砂漠の姫君   作:由峰

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捏造です。出鱈目です。
それでも良ければ幼女の無双を見てやって下さい。


海賊王時代
一話 何時か何処かであった話


 少女は気づけば其処にいた。

 何処とも知れぬ街の中。ひとりぽつんと佇んで、建物同士の隙間から空を見上げていた。お世辞でも衛生的によろしいとは云えない裏路地。少女の周囲には其処へ相応しい身なりな者らが溢れていた。

 

「汚い」

 

 顔を顰めて呟く少女は周囲へ向け、同時に似かよった襤褸を纏う己へ云った。垢と泥に塗れた小さな手で、忌々し気に被った布を弄ぶ。揺れる度に微かな異臭が漂う。

 

「臭い」

 

 もはや慣れた己自身ですら臭いと感じる異臭は、裏路地の向こうを歩く恵まれた人間にはどう思われるであろう──そんなことは考えるまでもない。身を以て経験しているのだ。

 それは夏の猛暑日であった。乾き飢えた少女がせめて飲み水をと欲し、裏路地から姿を見せた瞬間である。道行く全員が顔を顰めて石や塵を投げつけてきたのだ。罵声をこれでもかと喰らい「水が欲しいならくれてやる」と、汚水を頭から浴びせられて裏路地へと蹴り戻された時の感情は筆舌に尽くし難い。

 

「痛かった……苦しかった……水が欲しかっただけなのに」

 

 死に目にあった少女は這々の体で寝床──小さなゴミ箱の中──へと戻り、数日は身動きが取れずに地獄を見た。雨水も底を尽いた状況。少女は仕方無しに己の排泄物で乾きを紛らわせ、それでも足りずに泥水を啜って生き存えた。

 

「乾く……喉が、乾いたよぅ」

 

 十にも満たない少女の言葉は誰にも届かない。

 

 

 

 

 数年後。

 少女はゴミ溜めで生き存えていた。成長期に一切の栄養が摂取できず、その身体に成長の兆しは見受けられない。おそらく十代前半か中頃の少女は身長を一三〇センチ程で止めていた。

 生活に変化はない。

 ゴミを漁り、雨水を啜り、何とか生きてゆく。

 状況を打破しようと行動してもチカラの前には呆気無く終わってしまう。

 それを理解した少女はチカラを求めた。

 

「チカラ……武器……だめ……もっと強い────」

 

────悪魔の実

 

 少女はいつか耳にしたチカラの象徴とも云える存在を思い出す。

 曰くどんな攻撃も効かない身体になれる。

 曰く世界を滅ぼすチカラが手に入る。

 曰く、曰く、曰く────最強のチカラ。

 海で名を挙げている海賊は大半が悪魔の実の能力者であると、少女は何処かで聞いていた。時折り捨てられている新聞の写真で、摩訶不思議な光景を目にしたこともある。

 

────文字を読めればさらに情報が入るかも知れない

 

 少女はそこから独学で勉強を開始した。

 街の様子を影から覗き見て、店の看板や商品の札に書かれた文字と知っている単語を照らし合わせる。拾った新聞はすべて保管し、僅かな食料と引き換えに文字を読める人間へ教えも請う。幸いにして少女は頭の出来が良かったらしく、半年も経てば読み書きを完全に修得できた。

 新聞を読めるようになった少女は次に、さらなる情報を求めて遍く情報媒体の収集へと入る。絵本に始まり捨てられた雑誌、ゴミに出された小説や情報誌。果ては夜中に本屋へ踏み入り入手した学術書など。到底こどもが読まないであろう類の本を、片端から読み込み頭に叩き込んだ。

 残念ながら少女の求める悪魔の実に関しては、一切情報は入らなかったがしかし。得たものは非常に大きい。少女は決して誰にも奪われない財産を得たのだ。

 その中でも一級品と云える知識。

 

「覇気…………修得できるかな」

 

 何処かの海賊か海兵が綴ったと思われる手記。

 そこに書かれた情報は、チカラを欲する少女にとって金銀財宝もかくやなものであった。

 

 

 

 

 少女が覇気の修得に励み数年。

 背丈こそ一向に変わらないが、生活へは変化があった。

 一つ目は住処。

 ゴミ箱暮らしから一転。大層な廃屋の一室に居を構えた。その部屋は廃墟と思えない程に整えられ、天井からは豪勢なシャンデリアが吊るされている。ベッドが天蓋にソファーはもちろん革張りで、立派な書棚は居室を会議室然と仕立てていた。当然これらは全て少女の物だ。

 二つ目は立場。

 路地裏のか弱き幼子から転身。覇気を会得し小さき覇者へと成り上がった。今現在は扱いやすい武装色を主体とした結果、荒事の際に黒く染まる身体と獰猛な爬虫綱がごとき瞳からワニを連想され──クロコダイルと呼ばれ畏れられている。

 三つ目は食生活。

 今や街の荒くれ者共を纏める少女は一組織が首領にあった。勝手に増えた部下と名乗る者や自称幹部らが、次から次へと献上品を持ってやって来る。その多くは酒に宝石や薬なのだが、少女は未だ幼く「興味ない」と伝えた結果。少女の元へ届く物品は食料へ偏った。他は自称部下たちがすべて管理している。

 かつての生活からは考えられない身の上だが、しかし少女は納得しない。

 

「チカラが正しいことは証明された……けど足りない。私の乾きはまだ……」

 

 少女が欲したのは悪魔の実。絶対のチカラなのだ。

 

 

 

 

 組織というチカラを得てすでに四年。

 少女はすでに少女と呼べない年齢であるはずが、その身体は一向に成長をみせないでいた。少女自身も己の身長には見切りをつける始末だ。もっとも大事な成長時期の栄養失調ならびに不摂生。もはや伸びしろはないであろう。

 対して組織は成長を続け、今や島の全土に及んだ。

 裏界隈を仕切っているのは間違いなく少女──クロであった。

 この名はクロコダイルから取った少女の名である。いつまでも組織の首領が名無しでは締まらない──そう云ってきた部下の言葉に、しかし通り名のクロコダイルでは厳ついとした結果であった。

 

「クロ様……」

 

 クロはいつも自室で読書へ耽っている。

 荒事があれば出向き、それ以外は外出せずに部屋でひたすら知識を収集していた。組織の者らもそれは十々承知であり、ゆえにクロの読書中は緊急時以外で声を掛けない。

 

「どうした……の」

 

 つまりは緊急時であるらしいと、読みかけの本を閉じたクロは見た。

 扉を開け、ゆっくりと倒れ込む男は側近を自称していた荒くれ者。腕自慢であり、云うだけあってクロを除けば一二を争う強者であった。その男が、全身を傷だらけにして倒れ込んだ。絨毯が夥しい血で染まり、背中に刺さって覗く幾本の槍が男を絶命へ導いたことは明白であった。

 

「なに────っ!?」

 

 混乱。次いで慌てて見聞色の覇気を使えば、街の惨状にようやっとクロは気付く。

 

「海賊の襲撃ッ!? どうしてッ!? クソッタレッ!」

 

 街は港の付近からすでに壊滅的被害を被っていた。

 クロは読書の時、当然だが見聞色の覇気など使わない。静寂を必要とする読書の場で、誰が好き好んで四方八方の音を拾うというのであろう。

 クロは駆けた。別段に仲間意識がある訳でなく、ただ手足が必要なのだ。クロの目的は唯一つ。この組織で悪魔の実を手にすることであった。今もしも組織力を失えば、クロが目的は一段と遠のいてしまう。

 

(クソがァッどこの海賊よッ!? こんな辺鄙な島国にッ!)

 

 クロの住まう街は偉大なる航路(グランドライン)に在って海賊が寄り付かない。島と島が引き合う磁気によって旅する偉大なる航路で、その島は他の島と離れすぎていて記録指針(ログポース)が磁気を捉えない離れ小島なのである。つまり街へ至るためには永遠指針(エターナルポース)、或いはビブルカードなどを頼る他にない。可能性としてはもう一つ。迷子で運良くたどり着くといったものもあるが、偉大なる航路をゆく船乗りはまずやらないであろう。

 

(クソがックソがックソがッァァァアッ)

 

 クロが怒りのあまりに垂れ流す覇気で、道中に多くの失神者を出すこと数分。ようやく辿り着いた戦場では、すでに趨勢が決していた。

 

「あん? おーおーすげー覇気だこって嬢ちゃん……お前さんがクロコダイルだな?」

「テメェ……やりやがったなァ……」

 

 生者は海賊。死者はそれ以外の全員。

 クロの街は完全に落ちていた。

 

 

 

 

「ハハハッおいおいすげーな嬢ちゃん、前半(ここ)で武装に見聞に覇王。加えて六式たぁ……どうだい? 俺ん所にこねえか? めっちゃ可愛いし歓迎するぜ」

 

 クロが襲撃者たる海賊男──船長と戦闘を始めてから十分。戦況はクロの劣勢であった。見聞色でいくら読んでも躱される攻撃。武装色で防いだ一撃は重く、体重差も相俟って幾度となく飛ばされる。辛うじて六式の行使で接戦を演じてはいるがしかして決め手に欠けていた。クロは苦虫を噛み潰す。相手は紛れもなく、街のゴロツキ共とは格が違う本物であった。

 

「おっとっとー……いやーほんとに強えーな」

 

 クロの六式が指銃を容易く捌き、本命の嵐脚を戯けて躱す男は続けた。その飄々とした態度にクロの額では血管が浮き彫りとなってゆく。

 

「いや、こえーよ……美少女が台無しだぜ? それよりど────」

「────なんで此処を襲った」

 

 埒が明かないとしたクロは単刀直入、男の言葉へ割って入る。放置すれば間違いなく減らず口を叩き続けるであろう男は、吐き掛けの言葉を飲み込み素直に──()()()()()()()()()()を口にした。

 

「そりゃお前さん、悪魔の実の他に理由があるかい?」

「──────なに」

「だぁから悪魔の実だよ。あ、く、ま、の、み! 此処にあんのは知れてるぜえ? それもびっくり自然系(ロギア)ときた! 奪わん理由がねえだろ? なあおいお前らあ!?」

 

 船長の煽りで睨み合うふたりを囲った海賊たちが盛り上がるが、クロはそれどころではない。

 

(悪魔の実? 此処に……この街に? それも自然系(ロギア)だと……)

 

 聡明にして高い知能指数を誇るクロの頭脳は、瞬く間に状況と情報を整理して一つの可能性へ辿り着く。即ち組織の裏切り。

 

(幹部辺りの誰かが悪魔の実を手にした……それを報告せずに……喰った……か?)

 

 否、クロの頭脳はその答えを否定した。

 もしも喰らいチカラを得れば、その誰かは確実にクロを殺しに来たはずだ。それ程までにクロの座る玉座は価値がある。何もしなくても富と情報が流れ込むよう造ったのだ。首領に取って代わるだけで一生を遊んで暮らせるであろう。

 

(此処の馬鹿共は外に夢をみない……チカラが、それも自然系のチカラが手に入ったなら……調子付いて確実に目の前の餌へ、お山の大将の座に就きたがる……ならば────)

 

 答えは決まっていた。

 

(────闇のルートで売り捌く。つまり物は……悪魔の実は……自然系は)

 

「クハッ…………」

 

 思わず込み上げた笑いを、クロは必死に抑えようと努力するが────。

 

「クハックハハ……クハハハハハッ」

『────────』

 

 覇気が、覇王の威が、覇王の歓喜が街で爆ぜた。

 空気が叫び、周囲の建物は軋みを上げて悲鳴する。海賊の半数はクロが威で意識を絶たれ、残った者も突然の変貌ぶりと圧によって蹈鞴を踏んだ。

 

「感謝するよ。ほんとうに感謝する。海賊共────」

「ッ! お前らソイツ止め────」

「────剃」

 

 船長だけはクロの心境に察しがついた。

 何をしようとしているのか、何のための感謝が言葉であったのか。気付いて、そして止め損なった。

 

「あーあーまじかよ……しくったぁ知らなかったのかよ嬢ちゃん……俺も剃できたらなぁ」

 

 船長たる男はクロの去った方角を見て深く深く溜息を吐いた。

 

 

 

 

 はやる気持ちを抑え込みつつも全力全開の速力でクロが向かう先は宝物庫。組織で手にしたあらゆる物品が収納される其処を、さらに先へ進めばそれはあった。組織の全財産を隠してある秘中の秘──金蔵。構成員の中でも幹部を自称する者だけが知る其処は、当然だがクロは知っていた。

 

「なッ!? クロ様がな────」

「邪魔だ退け」

 

 容赦はない。

 組織が壊滅へ追い込まれている状況で、戦場に出ない者が裏切り者である。お誂え向きに裏切り者らしき者たちは、ご丁寧な宝箱を複数個抱え込んでいた。そのうちの一つはとても小さな物である。到底、金銀財宝を入れるには不向きな大きさだ。クロの瞳孔が縦割れた瞳に歓喜が宿る。

 

「それだな」

「ひっ!? たす────」

 

 小さな、それでいて最も価値在る宝箱を抱えた男の頭が飛んだ。吹き出す飛沫を意にもせず、クロはそっと優しい手つきでそれを抱く。軽い、とても軽い箱であった。

 

「アァッ…………ようやく」

 

 恐る恐る開いた中身にクロは感涙した。

 見たこともない珍妙な模様。伝え聞いた通りのおどろおどろしい果実が其処にはあった。

 

「これが…………オイッ」

「ひぃぃぃい!?」

 

 感動もそこそこにクロは生き残っている者へ問う。

 すわ何の実であるか。

 売ろうとした物品で中身を知らねばそれは阿呆だ。よもやそこまで間抜けではあるまいと、睨みを利かせて問えば返る極上の返答。

 

「スナスナの実…………クハハ、そうか砂か」

 

 自然系の砂を操るチカラ。

 砂と成り、砂に化し、遍く全てを乾かすチカラ。

 正しくクロの求める最強のチカラが一つであった。

 

「そこで見ていろ。ああ、逃げるなよ?」

 

 生きた者に使わねば実感が湧かない────出かけた言葉を飲み込んで、クロはゆっくりと悪魔の果実を口にした。

 

 

 

 

「なに海賊。まだ居たの」

 

 襲撃から数時間後。陽は直に沈む時分。

 燃え盛る戦火が落ち着きを見せ始めた頃になって、港へ停泊する海賊たちの元へクロは現れた。身の丈に合わないはずのロングコートが厭に様となっている。

 

「嬢ちゃんを待ってたんだ────よッ!」

 

 一閃。

 船長は躊躇なく腰に差したサーベルでクロの首を刎ねた。

 先までは激闘を繰り広げていたはずのクロは、当然に回避も出来たがしない。する必要がなかった。覇気の込められない一撃など、もはやなんら脅威足り得ないのだ。

 血の代わりにサラサラと舞い散る砂が、沈みゆく陽光を反射して幻想的な光景を描き出す。それを見届けた海賊一同は、皆が船長を指差して笑う。曰く、少女に奪われてやがると。

 

「カァァ-チキショウーめッ! しっかりと手にしてやがらあな」

「当然よ」

 

 首元から徐々に生えた口だけで獰猛に笑うクロ。一種の狂気的光景を前にして、誰もがそれを当然と受け入れていた。偉大なる航路では割と常識的光景なのだ。驚きは少ない。美少女ゆえに絵面が少々悲惨なだけである。

 

「それで殺るの?」

 

 完全に頭部が復活したクロは意気揚々と覇気を纏う。

 数時間前は接戦であった相手に、果たしてどれほど圧勝できるか──今のクロには試したいことが多いのだ。

 

「あー殺んねーから抑えてくれ」

「見逃せって? 街をこんなにした相手よ?」

「嬢ちゃんはそんなもん気にする玉じゃね-だろ」

 

 わざとらしく肩をすくめた船長は、降参だとばかりに両手を上げた。

 しばし見つめ合い、クロは鼻で嗤う。

 

「今は機嫌がいいから見逃してあげる」

「そら良かった。んじゃあミス・クロコダイル? ご機嫌ついでに船は如何かな? 俺と一緒に海を行こう! エスコートは任せてくれ」

 

 船長は自らの船へ指差した後に仰々しく礼をする。羽織ったコートをキザったらしくはためかせ、片手を差し出す姿は容姿も相まって貴族のようだ。

 

「あ? 図に乗ってんじゃねえぞ雑魚海賊」

 

 瞬間。

 殺意が猛威を振りかざす。控えていた船員は次々と倒れ伏し、真正面で受け止めた船長は背筋に怖気が走った。

 

(おいおいおいマジカよなんだこりゃ!? 悪魔の実を食うと覇気まで強化されんのか!? んな話聞いたことねーって!)

 

 港は軋み海が波立つ。遠くで羽ばたく鳥たちは海へと沈み、崩れかけた建物は耐えきれずに全壊する。今この瞬間、クロは覇王として完全な覚醒を果たしていた。

 

「この私がテメェみてえな雑魚になんで従わねえとなんねえんだ?」

「待て待て待て!? 悪かった! いいえ悪かったです! はい! 俺が悪かったです! 言い方を間違えました! どうかこの俺と船をエスコートしてください! 船長お譲りします!」

 

 恥も外聞もなく船長は平伏する。

 クロは左手に砂を渦巻かせ、右手には良からぬ気配を纏っていた。右手で触れられればその瞬間──船長は己の死を幻視する。これは駄目だ勝てないと、目の前の少女が少女の皮を被った化け物であると認識した。

 

「…………いいだろう。使ってやる」

 

 クロは数瞬考え、海賊となる道筋の先を見通す。

 この先で必要なのは、結局の所がチカラである。何処まで行こうと弱肉強食の世界では、チカラこそが正義なのだ。チカラが有れば手に入る安全。豊かな暮らし。チカラが無ければ降りかかる脅威。死と隣り合わせの生活。それら全てをクロは────クロコダイルはこの街で経験した。

 

(もう二度と地べたを這いつくばってなんてやらない)

 

 背後を振り返るクロの目には憎悪と憤怒と恐れが宿る。

 掃き溜めで産まれ落ち、ゴミを喰らって生き延びた街。それと同時にクロへチカラを与えた街。其処は良くも悪くもクロにとってのはじまりの街で────だから。

 

浸食輪廻(グラウンド・デス)ッ!」

 

 クロは全霊の覇王色が込められた右手を大地へと叩きつけた。

 瞬間。

 クロを起点として扇状に砂が広がる。否、全てが砂と化してゆく。それは瞬く間に広がり十数秒という僅かな時間で以てして惨劇を造り出した。

 

「────なんだそりゃあ」

 

 船長の眼前に在った街は消え、それどころか砂以外の一切が見当たらない。

 島はたったひとりの少女によって、不毛な大地へと造り変えられていた。

 

「呆けてないでさっさと行くわよ」

 

 クロは背を向け歩き出す。

 これでこの世に彼女が弱者で在ったことを知る者はいなくなった。過去は朽ち、此処から新たな未来が幕を上げるのだ。

 

「やるべきことは多くあるわよ? クハハッ」













色々とやらかした自覚はあります。
ツッコミどころも自覚してます。
でも書きたかった。ごめんなさい。

あと絶対指摘が来るであろう口調はわざとだヨ。
育ちが最悪でホントは口悪いけど、頑張って女の子してるクロちゃん。でもキレやすくってすぐ地が出ちゃう、だって女の子だもん。そんな感じで許してあげてください。

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