言葉じゃ足りないから   作:砂原佐漠

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前回より短くなっています。

2020年シンフォギアライブ、令和初ですよね!
行きたい…!
あとシンフォギアのギャグセン自分は大好きですね。

BORUTOでも面白展開ありましたね!
サスケが自来也先生の追っかけするほどに
イチャイチャパラダイスのファンだったとは…(笑)
サクラもさすがにドン引きです。


第2話:過去の雑音

「クリス、か。じゃあそういう事だからほれ、黙ってこれ食っとけ。」

 

先程買ってきたゼリー飲料を渡す。クリスはそれを飲むと、少し落ち着いたようだった。

 

「それ食ったら服の洗濯だ。さすがに自分で洗濯機回す位はできるな?」

 

変態じゃあるまいし、クリスの下着とか俺が扱うのは色々と問題がある。そもそもワケありとはいえ…

 

まさか、ちゃんと履いてんだろうな?

 

「当たり前だ!」

 

「じゃあ服入れて回してくれ。換えはこのジャージな。下着は金やるから後で自分で買いに行ってくれ。」

 

「おいちょっと待て、アタシはそんなに長居するつもりはねーぞ?」

 

敢えて聞こえなかったフリをして下の階へ準備しに先回りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ。何か手伝えること、ないか?」

 

急にクリスが言い出した。

 

現在、クリスは風呂に入れてジャージを着させ、ベッドに寝かせている。

 

俺はレポート執筆中だ。あの後学校に欠席連絡し、折角暇になったので、バイトの時間まで見張りも兼ねて課題をこなすことにした。

 

「病人にさせるようなことはない。黙って寝てろ。」

 

「っ…そうかよ。」

 

クリスは拗ねたように背を向け、黙ってしまった。

 

「…お前も1人、なのか?」

 

背を向けたまま、クリスが聞いてきた。

 

「正確には、父さんと2人で暮らしてる。でもほとんど帰って来ないから、ほぼ一人暮らしだな。」

 

「父さんか。母さんは…」

 

「いない。小さい頃に死んだらしい、ノイズで。」

 

「そうか…悪い。」

 

クリスの背中がしぼんだように見えた。

 

「あんまり覚えてないんだ。その頃までの記憶が、結構あやふやというか、断片的というか。だから母さんとの思い出も、はっきり覚えてない。」

 

そういえば、家族についてこんなに語ったのはクリスが初めてだな。周りの人は皆気を使ってか、俺のそういう事情には詮索して来なかった。

 

まぁ、ノイズがチラホラ現れるこんなご時世、そんな珍しいことでもないかもしれないけど。

 

「だから特に気を使ったりしなくていい。」

 

「そっか。」

 

空になったコップに飲み物を注いでこようとしたとき、クリスが小さい声で言った。

 

「アタシには、何も聞かないんだな。」

 

「興味無い訳じゃない。でもさっきも言ったけど、ワケありなのは分かってる。俺が聞いて何か変わるのか?」

 

「そう…だよな。」

 

「愚痴なら聞いてやるよ。」

 

何となく、少しクリスに元気が戻った気がした。

 

「まぁ、何だ。お前が大丈夫になるまで、俺たちは、その…アレだ。」

 

「アレ?」

 

「友達みたいなもん…ってことにしとけ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

初めてだった。

 

地球の裏側でパパとママを喪ってから、友達なんかができたのは。

 

周りの奴らは、クソばかりだった。

 

痛いと言っても聞いてくれなかった。

 

やめてと言ってもやめてくれなかった。

 

でも、目の前の今日初めて会った男は、何も言わずとも助けてくれた。

 

そして何も詮索してこなかった。

 

言わずとも伝わる。家族、とまで行かなくても、友達ってこういうモンなのかなと思ってた矢先、それを言われた。

 

ここまで来ると、コイツなら信用してもいいのかもしれない、なんて思えてしまう。

 

でも同時に、アタシの心にはあの言葉が刺さったままだ。

 

お前の母さんを、母さんとの思い出を殺したのは…

 

 

 

 

 

「アタシなんだ…」

 

それを知ってもアンタは…

 

 

 

 

 

「今何か言ったか?」

 

「いや、何でもない。」




ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

誤字脱字、論理等の破綻、改善点などあれば感想にて教えてください。参考にさせていただきます。

よろしければまた次話も覗いて下さると嬉しいです。

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