魔砲少女プリズマフェイト ~dulce espejismo del destino~ 作:上城麟32
補足とか理由とか言い訳部分にもなるのですが。
いつもより気楽に書いてみる所存です。
ここはアルトセイムの森の中にひっそりとたたずむ小屋。
リニスが造ったバンガローにも似たこの小屋は一志も気に入ったことから二人の主従はトレーニングの休憩がてらによくここを利用していた。
椅子に座って向かい合いながらしゃべっているのが一志とプレシア。
一志の傍らに立ち給仕のようなことをしているのがリニス。
そんな、三人が話し合いという井戸端会議を開催しているところである。
「さて、皆に集まってもらったのは他でもない。管理局についてということだが」
一志のボケは盛大にスルーされ。
「はい。私たちがロストロギアを探すにあたって一番接触してはならない組織でしょう」
「そうね。異なる次元に生きる人々を管理するなんて大それていることを掲げてる組織ではあるわね。私もリニスに賛成するわ。アリシアのためとはいえ、古代遺失物に手を出すとなるとあの局の治安と平和の維持という観点から危険な思想の人物という風に判断されて、拘束あるいは処断なんていうことも有り得ないとは言えないでしょうし」
「そうです。法の守護者という大層な名ですが、未だに歴史は浅く理念だけが先ん出てしまっているように思えます」
「つまり、接触すると、ナニ危険なモノに手を出しているんだ?とイチャモンつけられて連行されると?」
「要約しすぎな気がしますが、その通りです」
「そうね。アリシアのためとはいえ、要約しすぎね」
━━━━
「プレシア?真面目に話していたのではなかったのですか?」
「なにを言っているのリニス?私は至極真面目な話をしているのよ」
「あー。リニス止めとけ。アリシアに関する振りはなんであれプレシアにご褒美与えてるみたいなもんだから。正直な話、俺もルビーも闇の書内にある精神世界に何度も行くのは身体的にも精神的にも良くないと口を酸っぱくして言ったにも関わらず、そいつは毎日行くし。しかも調子悪くなるどころか持病がなぜか回復するは魔力量がなぜか行く前より帰ってきたときのが増えてるとか意味不明な女だぞ。アリシアのこととなるとなぜか神懸かり的な存在に昇化するとみえる」
「プレシア~。私のマスターが言うことを聞けないどころか、そんなことまでしていたんですか!? 」
「落ち着いてリニス。親が子どもと一緒にいるのにそんな影響受けるわけないじゃない。むしろ、それすら乗り越えて強くなってみせるのが親子の絆というものよ」
キラキラと目を輝かせながらもグッと拳を握り力説するプレシアに対して溜息もでない様子の二人。
<正直、親バカなのはわかっていましたがここまで凄い……もといヒドイなんて>
<そうだな。まったくもって予想以上すぎてついていけないよ>
二人がプレシアのことを諦めた瞬間だったという。
「それはともかく、一志。あの結界はそんなに保てないものなのでしょう?体は大丈夫なのですか?」
「それなんだがな。中でアリシアとプレシアには言っておいたが、あの結界内に俺が入ろうとしなければ、それほど難しいことじゃないんだよ。行ったり来たりするのが問題なだけであって、結界の維持だけに務めるならそれほど苦ではないんだ。最初からな。ただ、プレシアとアリシアの夢の中っていうものに俺という異物を混入するには相当な誤魔化しが必要で、そうなると魔力も相当消費するわけ。だから行ったり来たりしてたときは正直ルビーとサファイアには滅茶苦茶無理させていたからね」
「でも、今もプレシアはだいたい行ったり来たりですよね?大丈夫なんですか?」
「それは問題無いとは言わない。さっき言ったように身体的にも精神的にも魔力的にも負担になる。だが、プレシアはなぜかそれを超越し始めたからもうほっといてる」
お手上げのような仕草をしている一志。
そうですか……とリニスは少し心配が無くなりましたと笑顔である。
「貴方達は仲いいのね。私とアリシアに比べたらまだまだだけど」
「プレシア~。アリシア贔屓なのは仕方ないですけど、未だにフェイトは少し遠慮するところがあるのですから平等にとは言いませんがフェイトにもちゃんと接してあげてくださいね」
「あら、それは私にではなく、あなたのマスターに言うべき言葉でもあるのではないのリニス?最近はトレーニングとジュエルシード集めのために中々ここにも来れない状況だとアルフからも聞いていたから、あなたは一志さんに構ってもらえていないのではないかと私は心配に思ったのだけど」
笑顔のまま、口撃し合う二人をみて、この二人相手に言い合いするのは絶対に負かさせるから止めておこうと直感から判断する一志。
「それな、まぁジュエルシードを集めはアリシアのためでもあるし、トレーニングの基本骨子はルビーとサファイアが考案してくれたものにリニスが改良したやつをやってるからリニスだってトレーニングのときに一緒にやるときもあるんだけど」
一志は上目遣いを試みた!
「アリシアのために苦心して、尚且つ、ジュエルシード集めにも積極的に動いてもらえるだけで、私は本当に嬉しいのよ。ありがとう、一志さん」
プレシアが凄い笑顔で一志の手を握る!
なんとDTにオーバーキル的なダメージを与えているー!
それを見たリニスが若干イラッとしつつも。
「一志。そもそもそういう話ではなく私との時間をもっと大切にしろとプレシアは言っているのですよ?」
その言葉にビクっとして手を離すDT。
いやーそのーと言い訳を探しつつ目を泳がせる一志。
「あら、リニス。そういうオネダリもできるようになったのね。主が変われば、使い魔の気質も少しは変わるのかしら?」
ニヨニヨしながら、リニスを見るプレシア。
「プレシア。いいですか?私はマスターである一志の要望によりトレーニングに付きあったりもしているのです。そのマスターへ敬意こそあれ、私への扱いに不満を覚えるなんてことは有り得ません。ただ、プレシアに少し感謝していることがあるとすれば、それは私ですら気がつかなかった構って欲しいという感情を気ずかせて貰えたところです。そこは感謝しています」
少し顔を赤くしつつ後半、尻すぼみになりながらもプレシアに感謝を述べるリニス。
プレシアは微笑みながらそれを聞きつつ一志に目配せをする。
要約するとこんな感じの内容だろうか。
<私の可愛い元使い魔を寂しがらせるなんてことにならいように、日頃からきちんと相手してあげなさい>
優しく目だけでそれを訴えるとはさすがはプレシア。
一志も持ち前の直感でそれを悪寒レベルで感じとり、大仰なリアクションで首を縦にふり、頑張りますと決意をプレシアに返す一志。
「さて、元使い魔と主をからかうのもこれくらいにして、本題に入りましょう」
「本題?管理局のことが今日の集まりの本題だったんじゃないのか?」
「それももちろん大切なことだけど……一志さん。アリシアにお兄ちゃんと呼ばせているらしいわね?」
まるで、スタンドでも出てきそうな凄い闘気を纏ったプレシアに見つめられて苦笑するしかない一志。そんな戦慄を初めて味わっているところに使い魔からの追い打ちがかかる。
「一志それは聞き捨てなりませんね?いったいどういうことか説明して下さい」
「それはなんというか。えーと。わざわざ、呼んでくれと言ったわけじゃなくてだな。流れでそう呼ばれるようになったというかなんというか」
かなり挙動不審になりながらもなんとか答える一志。
「どちらでも結果は変わらないわ。一志さん。あなたがどう思おうとアリシアにお兄ちゃんなんて呼ばれてる状況。なんて!なんて羨ましい! 」
えっそっち?という表情にリニスと一志がなりながらも。
「あの天使のような笑顔でお兄ちゃんだなんて、それはもう天使と見間違うくらいしかたないレベルよね。それを通り越して、アリシアのあの愛らしさはもう国から天然記念アリシアとして特定保護対象にされてしまうわ。そもそも、アリシアの声聞いただけで、すわセイレーンかと思うほどなのだけど、その声でお兄ちゃんなんて呼ばれた日には小一時間いえ単位を間違えたわ。もう一年間くらい、いやいや、一億光年くらい、ご飯無しでも生き抜ける自身があるわ。これは別にアリシアの声が一年間聞けなくて大丈夫ということではないのよ?アリシアの美声を持ってすればご飯なんかに頼らなくても生きていけるという公然の事実をただ言っただけなのよ。ともあれ、アリシアにお兄ちゃんと言われるのは私のママと同じようにアリシアに言ってもらいたい呼称1位につけるだけあるわ。その破壊力はそうね、さしずめリニスのプラズマセイバーをも上回るレベルよ。正直、私はアリシアにママと言われるたびに魔力が回復したり魔力が増えたりするような心地良さに包まれてしまうのよ。パパって呼び方にもかなり後ろ髪を惹かれるけど、そこは我慢よ。なんといっても私はあの子達の母親なんですから」
アリシア語りを始めてからこっちキラキラと輝き始めるプレシアに対して、なぜか魔力が吸い取られたような面持ちになる一志とリニス。
その目はまるで憔悴しきった魚のようだった。
しかし、ここで二人は諦めない。見事なアイコンタクトでたくさんの突っ込みどころをあえてスルーすることを決め、まだまだ止まらないアリシア語りを止めようと連携し始める。
「プレシア、それならここで一志を足止めせずに早く行かせたほうがアリシアのためにもいいのではないですか?」
「あら、そうね。一志さん。ごめんなさい。アリシアのこととなるとつい」
「大丈夫だよ。それだけ愛情を注がれてるというのは羨ましいかぎりだし、なによりもそこまでアリシアのことを大切に思っているなら、こちらとしても頑張りがいがあるよ」
「そう。ありがとう。本当に言葉では足りないくらいの感謝をしているのよ。リニスのこもと私のこともフェイトのこともアリシアのことも。私の家族の全てを救ってくれようと動いてくれたこと。言葉だけでは私の生の全てを感謝に費やしても足りないほどのことをあなたはしてくれた。だからというわけではないのだけど、よければ、あなたも私の子にならない?」
優しい口調で、かつ自然な流れで、なんでもないことを言うかのように言われた言葉に一志はついていけずに固まってしまう。
「はい!?ちょっと待ってくれ。確かに今この世界に俺の身寄りはないが。もとより家族みたいに接してもらっているし、それ以上は望んでいないよ。俺だって感謝している。そこになにか対価が欲しいわけでもないんだ。あまり気を使わないでくれ」
「一志?そういう時、少しは対価があったほうがこちらとしても安心するものなんですよ」
リニスにまで優しく諭されてしまい。八方塞がりの一志。
そこへプレシアが追い打ちをかける。
「まぁ、すぐに答えてほしいというわけではないから考えておいてほしいの。アリシアもフェイトもあなたのことを兄のように慕っているのは私も見ていてわかっているし、もし、本当の家族になれたらきっと二人共凄く喜ぶと思うのよ。それに、ここまで家族のために苦心して動いてくれた人と家族になれるなら私としても嬉しいのよ。だから少し考えてみれくれないかしら」
そんな優しい笑顔で言われると一志としても何も言い返せず。
考えておきますと精一杯答えて、逃げるようにジュエルシード集めに出ていった。
取り残された二人は笑顔で談笑を続ける。
「プレシア、サプライズにしてはやりすぎですよ?」
「あら、そんな笑顔で言っても説得力ないわよリニス」
「それは勿論。私のマスターが元マスターの養子になるなんて凄く嬉しいことですから。私としても願ったり叶ったりです」
「そうね。でも、本当にあの子は不思議な子ね。他人の家族のためにああも献身的になれるなんて。普通考えられないわ。献身的というのも語弊があるわね。強迫観念にも似たような。何処か狂気じみた想いがある。なにか裏がある。そう疑われるレベルよ」
━━━━当時を思い出して苦笑するリニス。
届くはずのない願い。私の日記を見て助けに来た。
私の願いを叶えるために召喚された。
そんな妄言みたいなことを言う少年だった。
不思議な雰囲気のある奇妙な自信を持った少年。それが私の一志への第一印象でした。
私は、もっとフェイトやアルフと一緒にいたい。どんな手段を使っても、二人とは一緒にいなければいけない。そう思っていました。
そうしないと、いつか取り返しの付かないことになってしまう。
家族がバラバラになってしまうと、私は危惧していました。
だから、もう数ヶ月も無かった私の寿命を延ばすことができる。
プレシアへの負担も軽くなる、尚且つ、病すら治すと。
そんな夢みたいなことできるわけないと思いました。でも、それだけじゃなくて、私は心の奥底では「良かった」これで私もずっと皆と一緒にいられると嬉しく思ってしまったんです。
人知れずいなくならなくて済む。消えないで済む。
私の未来に広がるのは不安しかなかったのに、この少年はそれすら希望に変えてみせた。
疑うことができなかった私は、その少年をひとまず、利用することに決めました。
なぜか彼は、私の日記を見た以上のことを知っているようでした。
どうして、そんなことを知っているのか?
どうして、私達にそこまで良くしてくれるのか?
正直、信頼よりも疑問や疑念が湧き出るほうが早かったです。
ただ、私の願いを叶えられるのは彼しかいませんでしたし、私には悩む時間なんてありませんでした。
だから、私は彼に全て任せました。
疑いながら、迷いながら、それでも前に進みたかったんです。
そうして、言われた言葉が「俺達であいつらを幸せにしてやろう」でした。
私はなぜか嬉しくて、涙ぐんでしまいました。
予想外でした。日記のこと以外にも訳知り顔で語りだす少年に、あなたにいったい何がわかるのですか?という言葉を投げかけるわけではなく先に涙ぐむなんて完全に不覚をとりました。
これはもう私の敗けだなーと思った瞬間でした。
ここまで、完敗だと感じたことは初めてでしたし、何よりもこの人を信じてみたいと思ったんです。
「有り得ないほど、私達に尽くしてくれて、己の身を削ることさえ厭わない。私も最初こそ疑っていましたが。一志が私に言った言葉は今でも忘れません。私たちでテスタロッサ家の皆を幸せにしてやろう。おおよそ、そのようなことを言って。しかも、なんなくそれを実行されてしまうと、なんだか疑っている自分が情けなくなってしまって、最終的に一志のことを自然と
「ふふ。確かにね。ああも真っ直ぐに来られると眩しすぎて直視するのが辛いときもあったけど。でも、今は微笑ましいかぎりよ」
「あんまり一志をからかわないで下さいねプレシア。ああ見えて繊細なところもあるんですから」
「まぁ、さすがは使い魔。マスターの危機には敏感ね。なら、あなたも追いかけたほうがいいんじゃない?アルフから最近、一志さんはジュエルシード集めをサボって何かしてるなんて報告を受けているわよ?」
「待ってくださいプレシア。なぜアルフは私ではなくプレシアにその話を?」
「さぁ、私に聞かれてもわからないけど。大方、一志さんの話をするときにあなたの嫉妬にさらされるのをアルフが獣的直感で察知して私に話したというところだと思うわよ」
「アルフとも今度きちんと話さないといけませんね。それよりも一志です。一体アルフに心配させてまでやっていることというのはなんでしょうね」
嬉しそうに自分と一志さんの昔話を話していたかと思えば、黒い笑顔を浮かべたり、急に心配顔に変わったりする元使い魔。
主を変えただけで、こうもコロコロと表情を変えられるのかと、なんだか嬉しく想う反面少し寂しくもあるわね。でも、その表情が凄く可愛いから、今後もからかうのは止められそうにないと密かに新たな楽しみを見つけた子供のようにプレシアは微笑むのであった。
━━第9話トレーニング3日目幕間━━
「なぁ、リニス。ほんとーに付いてくるのか?」
「当然です。今までどうして私を留守番としていたのかのほうが疑問です」
「いや、それはほら管理局も絡むから、集める組みと居残り組みで分けようって話したじゃないか」
「確かにその通りです。ただ、集める組の誰かがサボっているようなので、私がサボらないように見張る必要があると判断します」
なぜか嬉しそうに話すリニス。
久しぶりにマスターと一緒に行動できて嬉しいと感じているリニス。が、一志はアリシアのためにジュエルシードを集めるのが嬉しいんだなと勘違い炸裂。
「一志。どうして最近サボっているのですか?」
「うーん。まぁ、フェイトと関わりのあることでもあるんだけどな。少しトレーニングをつけている奴がいてさ」
「トレーニング!?一志がですか?」
「なんだよ。悪いか?ちょっと危なっかしい奴でさ。なんかルビー的にも俺が見たほうが似た者同士だからイイとかって言うし」
「ルビーまで関わっているのですか」
ルビーまで関わって、トレーニングを見ている相手。
NANOHAと言うらしい。
そのNANOHAはなかなか凄いとルビーと一志の二人をして褒めちぎられるほどの人物らしい。そして、ルビー曰く美少女だと。
「要約すると美少女と秘密の特訓をしていたんですよねー。一志さんは」
「ちょっ!?ルビー!?いきなり喋ったと思ったらそれはないよ!」
「ほぅ。一志。それは聞き捨てなりませんね。美少女と秘密の特訓ですか。一体どういった特訓を行ったのか事細かく教えて貰いますよ。トレーニングの場所につくまでの間にみっちりと」
その後もしつこくリニスに尋問されながら、なんとかなのはとのトレーニング場所へとたどり着くのであった。
はい、言い訳回の完成です。
あれ、ほぼ会話じゃないかって?
仕方ないんです。私会話好きですから。
6/25に後半部分を少し修正しました。