TSロリが逝くダンまちゲーRTA   作:原子番号16

2 / 22
前回より2000文字長く、変な用語を使っています。
雰囲気で楽しんでいただければ幸いです。

skp様から誤字報告をいただきました。ありがとうございます。


追記(1月28日)

原作15巻にツクヨミ姉貴出てた(呆然) 容姿も口調も出てた(絶望)
ほぼ初対面かつ慎重な付き合いを試みてる相手(フリューガーちゃん)に、『いかにも神様っぽい』ロールプレイを行っている、という後付けをさせていただきます。申し訳ナス!



mp.2『セットアッププロセス』

 ランダム性を考慮して柔軟に対応できるチャート作成を強いられるRTA、もう始まってる!

 前回、タケミカヅチさんちに引き取られたところから再開です。

 

 早速ですが、新規に習得した特記事項の説明を含め、今後の予定について、お話ししとうございます。

 

 まず、今回【重度の実験体】によって押し付けられたバッドステータスは、以下の通りです。

 

 ランクF【疾患:心的外傷(エルフ)】。

 ランクG【疾患:変貌への恐怖】。

 ランクF【背景:性転換】。

 ランクG【疾患:女体恐怖症】。

 

 【幸運】のおかげでHランク以下はなく、個数も最低の四つに抑えられてぼく満足、といったところですが、組み合わせが少々やっかいです。

 フリューガーくんの倍速社生活を背景に、前回お話しした心的外傷を除く三つを順に説明していきます。

 

 ひとつめ、【疾患:変貌への恐怖】。

 こいつはですね、自分の容貌が変化することへの強い嫌悪・恐怖になります。習得するシチュエーションとしては、『10歳になったら食料にされる村出身』という背景、『美貌の喪失による失恋』というイベントなどです。

 今回は、他者による強引な肉体改造が原因と思われます。

 しかし、デメリットはそう多くありません。重度のものではないので、自然な成長であれば体格の変化も許容できます。精々が髪型の固定、ピアスなどの肉体欠損への抵抗感、四肢を失った時に発狂不可避という程度です。

 ()()()()()()()()、そう重くはありません。

 

 二つめ、【性転換】。……そうです、フリューガーくん、開始早々女の子になっちまいました。たまげたなぁ。

 効果は文字通り、性転換! 性別が強制的に変更されます。終わり! マイナス事項の中で最も軽度とされるランクFなだけはあります。

 デメリットは、特にありません。強いて言えば、RTAにおいては、男性と女性は能力値の伸び方が多少異なりますので、細かな調整が必要になります。

 ()()()()()()()()、そう重くはありません。

 

 

 色々とひっかきまわしてくれたのは、お前だよ、【女体恐怖症】!!

 こいつの効果は『女体』───つまり()()()()()への恐怖・嫌悪! 女性らしい体つきをしたキャラクターの側にいるだけで正気度を減らしにくるヤベーやつです! ダンまちにおける『出会い』要素を真っ向からぶち壊す性質を讃えて贈られた二つ名は、『野獣先輩製造機』!!

 

 こんな動画をご覧になられている方々なら、もうお分かりでしょう。

 ───この事項を与えられた男性キャラクターは、女性への恐怖感を獲得するとともに、女性への性欲を喪失、そして多くの場合、同性愛に目覚めるのです!!

 

 うっそだろお前WWW……と思われた方もいらっしゃるでしょう。ですが、既にこのゲームを遊んだことのある方なら、こいつの恐ろしさをよくご存知かと思います。

 

 なぜならこいつは、ベルきゅん√において強大な敵として君臨しているからです。

 最も有名な場面は原作7巻のシナリオ。発情期のアマゾネス軍団に取っ捕まった場合、また春姫ちゃんの好感度が足りず妖怪ヒキガエルに犯された場合、ベルきゅんはこいつを発症します。その後の行動次第では回復することもありますが、最悪……まあ、はい。

 主な被害者はヴェルフ、対抗でベート、らしいです。

 

 

 以上の三点が合わさった結果、現在フリューガーくん改めフリューガーちゃんは、大変な危機に陥っています。

 

 【女体恐怖症】持ちが【性転換】した場合、どうなると思いますか?

 

 答えは、『自分が女性だと実感する度に正気が削られていく』です。

 

 そして、フリューガーちゃんは男性に戻ることも許されません。

 

 なぜなら、【変貌への恐怖】を持つキャラクターにとって、肉体の性別が変わるということは、最も忌避する物事に該当するからです。

 

 

 

 あ^~(苦痛)

 

 

 

 ……現状、フリューガーちゃんは意識のある間、常に正気をごりごり削られる状態にあります。

 本来、【極東の社】では、性根のまっすぐな孤児達やタケミカヅチ様を始めとする善良な神々との交流によって、正気度の回復、人間不信の軟化、失われたコミュニケーション力の補填を行えるのですが、今回は不可能です。

 女児と戯れても女神とお話ししても消耗します。

 何もせずにじっとしていても消耗します。

 

 このような状況に陥ってしまったため、フリューガーちゃんは()()()()()を過ごさなくてはならないんですね。

 

 

 ちょっと等速に戻しまして。

 

 今は真夜中ですね。フリューガーちゃんが、机の前で静止しています。

 何をやっているかわかりますか?

 ……これ、寝てるんです。

 

 彼女が机の前で気絶するように就寝しているのは、何かの物事に心底から専心することでしか、自身の精神を守れないからです。つまりは苦肉の策ですね。

 

 早朝から社の掃除、朝から晩まで竹刀を振り、夜には気絶するまで書物の写生を行う日々は、【女体恐怖症】による精神疲弊こそ防いでくれますが、単純に苦行です。それをさせている私が言うのもあれですが。

 

 いや、違うんですよ! 本当はもっとこう、幼少期の壮絶な体験によって影のあるショタっ子が、善良な社の人々との交流でかつての純真を取り戻し、やがて社の人々のために出稼ぎにイクゾー!! みたいな流れにするはずだったんですよ!

 こんな修羅ルートなんて望んじゃあいなかったんだ!

 

 タイムは早くなりそうですが(走者特有の邪心)。

 それにしたって、完走する前にメンタルブレイクで14送りにされちゃあたまらんです。

 

 もちろんコミュ力が底辺まで下がることを前提としたチャートではありますが、最低限、回復してもらわないと、特定のイベントで少々厄介なことになります。

 

 ───例えば、このようなイベントですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつものように写生を行っていた貴方は、ふと視線を外に向けた。

 星光満ちる夜。

 雲ひとつない空を見て、貴方はかつての日々を思い出す。

 

 日に日に減りゆく年上の子供。

 精神を病んでいく年下の子供。

 軋みをあげて改造されていく心身。

 記憶は奪われ、家族を奪われ、数度話しただけの友人がまだ生きているのか、失われたのか、そのような人物は存在しないのか、全てが曖昧。

 

 今日生存していることに喜びを見出せぬ地獄。

 だからこそ、貴方は星を見た。

 

 不変の光。

 何者にも侵されぬ天の輝きに、貴方は確かに救われたのだ。

 

 

「うむ、うむ。見とれるほどに美しい夜天じゃのう」

 

 

 ───貴方は跳ねるようにその場から飛び退き、竹刀を手に取った。

 声のした方へ視線を走らせれば、確かに、そこにいた。

 貴方の部屋に音もなく入り込んでいたのは、女神だ。

 その名は()()()()。月を司る神性。

 貴方の師である武神タケミカヅチが、よく話に挙げていたのを思い出す。

 

 

→【……】

 

消えろ。さもなくば斬る

 

 

 貴方は全身から敵意を滲ませ、彼女を威嚇した。

 それと同時に、自嘲する。

 貴方がツクヨミへと向ける敵意は、恐怖の裏返しであり、神の一柱であるツクヨミがそれを察せられぬとは考えがたい。

 つまる話、貴方は『アナタのことが恐ろしくて仕方がない』ということを言外に告げているに過ぎず、それを理解しながら、威嚇(恐怖)せずにはいられないのだ。

 

「ふふ。()い子じゃ。小鹿のように震えおって……思わず抱き締めてしまいそうじゃが、うむ、それには時期尚早じゃの。もっと好感度を上げねば素っ首叩き落とされかねん」

 

 からり、ころり、鈴を鳴らすように彼女は笑う。

 碧の髪をいじる指はか細く、一房(ひとふさ)を耳へとかける仕草は典雅(てんが)に過ぎる。

 世の男を容易く(とりこ)にせしめる風貌は、しかし貴方にとっては柔肌を粟立(あわだ)たせるものでしかない。

 

 一歩、ツクヨミが、貴方に近づいた。

 

 

───こっちに来るな!

 

→【ひッ……】

 

 

 貴方は竹刀を取り落とした。

 

「……ふむ、なるほど、なるほどのう。タケの言っていた通りか。安心せい。これ以上、私からは近づかんよ、愛い子。刀も槍も届かず、弓を取るには間近に過ぎる、この隔たりこそ我らの(しとね)じゃ」

 

 貴方はツクヨミの言葉に返答できない。

 心臓が暴れ、呼吸が乱れ、汗が吹き出る。

 相手の目的が見えず、こちらの立場は底辺となれば、貴方は全くの抵抗を許されない。

 

 いいや……許されて、いなかった。

 

「星、好きじゃろう?」

 

 貴方は瞠目する。

 

「私もじゃ。これでも月の女神じゃからのう。天上を見上げるだけで心が踊る。愛い子よ、私は近づかぬとも、近づかぬので言葉は許せ。孤児達は星に関心を持たぬ、日々を無邪気に過ごすのみ、無論それをこそ愛らしく思う私じゃが、いささか寂しくてのう」

 

 悩ましげに首をかしげ、ため息をひとつ。

 それが、貴方の関心を引き、心を動かすためだけの仕草であると、幼い貴方は気づけない。

 そうして、彼女は薄雲に隠された月のごとき微笑みを浮かべ、

 

「どうか、どうか。話し相手になっておくれ、愛い子よ」

 

「天文に関して私は凄いぞ? 愛い子よ、おまえの疑問に対し、私は常に満月の解答を返すであろう。

 あの光の名を知っているか? 彼らを纏めてなんと名付けられているか、思い至るか? 星辰に神秘を見出し、星々の運営に心を踊らせた経験は?」

 

「天文学の先人達が編み上げた星の秘跡(ひせき)、その全てをおまえに与えよう」

 

「愛しいおまえ、星を学ぶ気概はあるかえ?」

 

 

→【……】

 

 

 

「───うむ、今宵はここまでとしよう。明日の夜、よい返事を聞かせておくれ」

 

 ツクヨミが背を向ける。

 出会ったときから最後まで、ずっと艶やかであった女神が、貴方の視界から失せる。

 

 

→【───フリューガー】

 

 

 貴方は震える声でそう囁いた。

 

 

→【フリューガー・グッドフェロー。……愛い子は、いやだ】

 

 

 そうして、貴方は眠りに落ちた。

 緊張の糸が途切れた瞬間、さくっと眠気に屈したのだ。

 

 だから、貴方は気づかない。

 愛しい子の()()()()()()()に、月の女神がころころと微笑んでいたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ツクヨミ姉貴のロールプレイに助けられましたねクォレア……ツクヨミ姉貴ありがとナス!(心からの感謝)

 

 はい、今のは社の神の一柱、ツクヨミ姉貴と深い関係になるイベントです。

 フラグは『星が好きなこと』! 知性(INT)に関係なく声かけてきてくれるツクヨミ姉貴好きだよ(大胆な告白)。まあフリューガーちゃんの知性(INT)は高めですが、ともかく実験体にされてる間ずっと星を見てた甲斐がありました。

 しかし、成功してよかった。本当によかった。コミュニケーションぢからがかなり悲惨、かつ女神ということでフリューガーちゃんの言動がかなりアレでしたが、ツクヨミ姉貴が上手いことやってくれました。

 

 ここで、本ゲームの会話形式、関連してコミュニケーション力についてお話します。

 

 本ゲームは昨今流行りのVRゲームではないので、VRのように自由な会話はできません。

 キャラクターのコミュ力、性格、相手への好感度によって複数の選択肢が掲示され、それらから選ぶことで会話が進行します。

 無論、コミュ力が高ければ高いほどネームドキャラからの好感度を稼ぎやすいので、本ゲームにおいて重要視される能力値のひとつです。

 

 ちなみに、初期コミュ力最弱はエルフ、最強はぶっちぎりでヒューマンです。

 どのステータスも伸び難く、筋力にも敏捷にも体格にも優れない種族の武器こそは、即ち集団を作り規律をもって団結する力なり、ということで。

 エディットキャラ初心者にヒューマンが勧められている理由の一端ですね。みんなと仲良くなって一緒にイベントをこなしていきたい方、ヒューマン、おすすめです。

 エルフが最弱な理由はお察しの通りです。これはこれでツンデレプレイが捗るのでヨシ!!(現場猫)

 

 

 そんなツクヨミ姉貴との交流で得られるもの、それこそ私がこのRTAで実践させていただくチャートの根本です。

 

 即ち───【占星術師(アストロロジー)×幸運チャート】!

 

 フリューガーちゃんには、ツクヨミ先生の薫陶により、占星術師になってもらいます。

 

 

 このゲームには、【神の恩恵(ファルナ)】の能力値の他に、正気度、コミュ力を始めとする様々な能力値が設定されています。

 その中でもコミュ力に匹敵するほどに重要なのが、『職業レベル』!

 一般的なRPGにおける『剣士』『野伏』『盗人』のようなもので、例えば剣術を学べば剣士としてのレベルが、窃盗をしまくれば盗人としてのレベルが上がります。

 【恩恵】が『力量』なら、職業レベルは『技量』。

 この二つの違いを知り、両方を高い水準で備えることこそ、第二級冒険者到達の関門といったところでしょう。

 モンハンでいう、護石や装飾品を駆使していっちょ前にスキルを発現させられるようになった、みたいな感じです。

 

 そのうちのひとつである【占星術師】は、占いやナビゲートによる探索補助を得手としており、戦闘では自身への特殊な強化(バフ)を駆使して戦う職業です。

 バフの数値がその日の星辰によって増減する上に、魔術師職でありながら攻撃魔術を一切習得しないこともあって、不遇クラスと思われがちですが……

 

 ───ほならね? 自分でやっ(証明し)てみろって話でしょう? 

 

 私はそう言いたいですけどね(無敵構文)。

 

 私は特別ほならね理論信者という訳ではありませんが、このRTAを通して、占星術師の良さ(あじ)を知っていただければいいなあと思っています。

 

 そして、今回は幸運にも【重度の実験体】でランクAの資質【侍】を獲得できましたので、こちらも成長させていこうと思います。

 

 

 元々、【極東の社】を初期位置に()えたのは、善良な人々によるメンタルケアはもちろんのこと、タケミカヅチ様から教えをいただける点があまりにもアドすぎるからです。

 通常プレイでも、RTAでも、タケミカヅチ道場ほど効率よく技量を高められる拠点はそう多くありません。

 【恩恵】を受けとる前の『調整』として、彼の指導はとても的確です。

 また、【極東の社】で生活することで、操作キャラクターに『社のために金を稼ぐ』という、『明確な目的(グランドオーダー)』を付与することができます。

 

 有識者の方々の間で、オラリオスタートとオラリオ外スタートどっちがええねんという議論が白熱なさっている理由のひとつが、この『明確な目的(グランドオーダー)』の獲得の容易さになります。

 こいつは、ルート完遂よりは優先度が落ちますが、キャラクターにとっての『戦う理由』として機能します。

 

 ベルくんの『英雄願望/祖父との約束』。『憧憬一途/黄金の出会い』。『異端英雄/水精(ウィーネ)との誓い』。その他エトセトラであり、

 アイズの『消えぬ黒炎の剣姫』であり、

 リリの『白光』、

 ヴェルフの『鍛冶神への挑戦(はるかなたかみへ)』、などなど。

 

 そういった、己の行動方針というものを抱えることで、精神の保護や過重労働を始めとする様々なバフを得ることができます。

 強烈なものを挙げるなら、リリの『白光』でしょうか。彼女のそれは、精神汚染の完全遮断です。どれだけ格上の相手だろうが、神のこしらえた神酒を呑み干そうが、精神面を侵されることはありえないという、職業によっては噴飯ものの祝福になります。

 

 社のために金を稼ぐ、正式名称を『家族への献身』は最も取得しやすいグランドオーダーであり、効果は連続勤務時間の増加です。つまり連続で迷宮に潜れる期間が増えます。社畜かな?

 

 タケミカヅチ様から物理的な方面の指導をいただきつつ、他の女神様達から色々と教えてもらい、コミュ力を鍛え、同時にグランドオーダーも獲得できる。

 初期位置として【極東の社】が人気な理由は主にこんなところです。

 

 

 

 今後の予定ですが、ツクヨミ姉貴から占星術を学び、タケミカヅチ様から湾刀の術理を教わる日々を続け、13歳のタイミングでオラリオへ向かいます。

 それまでは特にイベントもなし、ひたすら倍速です。

 

 

 

 

 

 

 ……暇ですねぇ。

 

 

 

 

 

 こ ん な こ と も あ ろ う か と 。

 

 

 

 

 

 

 みなさまのためにぃ~。

 

 

 こんな動画をぉ~。

 

 

 ご用意~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……冗談です。上映会なんてやるわけないだろ! いい加減にしろ!

 

 今回は説明ばかりになってしまいましたが、次回からオラリオへinするのですいません許してください! なんでもしますから!

 それでは今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 




次回はフリューガーちゃんの一人称視点を予定しています。

作者自身、至らぬ点も多くあります。疑問点などありましたらぜひご一報ください。


思ってたよりフリューガーちゃんが悲惨な境遇になってしまって作者も困惑してます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。