バカと歪んだ世界と変革者   作:キムキム

1 / 4
ガンダムの中で一番ダブルオーが好きなので書いて見ちゃいました。原作と違うので、そこら編はご了承ください。
それでは、本編どうぞ!


プロローグ

 

 

 

『この戦いは、神の御前に捧げられる聖戦である』

 

どこからかそんな声が聞こえてきた。

 

『不信仰者共に屈服してはならない』

 

赤い夕焼けと、炎が街を包んで行く。

 

『死を恐れるな』

 

ズーン、ズーンと地響きを鳴らしながら、鉄の巨兵がやってくる。銃声と共に仲間の悲鳴が聞こえてきた。

 

『我々は戦いで死す事によって神の御許へと導かれるだろう』

 

崩れた建物。瓦礫。仲間の死体を避けながら、壁に身を潜めていた。さっきから、あの言葉をずっと聞いてきた。何十回、何百回も。それを信じて生きてきた。……………だが、

 

 

「……この世界に、神なんていない」

 

いつも、この答えにたどり着く。みんなは神を信じ、この戦いを聖戦だと思っていた。だが、もし神がいるなら、何故この戦いを終わらせないのだろう。何故、人を殺すのだろうか。生きればいいのに。楽しいはずなのに………

 

 

ズズーンッ

 

「ッ‼︎」

 

鉄の巨兵が、僕に気がついた。赤い一つ目をギョロリと動かし、左手の砲台を僕に向けた。死ぬ。身体が怯えて動かない。隠れてもあの砲撃の前には無力だ。

 

ガチャンッ

 

「くッ‼︎」

 

狙われた。もう助からない!そう思っていたその時、

 

 

ズキューン

 

空から赤い光が降ってきた。真っ直ぐに伸びた光は、巨兵の身体を串刺しにした。そして、ドドーンという凄まじい爆発音と共に、巨兵は粉々になった。

 

「⁉︎」

 

爆風が弱まってから、辺りを見回すと、同じように巨兵が串刺しにされて行く。

 

「ッ⁉︎」

 

慌てて上を向くと、そこには……………

 

 

 

パアアアァァァ

 

 

 

 

 

 

……緑色に輝く翼を持った白き巨人がいた。さっきの巨兵とは違い、茶色い身体ではなく、純白の身体だった。その時僕は……いや俺は神を見た。

 

 

 

 

 

ピピピッピピピッ

 

『作戦開始30分前です。各員。指定の位置についてください』

 

『了解。ロックオン・ストラトス。目標ポイントに向かう』

 

『了解。アレルヤ・ハプティズム。指定宙域に向かう』

 

『了解。ティエリア・アーデ。指定宙域に向かう』

 

『刹那、聞こえてる?返事をしなさい。刹那?』

 

「了解。刹那・F・セイエイ。これより、ファーストフェイズ開始のため発進する」

 

『了解。クリス、フェルト。発進準備をお願いね』

 

『『了解』』

 

ピピッ

 

「……夢か」

 

いつの間にか寝てしまっていたようだ。あれから、月日がだいぶ経った。昔の事が嘘の様な事に思えてくる。あの、生きるために戦っていた日々が。今はこうして……

 

『発進準備完了。リニアボルテージ730を突破。射出タイミングを刹那・F・セイエイに譲渡します』

 

「了解。ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。出るッ!」

 

……自分がガンダムに乗っているのだから。

 

レバーを押し、加速しながら出る。ここから変革が始まる。俺とガンダムによって。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーユニオン領・日本・フミヅキー

 

明久 SIDE

穏やかな晴れの日。心地よい風が吹く頃。僕らは……

 

ドドドッ

 

「待て貴様らぁッ‼︎」

 

「急げ明久!このままだと捕まっちまうぞ!」

 

「くそぉ!全然、引き剥がせない!」

 

「貴様らぁッ!今なら補習付きで許してやるぞ!」

 

「それ、余計に増えてます!」

 

「うわッ!スピード上げてきやがった!」

 

「鉄拳アタック‼︎」

 

「「ぎゃああぁ!嫌だ〜!」」

 

……隣にいるバカ…もとい坂本 雄二と共に、誤って女子更衣室に入ってしまったせいで、鬼の鉄村大尉(本当は西村)の鉄拳を今日も食らっている。3年前僕らがユニオン軍文月駐屯基地に配属されてから、こんな日が毎日続いている。

 

「まったく、あいつら懲りないわね」

 

「そうですね。美波ちゃん。そういえば、木下君と土屋君は一昨日からいませんね?」

 

「瑞希。あの二人はAEUの新型モビルスーツの発表を見に行ったグラハム・エーカー中尉の護衛に行ったわよ」

 

「そうでしたね。そういえば、霧島さんもいませんね?」

 

「霧島さんならそこにいるわよ」(スッ)

 

「……雄二。妻に隠し事をするなんて許さない」

 

「待て翔子!これには深いわけが…」

 

「……言い訳は聞きたくない」(バチバチッ)

 

「ぎゃああぁ!」

 

「吉井!貴様にはキン○クバスターを体に染み込ませてやろう!」

 

「鉄人!そんなことしたら僕の体に関節が増えちゃう‼︎」

 

それで生きていたら不思議だよ!

 

「大丈夫だ。コックピットが押しつぶされた時、生存率がだいぶ上がるからな。その訓練だと思えば問題ない」

 

「その前に今食らったら死んじゃう!」

 

「そーれ!」(バキバキッ)

 

「うんぎゃあー!」

 

「少しは学習しなさいよ」

 

美波が呆れながら僕に言ってくる。違うんです。雄二が霧島さんから逃げるために通りすがった僕を道連れにして女子更衣室に逃げたせいなんです。

 

「さあ、楽しい楽しい補習タイムだ。二人ともまずは腕立て150回だ。ほら、さっさとしろ!」

 

鉄人に押されながら無理やり腕立て伏せをする。くそ!いつか見返してやる!

 

「ん?」

 

「明久、ちゃんとやれよ」

 

「わかってるよ」

 

何か、普通のとは違う変わったものを感じたんだけど…

 

「気のせいか」

 

「貴様ら!ちゃんとしろ」

 

「「サーイエッサー!」」

 

 

 

 

 

 

 

2037年。人類は太陽光発電システムを手に入れた。しかし地球上では3つの超大国群とそれ以外の第三国に分かれ己の威信と繁栄の為に大いなるゼロサムゲームをし続けていた。

 

これは、その大国に生きる少年たちと、国家群に挑む紛争根絶を掲げる組織と、人類の変革の話

 

 




どうでしたか?
感想や、誤字脱字の報告などがあればよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。