偽盲目少女の修羅国生活   作:リーシェン

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すみません。今回ジョブに就かせると感想返信で言っていましたが、色々と付け足した結果、長くなったのでジョブは次話にしました。


5・冒険者ギルドと受付嬢

□将都冒険区冒険者ギルド 水無月火篝

 

 

「へえ……これが冒険者ギルド……」

 

 柚芽と別れてから15分後、俺は冒険区において最大級の規模を誇る建物、冒険者ギルドに来ていた。

 あれからは特に何も起こらず、無事に辿り着くことが出来たので少しホッとする。

 冒険者ギルドの中は、受付らしき女性が居るカウンターと、明らかにあんたら戦闘職でしょ、と言いたくなるような恰好の人々が談笑したり、本のようなものを囲んで相談し合ったりしている場所の二つに分けられていた。まあ想像通りである。

 ただ、受付の女性が着物着ていて、談笑などをしている場所がテーブルとイスとかではなく、座敷とちゃぶ台であることに違和感がある。

 まあ当然といえば当然なんだけど。俺の中で一番イメージできる冒険者ギルドはどう考えても中世ヨーロッパ風異世界のイメージだし。

 それが和風になったら、違和感あっても不思議ではない。

 将来的にはこれにも慣れるのだろうか?

 それはそれとして。じゃあ早速、自分に合うジョブを教えてもらおうじゃないか。

 

「あの……」

「はい、どうなさいました……か……」

「えっと、冒険者ギルドは初めてで、説明をお願いしたいんですけど……あの、どうしました?」

「え、あ、はい!せ、説明ですね!分かりました!」

「ふわっ!?」

 

 び、びっくりしたー!

 え、何でそんな大声出すの!?驚いて変な声出ちゃったじゃん!しかもそのせいでギルド中の注目集めちゃってるし!

 しかも、こういうのって一度注目された後は普通に目を離されるんじゃないの?みんなずっとこっち見てるんだけど!

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 受付の子もその状況に気付いたのか謝ってくる。

 うわ、しょんぼりとした姿が可愛……じゃなかった、かわいそう、そう、かわいそうだ。

 

「顔を上げてください。私は大丈夫ですから、説明、お願いしますね」

 

 まあ、見られるのには慣れてきたし、そんなに大げさにリアクションすることじゃなかったよね。

 そんなことよりも、この子を慰めて、説明を受ける方が大事だな。

 ということで、私は何でもないですよ、と示すために精一杯、不審に思われたりキモがられたりしないような自然な笑顔で返事をする。

 

「あ……それならいいんですけど……はい、それじゃあ冒険者ギルドの説明、ですよね」

 

 よかった。元気戻ったみたいだ。

 誰であろうと、元気ないよりは、元気に笑っている方がいいよね、うん。

 

「冒険者ギルドは討伐、護衛、収集、雑事など多岐にわたる依頼――ギルドクエストの斡旋所です。ギルドクエストにはジョブクエストの様に特定のジョブやスキルは必要ではなく、クエストを達成できるのであればどのような手段を使われても大丈夫です。ギルドクエストは登録してギルドカードを受け取れば、ジョブも年齢も関係なく受けることが出来ます」

 

 ふむ、俺が事前に聞いたことと特に差異はないか。

 じゃあ、早速登録するか。

 

「説明ありがとうございます。私も登録したいんですが……」

「分かりました。それでは、お名前をお願いします」

「水無月火篝です」

「水無月、火篝さん……はい、大丈夫です。登録完了しました。こちらがギルドカードです」

「あ、ありがとうございます」

 

 あれ?以外とあっさり終わった……。

 身分の証明とかそんな感じの何かがあるもんだと思っていたから、こちらで身分を証明する術のない俺は苦労すると思ったんだけど……。

 ま、楽出来たんだったらそれでいいか。

 あとは、ジョブについてだな。

 

「あの、冒険者ギルドでは自分に合ったジョブを教えてくれると聞いたんですけど……」

「ああ、これですね」

 

 そう言って取り出したのは、和綴じの分厚い本だった。

 

「こちらは【適職診断カタログ】と言って、出てくる質問に答えると今就けるジョブの中で一番自分に合っていたり、必要だったりするジョブを教えてくれます。冒険者ギルドでは無職の方には無料で、ジョブに1つ就いていらっしゃる方には500リル、それ以降は就いているジョブが1つ増えるごとに5倍した金額で貸し出しています」

 

 とすると、2つ目では2500リル、3つ目は12500リル、4つ目は62500リル、5つ目では312500リル、となるのか。

 1リルが10円ぐらいと言っていたから、つまり最後は312万円……高っ!

 これは、ジョブの数が増えるということは合計レベルも上がる、つまりは高レベルのモンスターとも戦えるようになって収入も増えるから、ってのもあるんだろうが、多分【適職診断カタログ】自体はそんなにしないだろうし、それだけ払うんだったら自分で買おうという気にさせて、ギルドの物は初心者が使えるように、という意味なんだろうな。

 

「それでは、どうぞ。貸出の期限はありませんが、貸出できる範囲はギルドの玄関広場内だけです。注意して下さい」

「はい、分かりました。ありがとうございます!」

 

 受付の娘にお礼を言って受け取る。

 やっとジョブを決めるとなると、すごい楽しみというか、ワクワクしてくる。思わず受付の娘への対応でも満面の笑みを浮かべてしまう。

 

「……っ!い、いえ、どういたしましてっ!」

「……?」

 

 受付の娘の様子がおかしい……さっきまではきちんと目を合わせて話してくれていたのに、何かを堪えるようにそっぽ向いて……はっ、まさか……さっきの笑顔上手く出来てなくて、キモくなっちゃったとか……!?

 中学の頃、新しいクラスで緊張していたら可愛い女子が話しかけてきてくれて、嬉しくなって笑顔で対応していたら、実はその子、健目当てで近づいてきただけで、後で俺のことを散々キモイとか陰口を叩いていた……その半ばトラウマな光景が脳裏に蘇る。

 

「……あ、その、それじゃあ……」

「あっ……」

 

 そそくさと足早にその場を去る。

 受付の娘が何かを言いかけたようだったが、それを気にしている余裕はなかった。

 営業スマイルかもしれないが、先程まで確かに笑顔で話していた女の子にそんなことを思われているかと思うと、今はただ、この場を立ち去りたかった。

 

 

□将都冒険者ギルド 【高位書士】大森茜

 

 

 私の名前は大森茜。今年で15歳になる、冒険者ギルドの受付嬢です。

 受付嬢の中では飛び抜けて若いですが、これでも4年近くギルドで働いているので新人という訳ではありません。

 ここ天地では、働き始める、あるいはジョブに就くのは、とも言い換えてもいいですが、意外と人によってバラつきがあります。

 それは、主に家柄の違いです。

 

 昔、大陸の方から天地に渡り、ギルドにクエストを受けに来た方に聞いたのですが、大陸では、天地のほぼ全ての者がジョブを戦闘職で500レベルカンストさせており、国民全員が修羅な国だと思われているらしいです。

 

 もちろん、そんな訳ありません。

 確かに500レベルカンストの人が他国に比べて大幅に多いのは間違いありませんが、それは武芸者の方々、もっと言えば武家の方々の話です。

 天地ではいつもどこかの都で戦が行われているので、必然戦闘職はその戦に駆り出され、弱い者は戦死し、強い者だけが生き残っていきます。

 それが繰り返された結果、強い者……要するにレベル上限が高く、カンスト近くまでレベルを上げられる者の血だけが受け継がれ、その子孫もレベル上限が高くなり、そうして生き残った家々の武芸者でまた争い、よりレベル上限が高い家だけが後世まで残っていく。

 それが何百年も続けられた結果、天地ではカンストの武芸者を当たり前のように輩出する家ばかりとなりました。

 そういう家の子は、戦を勝ち抜き家の血を残すため、幼い頃から鍛錬をさせられ、9、10歳の頃にはジョブに就き、モンスターや他の武芸者との実戦を経験していきます。

 

 しかし、天地に生きる者は武芸者だけではなく、非戦闘職にしか才能がない人も当然います。

 非戦闘職には自分の身を守る術がほぼありません。戦闘職のレベル平均が高く、それに対抗するかのようにレベルや戦闘能力が高いモンスターばかりの天地では特にそうです。

 自分で自分を守れないのならば、誰かに頼って生きていくしかなく、強い武芸者や彼ら武力のある者達が中核をなす大名家の庇護下に入り、街や村を作り、固まって生きていくしかないです。

 しかしそうなれば、ある程度安定し命の危機がない生活を甘受できます。モンスターは大名家に所属している武芸者や、街や村に住んでいる武芸者たちが追い払ってくれますし、戦が起こっても、矢面に立って戦ってくれるのは前述の武芸者たちです。

 たまに、生半可な武芸者では倒しきれず街まで被害を出す強力なモンスターが襲ってきたり、戦力が足りず非戦闘職でも戦に領民が総動員されたりする場合もありますが。

 

 そんな生活をしている非戦闘職の単なる町民たちは、早くからジョブに就いて、必死にレベル上げをする、ということは少ないです。

 そういう町民たちがジョブに就いて仕事をする目的は、日々生活するためのお金を稼ぐ、ぐらいしかないので、家の存続や名誉、生命の危機のために鍛錬、戦闘する武芸者たちとは当然意識が違います。

 なので、そういう人達がジョブに就いて働き始めるのは13~15歳頃です。それまでは親に養ってもらいながら、寺子屋で文字や簡単な算数を習い、ジョブに就いてからは自立して生活するのが一般的です。働く意思が少なくて親が甘かったりすると、17~20歳ごろまで親に養ってもらう人もいますけど。

 もちろん、家計が苦しく、その足しにするために幼い頃からジョブに就き、店に雇われたりジョブクエストをこなしたりしてお金を稼いだり、名のある生産職の家に生まれたから小さい頃からジョブに就き修行する、といった場合もあります。

 

 私は10歳頃から【書士】に就きギルド職員をしているので早い部類です。その理由としては、どちらかと言うと後者ですかね?

 私の両親はどちらとも冒険者ギルド職員であり、二人ともとても優秀な職員として名を馳せていて、お母さんはギルド長もしているぐらいです。

 そんな両親を見続けたから、自分も将来はギルド職員になるのだと決めていました。

 そして、もう心が決まっているのであれば早く働きだした方が将来のためになるのでは?と考えた私は両親を説得し、【書士】になりギルド職員見習いとして働き始めました。

 嬉しいことに私には才能があったらしく、1年後には見習いが取れて正式なギルド職員になり、3年後には上級職の【高位書士】にも就けました。

 今はもっと頑張って立派なギルド職員になり、お母さんたちを追い越してギルド長になるのが目標です。

 

「あの……」

 

 と今までの事を回想していると声が掛けられました。

 おっと、今は業務中でした。

 ちゃんと受付の仕事をこなさないと、ですね。

 

「はい、どうなさいました……か……」

 

 声を掛けられた方に振り向きながら、いつも通りの挨拶をしようとして……絶句してしまって途中から声が出ませんでした。

 すごい失礼な対応なのは分かっているけれど……それでもそんな反応をしてしまったのです。

 

 なぜなら――声を掛けてきたのが、とても美しすぎるお姉さんだったから。

 整った、なんて言葉では表しきれない美貌。どのようなパーツをどう配置すれば美しくなるか、完璧に計算され尽くしたようなその顔は、正直、凄腕の【人形師】が観賞用に作ったお人形さんだと言われた方が信じられるくらい。

 しかも、その埒外な美しさを前面に出して圧倒してくるのではなく、ただそこにあるだけですっと引き込まれ、離れられないような美しさをしていて。雪の結晶や硝子細工のような、今にも崩れて消えていってしまいそうなくらい儚げで、守り支えてあげたいと思わせる顔立ちであるから、そんな思いを抱くのかもしれません。

その上、お姉さんは両の目を閉じていて、それで一層世俗離れした魅力を醸し出しています。

 それは私の語彙力では到底表現できない、完璧な美しさでした。

 

「えっと、冒険者ギルドは初めてで、説明をお願いしたいんですけど……あの、どうしました?」

 

 お姉さんが話しかけてきたけど、見惚れて固まってしまっていた私は返事を返すことが出来ません。

 お姉さんが言葉を途中で止め、首を傾げて不思議そうに見つめてきて、やっと我に返りました。

 

「え、あ、はい!せ、説明ですね!分かりました!」

「ふわっ!?」

 

 しかし我に返ったと言っても、完全に平静にはなれていなくて、思わず大声を上げてしまいます。

 それに驚いたお姉さんが可愛らしい声を上げました。

 それはとても耳触りの良い心地よい声でしたが、私はそれを気にしていることができませんでした。

 私の大声でギルド中の注目を集めてしまったからです。

 いえ、正確にはそうではないです。

 ギルド中の人々に……お姉さんの存在を気付かせてしまったから。

 注目を集めたのは大声を出した私なのに、集まった視線のほぼ全てはお姉さんに向けられていました。

 

 それは当然のことです。

 これほど綺麗な人が居ることに気付いたら、誰だって見つめてしまう。私だってそうでしたし。

 けれど、そんなことにしてしまったのが問題でした。

 さっきはお姉さんの顔にばかり目が行っていたけど、プロポーションも抜群で、特に、その……胸が、すごく大きくて……。私はぺったんこだから、とても羨ましいです……。しかもそれが下品ではなく、全体から見ればきちんと調和していました。それに、肌も白くてきめ細かで、剥き出しのうなじとか足とか、真珠みたいに輝いています。

 本当、全体的にどうなってるんだ、と叫びたいぐらい、ことごとく女性の完成形みたいなものを見せられて、私の胸に敗北感が沸き上がってきます。でもそれも、あまりにも高いレベルのものを見せられたからか、清々しい敗北感です。むしろその敗北感が信仰心にまで繋がりそうで、ちょっと怖くなってきます。

 

 あ、話が逸れました。

 とにかく、それだけお姉さんは綺麗ということで、視線が集まってしまうのは必然なのですが、問題は、そんな大量の視線に晒されてしまっていること、そして、その視線を送っている人達の中に、明らかに不躾な視線を送っている人がいることです。

 私もああいう眼で見られたことがあるから分かりますけど、ああいう類の視線って、とても気になるし、正直不愉快です。

 単純に多くの人に見られるだけでもかなりストレスがかかりますし、その中にそんな視線が混ざっていればきっとストレスも倍増してしまいます。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 私のせいで、お姉さんに視線が送られるようにしてしまった。その事実にとても落ち込みます。

 謝りましたが、それで視線がなくなるわけではないですし……。

 ああ、きっと怒られてしまう……怒らなくても、絶対に気分を悪くしてしまったから、冷たい態度とか取られてしまうんだろうな……せっかくギルドに来てくれたのに、このままだと帰って最悪もう来てくれないかも……。

 そんなことを考えて憂鬱になっていましたが、お姉さんが取った行動は、それらのどれも違うものでした。

 

「顔を上げてください。私は大丈夫ですから、説明、お願いしますね」

 

 なんとお姉さんは、見惚れるような笑顔をしながら、私を慰めてくれたのです。

 その笑顔はすごく自然で、本当に何も気負ってなさそうで。むしろ、私を気遣っているように感じられて。

 きっとすごい不快だと思うのに、それを感じさせることなく、私のことを考えてくれている……。

 なんか、容姿だけじゃなくて心まで負けてしまった気がします……完敗です……。

 

「あ……それならいいんですけど……はい、それじゃあ冒険者ギルドの説明、ですよね」

 

 そう言って、お姉さんにいつも通り冒険者ギルドの説明をします。

 しかし、本当にいつも通りにできているか、私でも分かりません。

 心の中は、この人とお友達……は務まらないかもしれないけど、知り合いぐらいにはなりたい、そして思う存分お話ししたい、という気持ちで溢れているから。

 仕事を放り出して今すぐそうしてしまいたいですけど、受付嬢の矜持にかけてそんなことは出来ません。なので、きちんと受付の仕事を終わらせてから、お姉さんに私個人として話しかけましょう!

 

「説明ありがとうございます。私も登録したいんですが……」

「分かりました。それでは、お名前をお願いします」

 

 説明を熱心に聞いていたお姉さんが言った言葉に返事をしながら、カウンターの内側に設置されてある、とある魔道具を起動させます。

 

「水無月火篝です」

 

 魔道具は……反応なし、ですね。

 この魔道具は、聞こえてきた言葉に高レベルの《真偽判定》をかける機能を持っています。

 これで申告された名前が本名なのか偽名なのかを知るのですが、お姉さんの言葉には反応していなかったので、お姉さんの名前は本当に水無月火篝さんということになります。

 

 これで反応があった、つまり偽名の場合は記録しておき、ギルドの要注意人物リストに載ることとなります。

 様々な事情があるので、偽名だからと一律拒否はしませんが、要注意人物とされるとちょっとしたトラブルや疑念でもかなり問題とされるので、やはり嘘はよくない、ということですね。

 あとは用意してあるギルドカードを取り出して、専用の魔道具で情報を印字してっと。

 

「水無月、火篝さん……はい、大丈夫です。登録完了しました。こちらがギルドカードです」

「あ、ありがとうございます」

 

 あ、水無月さんがちょっと戸惑ってます。

 やっぱり、傍から見れば登録が簡単過ぎるように見えますよね。

 この《真偽判定》システムなんて、初めて登録する新人は知りませんから、皆さんこんな風に戸惑うのが普通です。

 それにしてもやっぱり、見た目が良いとどんな表情、動きをしていても絵になりますよね……すごい可愛いです。

 

「あの、冒険者ギルドでは自分に合ったジョブを教えてくれると聞いたんですけど……」

「ああ、これですね」

 

 そう言いながら【適職診断カタログ】を取り出すと同時に、先程の魔道具の隣にある魔道具を、これまた先程同様起動します。

 先程のモノは《真偽判定》の魔道具でしたが、こちらは《看破》の魔道具です。

 今水無月さんに説明しているように、就いているジョブの数によって貸出料が違うのでこれは必要なモノなのです。

 それで見たところ、水無月さんはその態度同様まだ何にも就いていない無職でしたので無料ですね。

 

「それでは、どうぞ。貸出の期限はありませんが、貸出できる範囲はギルドの玄関広場内だけです。注意して下さい」

「はい、分かりました。ありがとうございます!」

 

 ふわっ!

 カタログを受け取った水無月さんがお礼を言ってくれたのですが……同時に、とても朗らかで温かい、陽だまりのような笑顔も向けてくれて……先程までの儚さを感じる表情やこちらのためを思って浮かべた優しい笑顔と違い、嬉しい、という感情がたくさん込められたその笑顔は……もう、反則です。直視ができません……。

 

「……っ!い、いえ、どういたしましてっ!」

「……?」

 

 思わず顔を逸らしてしまい、お礼もそのまま言うこととなってしまいました。

 視界の端に写る水無月さんも怪訝そうな表情をしています。

 って、こんなの失礼じゃないですか、私!

 早く謝らないと!

 と前に向き直ったのですが、そうして見た水無月さんの顔が、すごく曇っていました。

 まるで、とても嫌なことがあったみたいな……。

 

「……あ、その、それじゃあ……」

「あっ……」

 

 それについて聞こうとしたら、水無月さんは足早に去って行ってしまいました。

 え……も、もしかして、私が顔を背けてしまったせいで、そんなに気分を悪くして……?

 な、なにしているんですか、私!?

 あんなことも笑って許してくれた水無月さんがあんな態度を取るようなことをするとか……!

 しかもそのせいで、知り合いにすらなれなかったし……。

 

 い、いえ、まだチャンスはあります!

 水無月さんは【適職診断カタログ】を借りていきました。

 それを返さなければならないので、帰る時にはもう一度私の所に来るはずです。

 その時きちんと謝まりましょう!

 そして知り合いになって、気分を悪くさせてしまった分だけ償うのです!

 




自分のキャラを誉めまくるの、意外と恥ずかしい。なんか、自画自賛しているみたいで。
ちなみにですが、火篝のアバターの容姿の美人度は、海道先生の言葉を借りれば”S級美人(アルター王女姉妹やルーク、輝麗と同等)”です
「何でメイキング時間がたったの3時間なのに、3ヶ月かかった輝麗と同レベルなんだ」という点については設定を考えていますので、そこは今は突っ込まないでくれると嬉しいです。
茜ちゃんは事務系に関してはかなりの有望株のサブメインキャラで、これからも出番が用意されています……というか、将都に居る間は冒険者ギルドに行く度に出番があります。
ついでに、茜ちゃんは火篝信者の第1号です。つまりはいずれ……
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