ダンジョン外に出会いを求めるのは間違いじゃないお(改名) 作:ミラノ風お好み焼き
お久しぶりです!漸く更新出来ました!
ウチの卒業最後のテストが終わりました!パチパチ!
ありがとうございます!ありがとうございます!
というわけでこれからほきちんと更新するので楽しみにしててください。
さて前回はゴライアスに勝利しました!
いかがでしたかバトルシーン。楽しんで頂けました?
今回はジョジョ!新たなる決意!です、どうぞ!
「や、やった…ぜ…勝った……勝つ事が出来た……」
ジョジョはゴライアスが灰になっていくところを見ながら腰を下ろす。そして今まで感じた事のない充実感と達成感が心を満たしていく。
他の層では経験できない強者との戦い、そして命のやり取りだからこそ自分が進化したこと、これらが合わったことで生まれる感情だ。
「なぁ…神様よ……。俺の生き様、ちゃんと見たかい?俺の成長っぷりはどうだい?前世よりも輝いていたかい?」
ジョジョは前世も含め、こんなにも満たされたことはなかったようだ。
いや、確かに満たされていた、『日常』に。
だが、『戦い』で満たされたのは初めてだったのだ。こんなにも自分の『命』の削り合いという馬鹿げた事だろうと、だ。
「だが…反省が有るとすれば…『勝っただけ』だ…。これから下へ進む事が……出来ない…。」
そうである。勝っただけなのだ。勝っただけではダンジョンを攻略するのは不可能である。さらに毎回のようにこんなダメージを受けていたら攻略は一向に進まないだろう。だからこそ『だけ』である。
ジョジョはこの戦いで自分に足りないものが分かった。覚悟でも、勇気でもない。
「俺には…仲間が……必要だ…。俺と同じ『覚悟』を持った仲間が……必要なんだ…。」
ジョジョは漸くロキファミリアに『あの3人』が繋がっているのかが分かった。自分にはないあの3人だけの強さがあるのだと理解した。
ジョジョは『1人で出来てしまう』タイプだった。
家事も、人付き合いも、冒険も、何もかも1人で出来てしまっているのだ。この事についてジョジョは記憶を無くしているが、前世でも同じであった。
そのせいで仲間とは『自分の代わりをする者』という認識が心に根付いてしまっていた。
だがこの戦いで最も『仲間』を無碍にしていたのはジョジョ自身であった。
『1人でやれるなら1人でやる』というスタンスだ。
ジョジョはこの時になって漸く理解した。
『仲間が欲しい』
これは心の底から滲み出た想いであった。
仲間が居ればこの戦い、きっとこれ程傷付きはしなかっただろう。仲間の前で戦えばきっと今のジョジョを褒め称えるだろう。血が出た時は怒ってでも止めてくれただろう。仲間がきっと自分の活躍に心を満たすだろう。きっと肩を組んで地上まで笑いながら帰れただろう。
それがジョジョにはない。自分を満たす事しか出来ていないのだ。他人を満たす事が出来ないのだ。
ジョジョは知ってしまった。
自分が満たされたとき、仲間が満たされる事を。そしてその満たされる仲間を見て自分が満たされた事を。
ジョジョは学習してしまったのだ。
----あの明るい神によって----
「帰る…ぞ。何があろうとも……必ず…ヘスティアの元へ、帰るんだ!!」
ジョジョは今にも折れそうな足を意思だけで保たせる。血が出過ぎて頭が回らないがそれでも強い目をして。ジョジョは地上へと足を進めた。
「待ってなヘスティア……、説教でもなんでも受ける覚悟はできてる…。だがその前に言うべき事が…ある。」
帰り道、モンスターは襲って来なかった。
モンスターは匂いを感じていた。
『ゴライアスの血の匂い』だと分かっていた。
だから襲わない。自分から死ににいくヤツはいない。
ジョジョは全く戦闘もせずに地上へと戻っていった。
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ジョジョはダンジョンから地上へと顔を出した。
そこには多くの人たちがいる。
冒険者、受付嬢、市民に子供。多くの人がジョジョを見た。多くの者たちが言葉をなくす。
そこには顔も身体も血塗れにも関わらず、背筋を伸ばし、悠々と歩いてきた為だ。普通の人から見てもわかる重傷。それでも顔をあげ、堂々と歩いていた。その姿は……
『英雄』
誰かがボソリと呟いた。
そうであった。市民から見たら、あれは英雄譚に出てくる英雄そのものだったのだ。
どんな困難にも立ち向かい、必ず勝利を収める、そんな英雄の姿をあの男に重ねていた。
そんな『英雄』の凱旋。
誰も歓声を上げない。……シィン……としているのだ。何故ならばジョジョの雰囲気がそれをさせてくれなかった。多くの者がジョジョの空気に圧倒されている。レベルが上であろう冒険者も、多くの冒険者を見てきた受付嬢も、戦闘経験のない市民も、感受性が高い子供も、誰もが心にブレーキを掛けていた。
『こんな姿、いつまでも見ていたい』
その思いが市民全員に広がる。まるで1枚の絵なのだ。英雄の凱旋。そんな名前になるだろうと皆が思った。そんな輝かしい作品に、自分の声で汚すことは出来ない。
誰もが彼の進む道を阻まない。真っ直ぐと歩くジョジョの道を開けていく。
見ている者達の感情は様々である。
市民の感情は『恐れ』
あの冒険者のような奴でもあれ程の傷を受けていることからこモンスターへの恐怖。そしてその傷をもろともしない英雄への畏怖。
ギルドの受付嬢達は『怒り』
受付嬢達は知っていた。あれが『レベル1冒険者』である事を。ジョジョが毎回無茶をしているような奴である事を。だからこそ怒りが湧いてくる。『だからあれ程注意したのに』と。受付嬢達はこれから徹底する事を決めた。『冒険者は冒険してはいけない』と。これから増える新人にきつく言う事を。
冒険者達は『焦り』
ジョジョを見た時、誰も奴を知らないのだ。レベルを、名前を、ファミリアを。だからこその焦り。『このままでは追いつかれる。離される。』という焦り。奴がどのファミリアに入っているのかを知らなくてはいけないという感情。自分はあれだけの傷を受けてあそこまで堂々と動けるか分からないからこその焦り。冒険者達は奴に自分を重ねる事で、自分には出来ないという感情が生まれた。
オラリオに住む子供達は『憧れ』
あんな風になりたい。あんな堂々とした大人になりたい。どんな強敵が現れても、傷付き、立ち上がり、倒す。そんな英雄になってみたいという憧れを持つ。目を輝かせながら奴を見る。
そして此処にそれらに含まれない感情を持った者がいた。
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--------とある神side--------
「すごい…すごいよ!オレ達が望んでやまない英雄たる存在が現れていたなんて!!」
オレは『英雄』を望んでいた。
あれが英雄の器たり得る存在だ!どんなに傷ついても自らの道を歩き続ける。あれ程の傷を受けてもなお英雄として歩く彼。
「知らなかった……。まさかゼウスの言っていた事は今現実になりつつあるのか!10年……その時に彼は『英雄』となるという事はつまり!!今はその序章に過ぎないという事!!」
オレは喜びを抑えられない!あれ程希望を持たせてくれる存在は初めてだ!彼なら必ずこのオラリオに新風を巻き起こすだろう。その風でどれほどオラリオは変わっていくだろう!
「彼にオレからの試練は必要ない。あれはきっと勝手に試練へと挑む者だ。オレが彼を英雄へと仕立て上げる為に振る舞わなくても、その時の犠牲なんてものも用意しなくていい。オラリオの神達がやる事なす事、その全てに『好きか嫌いか』で挑むような雰囲気を感じる!彼は自分の道を唯逸れずに歩くこと、これが彼の信条!!」
彼ならばこのオレの、オレ達の悲願を達成してくれるやもしれない。君に憧れ、心を共にする存在も現れることだろう。
『英雄の元には英雄が集うもの。』
「もう少し、様子を見よう。彼が動く前、動いた後に必ずこのオラリオにいなくてはならない。そうでなきゃオレが楽しめないじゃないか。」
オレは笑う。心の中で笑う。
さぁ、楽しませてくれよ。
『始まりの英雄』
--------side out--------
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ジョジョはヘファイストスファミリアの拠点へときた。多くの者たちが彼の後ろをついてきたが、ひと睨みすると全員が離れていった。
門を潜ると、恐怖の顔をした門番がいる。彼は大慌てで拠点へと入る。
「(これだけの傷だ、普通は怯えるか。)」
ジョジョのバックには魔石が大量にある。これを売り、回復薬を買えば問題ないのだが、ジョジョはそれをしなかった。
それは彼の心境による者だ。ダンジョンで己が考えたこと、これからすべき事をヘスティアに話したかった。だからジョジョはダンジョンから出て初めに話す存在をヘスティアと決めていた。
だからこそ此処にきた。時間も夜だ。きっとアルバイトも終わり、此処でゆっくりとしているだろう、と。
門番が大慌てで移動してる為、ヘファイストスの居場所が大体わかる。そこにヘスティアもいるだろうと『勘』じている。
「へ、ヘファイストス様!!も、門に血塗れの男が来ております!!」
ジョジョには聞こえていた。門番が神の部屋にノックもせずに入った事を、そしてそこには神ヘファイストスがいることも。
「なんだって!すぐに行くわ!ヘスティアは此処で待ってなさい!血なんて見た事ないでしょ!?」
「なにお!バカにするなよ!ボクだって血は見たことあるよ!ジョン君と料理をした時に何度自分の指を切ったか!」
「(どうやら、ヘスティアはヘファイストスの所に居るみたいだな。)」
ジョジョは少し歩くスピードを早めた。
あの部屋にいる、と分かった時には
「あんた!そんなこと言って!私が料理で血を出した時発狂してたじゃない!無理しないで此処にいなさい!」
「あ、あれは発狂じゃないよ!た、たまたま歌いたくなっただけさ!」
「(また意味の分からない言い訳をして。)」
ジョジョにとって1週間ぶりに聞く声。それだけでも帰ってきたという実感が湧く。
ジョジョはその部屋の入り口に立ち…
「そんな分かりやすい嘘やめとけよヘスティア。そこは『もう発狂しない』と言っとけよ。相変わらずの奴だなお前は」
ヘファイストスは驚いた顔で振り返る。ヘスティアは久しぶりに聞く眷属の声に喜んだ顔をしながら向く。
「よぅ、久しぶり。ヘスティア」
血塗れのジョジョが挨拶をしていた。
この後ヘスティアの発狂が治るまで10分を要した。
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「ジョ、ジョン君!?その傷はいったい!!医者〜!!ヘファイストス!医者を呼んでくれ〜!!」
発狂は治ったがまだテンションが高いようだ。
そんなヘスティアにジョジョはこの1週間、どんなことがあったかを話した。17層で見たことないゴライアスと戦ったことで受けた傷だと話す。
「えぇ〜〜!!?ゴライアス!?しかも異常種!!?それを君はレベル1で倒したのかい!!?確か通常種でもレベル4相当だったはずだよ!?何やってるんだい君は!!そんな無茶をして!!」
「悪かった、悪かったよ。だから……ッ!」
この時、ヘスティアは泣いていた。
初めて会った頃の泣かない泣顔ではない。
本当に泣いているのだ。
涙を流す事を我慢せずに、声を押し殺すこともせずに。
その顔をみたジョジョは言葉を詰まらせた。
「ボクは君に言った筈だよ!!ボクを1人にしないでくれって!!なのになんだい君は!?そんな無茶をして、そんなにぼろぼろになって!!君が無理をする事はなんとなく分かってたよ、でも!!勝ち目のない戦いに挑むほどバカだとは思わなかったよ!!」
ヘスティアは溢れてくる涙を手で拭おうとする。だが拭いてもまた溢れてくる涙。一向に止めることが出来ない。ボロボロ、ボロボロ、と顔がぐちゃぐちゃになっていく。
ヘファイストスはどうすれば良いのか分からずオロオロするだけ。その前を通る者がいた。
「ごめんな、ヘスティア。俺はお前が言った事を覚えてる。1人にしないで、と。それに俺は返したな。決して1人にさせないと。俺は無茶をする人間だ。勝ち目のない戦いにも挑むだろう。だが、俺は約束を守るよ。『1人にさせない』。これを想うだけで俺は強くなれるんだ。本当さ。
俺はお前を心配させた事に謝る。ごめんなさい。」
ジョジョはヘスティアを抱きしめる。自分の胸にヘスティアを抱える。ヘスティアの泣き声が吃逆へと変わる。
「それともう1度約束しよう。俺は必ずお前の元へ帰ってこよう。」
「ゔん!!」
約束に応えるヘスティア。
ジョジョはヘスティアが落ち着くまで抱きしめる。
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お互い落ち着き、ヘファイストスも落ち着き、少し休憩でも、とお茶を入れるヘスティア。
「どうだいジョン君!ボクもヘファイストスの所で沢山練習したから大分上手くなってるはずだよ!」
「まぁ、確かにあの頃よりも上手くなっている。成長したなヘスティア!」
「ヘッヘーン!」
「貴方達意外と良いコンビね……。」
先程の時間が嘘だったかのような1人と1神に呆れるヘファイストスであった。
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ジョジョはゴライアスに勝利した事を話した。
「き、君は本当にボクを驚かせるね。攻撃を受けて死にそうだったから帰ってきたと思ったけど、まさか勝ってくるなんて思いもよらないよ。」
「まぁな。色々と死ぬような場面が多かったがけどな。」
「やっぱり死にかけたのかい!?」
横でブーブー言ってるヘスティアを無視してジョジョはヘファイストスに話しかける。
「お初にお目にかかります、神ヘファイストス。私はヘスティアが眷属、ジョーンズ・ジョースターと申します。ジョジョと呼んでください。」
「あら、ご丁寧にどうも。ヘスティアの神友のヘファイストスよ。よろしくジョジョ。」
「ムッキー!!ボクを無視するな!」
----20分後----
「そんなわけで俺は仲間を欲している。俺と冒険に出てくれる仲間が。俺と同じ覚悟を持った仲間が。自分の進む道を歩いていける仲間が。俺はそれを探しに行きたい。」
ジョジョはゴライアス戦で自分の考えた事を全て話した。このままではオラリオを攻略できない事を。
「そ、それは分かったけど…どうするんだい?このオラリオの一般人以外は何処かのファミリアに所蔵しているよ?」
「それに貴方のような無茶をするファミリアには誰も入りたいとは思わないと思うけど。」
ヘスティアは心配そうに聞き、ヘファイストスは最もな事を言う。
「それは分かっている。だから探しに行くんだ、オラリオの外へ。」
ジョジョは自身が考えている事をはなす。
「俺はオラリオの外で恩恵を貰ってもいないのに強い人間にであった。きっと探せば必ず見つかると信じている。心が強い奴は。だから俺は旅に出る。」
その言葉でヘスティアは飛び上がる。見捨てるのかと叫ぶ。ジョジョにグーパンをして問い詰める。
「イテェよ!まだ傷が塞がってるだけだからな!?ダメージは残ってんだよ!……それと見捨てる訳ねぇよ。本当はお前にもこの旅について来て欲しかったんだ。」
心境を話すとヘスティアはニヤける。なら何故1人で行くような言い方を?と聞く。
「単純にお前の面倒を見る余裕がなさそうだからかな。俺の歩くスピードはお前より速いし、お前に合わせて歩いたら旅が終わらないよ。それにこれは俺の旅だ。俺だけで行く事に意味があると考えてる。恐らく俺には、望んだ事に導かれる運命にあると思っている。」
これは自身の経験からくる確信であった。
オラリオまでにビスケに出会い、スタープラチナが操れるようになった事。オラリオでの経験。出会い。ヘスティアに出会い、こいつこそが自分の神だと思ったこと。この全てはジョジョが望んだものが導かれるように近づいて来ていた。
「だから俺は信じてる。仲間に出会える事を。例え断られたとしても、俺が必ず連れてくる。そうしたいんだ。だから頼む。俺を旅に行かせてくれ。」
ジョジョは頭を下げる。
……ハァ
「分かったよ。君の願いだ。それに1人じゃ危険でも仲間がいればそれもなくなるかもしれないからね。うん、分かったよ。ボクは此処で君の帰りを待つ事にするよ。」
ヘスティアは許可を出した。自分がジョジョと一緒にいたいと思ってもそれを抑え、望み通りにさせる。
「そのかわり!傷を治してからだよ!それにゴライアスを倒したんだ!きっとランクアップもしてるだろうしね!!」
----これから5日間、ジョジョはヘスティアの介護を受けたりした。回復薬などを使っての回復ではなく、ジョジョの体に任せた回復をする事にしていた。
傷は塞がっていたため、ジョジョは大量の食事を用意させ(ジョジョ払い)、血の確保を優先していた。
完全に回復したのは4日経ってからであった。
これにはヘファイストスも驚いていた。
「じゃあ、行ってくるよヘスティア。恐らく3年以内には帰ってくるよ」
「うん、いってらっしゃいジョン君。ボクはその間君に相応しい神になるために頑張るよ。」
ジョジョとヘスティアの別れの日。
これまでに色々話をしていた。そして色々な所に話をしに行った。そこには誰もが望む日常があった。
ジョジョの旅立ち。
ヘスティアは離れていく後ろ姿にいつまでも手を振り続けていた。
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--------数年後--------
----ドアをノックする音が聞こえる。
----その扉が開かれる。そこには1人の男。その後ろに7人の男女
----扉を開いた者は----
『おかえり、ジョン君』
『ただいま、ヘスティア』
-----これはまだ先のお話-----
これで第1章は終了です!ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!!
さて、ジョジョは旅に出て仲間を集めて来ます。1人1人の仲間になるエピソードはあるのですが、いつ書こうかなぁと思っていたのでアンケートをしました!投票ありがとうございます!
んで、何とかしましたのでがんばります!
仲間の予想をたてて下さい!感想に書き合うのも楽しそうですね!
次回新章が始まります!
次章(後数話後)、ラキア王国編をやるか、アイズ面倒見編をやるかリアルに悩みナウ。*内容は変わりませんよ、ただ順番をどうしようかなって。
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ラキア王国編
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アイズ面倒見編
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お前が考えた作品が最高さ⭐︎