TSロリが逝くダンまちゲーRTA   作:原子番号16

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 金髪幼女に出会ったので初投稿です。

※アスクレピオスに関するお話を入れ忘れるという大ポカをやらかしていたので修正ついでに挙げ直しました。ご迷惑をおかけします。許してください何でもしますから。
 一時非公開にしていたのもそのためです。重ねて申し訳ございません。


七號様、kuzuchi様、ノノノーン様、佐藤東沙様、丈鳥置名様、今すごい左足の甲がかゆいわ様から誤字報告をいただきました。ありがとうございます。




幕間『ある夜、雨の中』

 「……やはり、変わらんか」

 

 と。

 輝ける光明の神は、能面のような顔で呟いた。

 愛する子供達に向ける微笑は消え、代わりに机上のワイン瓶が本数を増やしている。

 

 「アポロン様……」

 

 気遣うような派閥団長(オルフェ)の言葉が、暗い部屋に溶けていく。

 夜だった。

 迷宮都市に住まう大半の冒険者が寝台に潜り、明日の英気を養う時間帯である。

 朝昼晩常に『楽団』の音楽鍛練が響く【アポロン・ファミリア】もその例にもれないが、ただ一ヶ所のみ、例外があった。

 本拠(ホーム)最上階、『神室』。

 主神アポロンのための部屋に、三人の男がいた。

 部屋の主にしてこの集会の発起(しん)であるアポロン。

 主命を承る第一の鏃なる派閥団長。

 そして、派閥内でもっとも熟練のエルフ。

 派閥運営に深く関わるスリートップが、わざわざ深夜に顔を合わせて覗き込んでいるのは、ある団員の【ステイタス】だった。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

フリューガー・グッドフェロー

 

Lv.1

力:I 51→52

耐久:I 12

器用:E 475→498

敏捷:I 89→92

魔力:S 999

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……」

 

 やおら立ち上がったオルフェが、部屋を弱々しく照らすろうそくに【ステイタス】の記された羊皮紙をくべる。

 別段、おかしな行動ではない。

 【ステイタス】の内容は同派閥であっても他人に知られるべきではなく、情報は速やかに抹消されるべきだ。

 ただ、今回に限っては、情報の抹消はもちろんだが、もう視たくない、そんな男達の無言の願望も背を押していた。

 羊皮紙がすっかり灰になったのを見届けて、三人の男は深くため息をついた。

 

 「……エルフかな?」

 「王族妖精(ハイエルフ)の類いでしょうこれは」

 「───」

 

 疲れたように口にするオルフェの言葉に、年かさのエルフがおどけるように言い、目の据わったアポロンが閉口する。

 彼等の胃を脅かす点は、二つあった。

 ひとつは、この更新は前回から一月の間隔を空けて行われたものだということ。

 もうひとつは、その前回の更新以前から、魔力の値は変わっていない、ということだ。

 

 この【ステイタス】を余人が見て、はたして何人がこの【ステイタス】の持ち主を〝小人族の湾刀使い〟と判別できるだろうか。

 前衛型の冒険者として貧弱極まる【力】と【耐久】。それらよりはマシだがやはり低い【敏捷】。小人族(パルゥム)という種族が本来得意とする【器用】にしても、【一意専心(スキル)】の過剰使用によるものなのだから、本来は【敏捷】と同程度と見るのが妥当だろう。

 ならばと【魔力】に目を向ければ、今度はあまりに高すぎる。999である。【魔力】におけるSランク自体、もっとも有名な魔法種族であるエルフですら中々お目にかかれない、真に魔力に親しい者にのみ許された領域なのだ。諸能力の才気に乏しいとされる小人族が到達できる等級ではない。

 

 何より恐ろしいのは───この【ステイタス】が、半年の間ひたむきに迷宮探索を続けた小人族の冒険者のものだ、ということだった。

 魔力に目を瞑れば『駆け出しの戦士』と、魔力だけを見たなら『極めて才能に恵まれた魔法種族の魔導士』と表現するのが相応しい【ステイタス】が、だ。

 

 「……露骨だな。胸くそ悪い。予め〝用途〟について知っておいてよかったと安堵する団長(じぶん)と、やはり知りたくなかったと思う一冒険者(じぶん)がいるよ」

 

 それが、口にするのも(はばか)られる実験の成果である、ということを、彼等は知っている。

 以前、彼女の故郷から送られた密書。

 その内容は信じがたい代物であったが、この【ステイタス】を見れば納得せざるを得ない。

 何故【魔力】だけが異様に高く、他が異様に低いのか。───当然の帰結なのだ。その方が都合がいいというだけ。

 

 「【恩恵(ファルナ)】とは器の限界にたどり着くための(きざはし)なれば。これが、『フリューガー・グッドフェロー』という()()()()()()()()()()()()()()()()()()の到達点なのでしょう」

 

 それは、【恩恵】に(もう)けられた数少ない〝限界〟のひとつ。

 下界の子に無限の岐路を与え、あらゆる可能性を芽吹かせる効能は、なるほど【神の力】に相応しいが、それでも、限界はある。

 例えば、基礎アビリティの限界値(カウンターストップ)は999、Sランクである。

 例えば、ランクアップ時に獲得できる発展アビリティは、一つのみである。

 例えば、【魔法】のスロットは三つである。

 ───例えば、その〝器〟を超えた成長は出来ない。

 エルフの剛力無双がいないように、ドワーフの賢者がいないように。

 その種族、その人物(うつわ)に定まった限界を超えて、能力値を上げることは叶わない。

 どれだけ鍛練を重ねても、エルフであるなら【力】は伸びず、ドワーフの【魔力】は限界値より前で止まる。

 

 「……惜しいなぁ。僕はまあ、元々剣の才能はからっきしだったから、すっぱり諦められたけど。彼女は剣に愛されているのに、【恩恵】には愛されなかった。いや、奪われたのか」

 

 【アポロン・ファミリア】団長にして迷宮都市唯一の最高位楽士(マスターバード)、オルフェ・リュラーは深くため息をついた。

 もう、十年以上昔のことだ。

 迷宮都市(オラリオ)に生まれ、当たり前のように英雄に憧れ、楽士の親に反発して、剣の腕を鍛えて、才能の壁に打ちのめされた。

 【力】も【耐久】もGから上にいかなかった、『凡才未満』。著しく欠けた前衛適性に絶望し、一時は自刃さえ考えた。

 そんな自分が、いまや世界で五指に入る最高位楽士(マスターバード)となったのは、ひとえに主神(アポロン)の言葉と、両親の献身の賜物である、とオルフェは確信している。

 

 「……さて」

 

 と、年かさのエルフは口にした。

 

 「私はですね、アポロン様のご意見に賛成です。突出した魔力(アビリティ)がなかったなら、素直に『楽団』に移ってもらう所ですが、カンストしてる能力があるなら話は別です。

 むしろ……この【ステイタス】で上層最奥の第十二階層を探索出来るのなら、さっさと【ランクアップ】させてしまう方がいい」

 「───リカルドさん」

 「もちろん、彼女は年少で、新人です。ファミリア内で多少の不満も出ましょう。が、それ以上にこの子には価値がある。と、私は愚考致します」

 

 

 はたして、ファミリアの重鎮が話し合っていたのは、Lv.1の新米冒険者を『遠征』に連れていくか否か、だった。

 

 

 ことの発端は、無論、『遠征』の決定である。

 探索系派閥に定期的に与えられるこの課題に対し、【アポロン・ファミリア】は普段通りに準備を整え、いつもと同じように、これを達成するつもりだった。

 パーティメンバーに幹部が名を連ね、派閥内で腕利きの冒険者が加わり、【ランクアップ】間近な者か、将来有望な者をサポーターとして末尾に添える、その過程で、オルフェは口にしたのだ。

 『遠征中は、フリューくんの面倒を見てあげられないな』、と。

 それはそうだろう、となった。分身魔法なんて修得していないし、仮に持ってたとしても使わないだろうと、本人も思った。『遠征』に際し、余分な部分に力を割く訳にはいかない。

 だが、そこで、アポロンが口にしたのだ。

 

 ───『ならば、彼を遠征に同行させるのはどうだろう』。

 

 真っ先にオルフェが反対し、ほぼ同時に小人族魔術師(トランベリオ)が賛成を示した。

 他の面々───Lv.2の団員達は判断に迷ったが、団長と並ぶ第二級冒険者のソラールが賛成に入ると、彼等もそちらについた。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 たとえ派閥加入から半年の新米だろうと、齢十三の子供だろうと、フリューは間違いなく将来有望な冒険者であり、そのことに疑いの余地はなかった。

 そして、副団長のエルフ(リカルド)がこの案件を一旦保留とし、今に至る。

 

 「僕は、やはり、反対です」

 

 冷静に、オルフェは口にした。

 静かで、力強い言葉だった。

 それは派閥団長としての判断であり、短くない時間を共有した子供への親愛の証でもあった。

 

 「アポロン様のご意見も理解できますが……やはり、早すぎる。せめて、あと半年は待つべきだと考えます」

 「もっともな意見だ。私も───そもそもの発端ではあるが───あるいは、お前と同じ意見だったと思う」

 

 だが、と輝ける光明の神は続け、しばらく沈黙し、やがて語った。

 

 「【死相】が、見える」

 「───」

 「そして、それは彼女自身の手で打ち払わねばならぬ、とも感じる」

 「……」

 「あとどれ程の時間が残されているのかわからない。明日かもしれないし、一年後、十年後の話かもしれない。だが確実に、彼女は〝冒険〟に飲み込まれる。そう感じる。なので、強引に割り込ませてもらった。トランベリオは知らないが……ソラールには、薄々察せられてるかもしれないな。

 ───基礎アビリティを育てられないなら、【ランクアップ】させるしかない。時間がない、かもしれない。私が与えられるのは【恩恵】のみ、力のみ。だから力を与えたい。困難を越え、蕾から花を咲かせるその時まで、生きられるように」

 

 だから、どうか、と。

 アポロンは、自身の眷属に()()()()()

 どうか彼女に機会を与えて欲しい、と。

 ファミリアの主神が頭を下げる、という行為に込められた意味を知らぬ二人ではない。

 年かさのエルフ、リカルドは静かに瞑目し、派閥団長のオルフェはその場に(ひざまず)いた。

 主神が下げた頭より更に下へと身を屈め、(こうべ)を垂れる。

 

 「神命に従います、我が主神」

 「まあ、なんとかしてみましょう。アラフィフの本気を見せますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 

 

 「太陽死ね」

 「……」

 

 そう、目の前の男神様は悪態をついたのだ。

 ───勘違いしないでほしい。彼は常日頃からこんなに口が悪いのでは……いや、その、悪いけれど、私の顔を見るなり悪態を口ずさむような人ではないのだ。今は気が立っているだけ。

 そう、彼が不機嫌と化している原因の一端は私にあるのだ。

 

 「……私は悲しいです、アスクレピオス様。明日には『遠征』へ赴くというのに、貴方は結局不機嫌なままなのですね」

 「当然だ馬鹿者。何が悲しくて要観察患者がダンジョンとかいう危険地帯にぶちこまれるのを喜ばなければならん」

 

 ……いや、彼の心情はわかる。

 仲の悪いらしいアポロン様に呼び出されて、患者を押し付けられたと思ったら、そいつは『遠征』にお呼ばれされやがったのだから、憤懣(ふんまん)()る方無いのも、理解できる。

 けれど。けれど、だ。

 

 「これは、もう一月も前に決まっていたことなんですから。いい加減、機嫌を直してほしい、というのが患者の意見です」

 「やだ。絶対やだ」

 

 つーん、と口を細めて言い捨てる様は、少年のようだった。

 いや、姿()()()()()()()()()()()()。それも美形の。腰を通り越して(くるぶし)にまで達するふんわりとした白髪と、そこからぴょこりと顔を出している蛇、寝不足から来る深い隈が特徴的な、10代の少年。

 そんな美少年が凄まじい顔をしているのだから、見た目のインパクトが凄まじい。

 

 「いいからさっさと食え。明日は早いのだろう」

 

 そう口にして、彼は足早にリビングを去っていってしまった。

 目の前に用意されているのは、夜ご飯だ。

 なにせ今は夜なので、夜ご飯を食べるのである。

 正確には、食べさせられているのだが。

 

 「……残すなよ」

 「わかってます、わかってますよ……」

 

 半開きの扉から顔を出してきたアスクレピオス様に、げんなりとした口調で返答する。もはや抵抗の意思は残っていない。

 だって、少しでも残したら、素手で拘束されて口にねじ込まれるのだ。こちらは冒険者で、あちらは神様なのに、取っ組み合いになったらこちらが負けるのだから、神様というのはよくわからない。

 もちろん、タケミカヅチ様にぶっ倒されるのならわかるが、アスクレピオス様は医神だ。医神が冒険者をぶっ倒すのは今でも理解しがたい。

 目の据わった美少年にはっ倒されて、ひたすらに食材を詰め込まれた日、私は初めて実験体時代のではない悪夢を見た。

 先生直伝のパンクラチオンとやらの力らしいが、ともかく私のトラウマがひとつ増えたということだ。

 

 「……多い」

 

 改めてその惨状を知覚して、士気が下がる。

 子供体型の人が使いやすいよう設計された机に整然と並べられた、栄養バランスのとれた料理。これらは全て、アスクレピオス様が手ずからお作りになったものだ。

 曰く、『お前ガリガリだから取り敢えず肥えさせるぞ』。

 そして『僕の料理以外口にするなよ。栄養バランスが崩れるからな』。

 初対面でそんな暴言を公言された時はどうなるかと思ったけれど、いざ振る舞われるのがこれなのだから、なんとも言えない気分になる。

 実際、味はおいしい。食材もワンパターンではなく、旬のものをほどよく取り入れ、彩りも素晴らしく、しかし基本は外さないという、見事な手際だ。

 だから、余計に、困るのだけれど。

 

 「……うう。成長、したくないのに」

 

 これ以上胸が大きくなったら、女性らしい体つきになってしまったら、本格的に私は私の身体を直視できなくなる。

 それが嫌だったから、本拠(ホーム)にいた頃はわざと少食にしていたのに、ここ───『クスシヘビの診療所』で生活するようになってから、一変してしまった。

 いっぱい食べさせられて、見る見るうちに、変わってしまった。

 だって、()()()()()()()()

 以前までは、(あばら)が浮き出ていたから、まだゴツゴツしていたのに、もはやその面影はなくなってしまっている。おしりも、お(なか)も、頬もぷるぷるしていて、ぷにぷにしていて、これじゃあ本当に『女児』だ。

 アスクレピオス様は『骨格的にこれ以上胸が豊満になることはないから安心しろ。確実に貧乳だ』とおっしゃっていたから、それを信じているけれど。体つきが正常になるとアポロン様が喜ぶから、容認したけれど。

 不安なものは、不安だ。

 

 「なんなら、髪もさらさらにされたし……手触りいいし……うあうあう……」

 

 なるほどそのふわふわな髪はこうして維持してるんですね、なんて納得したくなかった。

 長髪の男性もいる、と無理やり自分を丸め込もうと努力しているけれど、やはり、キツイ。

 今、鏡を見てしまったら、どうなるのだろう。そんな不安に駆られてしまう。

 

 「……」

 

 そこまで思考が回って、ようやく気づいた。

 独り言が多い。

 

 「……緊張、してる、のかな」

 

 『遠征』への同行。

 見たことのない階層の探索。

 サポーターとしての同行だけれど、今までの探索とは危険度が違う。

 木偶の坊ばかりの上層の怪物とは比べ物にならない脅威が溢れかえっている。

 命の危険が、ある。

 

 

 『───体調はどう? 緊張してる?』

 

 

 不意に、脳裏に言葉がよみがえった。

 忘れるはずがない。

 初めての探索で、団長がかけてくださった言葉。

 あの時と同じように、自分はこくりと首肯する。

 ……ああ、けれど。

 あの日のことはよく覚えているから、次の言葉もわかってしまう。

 

 

 『───怖い?』

 

 

 怖いか。

 そう、あの人は私に問うたのだ。

 

 「……怖がるはずが、ありません」

 

 あの日には言えなかった言葉。

 けれど、心境はあの時と同じ。

 下級冒険者の私にとって、『中層』は死地だ。

 団長達、【ファミリア】の先達に守られなければ、いつ死んでもおかしくない場所。

 

 「怖がるはずが、ないのです」

 

 だって、ほら。

 私、()()()()()()()()()───。

 

 

 「フリュー」

 「───ッッ」

 

 心臓が跳ねた。

 アスクレピオス様がいた。

 彼は、眉間にしわを寄せたまま、けれど丁寧に視線を私に向けた。

 

 「全部、食べたんだな」

 「……ぁ」

 「偉いぞ。医者の言うことを聞く患者は好ましい」

 

 いつのまにか空になっていた食器に、呆然としてしまう。

 時計の針が随分と動いていたので、食べ始めてから軽く一時間は経っていたらしかった。

 私がぐずぐずしている間にアスクレピオス様は食器を洗面所に持っていってしまって、また足早に去っていった。

 ……よかった、と安堵を零す。

 アスクレピオス様はいい神様だから、あんな顔は、見られたくなかった。

 もちろん、アポロン様にも、タケミカヅチ様にも、ツクヨミ様にも、あんな顔は見られたくない。

 

 この身体に成り果てた私が、唯一笑える時、私はひどく親不孝なことを考えているのだから。

 

 

 

 「───ん」

 

 それを見かけたのは、全くの偶然だった。

 大通りにさえ人のいない深夜。

 窓から大通りを眺めていた時に、それは現れた。

 降りしきる雨の中を駆けていく、金の流星。

 どこかで見たことがあるような気がした。

 気がしたという程度だから、少なくとも同じファミリアの仲間ではなくて、きっと迷宮ですれ違った程度だと思う。

 そんな、全く関係がないといっても差し支えないような女の子のことが、気になった。

 深夜だ。雨の降る夜だ。

 それで、剣を携えて、バベルの方向に向かって───いいや直截に言おう、ダンジョンに向かっているのは、明らかに、常識的ではなかった。

 何より、彼女の姿を見た途端、胸が震えたのだ。

 逃してはならない、と。

 彼女の行く所に、お前の求めるものがあるぞ、そう、自分自身に告げられたように思えた。

 

 装備を身につけて、窓から身を乗り出す。玄関から抜け出そうという下手は打たない。なにせバレたら何をされるかわかったものではないのだ。

 ……一瞬。

 ほんの一瞬、変わり者の医神様に、何か言葉を遺すべきかを考えた。

 真に求めるモノがあったのなら、彼とは今生の別れになるから。

 けれど、そんな時間はないし、引き留められでもしたら事だと思った。

 この身体に成り果ててからこちら、これだけのために生きてきたのだから、絶対に邪魔されたくなかった。

 だから、私は、窓から飛び出した。

 

 

 

 

 




フリューガー・グッドフェロー
所属:アボロン・ファミリア
種族:小人族 職業:冒険者・占星術士
到達階層:12階層 武器:湾刀
所持金:1000ヴァリス(収入のほぼ全てを仕送りに費やしている)

States 文中記載につき割愛

魔法
【ディア・オーベイロン】
招来魔法(コール・マジック)
・対象は《縁》を結んだ妖精限定。
詠唱式
『パック』
悪戯妖精(グッドフェロー)悪戯妖精(グッドフェロー)、夜を彷徨う浮かれもの。妖精王に傅かしずく道化。夏の夜空に虚実を唄い、溺れる夢を囁いて】

【】

スキル
半端者(カイネウス・ヴェール)
・《耐久》に高域補正。
・水上歩行可能。
・《水上》条件時全アビリティ超域補正。
・受け入れる程に強化。

一意専心(コンセントレイト)
・超集中。
・行使判定の達成値は精神状態に依存。
・《器用》値によって基準値減少。
・連続発動困難。連続発動時、一定時間理性蒸発。

妖精虹石(グラムサイト)
魔眼保有者(カラットホルダー)
・発展アビリティ《魔眼》獲得。等級は《魔力》に依存。潜在値含む。現在ランク『I』
・《魔力》に成長補正。
・妖精・精霊と親しくなる。

武器
《無銘の湾刀》
・数打ちの名刀。
・7200ヴァリス。性能は高いが、〝湾刀〟という武器の扱いにくさから返品が相次ぎ、安価での購入となった。
・仕送りに多くの金銭を注ぎ込むべく、壊れないよう丁重に扱われた鉄の刃は、今なお購入時の斬れ味を保っている。

《革の帽子》
・名の通り、革の帽子。
・彼女が戦闘で負傷したことはなく、購入してからこちら無用の長物となっているが、彼女は探索の時には欠かさずこれを装備し、整備している。

《太陽のネックレス》
・太陽を模した装飾品。第二等級の逸品。
・炎熱防御、精神防御を備える。




 ◆◆◆


 
 本来、エディットキャラの『器の限界』は基準値からランダムに上下しますが、弄くられたフリューくんちゃんの限界はリリルカ未満です。魔力だけべらぼうに高いところまで含めて品種改良の結果です。ヴォエ(吐血)。
 オルフェは挫折を経て楽士になりました。その時の経験からアポロンへの好感度がかなり高いです。

 アポロンは、『フリューが花を咲かせる未来』を求めました。
 フリューが求めるものは、あまり捻ったものではありません。
 
 次回より、黒竜戦です。
 ここにたどり着くまでの僅かな時間で、フリューくんちゃんの闇がかなり深くなってました。なんで?
 また描写の都合上、RTAパートが少なくなってしまいそうです。ご容赦ください。
 誤字脱字などありましたらどうぞご一報くださいませ。

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