TSロリが逝くダンまちゲーRTA   作:原子番号16

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初投稿なので初投稿です。


mp.13『遠征/新世界を目指して・承』

 

 金髪幼女と戯れるRTA、まだまだイクゾーッ!

 

 前回、くそ雑魚トカゲくんを成敗したところから始めていきます。

 ここからしばらく面白みのない映像が続きますので、この時間を使って、現在フリューくん達が何をしているのかを説明します。

 

 端的に言えば冒険者依頼(クエスト)です。

 

 内容は『人魚(マーメイド)強化種の討伐』。原作におけるベル君救出クエストに代表される固定クエストではなく、ランダムで出現するフリークエストです。

 難易度はけっこう高め。そもそもの戦場が『下層』なのと、相手が『魅了』持ちの人魚なので、パーティ編成をしくじると普通に返り討ちに遭います。さらに人魚には不利を悟るとすぐ逃走に転じるAIが組まれており、仕留めるには大規模な氷属性攻撃や、拘束技能が求められます。

 

 そんな面倒な冒険者依頼(クエスト)をなぜフリューくん達が受けているのか、そして実際クリア出来るのか。順番にお話しします。

 

 まず受注した理由ですが、アイズと公然とお付き合い(意味深)するための一手になります。発案者はもちろん【勇者(ブレイバー)】。

 フリューくんとアイズがパーティを組む際の問題が二つありまして、ひとつは『他派閥であること』、もうひとつが『アイズが最速記録保持者(レコードホルダー)であること』。この二つを解決しないと、大手ファミリアにして闇派閥(イヴィルス)対抗派閥筆頭である【ロキ・ファミリア】の最速記録保持者と関係を持つことは出来ません。

 基本的に派閥間の軋轢(あつれき)は深く、また本来の記録保持者であるフリューくんと公的な記録保持者のアイズが絡むのは危険である、という話ですね。

 それじゃあ一体どうするのか───を全て説明したりはしません。RTA的には全く無意味ですし、『【勇者】が何とかしてくれました』の一言で済んでしまうからです。

 なのでここでは、それぞれの問題をどう対処したのかだけ右枠に載せておきます。

 

 

 § §

 

 『他派閥であること』───派閥同士での付き合いは必要ない(フリューとアイズだけの個人的な関係)ので、公然とした『出会い』をさせ、周囲に認めさせて関係を育ませる。

 『最速記録問題』───ギルドと交渉し、フリューの冒険者歴をいじってなんとかする。

 

 § §

 

 

 そして、今回のクエストは、この二つの両方に関係しています。

 フリューくんとアイズは『黒竜戦』で出会いを果たしましたが、公的にはワイヴァーン殺しはアイズひとりの偉業、ということになっています。なので、それとは別の『公的な出会いの場』を用意する必要があるのですが、それがこのクエストです。一般冒険者視点で『フリューくんとアイズはこのクエストで出会ったのだ』と思わせたいんですね。

 また、この冒険者依頼はいわゆる強制任務(ミッション)ではないのですが、ミッションすれすれのものになっています。『下層』でのトラブルを解決できる人員は限られており、また緊急性も高く、暗黒期特有の人材不足も相まって、けっこうヤバいことになっていたのです。その解決のリターンとして、フリューくんの冒険者歴の改ざんを容認させた、という経緯になります。

 

 という訳で総勢四名の派閥混合パーティによる下層弾丸ツアーが始まったのです。

 人材不足には気を付けよう、という一例ですねクォレア……

 

 んまあ実際、このメンツなら人魚強化種は倒せます。

 フィンの存在は言わずもがな、ロリ組はLv.こそ物足りませんがそれを覆せる程度の一芸を備えていますし、何よりこちらには団長こと【悲恋の奏者(オルフェウス)】がいます。へまをしなければ勝てるでしょう。

 

 

 

 

 ……で~す~の~でぇ……(不吉な気配)

 

 

 

 わたくしここで一本、オリチャーを入れとうございます……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 自然な流れで野営(キャンプ)する運びとなった。

 モンスターが産まれないよう辺りの地形を破壊し、光源のコケを削る。途端に薄暗くなった広間は夜の森を彷彿とさせて、オラリオまでの道中、ひとり旅をしていた時期を思い出した。

 もちろん、その頃はオラリオ到達までの早さを重視していたし、資金もなかったので、テントを張ったり、調理の準備をしたりといった、野営らしい野営はこれが初めてだ。【勇者(ブレイバー)】とオルフェ団長が頑なに譲ろうとしなかった荷物───『気にしないでいいから経験値稼いできなさいほらほら』などと───それらのお陰なのだろう。

 ありがたいことだ、と素直に思う。

 

 「これを、こう持つ」

 「……えっと。……こう?」

 「うん。そうして、こうする」

 

 恐れ半分、好奇心半分といった様子のアイズの横で、火打石の動作を反復する。

 目の前にはいい感じに組まれた木材。火だねを投じることで、焚き火となる。

 やがて意を決したらしいアイズが、えいや、と手を動かして───

 

 「───わぁ」

 

 バチバチバチ。

 一瞬で燃え上がる木材。舞う火の粉。灯りに照らされた少女の相貌は純粋な驚きと、喜びに染まっていた。

 どうですか、という瞳。揺れる尻尾を幻視して、つい頬を緩ませてしまった。

 はたしてその火を頼りに簡単な調理をこなし、夕食の時間となった。

 

 「わ、おいしそうだな……」

 「あまり手の込んだものではありませんが」

 「いやいや、ありがたいよホントに」

 

 そう言って、オルフェさんはお椀を手に取った。

 干し肉と薬草(ハーブ)を適当に刻み、スープの素なる固形物と共に煮込んだだけの代物だ。そう喜ばれるモノではないと思うのだけれど、彼は「ありがたや~」としみじみ繰り返していた。

 ……いや、思えばこのスープはアイズも手伝ってくれたものなのだから、ありがたがられて然るべきなのかもしれない。

 実際、それを知ったとき、あの【勇者(ブレイバー)】が目を丸くしていたのだし。普通のようで、すごい代物なのだ。

 

 「んむんむ」

 「うん、おいしい」

 「我が王お手製スープですからねよく味わってくださいね皆々様。───あっもちろん美味でございます我が王ありがとうございますうんめえです」

 「ありがとうパック」

 「……ちょうどいいかな。食事の途中だけど、耳だけ貸してもらいたい」

 

 【勇者(ブレイバー)】の言葉に、和やかな雰囲気が僅かばかり引き締まった。

 

 「ひとまず、今日はお疲れ様。一日で24階層(ここ)まで来れるとは思ってなかった。いや、想定はしていたけど、最大値を引いたって感じかな。各々の努力の結果だと思う、臨時リーダーとして感謝を」

 「言うてもまあ、【勇者(ブレイバー)】の槍捌きと、戦闘を避ける判断力のお陰ですがね。もちろん、フリューくん達がずっと前衛で頑張ってくれたのも大きいけど」

 「……ありがとうございます」

 「恐縮です」

 「はは、謙虚だね。さて本題に移るけれど……」

 

 はたして、【勇者(ブレイバー)】は理路整然と今後の方針を語っていった。

 パーティの力量的に問題なさそうなので、予定通り下層へ進むこと。その際の行動。

 見張り番は【勇者(ブレイバー)】が単独で行うらしいこと。オルフェ団長が抗議を入れたけど、「徹夜は得意なんだ」と却下された。

 あとは食器の片づけとか水汲み係を決めたりとか、まあ特筆することのない内容が続いて───要するに、油断していた。

 取り返しのつかないミスである。

 

 「フリュー君はアイズと同じテントね」

 「はい」

 「あと寝袋も同じのを使ってね」

 「はい。……。……───はっ?」

 

 そういうことになった。

 

 

 

 

 「……」

 「……」

 

 そして、こうなっている。

 テントという密室にあって、逃げ場はどこにもなく。

 正座するおれの前に、アイズは横たわっている。

 なるほど、確かに寝袋は子供用にしては大き目で、アイズが入って余りある。

 余りあるとも。それは認める。事実だから。でも、でもね……

 

 「寝袋っていう道具は、ひとり用だと思うんだ」

 「うんって言った」

 「……」

 「……わたしと一緒は、いや?」

 「………………」

 

 だから、自分の問題でしかないのだ、これは。

 そもそも何故嫌がっているのか。アイズが望んでいるのだから、喜んでやるべきなのに。おれはアイズに求められたなら、なんだってやるのではなかったのか。

 自問を重ねて答えを探す。男女(いせい)への意識はあり得ず、誰かと寄り添って眠ることに嫌悪は感じない。

 それでも自分が、この状況から逃れたいと願っているのは……

 

 「……だめなんだ」

 

 ひどく、重い声だった。

 

 「うれしい。とってもうれしいんだ。でも、だめだ」

 「……」

 「もう、決めたんだ。アイズ……きみのために、おれは、おれの全部を使うんだって。そうしたいと思ったんだ。だから……」

 

 溺れているような気がした。

 鼓動は荒く、視界は狭い。

 僅かな酸素を代償に、己の心を吐き出した。

 

 「怖い。きみの光が惜しくなるのが。きみの隣にいられないのが、怖くなるのが怖いんだ」

 

 ───ああ。叶うなら、使い潰してほしいのだ。

 全て、全て、自分が『(じぶん)』でいられる内に、アイズのために、英雄という名の篝火にこの身を投じられたなら。

 

 「───よかった」

 

 アイズは、ほにゃりと笑った。

 動揺があった。何も出来ないまま、おれは寝袋に引きずり込まれた。

 一気に近くなった鼻先に、息を詰まらせているのを見逃さず、アイズの手が伸びる。

 細い身体に手が回り、ぎゅうっと抱き締められた。

 

 「もっと怖くなって」

 「……っ、アイズ……」

 「傍にいるよ」

 「……」

 「わたしのために、わたしと一緒にいてほしい」

 「……それは、もちろん」

 「……『迷宮の楽園(アンダーリゾート)』、きれいだったよね」

 「……うん」

 「いつか、もっと強くなって……ふたりで、行こう?」

 「……うん」

 「いっしょに……つよく……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「情けない」

 

 自責する。

 穏やかな寝息を邪魔しないよう、慎重に寝袋から這い出る。

 天使草(アルゼリカ)の香りには睡眠作用があり、悪夢を憂いた医神によって拵えられた香料は、上級冒険者にも作用する。

 諸々の準備は出来ている。

 彼女が起きないように発ち、起きるまでに戻るだけ。

 

 「……きみの隣にいたい」

 

 口の中で転がせば、滑稽なほど、高揚した。

 

 テントを出る。

 彼は───【勇者(ブレイバー)】フィン・ディムナは、まるでこうなることがわかっていたような顔をして、槍を手に取った。

 

 「やあ。眠れないのかな? 僕でよければ、就寝前の雑談に付き合うけれど?」

 「邪魔だてしますか、【勇者(ブレイバー)】」

 「目的次第かな。闇雲に力を求めてるなら、眠ってもらう」

 「まさか」

 

 きっと、アイズには見せられない表情だった。

 

 「おれは弱い。……弱くなりました」

 「だろうね。君の戦い方(スタイル)の変化は、ちょっと露骨だ」

 「スキルが使えなくなった。あるいは弱体化した。新たに獲得したモノは、真の困難には生ぬるい」

 「それじゃあ、どうする?」

 「武器を作ります」

 

 にい、と。

 歴戦の小人族(パルゥム)は、()()()()笑顔を晒した。

 

 「いこうか」

 「いこう」

 

 そういうことになった。

 

 

 

 

 

 







悪戯「我が王の悪い顔……! 激レアですよ!」
団長「うちの子に悪いこと教えんといてください【勇者】……」
悪戯「あっ私も行きますんでお留守番お願いしますね」
団長「任された。……クソ、耳が良すぎるのもアレだよなぁ」



 団長はアイズとのやり取り含めて全て聞いてます。迫真地獄耳。
 人魚戦で活躍させるぶん、苦労してもらおうねぇ(邪悪)

 フリューとアイズの間にある問題はだいたい大人がなんとかしてくれています。なので言及もしません。許してください。

 迷宮弾丸ツアーですが、オルフェイアーによる探知とフィンの素早く的確な判断によって、限りなく戦闘を避けての行軍となりました。ロリ組は二人がかりでミノタウロス初見撃破とかして経験値がっぽり稼いでいますが、下層のモンスターを相手取るにはステイタスが足りないので、各々の神秘を発揮することになると思われます。

 スキルが弱くなったうんぬんですが、使えないのが【一意専心】、弱くなったのが【■■■】(カイネウス・ブレス)です。
 フリューの【一意専心】は、死にたいけど死ぬわけにはいかない、という精神状態だった彼/彼女が『限りない集中によって、自己の存在を世界から消滅させる』という、いわば無我の境地へのアプローチの経験値(エクセリア)から生まれたものです。なので、四六時中「自分は男だ」と意識し続けないと壊れるようになったフリューには、このスキルは使えません。
 それによって攻撃の際の達成値(いりょく)が低下したので、まともな戦い方を捨て、【星天旅路】を活かした暗殺スタイルをしているのです。

 上記の内容は、次回のお話で改めて解説いたします。


一般小人族「力も耐久もないよぅ……無理だよぅ……」
小人族英雄「そうだね」
銀髪小人族「武器で補うわ」
小人族英雄「(満面の笑み)」



 誤字脱字、ご指摘などありましたらぜひご一報いただければ幸いです。お願い申し上げます。

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