる損傷、ついでに脇腹あたりをブレードが掠めていく。
VAVAはバスターを肩に受けた事で後ろにのけ反ってバランスを崩し……俺はその隙を見逃す事無く、ブレードを素早く持ち替えて再び一閃。しかしこれはバランスを崩しながらも後ろへと飛びのく事で躱される。
VAVAはそのまま空中で体勢を持ち直し、肩のランチャーを発射し、その反動で更に後ろへと距離を取る。
俺は放たれたそれをブレードで切り裂き、躊躇なくVAVAを追って駆ける。
VAVAは着地と同時に指先から弾丸を発射するが、それを姿勢を低くする事で回避。
照準を修正しようとするVAVAだったが、俺はそれを左腕で弾いて、そのまま止まることなく……。
右腕に持ったガンブレードでVAVAの腹部を貫いたのだった。
「……っがぁ……!!」
「VAVA……すまん。」
でも、お前を放置して暴れられると、そのせいでエックスがシグマに勝てなくて世界が滅ぶかもしれないから……だから、すまん。
ブレードを引き抜き、倒れそうになるVAVAを受け止める。
そして機能停止したVAVAを床へ横たえて、俺はその場を後にするのだった。
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エアシップに脱出用のポッドとかそういうのは無かった、というか有ったとしても見つけるのが面倒だったので、墜落する直前にジャンプで脱出するというシンプルな方法で脱出する事にした。
結果、エアシップは道路に墜落し、俺が脱出した数秒後に爆発した。
これでもう、よしんばこっからVAVAがゲームよろしくライフ回復(大)を取って復活したりしたとしてもVAVAが他のボスを倒しに行く事は……多分出来ない。
それにしても……仕方が無かったとはいえ、ビルに突き刺さったり、エアシップが空中で爆発したりしなくて良かった。
もしそうなっていたら流石に俺も無傷では済まなかっただろう。そうなったとしてもVAVAを止められはしたので結果オーライではあったけど、俺だってまだ死にたくないしね。
さて、この後の行動だが……さて、どうするかな。エアシップをそのままVAVAから奪えたらそれが一番良かったんだけど。
確かイーグリードが空港を占拠したり7部隊旗艦でありイーグリードの乗艦であるデスログマーが反乱軍の空中要塞になっていたりするけど、空港に行ってこの空港の占拠だけでもどうにかすればエアシップを奪えないかな?
……いやいや……奪えないかな? って、何普通にそんなことを考えちゃってんだ?
VAVAは潰したんだから、もうイレギュラーハンター本部に戻ればいいじゃん。
俺はそう思い直し、踵を返してイレギュラーハンター本部へと向かおうとした、その時……。
「動かないでもらおうか。」
「! ……ゼロさんですか?」
向かおうとした先に……何故かゼロさんが居た。……え? 何で? ゼロさんて今シグマの居場所を探っている最中のハズでは……?
「……何故ここに?」
「何故、だと? お前、自分が何したか分かってるか……?」
何をって……あ。
「ええと、このエアシップはですね、私がVAVAを追ってこのエアシップに潜入したんですが、その結果VAVAと戦闘する事になり、闘いの余波でコントロールを失って墜落したのであって、故意でやった訳では……。」
「そっちじゃ……いや、そっちもだが……お前、メディカルセンターから脱走しただろう。調整を受ける前に。……これは規約違反行為だぞ。」
……ああ。なんだ。
「それは……すみません、VAVAを追う為に仕方なく。この一件が終わったら然るべき処罰を受けましょう。」
「…………VAVAはどうなった。こうして無傷なのを見るに、勝ったんだろうが。」
「勝ちましたよ。エアシップ内で機能停止に追い込んだので、今はあの燃え盛るエアシップの残骸の中です。」
「そうか。」
そこまで聞いてもまだ、ゼロは闘志を収めていない。警戒心むき出しで俺を睨んでくる。
何でこんな俺に闘志をビシバシぶつけてくんのこの人……? ……いや俺がシグマに気に入られてたからや……!! 絶対それが原因だわ……シグマの側近ポジみたいな奴が急に消えたらそら疑うよね……!!
「なぁ、イオ……嘘偽りなく答えてほしいんだが……お前、実はもうシグマがどこに居るのか見当がついていたりするんじゃないか?」
グワーッ! やっぱり!! あー、うーん、どうすっかなぁ……ここで教える訳には……うん、行かないな。だってエックスがまだ成長していないだろうし。なんとかはぐらかさないと……。
「……それは、私がシグマの懐刀だったから、ですか?」
「……ああ。正直に言うと俺は、お前が既に俺達が知らない情報を幾つか掴んでいて、それをどういう訳だか故意に黙っていると直感……いや、今さっきお前がエアシップから飛び降りるのを見て確信した。」
「どうしてそんな……。」
「理由は簡単だ。お前はさっきエアシップに潜入、と言っていたが……この街で飛行中のエアシップの中からVAVAの乗っているエアシップに潜入する為には、VAVAの居場所や計画を事前に知ってでもいないと不可能なハズだ。……だが、お前にはそれが可能だった。」
……まぁ、言われてみればそりゃそうだよねとしか言えないな。
だってこの街に飛んでるエアシップなんて無数にあるし、実際俺はハイウェイエリアでVAVAが出現し、そこでエックスと交戦する事になるだろうことまで知っていた。
なんならそのエックスとの戦闘の音やバスターを発射する時の光で場所を特定し、その真下で待機し、VAVAの回収の為に待機していたであろうエアシップを見つけ、潜入に成功したのだ。
「どうなんだ?」
「ええ、はい。その通りですよ。私はシグマによってVAVAが解放されていた事や、それによってハイウェイエリアが襲われるであろう事は事前に予期していました。……だからメディカルセンターから脱走したんですよ。VAVAを止めるためにね。」
「やはりな。それは何故予期していた? ……VAVAは、脱走から既にかなりの時間が経過していた為、俺達でも居場所が特定出来なかったんだ。なのに、何故?」
「それは……、い、言えません。たとえ貴方でも……。」
言えないだろ、そりゃ……そんなの未来でも知ってないと予期なんて不可能だし、そうじゃないとすれば事前にVAVA含めシグマ達の計画も知っていないと不可能だ。
だがここでシグマの計画を知っていると言って全てを話したら「なんで黙ってた」ってなるし、その上エックスやゼロが「ならさっさと本丸のシグマを潰しに行く」と言いかねない。
それはダメだ、何が何でも。
「言えないってのはどういう事だ。」
「……どうしても、言う訳にはいかないんです。これはシグマの計画の為じゃなく、私達、レプリロイド、イレギュラーハンター……そして人類の為なんです。……信じて、もらえませんか。」
「……。」
そう言うも、ゼロさんからは警戒の色が消えない。
……まぁ、もう「全部知ってるけど訳あって言えないよ」と言っているようなもんだし、その言葉を信じる事なんて出来ないよな。
「なら、仕方ない。お前をイレギュラーハンター本部に連れ帰り、話したくなるまで付き合ってやる。」
なにより、今最も必要な情報を持っている奴をそうやすやすと解放する程ゼロさんも甘くない。
だけど……。
「……それじゃ、ダメなんだ……。」
「何……?」
ゼロさんにはこのまま原作通りシグマを追ってもらわないと困る。じゃないと、正確な基地の座標の特定までは出来ない。俺が知っているのは「シグマの基地がどこか陸から離れた人工島のような場所に作られている」という事しか知らないのだ。
……というのも、本編においてシグマの基地は、プレイヤーキャラクターであるエックスが全てのボスを倒した後に、別行動していたゼロが発見したという流れで向かう事になるのだが、ゼロが発見したというだけで、どこのエリアにあったとかは情報が無いのだ。
だが、そこで手掛かりになるのはエンディングで爆発した後、海へと沈んでいく描写が無印でもリメイク作品でも描かれていた事。
ここから察するに、シグマの基地は海上のどこかに存在している。
そしてさらに言えば、ランチャー・オクトパルドが海路を寸断、ストーム・イーグリードが空路を遮断させ、残りの6人が他の重要施設を襲い、イレギュラーハンターの刺客を分散させているのではないかと推測できる。
こうすれば、海上にあるシグマの基地はそうそう見つける事は出来ないだろう。
だが、それを教えてしまう訳にもいかないし、だからといって捜索の手を緩めてもらう訳にも行かない……ここは……。
「一つだけ言える事があるとすれば……彼らシグマの部下達は全員が全員、意図も無く暴れさせられている訳ではありません。彼らの中には、別の意図があって行動を起こしている者がいるんです。」
「なんだと? それは……。」
「今はそれだけしか……いつか必ず全てが分かります!」
「!? おい、待て!」
そのまま、俺はその場から逃げ出した。
ゼロもしばらく俺を追いかけていたが……俺が壁ジャンプならぬ壁駆け上がりをしたりパルクールよろしくな動きで翻弄してどうにか撒く事に成功した。
後ろから全力で追ってくるゼロはマジで怖かった。完全にイレギュラーだと思われてたら撃たれてたかもと思うとゾッとする。
……さて、これからどうしよう。
【ストーム・イーグリード】
8ボスの一人、鷲型の飛行戦闘が可能なレプリロイドで、天空の貴公子とか呼ばれている奴。実は本人の意思での反逆ではなく、むしろシグマを止めようとしていたが、圧倒的な戦闘力に敗れて屈服して配下になったらしい。
敵ボスの中では唯一エックスに対して「ゆるせ、エックス。お前を倒さねばならん」とかなり後ろ向きにエックスと対峙している事が分かる。
エックスは彼の事を敵ボスの中で唯一「あなた」と呼び、尊敬していた事が窺える描写があったり、ゼロとも気安く会話をする描写がある事から仲が良かったとされ、漫画版では彼女も居るし、シグマの配下になったのはエックスを鍛えるためにわざと配下になったとされていたりする。作中でもかなり人気キャラにあげられる異質なボスである。
【ランチャー・オクトパルド】
8ボスの一人で、タコ型の水中での活動が可能なレプリロイド。第6艦隊に所属していたイレギュラーハンターだった。だが、自分よりも非力な人間を護る為に働く事に疑問を感じており、シグマの反乱と思想に共鳴して反乱に加担することを決意する。
また自身の事を水中戦闘のアーティストと言ったり、死亡時に爆発は芸術です!と言ったり、エックスに「お前のやっている事はイレギュラーだ!」と指摘されたときには「私の芸術的な作戦をそんな風に読んでもらいたくはないですね!」と激昂している。